判例検索β > 平成29年(わ)第36号
収賄被告事件
事件番号平成29(わ)36
事件名収賄被告事件
裁判年月日平成29年6月29日
法廷名福島地方裁判所
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主文
被告人を懲役1年に処する
未決勾留日数中50日をその刑に算入する。
この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。
被告人から金23万0559円を追徴する。
訴訟費用は被告人の負担とする。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,当時,環境省東北地方環境事務所福島環境再生事務所除染等推進第四課除染推進市街地担当専門官であり,平成27年6月8日から前記福島環境再生事務所長Aが発注する平成27年度a町除染等工事(その4)(以下「本件工事」という。)の監督職員として,本件工事にかかる工事請負契約の適正な履行を確保するため,同契約の履行について,立会,工程の管理等の方法により監督をし,受注者又は受注者の現場代理人に対する指示,承諾又は協議をし,受注者が使用している下請負人,労働者等で工事の施工又は管理につき著しく不適当と認められるものがあるときは,受注者に対して,必要な措置をとるべきことを請求するなどの職務に従事していたものであるが,一般土木建築工事業等を目的とする有限会社Bの代表取締役として同社の業務を統括していたCから,本件工事に関し,本件工事の受注者であるD特定建設工事共同企業体に対し,前記有限会社Bを下請業者として推奨するなど同社が本件工事に関し下請受注できるよう有利かつ便宜な取り計らいを受けたいとの趣旨又はそのような有利かつ便宜な取り計らいを受けたことに対する謝礼及び今後も同様の取り計らいを受けたいとの趣旨のもとに供与されるものであることを知りながら,同年9月12日頃から平成28年6月28日頃までの間,福島県南相馬市b区c町d丁目e番地所在の「E」ほか13か所において,前記Cから,合計20万5929円相当の宿泊,飲食等の接待及び現金2万4630円の供与を受け,もって自己の職務に関して賄賂を収受したものである。
(証拠の標目)【省略】
(法令の適用)【省略】
(量刑上重視した事情)
被告人は,公共工事の適正な履行の確保に努めるべき監督職員の立場にありながら本件犯行に及んでおり,公共工事の適正な監督や履行に対する信頼が損なわれた。とりわけ,本件工事を含む除染作業が,被災地の早期復興が望まれる中で,特にその迅速かつ確実な履行を強く期待されていたという点は無視できず,その社会的影響も決して小さくない。
もっとも,収受した賄賂の価額や期間は判示記載にとどまっている。加えて,被告人が,本件犯行を認めて,25万円を贖罪寄付するなど反省の意を表していること,被告人には前科がないといった事情を考慮すると,被告人には,社会内での更生の機会を与えるのが相当と判断した。
よって,主文のとおり判決する。
(求刑・懲役1年,23万0559円の追徴)
平成29年7月3日
福島地方裁判所刑事部

裁判長裁判官

宮田祥次
裁判官

柴田雅司
裁判官

豊臣亮

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