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保釈許可決定に対する抗告の決定に対する特別抗告事件
事件番号平成27(し)223
事件名保釈許可決定に対する抗告の決定に対する特別抗告事件
裁判年月日平成27年4月15日
法廷名最高裁判所第三小法廷
裁判種別決定
結果その他
判例集等巻・号・頁集刑 第316号143頁
原審裁判所名名古屋高等裁判所  金沢支部
原審事件番号平成27(く)18
原審裁判年月日平成27年4月1日
判示事項準強制わいせつ被告事件において保釈を許可した原々決定を取り消して保釈請求を却下した原決定に刑訴法90条,426条の解釈適用を誤った違法があるとされた事例
参照法条刑訴法90条,刑訴法411条1項,刑訴法426条,刑訴法434条
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平成27年(し)第223号
保釈許可決定に対する抗告の決定に対する特別抗告事件
平成27年4月15日

第三小法廷決定
主文
原決定を取り消す。
原々決定に対する抗告を棄却する。
理1由
本件抗告の趣意は,憲法違反,判例違反をいう点を含め,実質は単なる法令
違反,事実誤認の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。2
(1)

しかし,所論に鑑み,職権により調査する。
本件公訴事実の要旨は,「被告人は,柔道整復師の資格を有し,予備校理
事長の職にあったものであるが,平成25年12月30日午後4時頃から同日午後5時15分頃までの間,予備校2階にある接骨院内において,予備校生徒である当時18歳の女性に対し,同女が被告人の学習指導を受ける立場で抗拒不能状態にあることに乗じ,施術を装い,その胸をもみ,膣内に指を挿入するなどのわいせつな行為をした」というものである。
(2)

一件記録によれば,被告人は,第1回公判期日において,「被告人と被害
者が2人で犯行場所とされる部屋に入った事実はなく,公訴事実記載の行為は一切していない」旨述べて公訴事実を争ったこと,第2回公判期日において,被害者の証人尋問が実施され,被害者は公訴事実に沿う証言をしたことが認められる。また,今後の審理予定として,弁護人は,被告人質問のほか,犯行現場の使用状況等に関し,被害者証言を弾劾する趣旨で,本件当時,本件予備校に通っていた元生徒1名の証人尋問を請求する方針を示している。(3)

原々決定は,第2回公判期日後に,保証金額を300万円と定め,被害
者,上記元生徒及び本件予備校関係者らとの接触を禁止するなどの条件を付した上,被告人の保釈を許可した。
(4)

これに対し,原決定は,弁護人が請求を予定している元生徒の証人尋問が
未了であり,本件予備校理事長の職にあった被告人が,上記元生徒ら関係者に働き掛けるなどして罪証を隠滅することは容易で,その実効性も高いと指摘し,被告人の保釈を許可した原々決定を取り消した。
(5)

しかしながら,原々審が原審に送付した意見書によれば,原々審は,既に
検察官立証の中核となる被害者の証人尋問が終了していることに加え,受訴裁判所として,当該証人尋問を含む審理を現に担当した結果を踏まえて,被告人による罪証隠滅行為の可能性,実効性の程度を具体的に考慮した上で,現時点では,上記元生徒らとの通謀の点も含め,被告人による罪証隠滅のおそれはそれほど高度のものとはいえないと判断したものである。それに加えて,被告人を保釈する必要性や,被告人に前科がないこと,逃亡のおそれが高いとはいえないことなども勘案し,上記の条件を付した上で裁量保釈を許可した原々審の判断は不合理なものとはいえず,原決定は,原々審の判断が不合理であることを具体的に示していない。そうすると,原々決定を裁量の範囲を超えたものとして取り消し,保釈請求を却下した原決定には,刑訴法90条,426条の解釈適用を誤った違法があり,これが決定に影響を及ぼし,原決定を取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。3
よって,刑訴法411条1号を準用して原決定を取り消し,同法434条,
426条2項により更に裁判すると,上記のとおり,本件については保釈を許可した原々決定に誤りがあるとはいえないから,それに対する抗告は,同条1項により棄却を免れず,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。(裁判長裁判官
木内道祥

大谷剛彦

裁判官

裁判官

岡部喜代子

山崎敏充)
裁判官

大橋正春

裁判官

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