判例検索β > 平成16年(ネ)第3752号
損害賠償請求事件
事件番号平成16(ネ)3752
事件名損害賠償請求事件
裁判年月日平成17年2月9日
法廷名東京高等裁判所
結果その他
判例集等巻・号・頁第58巻1号13頁
原審裁判所名東京地方裁判所
原審事件番号平成14(ワ)10752
判示事項最高裁判所が裁判官会議の議事録のうち意見表明や議論等の議事の過程が記載されている部分について法令に別段の定めがあるときは開示しない旨を定める最高裁判所の保有する司法行政文書の開示等に関する事務の取扱要綱の規定及び裁判官会議は公開しない旨を定める最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年最高裁判所規程1号)8条により上記部分を不開示とした措置に国家賠償法1条1項にいう違法があるとはいえないとされた事例
裁判要旨最高裁判所が裁判官会議の議事録のうち意見表明や議論等の議事の過程が記載されている部分について法令に別段の定めがあるときは開示しない旨を定める最高裁判所の保有する司法行政文書の開示等に関する事務の取扱要綱の規定及び裁判官会議は公開しない旨を定める最高裁判所裁判官会議規程(昭和22年最高裁判所規程1号)8条により上記部分を不開示とした措置は,同条が裁判官会議の非公開にとどまらず同会議の議事録のうち意見表明や議論等の議事の過程が記載されている部分及びこれを推知させる部分について公にしない趣旨をも含むものであって,国家賠償法1条1項にいう違法があるとはいえない。
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主文1
1審被告の控訴に基づき,原判決主文1項を取り消す。

2
上記取消しに係る部分の1審原告の請求を棄却する。

3
1審原告の控訴を棄却する。

4
訴訟費用は,1,2審とも1審原告の負担とする。
事実及び理由

第1
1
当事者の求める裁判
控訴の趣旨
(1)

1審原告


原判決中,1審原告敗訴部分を取り消す。


1審被告は,1審原告に対し,130万円及びこれに対する平成13年5月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え(原審認容分を含む。。



訴訟費用は,1,2審とも1審被告の負担とする。


仮執行宣言

(2)

1審被告
主文1,2,4項と同旨

2
控訴の趣旨に対する答弁
(1)

1審被告


主文3項と同旨


担保を条件とする仮執行免脱宣言(その執行開始時期を判決が1審被告に送達された後14日経過した時とする。


(2)

1審原告
1審被告の控訴を棄却する。

第2
1
事案の概要等
1審原告は,最高裁判所に対し,別紙1の「最高裁判所の保有する司法行政文書の開示等に関する事務の取扱要綱」
(以下「本件要綱」という。
)に基づ
き,
別紙2の1ないし4記載の各文書以下,

それぞれの文書を本件文書1」


「本件文書2」などという。
)の開示を申し出たところ,最高裁判所は,本件
文書1及び3について,本件要綱2(1)(法令に別段の定めがあるときは開示しない。
)及び最高裁判所裁判官会議規程(以下「本件規程」という。
)8条
(裁判官会議は,公開しない。
)の規定の趣旨により,意見表明や議論等,議
事の過程が記載されている部分を不開示とした(開示部分は別紙3及び4のとおり)ほか,本件文書2及び4は存在しないとしてこれを全部不開示とした。本件は,上記の不開示が違法であり,これにより精神的損害を被ったとして,1審原告が1審被告に対し,国家賠償法1条1項に基づいて損害賠償を求めている事案である。
原判決は,最高裁判所が本件文書2及び4につき不存在を理由として全部不開示としたことについては,これらの文書が存在したと認めるに足りる証拠はないなどとして,この点に係る1審原告の請求を退けたが,本件文書1及び3については,それぞれ不開示とされた部分はいずれも本件要綱が定める不開示事由に該当せず,一部不開示としたことは誤った判断であって,その判断の誤りは国家賠償法上違法となり,一部不開示の措置により1審原告は精神的苦痛を受けたものと認められるなどとして,1審原告の請求を6万円の限度で認容した。そこで,1審原告及び1審被告双方が控訴したものである。2
争いのない事実及び争点に関する当事者の主張は,次のとおり付け加えるほか,原判決「事実及び理由」中の「第2
実」及び「2

事案の概要」の「1

争いのない事

争点」各記載のとおりであり,証拠関係は,本件記録中の証拠

目録記載のとおりであるから,これらを引用する。
(1)

1審原告の補足的主張
本件文書2及び4について,現時点で廃棄され存在しないというのであれば,最高裁判所の行った行為は,我が国の歴史を封殺するがごとき態度である。昭和48年要領案(最高裁判所事務総局司法行政文書取扱要領「
(案)
」と題する文書,甲13)
,昭和49年審査室会議申合せ(新庁舎

移転に伴う司法行政事務に関する文書,資料,帳簿等の整理について」と題する文書,甲15)及び昭和53年要領案(最高裁判所事務総局司法「
行政文書取扱要領(案)
」と題する文書,甲16)の存在からすれば,最
高裁判所において司法行政文書の管理についての基準が存在しなかったはずはなく,本件文書2及び4について,これらを隠匿し又は十分な調査をせずに安易に「存在しない」との誤った判断をしているものである。そもそも,最高裁判所においては,昭和48年要領案を検討中に,昭和49年審査室会議申合せが策定されたのであるから,それ以後,少なくとも文書の廃棄の基準については上記昭和49年申合せに基づいた運用がされるべきであるし,
その余の司法行政文書の管理全般についての基準については,
平成13年要領(最高裁判所司法行政文書取扱要領について」と題する「
最高裁判所事務総長依命通達,甲10)の策定までは昭和48年要領案により,更に昭和53年要領案策定後は同要領案に従って,司法行政文書の管理がされなければならないものであって,このような作為義務は公文書館法3条及び国立公文書館法15条1項により一層高められていたものである。また,平成7年2月22日の最高裁判決(最高裁昭和62年(あ)1351号平成7年2月22日大法廷判決・刑集49巻2号1頁)まで,刑事免責を付与して得られた供述を録取した嘱託尋問調書の証拠能力が争われていたのであるから,これに関連する最高裁判所宣明書や本件文書2及び4は,当然ひとまとめにされていたはずであって,同事件の関係する場所についての調査も当然されるべきであった。
したがって,本件文書2及び4について,最高裁判所がこれらを秘匿し又は十分な調査をせずに「存在しない」との誤った判断をしたとは認めることができない旨判示した原判決には,審理すべき点を尽くしていない点において違法がある。

具体的な開示の基準などを定めた本件要綱の制定により,憲法21条が保障する知る権利が国民の具体的な権利として結実したと解すべきである。すなわち,本件要綱は,情報公開法の施行に伴い,裁判所が保有する司法行政文書について,請求権者の資格,公開される情報の範囲,公開手続,要件,救済方法等国民が現実に開示請求をする手続について定めた合理的な内容を有するものであり,最高裁判所自身をも強く拘束する規範性を持つものであって,本件要綱の制定,実施により,何人に対しても最高裁判所が保有する司法行政文書の開示を請求する権利が具体化して保障されたと解すべきである。仮に,本件要綱が知る権利を具体化したとまではいえないとしても,それは単なる「反射的,事実的利益」にすぎないものではなく,最高裁判所は,国民が本件要綱に基づいて司法行政文書の開示を求めることを理由なく妨げてはならないのは当然であり,このような権利,利益は十分に不法行為法上の保護に値するものである。
なお,本件要綱が内規であるとしても,最高裁判所が国民一般に,本件要綱にそった適切な情報公開制度の実施を約束している以上,条理上もその要綱を適切に解釈,
運用すべき職務上の法的義務を負うのは当然である。


会議の非公開が当然に会議録の非公開を意味するものではなく,
「裁判
官会議は,公開しない」とする本件規程8条が常に議事録ことに議事の過程を非公開とする趣旨を含むとする1審被告の主張は暴論というべきである。情報公開法の制定過程においては「事項的に意思決定前の情報をすべて不開示とすることは,政府がその諸活動を説明する責務を全うするとの観点からは,適当でない。そこで,本要綱案では,個別具体的に,開示することによって行政機関の適正な意思決定に支障を及ぼすおそれの有無及び程度を考慮して不開示とされる情報の範囲を画することとした。」とさ
れてきた(情報公開法制ー行政改革委員会の意見,甲41)が,司法権も行政権と同様にそのえん源が国民主権にある以上,国民主権の理念に基づく情報公開法に準じた本件要綱においても,その解釈において格別情報公開法と別異に解する理由はない。
しかも,
このことを裏付けるものとして,
最高裁判所自身が,個別的に,議事の過程が記載されている議事録の本文を開示した例がある(甲20,22,42)
。なお,前にされた意思決定
が後において先例とされるということは,他の国家機関内部でもあることであり,最高裁判所裁判官会議に特有のことではなく,最高裁判所裁判官会議の議事録だけが先例を理由として常に非公開とされなければならない理由はない。先例とされるべき意思決定がされた後にその議事の過程が公表されたとしても,各裁判官からの意見表明や議論が脅かされることはないし,先例とされることを見越して,意見表明や議論がい縮するということも考えられない。すなわち,先例として参照される意思決定の場合であっても,当該意思決定後に議事の過程が公表されたからといって,各裁判官の自由かっ達,率直な意見表明や議論が損なわれることにはならない。また,最高裁判所裁判官会議における意思決定の過程は,先例として参照されるものであるから,当該意思決定後においても,その秘密が保障されなければならないという意味で,一般に,重層的,連続的性質を有しているとの主張に対しても,上記批判がそのまま当てはまるものである。さらに,本件文書のうち,1審原告が開示を望むロッキード事件に関して審議がされた部分については,ロッキード事件をめぐる裁判がすべて終わったことにより現に行われている司法行政事務はもはや存在しないのであるから,当該裁判官会議が現に行われている司法行政上の決定の一部の構成要素であるともいえず,その裁判官会議の意思決定を前提として今後新たに次の意思決定が行われるという事情も全くない。したがって,1審原告が開示を求めた部分は,審議,検討等の過程が重層的,連続的な場合には該当しない。そして,現時点においては,ロッキード事件は国民一般にとって既に歴史上の事実といった認識の方が強くなっており,上記裁判官会議の議事録が公になっても,
国民の間に混乱を生じさせることはあり得ず,
また,同種の審議,検討が予定されている事情もないから,同種の審議,検討等に係る意思決定に不当な影響を与えるおそれがある場合ともいえない。
最高裁判所裁判官会議における議事の過程については,それを記録化した文書の非公開を直接明定する法令は存在しないのであって,そもそも公開しないことが予定されているわけではない。国民には知る権利が保障されているのであり,格別に秘密にしなければならない高度の正当な理由でもない限り,会議を公開することが予定されていないという一事をもってその議事録を非公開とする根拠とはならない。議事録の公開を求めることは知る権利の行使そのものとしてこれに応じるよう最高裁判所をき束しているのであり,最高裁判所に本件要綱の運用について広い裁量権が付与されているわけではない。

開示申出を受けた最高裁判所の職員は,開示を申し出た者に対して,不当に,当該文書に記載された情報に接し,これを摂取する同人の利益を妨げることのないように適切に本件要綱を解釈,運用すべき職務上の法的義務を負うものであるが,本件規程8条は議事録の非公開を含まないものと解すべきところ,最高裁判所の職員は,本件不開示措置を執ることが上記法的義務に反することを知りながら又は知り得たにもかかわらず本件不開示措置を執り,これによって1審原告の上記利益を侵害したものであるから,最高裁判所の職員に故意又は過失が認められることは明らかである。
(2)

1審被告の補足的主張
不開示事由の存否について
(ア)

本件要綱2(1)適合性
最高裁判所裁判官会議は,司法行政上の最高意思決定機関であり,その職責は極めて重大である。すなわち,その議事は,一般に司法行政上重要な事項及び政策にかかわるものであり,行政権や立法権からの独立を貫徹するためにも,その意思決定の過程には最大限の保護が与えられなければならない。このような最高裁判所裁判官会議が果たすべき重大な職責は,審議の過程において,各裁判官からの意見表明及び議論が,何らの制約も受けることなく,自由かっ達,率直に行われることによって初めて全うされるものである。そして,最高裁判所裁判官会議における意思決定の過程は,当該意思決定に係る案件のみならず,将来にわたって生起する同種,類似の事案に関する議事に当たっても,先例として参照されるものであるから,当該意思決定後においても,その秘密が保障されなければならない。
したがって,本件規程8条は,最高裁判所裁判官会議の議事録中の議事過程部分及びこれを推知させる部分について,これを公にしない趣旨を含むものであり,この趣旨は,本件要綱に基づく司法行政文書の開示手続が開始された以降も,何ら変更されていない。憲法57条2項は,秘密会の記録を原則として公表し,かつ,一般に頒布しなければならないことを定めているが,公開することが憲法上の原則とされている国会における議事の過程と,そもそも公開することが予定されていない最高裁判所裁判官会議における議事の過程を同列に論じることはできない。原判決は,議事録中の議事過程部分及びこれを推知させる部分については本件要綱2(1)所定の不開示事由が存するとの1審被告の主張について「多少なりとも議事の過程が記載されている議事録の本文を開示していることと整合するのかも疑問である」
と判示するが,
最高裁判所は,
本件規程8条の趣旨を没却しない限度で,内規である本件要綱の運用上の裁量の範囲内において,可能な限り開示したものであり,上記判示は失当である。
(イ)

本件要綱2(2)適合性
上記(ア)で述べたように,最高裁判所裁判官会議における意思決定の
過程は,当該意思決定に係る案件のみならず,将来にわたって生起する同種,類似の事案に関する議事に当たっても,先例として参照されるものであるから,当該意思決定後においても,その秘密が保障されなければならないという意味で,一般に,重層的,連続的性質を有している。このような点にかんがみると,本件不開示部分が情報公開法5条5号にいう「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ……があるもの」との不開示情報に相当するとの最高裁判所の判断に不合理な点があるとはいえない。

国家賠償法1条1項の違法性について
国家賠償法1条1項の違法性が認められるためには,公務員の職務執行が国民の同法上保護されるべき権利ないし利益(個人の私的な権利ないし利益)を侵害したことが必要であるところ,本件要綱は,情報公開法3条のような開示請求者を主体として規定した条項も設けられていないなどからうかがわれるように,司法行政上のサービスの在り方について規定した裁判所の内規であり,国民に何らかの権利ないし利益を付与したものではない。したがって,本件要綱に基づいて司法行政文書の開示を求める者にはその不開示措置によって侵害される権利も利益もないから,国家賠償法1条1項の違法性が認められるための前提を欠いているものである。なお,
情報公開法における開示請求権の場合においても,これは同法3条によって創設されたものであり,同法における開示請求権,不開示事由,開示請求の手続等の規定,趣旨,立案過程における議論からすれば,専ら行政運営の監視及び透明性の確保という公益のために付与され,この見地から行使されるべき公益的権利であり,個々人の私的な権利と位置付けられるものではない。開示請求権がこのような公益的権利であることからすれば,行政文書が開示されることによって,個々人の具体的な権利ないし利益が満足されるということになるわけでもないから,同法に基づく不開示決定の判断に誤りがあるという場合でも,当該不開示決定が取り消されることは別として,直ちに国家賠償法上保護されるべき私的な権利ないし利益が侵害され,同法上違法があると評価されることにはならないものである。原判決は,開示を求める者の情報に接しこれを摂取する自由を単なる反射的,事実的な権利と位置づけることは相当でない旨判示するが,これは本件要綱に基づく司法行政文書の開示が司法行政上のサービスであること,情報公開法上の開示請求権の性質の理解を欠くものというほかない。さらに,国家賠償法1条1項の違法性が認められるためには,公務員が個別の国民に対して職務上の法的義務を負担しており,かつ,これに違背したことが必要であるが,本件要綱が裁判所の職員に向けられたものであって,内規にすぎないことに照らせば,同要綱に基づく司法行政文書の不開示措置に関し,開示申出人に対して国家賠償法上何らの法的義務を負うものではないから,この点においても違法性を肯定する前提を欠くものである。

最高裁判所の故意,過失について
国家賠償法上の損害賠償責任が肯定されるためには,公務員に故意又は過失があったことが必要である。ところで,ある事項に関する法律解釈につき異なる見解が対立し,実務上の取り扱いも分かれていて,そのいずれについても相当の根拠が認められる場合に,公務員がその一方の見解を正当と解し,これに立脚して公務を執行したときは,後にその執行が違法と判断されたからといって,直ちに当該公務員に過失があったものとすることは相当でない。そして,この理は,ある事項に関する法律解釈について異なる見解が対立しているか否かにかかわらず,当該解釈について相当の根拠が認められる場合においても妥当すると解すべきである。
これを本件についてみると,最高裁判所裁判官会議の非公開に係る本件規程8条の解釈について,本件各開示申出を受けた当時その議事録の非公開を含まないとする見解もない状況の下で,最高裁判所裁判官会議の特殊性に配慮し,議事録の議事過程部分等を非公開とする趣旨を含むものであるとの見解を採ったことには相当の根拠が認められ,その解釈を正当として本件不開示措置を執ったものである。したがって,本件不開示措置を執ったことにつき,故意又は過失は認められない。
第3
1
当裁判所の判断
本件開示申出1に対する本件文書1及び3の開示に関する措置
前記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,最高裁判所は,本件開示申出1に対して,本件文書1及び3に当たると認められる司法行政文書を各裁判官会議の議事録のみであると特定した上,各議事録中議事の過程及びこれを推知させるものが記録されている部分は開示しないこととし,その他の部分は開示することとしたというのである。そして,開示しないこととした部分については,各司法行政文書開示通知書に本件要綱2の(1)(法令に別段の定めがあるときは開示しない。
)及び最高裁判所裁判官会議規程8条(裁判官会議は,公開し
ない。
)の規定の趣旨により,意見表明や議論等,議事の過程が記載されている部分を不開示とした旨理由を記載した。1審原告は,上記の特定につき,本件開示申出1においては,
「1976年7月14日,裁判官会議の会議録,会
議に提出された文書類等の一切の記録」
(本件文書1)及び「1976年7月
24日,最高裁判所宣明書が出された時の裁判官会議の会議録,会議に提出された文書類等の一切の記録」本件文書3)とされているのに,最高裁判所は,(
議事録を対象としてその開示,
不開示の措置を執るにとどまり,
そのほかの会

議に提出された文書類等の一切の記録」に係る開示の申出に対する措置を執らなかったとし,開示の申出に対する措置に遺漏がある旨主張する。しかし,本件文書1及び3に関する1審原告の本件開示申出1の記載内容は上記のようなものであるところ,司法行政文書の特定については包括的,抽象的なものとなっている上,弁論の全趣旨によれば,上記各裁判官会議当時,裁判官会議において提出,配布された文書等があった場合,これらは議事録に添付されるなど議事録の一部として保存されるのが通例であったことから,最高裁判所は,上記のような開示申出書の記載及び文書管理を前提として,その保有し得べき司法行政文書のうち上記に該当し得るものを調査,特定した上,その全部を対象として,
個々の司法行政文書の存否及び不開示事由の有無を調査,
検討して上記の一部開示の措置を執ったものであることが認められる。したがって,本件文書1及び3に係る開示の申出に対する措置は尽くされており,遺漏があったとはいえない。
2
本件文書1及び3に係る開示申出に対する措置について
(1)

最高裁判所が司法行政事務を行うのは,裁判官会議の議によるものとさ
れている(裁判所法12条1項)ところ,その手続を律する本件規程は,最高裁判所規則であって,本件要綱2(1)に規定する「法令」に該当する。そして,本件規程8条は裁判官会議の非公開を定め,同規程12条は裁判官会議の議事については,裁判所事務官に議事録を作成させること(同条1項),
議事録には出席者の氏名,議事の経過の要領及びその結果を記載し,議長及び出席した最高裁判所事務総長又は裁判所事務官がこれに署名しなければならないこと(同条2項)を定めている。ところで,司法行政は,一般の行政作用と異なり,裁判所がその本来の使命である裁判権の行使という目的を達成するために必要な人的,物的設備,機構を供給維持し,事務の合理的,効率的な運用を図るための施策を提供すること等を主たる内容とするものである。すなわち,司法行政は,裁判官等の人事,裁判所の予算,裁判所の組織,制度の構築及び改革,裁判制度及び手続の在り方等広範な分野に及ぶものであって,裁判権の行使と密接な関連を有しているものである。また,最高裁判所裁判官会議における意思決定の過程は,当該意思決定に係る案件のみならず,将来にわたって生起する同種,
類似の事案に関する議事に当たっても,
先例として参照される可能性が大きいものということができる。
そうすると,
本件規程8条が最高裁判所裁判官会議を非公開とした理由は,最高裁判所の裁判官会議が上記のような特質を有する司法行政に関する最高の意思決定機関として重大な職責を有していることにかんがみ,裁判官会議がこのような重責を果たし得るためには,審議の過程で,裁判官による意見表明及び議論が何らの制約を受けることなく,自由かっ達,率直に行われることが必要不可欠であり,その意思決定に不当な影響が及ぶおそれを極力排除する必要があるとともに,裁判官等の人事に関する情報や組織,制度,手続の制定,改変等に関する検討途中の未成熟な情報,あるいは将来の同種,類似の事案の処理に影響を及ぼし又は及ぼしかねないととられるおそれのある情報等が開示されることにより,無用な誤解や憶測を招き,関係者ひいては国民の間に混乱を生じさせるおそれを回避しようとする点にあると考えることができる。
したがって,1審原告が主張するごとく会議の非公開が直ちにその議事録の非開示を意味するものではないとしても,本件規程8条において最高裁判所裁判官会議を非公開と定めた理由が上記のようなものであることにかんがみると,
同条は,
裁判官会議の非公開にとどまらず,
同会議の議事録のうち,
意見表明や議論等,議事の過程が記載されている部分及びこれを推知させる部分について公にしない趣旨をも含むものと解すべきである。すなわち,同条は,裁判官会議自体の非公開とその議事の過程を記載した議事録部分を公にしないこととすることが相まって,上記のような裁判官会議の重大な職責を全うさせるための環境を整え,情報が開示されることによって生ずる混乱を回避させる趣旨にでたものというべきであって,情報公開法5条5号と同趣旨の内容を規定したものと解することができる。
これに対し,1審原告は,本件要綱が国民の知る権利を具体化したものであるとか,同要綱が制定,実施された要因は国民の知る権利の保障にあるなどとの立論を前提として,本件規程8条は裁判官会議自体の非公開のみを定めたものであるとか,最高裁判所は,本件要綱に従って裁判官会議の議事録のすべてを開示すべくき束されているなどと主張する。しかしながら,国民に開示請求権を付与した情報公開法においてすら,これは行政運営の監視及び透明性の確保という観点から同法3条によって創設された公益的権利であると解するのが相当であることからすると,本件規程8条や本件要綱の解釈の指針として主張する1審原告の上記立論は採用の限りではなく,この点についての1審原告の主張はその前提を欠くものといわざるを得ない。さらに,
1審原告は,憲法57条2項も衆参両議院の秘密会の記録を原則として公表し,かつ,一般に頒布しなければならないことを定めていることなどからすると,裁判官会議が非公開とされていることから直ちにその議事録中の議事過程等部分が非公開とされていると解することはできず,原則公開を理念とする文書公開制度にあっては,議事録の公開性が排除されているというためには,その旨が法律等によって明文で規定されているか,少なくともその旨が法律等の当然解釈として是認できる場合でなければならない旨主張する。しかし,憲法57条2項は,両議院の秘密会の記録を原則として公表し,かつ,一般に頒布しなければならないことを定めているが,同条1項により公開することが憲法上の原則とされている両議院の本会議における議事の過程と,憲法上そのような原則が定められておらず本件規程8条により非公開とされている最高裁判所裁判官会議における議事の過程を同列に論じることはできない。
(2)

また,本件規程8条が裁判官会議の非公開にとどまらず,同会議の議事
録のうち,意見表明や議論等,議事の過程が記載されている部分及びこれを推知させる部分については公にしない趣旨をも含むものであり,その理由は上記のとおりであることからすると,当該部分は,情報公開法5条5号が不開示情報として定める会議における「率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ及び不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがあるもの」に該当するものというべきである。
(3)

以上みたところに照らし,本件について検討すると,本件の不開示部分
1及び2は,これらの文書が作成された当時,国民及びマスコミの最大の関心事であったともいうべきいわゆるロッキード事件に関し,その捜査の帰すうが注目されていた中で我が国の司法権の行使の在り方が問われるという重大かつ重要な事項について,最高裁判所裁判官会議において議論,検討がされた事柄にかかわるものであることは当裁判所に顕著な事実である。そうすると,本件の不開示部分1及び2は,最高裁判所の裁判官会議における議事録中,意見表明や議論等,議事の過程が記載されている部分及びこれを推知させる部分に該当することは明らかであるから,これが本件規程8条の定め(本件要綱2(1))に該当し,情報公開法5条5号に定める不開示情報に相当する(本件要綱2(2))ものとして不開示とされることはやむを得ないものであって,最高裁判所が執った本件不開示措置は,適切,合理的なものであって,適正な措置であったというべきである。
なお,最高裁判所は,その後本件開示申出2に対して,本件議事録本文1の「議事」三項において「A刑事局長より,別紙に基づき」とある「別紙」並びに本件議事録本文2の「議事」二項において「A刑事局長より,別紙に基づき」とある「別紙」及び「B事務総長より,資料一号」とある「資料一号」
(本件別紙等)以外の5通の文書(甲24ないし28)の全部又は一部を開示しているが,これは本件要綱4により,公益上特に必要があるものとして裁量により開示したものとも理解し得るから,本件開示申出1に対する措置が適正であったとの上記判断を左右するものではない。
3
部分開示の方法について
1審原告は,最高裁判所が,不開示部分1及び2の写しを作成した上でこれを黒塗りにし,更にその写しを作成して1審原告に交付するという方法を採らなかったことについて,部分開示義務に違反して1審原告の知る権利,開示請求権を妨げた違法が存する旨主張する。
しかしながら,本件要綱3においては,開示を求められた司法行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合,当該不開示情報を容易に区分して除くことができるときは,当該部分を除いた部分につき開示するものとする旨定められているところ,
本件不開示部分1及び2の紙数は合計126枚252頁)

にも及ぶ(弁論の全趣旨)とともに,全体として裁判官会議における議事の過程及びこれを推知させる情報という不開示情報が記載されているものであるから,このような場合について,最高裁判所が,黒塗りした写しを作成するなどして部分開示の措置を執らなかったことが違法となるものではない。4
本件文書2及び4に係る開示申出に対する措置について
1審原告は,昭和48年要領案,昭和49年申合せ及び昭和53年要領の存在からすれば,最高裁判所において司法行政文書の管理についての基準が存在しなかったはずはないなどとして,本件文書2及び4について,これらを隠匿し,又は十分な調査をせずに安易に「存在しない」との誤った判断をした旨主張する。
(1)

証拠(甲10,13,15,16)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実を認めることができる。


1審原告からの本件開示申出1を受けて,平成13年5月7日,最高裁判所事務総局秘書課は,同事務総局刑事局に対し,本件文書2及び4の存否を確認すること及び仮にこれらが存在した場合には本件要綱の定める不開示事由の存否を検討することを依頼した。


上記依頼を受けた刑事局は,平成13年要領に基づいて作成してあるファイル管理簿により,本件文書2及び4に関係すると思料されるファイルを検索し,その中にこれらの文書が綴られていないかどうかの調査を行ったが,同局の保管している文書の中には本件文書2及び4に該当するものを発見することができなかった。

刑事局においては,平成13年要領が実施される以前には,担当の課又は係の判断に従って司法行政文書の保管及び廃棄が行われ,古くなったり不要となった文書については,その全部を廃棄し,又は執務に必要な部分のみを残し,その余を廃棄するということが適宜行われていた。そして,刑事局では文書の廃棄に関する記録が作成されてこなかったため,本件文書2及び4が過去に同局に保管されていたことがあったかどうか及び仮にそれが保管されていたことがあったとしても,いつ,どのような経緯で廃棄されたかは不明であった。なお,最高裁判所における司法行政が包括的な性格を有し,司法行政に関する政策立案と実行とを含んでいることなどから,事務総局の各局課によって所掌する司法行政事務の内容が大きく異なり,このため事務総局の各局課において作成される司法行政文書も千差万別であって,これを一元的に管理することが困難あったため,平成13年要領が実施される以前には,最高裁判所における司法行政文書の取扱要領は存在しなかった(昭和48年要領案及び昭和53年要領案は,いずれも成案に至らず廃案となった。昭和49年申合せは,最高裁判所の庁舎移転に際してある程度簡易な基準を時限立法的に定めたものにすぎない。。)
以上のとおり,本件文書2及び4は,最高裁判所が保有していると認めら
れなかったものであるから,これらを開示しないとした措置は何ら問題とすべき点はない。
(2)

1審原告は,本件通知書2及び4における「そのような文書は存在しな
い」との記載だけでは,本件文書2及び4がいかなる理由で存在しないのかが全く明らかでないとして,このような措置には,本件要綱8(2)が求める理由付記を適切に行っていない違法が存する旨主張する。しかし,上記(1)アないしウのとおりの事情の下では,
「そのような文書は存在しない」という理由以上の理由を付記することはできなかったものであり,また,本件要綱8(2)が開示しない理由を簡潔に付記するものとしていることにかんがみると,上記理由の記載をもって本件要綱8(2)に反するものとはいえない。5
以上よれば,本件については,本件要綱に基づく文書の不開示措置によって侵害され,かつ,国家賠償法上も保護されるべき私的権利ないし利益の存在を観念することができるかなどほかにいくつかの問題点はあるものの,これらの点について判断するまでもなく,1審原告の本件損害賠償請求は理由がないといわなければならない。

第4

結論
よって,原判決中,1審原告の請求を一部認容した部分は不当であるからこれを取り消し,この点に係る1審原告の請求を棄却することとし,主文のとおり判決する。

(平成16年11月17日口頭弁論終結)
(裁判長裁判官

秋山壽延

裁判官

堀内


裁判官

志田博文)

(別紙1)
最高裁判所の保有する司法行政文書の開示等に関する事務の
取扱要綱
最高裁判所の保有する司法行政文書の開示等に関する事務の基本的取扱いは,下記による。

この取扱要綱は,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成11年法律第42号。以下「情報公開法」という。
)の趣旨を踏まえ,司法行政文書の開示に
ついての運用の基本を定めるものである。
1(定義)
この取扱要綱において「司法行政文書」とは,最高裁判所の職員が職務上作成し,又は取得した司法行政事務に関する文書であって,最高裁判所の職員が組織的に用いるものとして,最高裁判所が保有しているものをいう。
2(開示の原則)
最高裁判所は,その保有する司法行政文書の開示を求められた場合は,何人に対しても,当該司法行政文書を開示するものとする。ただし,次のいずれかに該当するときは,この限りではない。
(1)

法令に別段の定めがあるとき。

(2)

開示を求められた情報が,情報公開法第5条に定める不開示情報に相当す
るもの(裁判事務の性質上,公にすることにより,その適正な執行に支障を及ぼすおそれのある情報を含む。
)であるとき。
3(部分開示)
(1)

開示を求められた司法行政文書の一部に2の不開示情報が記録されている
場合において,当該不開示情報を容易に区分して除くことができるときは,当該部分を除いた部分につき開示するものとする。ただし,当該部分を除いた部分に有意の情報が記録されていないと認められるときは,この限りでない。(2)
開示を求められた司法行政文書に情報公開法第5条第1号の情報に相当す
るもの(特定の個人を識別することができるものに限る。
)が記録されている
場合において,当該情報のうち,氏名,生年月日その他の特定の個人を識別することができることとなる記述等の部分を除くことにより,公にしても,個人の権利利益が害されるおそれがないと認められるときは,当該部分を除いた部分は,同号の情報に相当するものには当たらないものとみなして,(1)に定めるところによる。
4(公益上の理由により開示を行う場合)
開示を求められた司法行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても,公益上特に必要があると認めるときは,開示を求める者に対し,当該司法行政文書を開示することができる。
5(司法行政文書の存否に関する情報)
開示を求められた司法行政文書が存在しているか否かを答えるだけで,不開示情報を開示することとなるときは,
当該司法行政文書の存否を明らかにしないで,
開示しないことができる。
6(情報開示の受付部署)
司法行政文書の開示に係る受付事務は,秘書課が行う。
7(開示の手続等)
(1)

司法行政文書の開示を求める者に対しては,その者の氏名及び連絡先,開
示を求める司法行政文書の名称等司法行政文書を特定するに足りる事項を記載した書面の提出を求める。
(2)

司法行政文書の開示を求める者が文書の特定のための情報の提供を求める
場合は,参考となる情報を提供するよう努めなければならない。
8(開示の申出に対する対応)
(1)

開示を求められた司法行政文書の全部を開示する場合には,開示を求める
者に対し,その旨を開示の日時,場所及び方法とともに,適宜の方法で連絡する。(2)

開示を求められた司法行政文書の全部又は一部を開示しない場合には,開
示を求める者に対し,書面でその旨を連絡する。当該書面には,開示しない理由を簡潔に付記するものとする。
(3)

(1)又は(2)の連絡は,開示の申出のあった日から原則として30日以内に
行うものとする。
9(第三者に対する意見聴取)
(1)

開示を求められた司法行政文書に裁判所以外の者以下第三者」


という。


に関する情報が記録されている場合において,2に定める不開示情報に該当する事由の存否に疑義があるときは,当該第三者に対し,開示についての意見を求めるものとする。
(2)

(1)により意見を求められた第三者から当該司法行政文書の開示に反対する
意見が提出されたにもかかわらず,これを開示するときは,開示に先立ち,その旨を第三者に通知するものとする。
10(開示の実施)
(1)

司法行政文書の開示は,閲覧をさせ,又は写しの交付を求める者に自らの
費用で謄写をさせることにより,これを行う。ただし,閲覧の方法による場合において,当該文書の保存に支障を生じるおそれがあると認めるとき,その他正当な理由があるときは,その写しにより,これを行う。
(2)

開示を求められた司法行政文書の開示より別の司法行政文書の提示又は情
報の提供をする方が開示を求める者の目的に沿うと認められる場合は,これらの文書又は情報をもって開示の対象とすることができる。
(3)

開示の実施は,司法行政文書の全部又は一部を開示する旨の連絡があった
日から原則として30日以内に行うものとする。ただし,開示の準備により事務に支障を生じるおそれがあると認めるときは,この限りでない。11(苦情の申出のある場合)(1)

開示の申出を受けた裁判所(以下「原裁判所」という。
)が司法行政文書

の全部又は一部を開示しないことについて,開示を求めた者から,最高裁判所に苦情の申出がされた場合には,最高裁判所は,原裁判所が開示しないことの当否について判断する。
(2)

最高裁判所は,原裁判所が当該司法行政文書の全部又は一部を開示しない
ことが相当であると判断したときは,その旨を申出人に連絡する。(3)

最高裁判所は,原裁判所が当該司法行政文書の全部又は一部を開示しない
ことにつき相当でないと判断したときは,原裁判所に是正の指示を行うとともに,その旨を申出人に連絡する。この場合において,原裁判所は,申出をした者に対し,是正の指示に沿った形で司法行政文書を開示する。
(4)

(2)及び(3)の対応は,申出のあった日から原則として30日以内に行うも
のとする。
(5)

苦情の申出に係る受付事務は,秘書課が行う。
付記
この取扱要綱は,平成13年4月1日から実施する。
(別紙2)
いわゆるロッキード事件において最高裁判所宣明書が出された件について以下の4点
1
1976年7月14日,裁判官会議の会議録,会議に提出された文書類等の一切の記録

2
1976年7月

裁判官会議後,最高裁判所刑事局の職員らが渡米し,C判事

らと面会した時の交渉の記録,報告書,持参した文書類等の一切の記録3
1976年7月24日,
最高裁判所宣明書が出された時の裁判官会議の会議録,
会議に提出された文書類等の一切の記録。

4
最高裁判所において宣明書の検討が始まってから,1976年7月24日,最高裁判所宣明書が出されるまでの間,法務省及び検察庁,そして米国裁判所並びに東京地方裁判所D裁判官との間で各々おこなわれた折衝,打ち合わせ等の一切の記録
(別紙3)

裁判所書記官任用試験規程等の一部を改正する規程案について
E人事局長より,別紙に基づき,標記につき説明あり,原案どおり可決する。

経理局関係事項について
F経理局長より,別紙に基づき,G公邸の新営予定につき説明あり,これを了承する。
次いで,同局長より,昭和五十二年度予算要求案の大綱の説明及び夏期の休暇中における予算要求書作成の事務手続については,長官に一任することを諮り,いずれもこれを了承する。


刑事局関係事項について
A刑事局長より,別紙に基づき,ロッキード事件の尋問嘱託の経過,C決定の趣旨,及び同決定に対する対応策につき説明あり,意見を交換の上,同決定の真意を把握するための調査を行い,その上で対応策を検討することを了承する。

人事について
E人事局長より,別紙に基づき,裁判官の再任,任命替え及び転補等につき説明あり,原案どおり可決,了承する。
次いで,同局長より,C決定の調査のため約十日間の予定で,最高裁判所事務総局刑事局第二課長H及び同刑事局付Iの両名にアメリカ合衆国へ出張を命ずることを諮り,決定する。
(別紙4)

昭和五十一年度における最高裁判所各法廷の裁判所書記官の配置の一部変更(案)について
E総務局長事務取扱より,別紙に基づき,標記につき説明あり,原案どおり決定する。


刑事局関係事項について
A刑事局長より,別紙に基づき説明あり,次いでB事務総長より,資料一号と同趣旨の書類を送付することについては,本日欠席のJ,K両裁判官もあらかじめ了承ずみである旨の補足説明あり,意見交換の後,資料一号中「右は」を「この宣明は」と修正の上,これを中部カリフォルニア合衆国連邦地方裁判所裁判官に送付することを決定する。


人事について
L人事局長より,別紙に基づき,裁判官の最高裁判所図書館委員会委員等の任免,司法修習生考試委員会委員の委嘱及び裁判所書記官等試験委員会委員の任命等につき説明あり,原案どおり可決,了承する。
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