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福岡県迷惑行為防止条例違反被告事件についてした判決に対する非常上告事件
事件番号平成28(さ)1
事件名福岡県迷惑行為防止条例違反被告事件についてした判決に対する非常上告事件
裁判年月日平成28年7月4日
法廷名最高裁判所第二小法廷
裁判種別判決
結果破棄自判
判例集等巻・号・頁集刑 第320号387頁
原審裁判所名福岡地方裁判所  小倉支部
原審裁判年月日平成26年3月17日
判示事項処断刑超過による非常上告(心神耗弱者の行為についての必要的減軽を看過)
参照法条刑訴法458条1号
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平成28年(さ)第1号福岡県迷惑行為防止条例違反被告事件についてした判決に対する非常上告事件
平成28年7月4日第二小法廷判決
主文
原判決を破棄する
被告人を懲役8月に処する
理由
福岡地方裁判所小倉支部は,平成26年3月17日,被告人に対する福岡県迷惑行為防止条例違反被告事件について,犯罪事実として,「被告人は,常習として,正当な理由がないのに,平成26年1月25日午前9時ころ,北九州市(以下省略)『a』店内で,B(当時38歳)に対し,その臀部を着衣の上から手で触って,公共の場所で,人を著しくしゅう恥させ,かつ,人に不安を覚えさせるような方法で,他人の身体に衣服の上から触れる行為をした。なお,被告人は,犯行当時中等度精神遅滞及び飲酒酩酊のため心神耗弱の状態にあったものである。」との事実を認定した。そして,累犯前科として,「被告人は,いずれも福岡地方裁判所小倉支部で,①平成21年2月12日公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例違反罪により懲役10か月に処せられ,平成21年11月6日刑の執行を受け終わり,②その後に犯した福岡県迷惑行為防止条例違反,公然わいせつ罪により平成22年8月17日懲役1年に処せられ,平成23年7月17日刑の執行を受け終わり,③更にその後に犯した強制わいせつ罪により同年11月24日懲役2年に処せられ,平成25年10月24日刑の執行を受け終わっている。」との事実を認定した。その上で,被告人の所為につき,福岡県迷惑行為防止条例(平成26年福岡県条例第56号による改正前のもの。以下「本件条例」という。)12条1項,11条1項,6条1号を適用し,所定刑中懲役刑を選択し,刑法59条,56条1項,57条により4犯の加重をした上,刑訴法181条1項ただし書を適用して,「被告人を懲役1年2か月に処する。」との判決を言い渡し,この判決は,平成26年4月1日確定した。
しかし,原判決認定の罪は心神耗弱者の行為であるから,刑法39条2項,68条3号を適用して必要的減軽をすべきところ,本件条例12条1項,11条1項,6条1号によれば,原判決認定の罪の法定刑は,1年以下の懲役又は100万円以下の罰金であり,懲役刑を選択し,累犯加重をした上で,刑法39条2項,68条3号により法律上の減軽をすると,その処断刑の長期は懲役1年となる。そうすると,これを超過して被告人を懲役1年2月に処した原判決は,法令に違反し,かつ,被告人のため不利益であることが明らかである。
よって,本件非常上告は理由があるから,刑訴法458条1号により,原判決を破棄し,本件被告事件について更に判決することとする。
原判決の確定した事実に法令を適用すると,被告人の所為は,平成26年福岡県条例第56号附則2項により本件条例12条1項,11条1項,6条1号に該当するので,所定刑中懲役刑を選択し,刑法59条,56条1項,57条により4犯の加重をし,原判決認定の罪は心神耗弱者の行為であるから同法39条2項,68条3号により法律上の減軽をし,その刑期の範囲内で被告人を懲役8月に処することとし,原審における訴訟費用の不負担につき刑訴法181条1項ただし書を適用し,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。
検察官宇川春彦
(裁判長裁判官公判出席
鬼丸かおる

裁判官

千葉勝美

裁判官

小貫芳信

裁判官
山本庸幸)

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