判例検索β > 平成26年(行コ)第340号
第二次納税義務の納付告知処分等取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成25年(行ウ)第728号)
事件番号平成26(行コ)340
事件名第二次納税義務の納付告知処分等取消請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成25年(行ウ)第728号)
裁判年月日平成27年2月5日
法廷名東京高等裁判所
判示事項破産法217条1項の規定による破産手続廃止の決定を受けた株式会社の滞納国税に係る第二次納税義務の納付告知処分並びに不動産及び債権の各差押処分がいずれも適法であるとされた事例
裁判要旨破産法217条1項の規定による破産手続廃止の決定を受けた株式会社について会社法の規定に基づく清算が結了していると認められない以上,その法人格はなお存続しており,同社の納税義務は消滅していないため,その附従性により同社の滞納国税に係る国税徴収法39条の規定による第二次納税義務が消滅したということはできないとして,同第二次納税義務の納付告知処分並びに不動産及び債権の各差押処分をいずれも適法とした事例
裁判日:西暦2015-02-05
情報公開日2017-10-19 10:02:59
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平成27年2月5日判決言渡
第二次納税義務の納付告知処分等取消請求控訴事件

主文1
本件控訴を棄却する

2
控訴費用は控訴人の負担とする。

第1

実及び理由
控訴の趣旨

1
原判決を取り消す。

2
処分行政庁が平成24年2月15日付けで控訴人に対してした納税者株式会社Aの滞納国税に係る第二次納税義務の納付告知処分を取り消す。
3
処分行政庁が平成24年5月14日付けで控訴人に対してした原判決別紙1記載の各不動産の各差押処分をいずれも取り消す。

4
処分行政庁が平成24年5月14日付けで控訴人に対してした原判決別紙2記載の各債権の各差押処分をいずれも取り消す。

第2
1
事案の概要(用語の略称は原判決に従う。)
本件は,株式会社A(本件滞納会社)から寄附金の交付を受けた控訴人が,処分行政庁から徴収法39条に基づき,本件滞納会社の滞納国税(本件滞納国税)について第二次納税義務の納付告知処分(本件告知処分)並びに原判決別紙1記載の各不動産(本件各不動産)及び原判決別紙2記載の各債権(本件各債権)の各差押処分(本件各差押処分)を受けたことに対し,本件滞納会社について破産手続廃止決定が確定してその法人格が消滅したことに伴って本件滞納会社の納税義務も消滅し,これにより控訴人の第二次納税義務も消滅したとして,本件告知処分及び本件各差押処分の取消しを求めた事案であり,原審は,控訴人の請求をいずれも棄却したので,控訴人はこれを不服として控訴した。

2
前提事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,原判決2頁22行目の乙1の前に甲2,を加え,後記3のとおり付加するほかは,原判決の事実及び理由中の第2の1ないし3に記載のとおりであるから,これらを引用する(ただし,原告を控訴人と,被告を被控訴人
と,それぞれ読み替える。以下,原判決引用部分について同じである。)。
3
当審における控訴人の主張
破産手続終了後に会社法の規定による清算手続が必要となるのは,破産手続の終了事由が同時廃止,異時廃止及び破産手続終結のいずれであれ,破産手続終了後もなお残余財産が存在する場合であり,会社法475条1号は,上記の場合に破産手続において清算できなかった残余財産について,会社法の規定による清算の対象とすることを明確にした趣旨の規定である。したがって,破産手続終了後において残余財産が存在しなければ,破産手続終了により法人格は消滅するというべきであり,破産管財人作成の財産目録(甲5)及び収支計算書(甲6)の記載内容によれば,本件滞納会社について破産手続終了後において残余財産が存在しないことは明らかであるから,本件廃止決定の確定によって本件滞納会社の法人格が消滅する。そして,これにより本件滞納会社の本件滞納国税に係る納税義務は消滅するから,控訴人の本件滞納国税に係る第二次納税義務も附従性により消滅したというべきである。
第3
1
当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人の請求をいずれも棄却すべきであると判断する。その理由は,次のとおり補正し,後記2のとおり付加するほかは,原判決の事実及び理由中の第3に記載のとおりであるから,これを引用する。原判決9頁8行目の9章を2編9章と改める。
同頁11行目の原則としてを当該破産手続が終了していない場合をと改める。同頁12行目の破産手続が進行しないままを破産手続による清算が完了しないまま破産手続がと改め,別途の前に残余財産が存在しないなどの例外の場合を除き,原則として,を加える。同頁16行目のが進行しをによる清算が行われと改める。
同頁20行目のされないを完了しないと改める。
同頁25行目の解すべきであり,の次に同条の規定により清算をする株式会社は,を加える。原判決10頁1行目の(以上の点から6行目の)までを削除す
る。
同頁8行目の9章を2編9章と改める。
同頁23行目の廃止の次に決定を加える。
原判決11頁4行目のことが確定するをと判断,確定されたと
改め,(そのようなから5行目の)までを削除する。
同頁10行目の本件廃止から12行目末尾までを

各書面に記載された他に財産が全く存在しないとは必ずしもいえない。

と改める。同頁14行目のとしても,の次に破産手続によるを加える。
同頁15行目の9章を2編9章と改める。
2
当審における控訴人の主張について
控訴人は,本件滞納会社について破産手続終了後において残余財産が存在しないことは破産管財人作成の財産目録(甲5)や収支計算書(甲6)により明らかであり,本件滞納会社は,本件廃止決定の確定により法人格が消滅したから,これにより本件滞納会社の本件滞納国税に係る納税義務は消滅し,控訴人の本件滞納国税に係る第二次納税義務も附従性により消滅したと主張する。しかしながら,上記財産目録等の書面が通常,破産管財人の調査の結果を踏まえて作成されたものであるとはいえ,本件破産手続は,破産終結決定で終了した事案ではなく,破産財団が破産手続の費用を支弁するのに不足すると判断され,異時廃止決定により終了したものであるから,上記財産目録等の書面の
記載をもって,その記載以外の財産が全く存在しないとは必ずしもいえず,他に破産手続終了後において残余財産が存在しなかったことを認めるに足りる証拠はない。
したがって,本件滞納会社について破産手続終了後において清算すべき財産が存在しないことが立証されているとはいえず,本件滞納会社は清算の目的の範囲内において,清算が結了するまではなお存続するものというべきであるから,本件滞納会社の法人格の消滅を前提とする控訴人の上記主張を採用することはできない。
第4

結論
よって,控訴人の本訴請求はいずれも理由がなく,これを棄却した原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。

東京高等裁判所第4民事部

裁判長裁判官

田村幸
裁判官

浦野真
裁判官

西森政一美子一
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