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執行費用額負担決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
事件番号平成29(許)1
事件名執行費用額負担決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
裁判年月日平成29年7月20日
法廷名最高裁判所第一小法廷
裁判種別決定
結果棄却
原審裁判所名東京高等裁判所
原審事件番号平成28(ラ)1919
原審裁判年月日平成28年11月29日
判示事項既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担
裁判要旨既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担は,執行裁判所が,民事執行法20条において準用する民訴法73条の規定に基づいて定めるべきである。
参照法条民事執行法20条,民事執行法42条1項,民訴法62条,民訴法73条
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平成29年(許)第1号
執行費用額負担決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
平成29年7月20日

第一小法廷決定

主文
本件抗告を棄却する
抗告費用は抗告人の負担とする。
理由
抗告代理人小野幸治,同藤原大輔の抗告理由について
1
民事執行法42条1項は,強制執行の費用で必要なものを執行費用として債
務者の負担とする旨を定めているところ,強制執行が目的を達して終了した場合に同項の規定により執行費用が債務者の負担とされることは明らかである。これに対して,既にした執行処分の取消し(同法40条1項)等により強制執行がその目的を達せずに終了した場合に,当該強制執行が終了するに至った事情を考慮することなく,一律にその執行費用を債権者又は債務者のいずれか一方が負担すべきものと解するのは,衡平の見地に照らし相当とはいえない。そうすると,同法42条1項は,強制執行がその目的を達せずに終了した場合について定めるものではないと解されるから,同法には上記の場合の執行費用の負担についての「特別の定め」(同法20条)は設けられていないといえる。
したがって,既にした執行処分の取消し等により強制執行が目的を達せずに終了した場合における執行費用の負担は,執行裁判所が,民事執行法20条において準用する民訴法73条の規定に基づいて定めるべきものと解するのが相当である。2
本件についてこれをみると,相手方の申立てに係る強制競売の手続は,抗告
人が提起した請求異議の訴えに係る請求を認容する確定判決の正本が執行裁判所に提出されたことにより取り消されたものであるところ,上記請求が認容された理由は,上記強制競売の開始決定後に抗告人が弁済供託をしたことにより同強制競売に係る請求債権が消滅したというものである。したがって,相手方から民事執行法20条において準用する民訴法73条1項の裁判の申立てを受けた執行裁判所は,上記強制競売が終了するに至った事情を考慮して,同条2項において準用する同法62条の規定に基づき,同強制競売の執行費用を抗告人の負担とする旨の裁判をすることができる。
3
以上によれば,上記強制競売の執行費用を抗告人の負担とすべきものとした
原審の判断は,是認することができる。論旨は採用することができない。よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官
木澤克之

池上政幸

裁判官

山口

裁判官

大谷直人

厚)
裁判官

小池


裁判官

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