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法人税更正処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(行ウ)第370号)
事件番号平成26(行コ)278
事件名法人税更正処分取消等請求控訴事件(原審・東京地方裁判所平成23年(行ウ)第370号)
裁判年月日平成27年2月25日
法廷名東京高等裁判所
判示事項英国領ケイマン諸島に本店を有し国内源泉所得を有する外国法人が租税特別措置法(平成20年法律第23号による改正前のもの)66条の6第1項の特定外国子会社等に該当するとされた事例
裁判要旨英国領ケイマン諸島に本店を有する外国法人で国内源泉所得を有するものについて,当該国内源泉所得に対して本邦において法人税等が課され,それについて租税特別措置法(平成20年法律第23号による改正前のもの)66条の7の外国法人税に該当するとした上での同条の規定等による課税関係の調整がされる余地がないとしても,判示の事情の下では,当該外国法人は同法66条の6第1項の特定外国子会社等に該当するといえ,当該国内源泉所得は当該外国法人の「未処分所得の金額」に含まれるものとして課税関係の計算がされるというべきである。
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平成27年2月25日判決言渡

平成26年(行コ)第278号法人税更正処分取消等請求控訴事件
主文1
本件控訴を棄却する

2
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由

第1

控訴の趣旨

1
原判決を取り消す。

2
麹町税務署長が控訴人に対し平成21年10月29日付けでした,控訴人の
被合併法人である株式会社a(a)の平成20年1月29日から同年4月30日までの事業年度(平成20年4月期)の法人税に係る更正をすべき旨の請求(本件更正の請求)に対する更正をすべき理由がない旨の通知処分(本件通知処分)を取り消す。
3(1)

平成20年4月期更正処分についての主位的請求

麹町税務署長が控訴人に対し平成22年3月31日けでした,aの平成20年4月期の法人税の更正の処分(平成20年4月期更正処分)のうち所得の金額がマイナス17億2998万2665円を超え,翌期へ繰り越す欠損金額が17億2998万2665円を下回り,納付すべき税額がマイナス2億0139万3906円を超える部分を取り消す。
(2)

平成20年4月期更正処分についての予備的請求(本件通知処分の取消
しを求める訴え(第2項の請求に係る訴え)が却下される場合)
麹町税務署長が控訴人に対し平成22年3月31日けでしたaの平成20年4月期更正処分のうち所得の金額がマイナス24億9758万9173円を超え,翌期へ繰り越す欠損金額が24億9758万9173円を下回り,納付すべき税額がマイナス2億0139万3906円を超える部分を取り消す。
麹町税務署長が控訴人に対し平成22年3月31日けでしたaの平成20年
4
4月期更正処分に係る過少申告加算税の賦課決定の処分(平成20年4月期賦課決定処分。平成20年4月期更正処分と併せて平成20年4月期更正処分等)を取り消す。
5
麹町税務署長が控訴人に対し平成22年3月31日付けでした,控訴人の平
成20年1月1日から同年12月31日までの連結事業年度(平成20年12月連結期)の法人税の更正の処分(平成20年12月連結期更正処分。平成20年4月期更正処分と平成20年12月連結期更正処分を併せて本件各更正処分。)のうち連結所得の金額がマイナス282億8814万7654円を超え,翌期へ繰り越す連結欠損金額が282億8814万7654円を下回る部分を取り消す。第2

事案の概要(略語は,新たに定義しない限り,原判決の例による。以下,本
判決において同じ。)
1
本件に至る経緯の概要は以下のとおりである。
(1)

控訴人は,平成20年12月期から連結納税の承認を受けている持株会
社であり,平成20年5月1日,aを被合併法人とする吸収合併(本件合併)をし,同社の平成20年4月期の法人税の申告及び納税の義務を承継した。控訴人は,①aが発行済株式の100%を引き受け,英国領ケイマン諸島(ケイマン)に本店を有するものとしケイマン法を準拠法として設立された日本国内に支店を有する外国法人であるb・ホールディングス・リミテッド(b)が平成21年法律第13号による改正前の租税特別措置法(措置法)66条の6第1項及び同年政令第108号による改正前の租税特別措置法施行令(措置令)39条の14第1項にいう特定外国子会社等(特定外国子会社等)に該当する(以下,「措置法66条の6」あるいは「措置令39条の14」というときは,いずれも上記改正前のものをいう。)ものとして,aの平成20年4月期の確定申告をしたが,②その後,bが同社の平成19年4月1日から同年12月31日までの事業年度(b平成19年12月期)においてaに係る特定外国子会社等に該当しなかったとして,aの平成20年4月期の法人税に係る本件更正の請求をした。
(2)

麹町税務署長は,①本件更正の請求に対し,更正をすべき理由がない旨
の本件通知処分をするとともに,②aの平成20年4月期の法人税につき,bがb平成19年12月期においてaに係る特定外国子会社等に該当し,特定外国子会社等の「課税対象留保金額」(措置法66条の6第1項)の益金の額への算入漏れがあるなどとして,平成20年4月期更正処分等をした。
(3)

①控訴人は,平成20年12月連結期の連結所得の金額の計算につき,
控訴人がaの平成20年4月期における翌期へ繰り越す欠損金額を承継したものとして,平成20年12月連結期の法人税の申告をし,②麹町税務署長は,平成20年4月期更正処分を前提に,欠損金額の損金の額への算入額が過大であるとして,平成20年12月連結期更正処分をした。
2
本件は,控訴人が,①特定外国子会社等の範囲について定める措置令39条
の14第1項1号の規定は,措置法66条の6第1項柱書きの規定による委任の範囲を超える無効なものである,②b平成19年12月期において,bは国内源泉所得(平成20年法律第23号による改正前の法人税法138条。以下,「法人税法138条」というときは,同改正前のものをいう。)のみを有していたものであるところ,いわゆる外国子会社合算税制の趣旨,これに関する措置令の規定の内容等に照らせば,

特定外国子会社等の国内源泉所得は,措置法66条の6第1項の

「課税対象留保金額」には該当せず,

また,bは同期においてaに係る特定外国

子会社等に該当しないものというべきであり,

さらに,少なくとも本件事案に限

っては,同税制に関する措置法及び措置令の規定を限定解釈し,同期におけるbにはこれらの規定は適用されないものと解すべきであるなどと主張して,本件通知処分の取消し,平成20年4月期更正処分の取消し(ただし,取消しを求める範囲を,前記第1の3(1)のとおりとするもの。),平成20年4月期賦課決定処分の取消し,及び平成20年12月期連結期更正処分の取消しを求めた事案である。被控訴人は,本件訴えのうち本件通知処分の取消請求に係る部分は訴えの利益がない,控訴人が取消しを求める上記各処分(本件各処分)はいずれも適法であると主張して,控訴人の請求を争った。
3
原審は,本件訴えのうち本件通知処分の取消請求に係る部分は訴えの利益が
あるが,本件各処分は適法であるとして,控訴人の請求をいずれも棄却した。控訴人は,控訴を申し立てた上,当審において,平成20年4月期更正処分の取消請求について,本件通知処分の取消請求に係る訴えが却下される場合は,予備的に,前記第1の3(2)の請求(取消しを求める範囲を主位的請求よりも拡張したもの。)をする旨の訴えの変更(予備的請求を追加する訴えの変更)をした。当裁判所も,原審と同様に,本件訴えのうち上記部分は訴えの利益がある(したがって,当審で追加された予備的請求は判断の必要がない。)が,本件各処分は適法であり,控訴人の請求はいずれも棄却すべきものと判断した。
4
関係法令等の定め,前提事実,本件各更正処分等(本件各処分のうち,本件
通知処分を除くその余の処分)の根拠及び適法性に関する被控訴人の主張,争点,並びに,争点に関する当事者の主張の要点は,次のとおり改め,当審における当事者の補足的主張を後記5のとおり加えるほかは,原判決の「事実及び理由」の「第2
事案の概要等」2~6(原判決4頁23行目~9頁6行目。原判決37頁~1
43頁の別紙及び別表を含む。)に記載のとおりであるから,これを引用する。(1)

原判決6頁4行目の「同月29日,」を「平成20年2月29日,」と
改める。
(2)

原判決8頁11行目~12行目の「(当裁判所に顕著な事実)」を
「(記録上明らかな事実)」と改める。
(3)

原判決37頁2行目末尾の後に「(いずれも本件各処分当時適用されて
いたもの)」を加える。
(4)

原判決53頁8行目の「法人税法66条1項」を「平成20年法律第2
3号による改正前の法人税法66条1項(以下,「法人税法66条1項」というときは,同改正前のものをいう。)」と改める。
(5)

原判決53頁12行目の「法人税法68条」を「平成23年法律第11
4号による改正前の法人税法68条1項(以下,「法人税法68条」というときは,同改正前のものをいう。)」と改める。
(6)

原判決54頁23行目の「法人税法34条1項」を「平成26年法律第
10号による改正前の法人税法34条1項」(以下,「法人税法34条1項」というときは,同改正前のものをいう。)」と改める。
(7)

原判決55頁10行目の法人税法52条を「平成20年法律第23号に
よる改正前の法人税法52条」と改める。
(8)

原判決55頁11行目の「法人税法施行令96条2項」を「平成20年
政令第156号による改正前の法人税法施行令96条2項(以下,「法人税法52条」あるいは「法人税法施行令96条2項」というときは,いずれも上記改正前のものをいう。)」と改める。
(9)


原判決61頁4行目末尾に改行の上,以下のとおり加える。

なお,控訴人は,原審において,aの平成20年4月期の法人税に係る更正を
すべき旨の請求(本件更正の請求)に対する本件通知処分の取消しを求めるとともに,平成20年4月期更正処分の取消しを求めていた。これは,平成20年4月期更正処分が取り消されたとしても,当初申告における所得金額,繰越欠損金額,納付すべき税額等を超える部分について取り消されるにすぎず,当初申告と本件更正の請求との差額については当然に取り消されることにはならず,当該差額について取消しを求めるには,本件通知処分が取り消される必要があるからである。しかし,仮に,被控訴人の主張するように,本件通知処分が平成20年4月期更正処分に吸収され,本件通知処分の取消請求に係る訴えが却下されるのであれば,その場合には,平成20年4月期更正処分は,当初申告と本件更正の請求との差額についても対象とする処分になると解さなければならないことになる。そこで,控訴人は,当審において,平成20年4月期更正処分の取消請求について,前記第1の3(1)の請求を主位的請求とし,同(2)の請求(取消しを求める範囲を当初申告と本件更正の請求との差額分拡張したもの。)を本件通知処分の取消請求に係る訴えが却下される場合の予備的請求とする旨訴えの変更をした。」(10)

原判決98頁11行目の「同法」を「措置法」と改める。

(11)

原判決107頁19行目の「2分の1のルール」を「2分の1ルール」
と改める。
5
当審における当事者の補足的主張
(1)

控訴人
本訴訟で提起されている最も本質的な問題点

本訴訟で提起されている最も本質的な問題点は,我が国が,特定外国子会社等の有する国内源泉所得(特に,bのように,我が国に法人税法141条1号所定の支店等を有する外国法人(1号外国法人)である特定外国子会社等の有する国内源泉所得)に対して,外国子会社合算税制の適用によって二重に法人税等を負担させること(第3の二重課税【国内源泉所得・合算利益間】),その結果として納税者の負担において我が国が同一の所得について法人税等を二重取りすることが,原判決のいうように「一概に不合理であるとまではいい難い」こととして許容されるのか,そのような二重取りは著しく不合理なものであり許容されないのかという点にある。1号外国法人は,法人税法に基づいて,同法に定められている全ての国内源泉所得(同法138条)について法人税の課税に服することとされている(同法141条1号)だけでなく,地方税法に基づく法人住民税等も課せられることとなり,本件当時の実効税率は法人税と地方税を合わせると約40.7%であった。他方,1号外国法人以外の外国法人は,法人税法上,国内源泉所得の一部についてのみ法人税を課せられるか(同法141条2号又は3号),又は法人税を課されることはない(同条4号)。つまり,1号外国法人とそれ以外の外国法人とでは,法人税法に基づく法人税の課税範囲が異なるのである。国内源泉所得に対して法人税を課されない外国法人も,所得税法に基づく源泉所得税を課されることはあるが(同法5条4項,212条1項),これは法人税法上の税負担とは異なり,税率も20%以下であって低い。
このように,1号外国法人である特定外国子会社等は,全ての国内源泉所得に対して法人税法に基づく法人税を課されているという点で,その他の外国法人とは一線を画しており,その点は,外国子会社合算税制の解釈においても重要である。イ
課税対象留保金額には1号外国法人である特定外国子会社等の国内源泉
所得を含まないという解釈こそが,法解釈のあり方に従った解釈であること(ア)原判決は,外国子会社合算税制の関連規定については,法律,政令ともに文理解釈によるべきであり,それらの規定の文理を離れて趣旨解釈又は控訴人の主張するような限定解釈をすべき理由はなく,また措置令39条の14第1項の規定は法律の委任の範囲内であると認められること,文理解釈によってなされた本件各処分が第3の二重課税【国内源泉所得・合算利益間】を生じさせるとしても,かかる二重課税が排除されないことが一概に不合理とまではいい難いことを理由として,本件各処分は適法であるとの判断を示したものと要約することができる。そして,原判決が「一概に不合理とまではいい難い」と判断する理由として挙げているのは,特定外国子会社等に該当する外国関係会社がある内国法人においては,特段の事情のない限り,多かれ少なかれ我が国における税の負担を回避することを考慮してそのような外国法人を置いているものと「推認」するのが相当であること,及び,特定外国子会社等に国内源泉所得があるというのは「まれ」なものと考えられること,という2点であるが,そもそもbのように国内で支店を通じて事業活動を行うことを目的として設立された1号外国法人である特定外国子会社等が,我が国における税の負担を回避する目的で作られたものと推認できないことは明らかであるし,国内源泉所得を有する特定外国子会社等が「まれ」であるかどうかは,その結果生じる国内的二重課税が法律に基づく課税として適法か否かという問題とは論理的な関連性がなく,「まれ」であることの立証もない。
原判決が言及している「課税執行面における安定性」も,国内的二重課税を排除する規定を置かないことが不合理ではないとする理由になるものではない。(イ)被控訴人は,措置法通達66の6-20において,措置法66条の7第1項(平成21年法律13号による改正前のもの。以下,「措置法66条の7」というときは,同改正前のものをいう。)及び措置令39条の14第2項1号に規定する外国法人税の額には,特定外国子会社等が法人税法138条又は所得税法161条(平成20年法律第23号による改正前のもの。以下,「所得税法161条」というときは,同改正前のものをいう。)に規定する国内源泉所得に係る所得について課された法人税,所得税及び法人税法38条2項2号に掲げるものの額を含めることができるという取扱いを認めることによって,国内的二重課税を調整しようとしてきたものであり,また,国税庁が公表している上記通達のコンメンタール(甲14)には,「特定外国子会社等がわが国の法令に基づいて,その国内源泉所得に対して課された法人税等は,上記の『外国法人税』に含まれないということになるのであるが,これは二重課税の調整の観点から不合理である。」との解説がなされているのであるから,被控訴人も,外国子会社合算税制によって生じる国内的二重課税を調整しないことが不合理であることを争っていないというべきである。(ウ)外国子会社合算税制は,国際的に先進諸国で立法されているCFC税制(ControlledForeignCorporation(被支配外国法人)税制の略称である。)に該当するが,先進諸国の立法例では,CFC税制が適用された場合に国内的二重課税を生じさせないような仕組みが採用されており,CFC税制が国内的二重課税を排除しないことが著しく不合理であることは国際的にも広く承認されているのであり,原判決の判断は,国際的には非常識なものである。
(エ)措置法66条の6第1項の「課税対象留保金額」の意味内容を明らかにするには,第2項2号所定の「未処分所得の金額」の定義中の「決算に基づく所得の金額」の意味を明らかにしなければならないところ,この「決算に基づく所得の金額」に国内源泉所得が含まれることは,文理上一義的に明らかではない(「決算に基づく所得の金額」という用語を全世界所得と解釈し,「外国法人税」には我が国の法人税等は含まれないという解釈を採用すると,措置令39条の14第2項は,およそ論理的に意味のない規定としか解釈することができない。)。文理解釈によっては,「決算に基づく所得の金額」という用語の意味を一義的に理解することができないという合理的な疑いがあるから,租税法の解釈のあり方に従って,趣旨解釈をするべき理由がある。
また,特定外国子会社等の国内源泉所得が合算対象所得に含まれるという被控訴人の主張する文理解釈を採用すると,措置令39条の18第8項本文(平成22年政令第58号による改正前のもの。以下,「措置令39条の18第8項」というときは,特に断らない限り,同改正前のものをいう。)は,法律の委任なく「国内源泉所得」を「国外源泉所得」に変換するという意味を持つ規定であることになるが,このことは,翻って被控訴人主張の文理解釈(外国子会社合算税制の法令には,特定外国子会社等の国内源泉所得を課税対象留保金額から除くとは規定されていないので,かかる国内源泉所得も外国子会社合算税制上合算の対象とされるという解釈。)自体に問題があることの証左である。なお,「国内源泉所得」と「国外源泉所得」の区別は,外国税額控除の基本構造に係るものであるから,法律事項であって,政令限りで変換することは許されない。
(オ)原判決は,個別の規定の個別の文言のみに着目して「文理解釈」を行い,その文理解釈によった場合には特定外国子会社等の国内源泉所得について国内的二重課税が生じたとしても一概に不合理とまではいい難いという価値判断を梃子として,そのような誤った「文理解釈」を是とした上で,文理を離れて趣旨解釈(限定解釈)することができるのは合憲限定解釈が許される場合に限られると判示しているが,これは通常の法解釈のあり方とは相容れないものであり,誤っている。原判決は,文理を離れた解釈をすることが許されない理由として,最高裁昭和55年(行ツ)第15号同60年3月27日大法廷判決・民集39巻2号247頁における立法裁量論を援用し,立法裁量を尊重しなければならないことを挙げているが,同判決における立法裁量論は,立法府が立法裁量を行使したことが認められる事案についてのものであり,立法府が立法裁量を行使したことをおよそ肯定する余地のない本件には全く妥当しない。
(カ)課税対象留保金額は,文理のみによって一義的に理解することはできず,特に1号外国法人である特定外国子会社等の国内源泉所得は,法人税法上その全額について法人税が課せられることとされている所得であるから,外国子会社合算税制上,課税対象留保金額には含まれないと解釈しなければならない理由が,常に,すべからく妥当する。1号外国法人である特定外国子会社等の国内源泉所得については,100%確実に我が国の法人税の国内的二重課税が生じることからしても,通常の解釈手法を用いて憲法の趣旨に沿った丁寧な解釈を行うことによって,国内的二重課税を起こさせないような解釈を探求すべき要請がひときわ強いというべきである。
外国子会社合算税制には,国内的二重課税を排除する規定や仕組みは置かれていないことを前提とすれば,控訴人が主張する趣旨解釈(限定解釈)に従って,少なくとも1号外国法人である特定外国子会社等の国内源泉所得のように法人税法上その全額について法人税が課される所得については,これを課税対象留保金額には含まれないと解釈すべきである。

措置令39条の14第1項1号は委任の範囲を逸脱する政令であり無効
であること
(ア)内国法人の所得の税負担と軽課税国に置かれた外国関係会社の所得の税負担との間の実質的な公平を図るという外国子会社合算税制の趣旨・目的を考慮すると,特定外国子会社等の範囲について定める措置法66条の6第1項柱書きにおける「本店又は主たる事務所の所在する国又は地域におけるその所得に対して課される税の負担が本邦における法人の所得に対して課される税の負担に比して著しく低いもの」との文言のうち,「税の負担」とは,本店所在地国以外の地域における「税の負担」も含んだものを意味していると解釈すべきである。(イ)措置法66条の6第1項柱書きの「税の負担」が本店所在地国のみの税の負担を指すと文言上一義的に解釈することができるという前提に立つとしても,政令の規定が法律による委任の範囲を超えるかどうかについては,形式的に法律及び政令の文言を比較するだけでなく,法の趣旨や目的,さらには,同項が一定の類型を掲げた趣旨や他者との均衡等をも考慮して解釈すべきである。そして,上記規定の趣旨・目的に照らすならば,「本店又は主たる事務所の所在する国又は地域におけるその所得に対して課される税の負担が本邦における法人の所得に対して課される税の負担に比して著しく低いもの」が一定の幅のある概念であるとしても,その上限は,少なくとも我が国において通常の内国法人の税負担より低い税負担を負う外国法人と解されるべきであり,既に我が国において通常の内国法人と同じ税率で,その全所得に対して我が国の法人税等を課されている外国法人が上記の「一定の幅」に含まれることはあり得ない。
しかし,措置令39条の14第1項1号は,外国関係会社自身の税の負担を考慮することなく特定外国子会社等に該当すると定めているため,当該外国関係会社が1号外国法人に該当する場合を当然に含むことになるが,1号外国法人の国内源泉所得は,100%確実に内国法人と同じ税負担を我が国で負うのであるから,その国内源泉所得を外国子会社合算税制により合算課税するとなれば,当該所得の税負担は,確実に内国法人より重い税負担になる。
このように,措置令39条の14第1項1号は,措置法66条の6第1項柱書きによって政令に委任された範囲を逸脱して特定外国子会社等の範囲を広げる要件を定めているといわなければならず,委任の範囲を逸脱する限度において無効と解すべきである。

措置令39条の14第1項1号は,控訴人に適用される限度で,憲法1
4条で定められた法の下の平等に反し,適用違憲となること
制度全体の合理性と本件各処分の憲法適合性は全く別の問題であり,たとえ不合理な事態が生じるのは「まれ」であっても,そのような不合理な事態が実際に生じた際には放置されてはならない。仮に,立法裁量論が妥当するとしても,立法裁量の範囲を超えるか否かについては仔細な検討が必要であるのに,原判決は立法裁量論の行使の妥当性に関する検討を放棄しており到底容認できない。本件で問題となっているのは法律ではなく政令であり,政府の立法裁量は限定されているというべきであることに照らしても,与えられた裁量の範囲を合理的な根拠なく超えているので,違憲である。
本件各処分により,控訴人は,特定外国子会社等を利用しなかった場合と対比して,実効税率にして約1.8倍もの著しく不利益な税負担を余儀なくされている。仮に,このような租税公平主義の法的拘束力の低下をも招きかねない著しい不利益を負わすことの根拠として考えられるものが挙げられるとすれば,特定外国子会社等を利用した者に対して懲罰的な課税をすることくらいであるが,外国子会社合算税制は,特定外国子会社等を利用した者に対して懲罰的な課税をすることを目的として策定されたものではない。
したがって,本件における著しい不利益な税負担を肯定する合理的な理由はなく,措置令39条の14第1項1号は,本件に適用される限度で違憲といえる。(2)

被控訴人
原判決の判断の誤り

(ア)原判決は,措置法66条の7第1項について措置法通達66の6-20の解釈を採用できない旨を判示した。
通達は,上級行政庁が法令の解釈等について,下級行政庁に対して行う命令ないし示達であって,行政組織の内部では拘束力を有するが,国民に対する関係では拘束力をもつ法規ではない。しかし,現実の租税行政は,通達の下に統一的かつ画一的に行われるように運営されており,租税通達が極めて重要な役割を果たしていることは周知のとおりであって,租税通達は,法令に反しない限り,法令の解釈及び運用において重要な役割を果たすものといえる。
措置法通達66の6-20についていえば,同通達の内容は,二重課税の調整を,外国税額控除制度の方式で行う場合に,この外国法人税に,特定外国子会社等の国内源泉所得に対して課された我が国の法人税等が含まれないことになれば,二重課税の調整の観点から不合理であることから,この場合の外国法人税の額に,特定外国子会社等が法人税法138条又は所得税法161条に規定する国内源泉所得に係る所得について課された法人税,所得税及び法人税法38条2項2号に掲げるものの額を含めることができることを明らかにしているものである。
外国子会社合算税制における外国税額控除(措置法66条の7)の趣旨・目的は,合算の対象となる課税対象留保金額に対し既に外国の法人税が課されている場合に,同一所得に対して外国の法人税と我が国の法人税とが二重に課されることになるため,かかる二重課税を調整することにあるところ,かかる趣旨・目的は,当該特定外国子会社等が国内源泉所得以外の所得(国外源泉所得)を得る場合に限らず,我が国における事業により国内源泉所得を得る場合にも同様に当てはまるといえる。言い換えれば,合算の対象となる国外源泉所得を有する場合と,合算の対象となる国内源泉所得を有する場合とは,当該特定外国子会社等が当該所得の源泉となる事業を行う場所が我が国以外か否かの相違にすぎず,いずれの場合も二重課税の調整の要請が同様に働くといえる。
このような趣旨を踏まえて,外国子会社合算税制における外国税額控除の対象となる税がいかなるものであるかを解釈するのが妥当であるところ,措置法66の6-20は,かかる趣旨から当然に導かれるべき結論(特定外国子会社等に課された我が国の法人税,所得税及び住民税を外国税額控除の対象とすること)を確認的に明らかにしているというべきである。そして,同通達は,一定の政策目的に基づき,課税を減免するという国家による一方的な恩恵的措置である外国税額控除制度について,我が国で課された法人税も含めて外国法人税として税額控除できるという納税者に有利な解釈を示したものである上,その適用も納税者の選択を認めるものであって強行的な取扱いではないから,外国子会社合算税制における外国税額控除の趣旨を踏まえた法令解釈として同通達の内容を採用することにつき実質的に不合理と認められる点はない。
他方,原判決によれば,特定外国子会社等の国内源泉所得に対して課された我が国の法人税と,当該特定外国子会社等に係る内国法人に対する合算課税により課された法人税との間の二重課税について調整規定は存在しないこととなり,当該内国法人は特定外国子会社等が外国法人税を課された場合には税額控除ができるのに対し,特定外国子会社等が我が国の法人税を課された場合にはそれができなくなってしまうが,上記に述べた外国子会社合算税制における外国税額控除の趣旨に照らし,このような結論になるのは妥当ではない。
以上のことからすれば,措置法通達66の6-20は,外国子会社合算税制における外国税額控除に係る措置法66条の7等に反するどころか,むしろ法令の趣旨・目的に適合する合理的なものというべきである。したがって,措置法66条7第1項所定の「外国法人税」について同通達の解釈を採用できないとする原判決の判断は誤りであり,これに基づく控訴人の主張には理由がない。
(イ)付言すると,外国税額控除制度は,恩恵的措置であるという性質から,その適用を受けるか否かが納税者の選択に委ねられているものであり,二重課税があれば必ず適用があるというものではない。
また,平成21年法律第13号による改正前の法人税法69条16項(以下,「法人税法69条16項」というときは,同改正前のものをいう。)は,「第一項の規定は,確定申告書に同項の規定による控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載があり,かつ,控除対象外国法人税の額を課されたことを証する書類その他財務省令で定める書類の添付がある場合に限り,適用する。この場合において,同項の規定による控除をされるべき金額は,当該金額として記載された金額を限度とする。」と規定しており,納税者が適用を受けようという場合には,確定申告に係る手続的要件を充足する必要がある。
これらのことからすると,外国子会社合算税制における外国税額控除の規定(措置法66条の7)は,まず納税者がその適用を受けることを選択した上,特定外国子会社等の課税対象留保金額に係る控除対象外国法人税の額の計算に関する明細を記載し,控除対象外国法人税の額を課されたことを証する書類等と共に確定申告書に添付して初めて適用があるのであって,合算課税が生じた場合には,自動的に外国税額控除制度が適用されるという強行規定ではない。
これを本件についてみると,控訴人は,平成20年4月期確定申告書に,bの課税対象留保金額に係る計算明細の添付をしているものの,措置法66条の7第1項の規定の適用の前提となる法人税法69条16項に定める「控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載」及び「控除対象外国法人税の額を課されたことを証する書類その他財務省令で定める書類の添付」をいずれも行っておらず,手続的要件を満たしていない。
したがって,控訴人については,そもそも租税法66条の7第1項の規定を適用できないものである。
(ウ)原判決は,本件通知処分の取消しを求める訴えに訴えの利益があるとし,被控訴人が指摘した判断の矛盾・抵触という問題(通知処分取消訴訟における審理の対象は税額全体であり,増額更正処分取消訴訟の審理の対象と重なり合うため,これらを別々の訴訟で争わせると,同一の納税義務について審判の矛盾・抵触が生じるおそれがある。)につき,訴訟においても,不服申立てと同様に,請求の併合ないし口頭弁論の併合によって対処することが可能である旨判示した。しかし,増額更正処分の取消訴訟と通知処分の取消訴訟のいずれもが,請求ないし弁論の併合が可能な時期に提起されるとは限らず,また,両者がそれぞれ別の裁判所に提起,係属する可能性もあるのであるから,判断の矛盾・抵触のおそれは,原判決の判示を前提としても依然として残るというべきであり,この点に関する原判決の判断は誤っているといわざるを得ない。

本件控訴について

控訴人の当審における補足的主張にはいずれも理由がなく,本件各処分はいずれも適法であるところ,原判決の判断は,措置法66条の7第1項所定の「外国法人税」の解釈と措置法66の6-20との関係に係る判示部分及び本件通知処分の取消しを求める訴えについて訴えの利益を認めた部分を除いて正当であり,結論において,本件控訴は理由がないから,速やかに棄却されるべきである。第3
1
当裁判所の判断
当裁判所の判断は,次のとおり改め,当審における当事者の補足的主張に対
する判断を後記2のとおり加えるほかは,原判決の「事実及び理由」の「第3

裁判所の判断」1~6(原判決9頁8行目~35頁末行。原判決52頁~58頁の別紙2,133頁~140頁の別紙4及び142頁の別表2を含む。)に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)

原判決11頁9行目の「見当たらず,」を「見当たらないし,論理的に
判断の矛盾・抵触が生じる可能性が残ることをもって,本件通知処分の取消請求に係る訴えの訴えの利益を否定することはできない。」と改める。
(2)

原判決12頁25行目の「外国子会社合算税制の導入時」を「昭和53
年の外国子会社合算税制の導入時」と改める。
(3)

原判決15頁5~6行目の「請求権勘案保有株式等」の後に「(内国法
人が直接に有する外国法人の株式等の数又は金額,及び,一定の要件の下に内国法人が間接に有するものと認められる外国法人の株式等の数又は金額(請求権勘案間接保有株式等)を合計した数又は金額をいう。措置令39条の16第3項1号,2号。)」を加える。
(4)

原判決21頁8行目の「同法」を「措置法」と改める。

(5)

原判決24頁7行目の「証左である」を「証左である。」と改める。
(6)

原判決27頁25行目~28頁23行目を以下のとおり改める。

「(イ)措置法等の定める外国子会社合算税制(我が国のタックス・ヘイブン対策税制)は,特定外国子会社等に所得を留保して我が国における税の負担を免れることとなる内国法人に対しては当該所得に係る一定の金額を当該内国法人の所得の金額の計算上益金の額に算入して課税することによって税負担の実質的な公平性を追求しつつ,特定外国子会社等の事業活動が経済合理性を有すると認められる場合をその適用の対象から除外し,かつ,それが適用される場合であっても所定の方法による外国法人税額の控除を認めるなど,全体として合理性のある制度ということができる(前掲最高裁平成21年10月29日第一小法廷判決参照)。そして,外国子会社合算税制に係る諸制度のうち,外国法人税額の控除は,前記のとおり,同一の所得に対する外国法人税と我が国の法人税との二重課税の調整を外国税額の控除の制度の方式によりすることとし,内国法人が特定外国子会社等を利用しなかった場合とほぼ等しい税負担となるように調整する趣旨のものと解されるところ,外国子会社合算税制が適用された結果,同一の所得に対して我が国の法人税が二重に課されることとなるような場合には,外国法人税と我が国の法人税の二重課税と同様の調整の必要があり,仮にその調整を全くしないというのであれば,外国子会社合算税制の全体としての合理性を損ないかねないというべきである。他方,措置法において,上記控除に係る「外国法人税」は法人税法69条1項に規定する外国法人税をいうものとされ(措置法66条の7第1項),法人税法69条1項及び平成21年政令第105号による改正前の法人税法施行令141条1項において,「外国法人税」とは,外国の法令により課される法人税に相当する税であって,外国又はその地方公共団体により法人の所得を課税標準として課される税である旨が定められており,これらの規定の文言からすると,我が国の法人税は,上記控除に係る「外国法人税」には当たらないということになる。しかし,上記外国法人税額の控除の制度の趣旨に照らすと,措置法66条の7の規定が,外国の法令を根拠とするもので,必ずしも我が国の法人税と同一のものとはいえない外国法人税額の控除を認めながら,我が国の法人税額の控除を認めない趣旨のものと解することはできない。同規定が,外国法人税額の控除についてのみ明記しているのは,内国法人が軽課税国に子会社を設立して経済活動を行い,当該子会社に所得を留保することによって,我が国における税の負担を回避しようとするタックス・ヘイブンについて対策を講じるという制度の設計上,ほとんどの場合,外国法人税額の控除が問題になるからであると解され,上記外国法人税額の控除の制度の趣旨に照らし,同規定は,当該子会社に国内源泉所得が生じ,我が国の法人税が課されることとなるという例外的な場合にも,当然,その法人税額について外国法人税額と同様に扱うことをその内容とするものと解すべきである(いわゆる当然解釈が妥当する。)。
なお,租税法規はみだりに規定の文言を離れて解釈すべきものではなく(最高裁平成22年3月2日第三小法廷判決・民集64巻2号420頁参照),非課税とすべき場合を定める規定(納税者の負担を減免する規定)についてもこれをみだりに拡張解釈すべきものではない(最高裁昭和48年11月16日第二小法廷判決・民集27巻10号1333頁参照)が,租税法規であるからといって当然解釈がおよそ許されないと解することはできず,措置法66条の7の規定(昭和53年に新設されたもの)については,その規定の趣旨に照らし,上記のとおり解するのが相当である。
措置法通達66の6-20において,措置法66条の7第1項及び措置令39条の14第2項1号に規定する外国法人税の額には,特定外国子会社等が法人税法138条又は所得税法161条に規定する国内源泉所得に係る所得について課された法人税等の額を含めることができる旨が定められているのは,上記のような措置法66条の7の規定の趣旨・解釈を明確にしたもので,同規定に適合した適法なものというべきである。
なお,措置法66の7第1項の規定による委任に基づき定められた措置令39条の18第8項ただし書は,控訴人のいう3分の1ルール(平成4年法律第14号による改正後の措置令39条の18第8項ただし書の規定により,特定外国子会社等が外国法人税を課さない国又は地域を本店所在地国とする場合は,控除限度額の計算上,外国法人税の額を3分の1に限定することとされていること)を採用していたものであるが,同ルールないし同ルールの前身である2分の1ルール(昭和63年法律第109号による改正後の措置令上設けられた制度)は,昭和53年に外国子会社合算税制及びこれに伴う外国税額控除の制度が創設された後10年以上を経過してから設けられたものであり,上記3分の1ルールないし2分の1ルールが採用されていたということは,措置法66条の7の規定について上記のように解することの支障になるものではない。」
(7)

原判決28頁24行目の「しかし,」を削除する。

(8)

原判決28頁25行目~末行の「前記(ア)に述べたような立法府の政
策的,技術的な判断」を「立法府の政策的,技術的な判断(租税の定立については,立法府の政策的,技術的な判断に委ねるほかはなく,裁判所は,基本的にはその裁量的判断を尊重せざるを得ないことについて,最高裁昭和55年(行ツ)第15号同60年3月27日大法廷判決・民集39巻2号247頁参照)」と改める。(9)

原判決29頁5行目の「①措置法等の定める外国子会社合算税制」~3
0頁4行目の「いうべきこと,③」を「以上に説示したところに加え,」と改める。(10)

原判決30頁9行目の「前記(イ)の点をもって,」及び11行目の
「まで」を削除する。
(11)


原判決30頁12行目末尾に改行の上,以下のとおり加える。

なお,控訴人は,前掲最高裁平成21年10月29日第一小法廷判決の判示を
一部引用して,控訴人の主張する3種類の二重課税の問題が全て解消されない限り,同税制それ自体の合理性を肯定することができないかのように主張するが,同判決において二重課税を調整するための規定として具体的に掲げられているのは措置法66条の7第1項のみであり,同判決はそのような前提に立つものでないと解される。」
(12)


原判決35頁末行末尾に改行の上,以下のとおり加える。

なお,以上に説示したところから明らかなとおり,控訴人は,bが平成20年
2月29日に納付した法人税等合計178億1406万4000円について,措置法66条の7等が規定する外国税額控除の制度の適用を受けることもできたものであるが,その適用を受けるためには,確定申告の手続において,「控除を受けるべき金額及びその計算に関する明細の記載」及び「控除対象外国法人税の額を課されたことを証する書類その他財務省令で定める書類の添付」が必要とされているところ(法人税法69条16項),控訴人は,そのような措置を執っていない(甲5の1,弁論の全趣旨)のであるから,本件において,外国税額控除の制度を適用することはできない。」
(13)

原判決133頁22行目の「措置令39条の15第1項」を「平成20
年政令第161号による改正前の措置令39条の15第1項(以下,「措置令39条の15第1項というときは,同改正前のものをいう。)」と改める。(14)

原判決134頁7行目の「法人税法23条」を「平成21年法律第13
号による改正前の法人税法23条」と改める。
2
当審における当事者の補足的主張に対する判断
(1)

控訴人は,課税対象留保金額には1号外国法人である特定外国子会社等
の国内源泉所得を含まないという解釈こそが,法解釈のあり方に従った解釈である,措置令39条の14第1項1号は委任の範囲を逸脱する政令であり無効である,措置令39条の14第1項1号は,控訴人に適用される限度で,憲法14条で定められた法の下の平等に反し,適用違憲となると主張するが,前記1で改めた後の前記引用に係る原判決の説示によれば,これらの主張が失当であることは明らかである。(2)

被控訴人は,本件通知処分の取消しを求める訴えには訴えの利益がない
と主張するが,これを採用できないことは,原判決の説示するとおりである。第4

結論

よって,原判決は相当であるから,本件控訴を棄却することとし,主文のとおり判決する。

東京高等裁判所第1民事部

裁判長裁判官

福田剛久
裁判官

石橋俊一
裁判官

小池将

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