判例検索β > 平成16年(あ)第2716号
住居侵入、強盗致死、強盗傷人、強盗被告事件
事件番号平成16(あ)2716
事件名住居侵入,強盗致死,強盗傷人,強盗被告事件
裁判年月日平成17年8月30日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別決定
結果棄却
判例集等巻・号・頁刑集 第59巻6号726頁
原審裁判所名仙台高等裁判所
原審事件番号平成16(う)39
原審裁判年月日平成16年11月11日
判示事項裁判官が公訴棄却の判決をし又はその判決に至る手続に関与したことと再起訴後の審理における刑訴法20条7号本文所定の除斥原因
裁判要旨裁判官が公訴棄却の判決をし,又はその判決に至る手続に関与したことは,その手続において再起訴後の第1審で採用された証拠又はそれと実質的に同一の証拠が取り調べられていても,再起訴後の審理において,刑訴法20条7号本文所定の除斥原因に当たらない。
参照法条刑訴法20条7号,刑訴法338条
裁判日:西暦2005-08-30
情報公開日2017-10-17 13:56:00
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主 文
本件上告を棄却する
理 由
弁護人鈴木一の上告趣意のうち,判例違反をいう点は,所論引用の判例は事案を異にして本件に適切でなく,その余は憲法違反をいう点を含め,実質は単なる法令違反,量刑不当の主張であって,刑訴法405条の上告理由に当たらない。 所論にかんがみ,職権で判断する。
1 記録によると,本件の審理経過は,次のとおりである。
(1) 被告人は,本件公訴提起の前に,本件各公訴事実と同一の事案につき,いったん成人として起訴された(以下前件という。)。
(2) 前件の第1審における弁護人は,共同被告人である共犯者や被告人に対する被告人質問がほぼ終了した第14回公判期日に至って,被告人の生年月日は,それまで示されていたところより,実際には1年遅い旨主張した。
(3) 調査の結果,弁護人の主張どおり,被告人は自己の生年月日を偽っており,起訴の時点では未成年であったことが判明したため,裁判所は,公訴提起前の少年法上の手続不備を理由として,公訴棄却の判決をし,同判決は即日確定した。 (4) 被告人は,本件各公訴事実につき,再度起訴され,前件を審理した裁判所を構成した裁判官と同一の裁判官で構成された裁判所が,前件で取り調べたものと同一の証拠及び前件で行われた被告人質問等の公判調書の謄本を取り調べた上,改めて被告人質問をして判決を言い渡した。
2 以上の経過の下で,所論は,前件で公訴棄却の判決をした裁判所と裁判官の構成を同じくする裁判所が,再起訴後の第1審公判の審理を担当し,前件で取り調べた証拠等を基に犯罪事実の認定を行ったことにつき,裁判官の除斥事由である前審関与に該当すると主張する。しかし,【要旨】裁判官が事件について公訴棄却の判決をし,又はその判決に至る手続に関与したことは,その手続において再起訴後の第1審で採用された証拠又はそれと実質的に同一の証拠が取り調べられていたとしても,事件について前審の裁判又はその基礎となった取調べに関与したものとはいえないから,刑訴法20条の定める裁判官の除斥原因に該当しないとした原判断は,結論において,正当である。
よって,同法414条,386条1項3号,181条1項ただし書により,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 横尾和子 裁判官 甲斐中辰夫 裁判官 泉 徳治 裁判官 島田仁郎 裁判官 才口千晴)
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