判例検索β > 平成29年(わ)第82号
虚偽有印公文書作成・同行使、詐欺、有印私文書偽造・同行使、政治資金規正法違反被告事件
事件番号平成29(わ)82
事件名虚偽有印公文書作成・同行使,詐欺,有印私文書偽造・同行使,政治資金規正法違反被告事件
裁判年月日平成29年7月18日
法廷名奈良地方裁判所
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主文
被告人を懲役3年に処する
この裁判が確定した日から5年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は,
第1

奈良県議会議員であったものであり,奈良県から,議員の調査研究等に資するために必要な経費に充てる政務調査費又は政務活動費
(以下「政務活動費等」
という。
)として,年度末又は任期終了時の残余の返還を条件に,平成22年度分336万円,平成23年度のうち同年4月分28万円及び同年5月以後の残余11か月分308万円,平成24年度分336万円,平成25年度分336万円,平成26年度分336万円,平成27年度のうち同年4月分28万円及び同年5月以後の残余11か月分308万円の各交付を受けていたものであるが,各年度とも政務活動費等として交付額分の支出をして残余は存在しない又は僅少である旨の内容虚偽の収支報告書等を提出することにより,返還の要否について調査権限を有する同県議会議長から命を受けた同県議会事務局長らを欺いて政務活動費等の返還を免れようと企て,

1
平成23年4月頃,同県生駒郡A町BC丁目D番E号の被告人方において,真実は,平成22年度政務調査費の調査研究費等に該当する支出ではなく,残余の額は0円ではなかったのに,同県議会議員としての職務に関し,行使の目的で,収支報告書への添付が義務付けられている領収書写しとして別表1番号1ないし5のとおり虚偽の支出額及び支出先等を記載して作成した領収書写しを添付して合計234万1500円の虚偽の支出を政務調査費のうち調査研究費等の項目で計上して収支報告書の残余欄に0円と虚偽の記載をするなどして,記名のある被告人作成名義の内容虚偽の平成22年度政務調査費収支報告書を作成し,平成23年4月28日頃,奈良市F町G番地所在の同県議会事務局において,同事務局職員に対し,前記領収書写しの添付された同収支報告書を提出して行使し,
同年5月10日頃,
同事務局職員及び同事務局長らに,
同収支報告書の記載は真実であって返還すべき残余は存在しない旨誤信させ,よって,同事務局長にその旨確定させ,前記虚偽計上額合計234万1500円から政務調査費交付限度額を超過するため充当されなかった支出分合計7万8246円を控除した政務調査費の残余相当額226万3254円の返還を免れ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。
2
平成23年5月頃,前記被告人方において,真実は,平成23年度政務調査費の調査研究費に該当する支出ではなく,残余の額は0円ではなかったのに,同県議会議員としての職務に関し,行使の目的で,収支報告書への添付が義務付けられている領収書写しとして別表2番号1のとおり虚偽の支出額及び支出先等を記載して作成した領収書写しを添付して18万9000円の虚偽の支出を政務調査費のうち調査研究費の項目で計上して収支報告書の残余欄に0円と虚偽の記載をするなどして,平成23年4月分の政務調査費に係る記名のある被告人作成名義の内容虚偽の平成23年度政務調査費収支報告書を作成し,平成23年5月24日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,前記領収書写しの添付された同収支報告書を提出して行使し,同年6月20日頃,同事務局職員及び同事務局長らに,同収支報告書の記載は真実であって返還すべき残余は存在しない旨誤信させ,よって,
同事務局長にその旨確定させ,
前記虚偽計上額18万9000円から政務調査費交付限度額を超過するため充当されなかった支出分合計2万333円を控除した政務調査費の残余相当額16万8667円の返還を免れ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。
3
平成24年4月頃,前記被告人方において,真実は,平成23年度政務調査費の調査研究費に該当する支出ではなく,残余の額は0円ではなかったのに,同県議会議員としての職務に関し,行使の目的で,収支報告書への添付が義務付けられている領収書写しとして別表3番号1ないし4のとおり虚偽の支出額及び支出先等を記載して作成した領収書写しを添付して合計207万9000円の虚偽の支出を政務調査費のうち調査研究費の項目で計上して収支報告書の残余欄に0円と虚偽の記載をするなどして,平成23年5月以後の11か月分の政務調査費に係る記名のある被告人作成名義の内容虚偽の平成23年度政務調査費収支報告書を作成し,平成24年5月1日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,前記領収書写しの添付された同収支報告書を提出して行使し,同年5月8日頃,同事務局職員及び同事務局長らに,同収支報告書の記載は真実であって返還すべき残余は存在しない旨誤信させ,よって,同事務局長にその旨確定させ,前記虚偽計上額合計207万9000円から政務調査費交付限度額を超過するため充当されなかった支出分合計11万4148円を控除した政務調査費の残余相当額196万4852円の返還を免れ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。
4
平成25年4月頃,前記被告人方において,真実は,平成24年度政務調査費の調査研究費等に該当する支出ではなく,残余の額は0円ではなかったのに,同県議会議員としての職務に関し,行使の目的で,収支報告書への添付が義務付けられている領収書写しとして別表4番号1ないし9のとおり虚偽の支出額及び支出先等を記載して作成した領収書写しを添付して合計211万300円の虚偽の支出を政務調査費のうち調査研究費等の項目で計上して収支報告書の残余欄に0円と虚偽の記載をするなどして,記名のある被告人作成名義の内容虚偽の平成24年度政務調査費収支報告書を作成し,平成25年4月30日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,前記領収書写しの添付された同収支報告書を提出して行使し,同年5月10日頃,同事務局職員及び同事務局長らに,同収支報告書の記載は真実であって返還すべき残余は存在しない旨誤信させ,よって,同事務局長にその旨確定させ,前記虚偽計上額合計211万300円から政務調査費交付限度額を超過するため充当されなかった
支出分合計7万2450円を控除した政務調査費の残余相当額203万7850円の返還を免れ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。5
平成26年4月頃,前記被告人方において,真実は,平成25年度政務活動費の調査研究費等に該当する支出ではなく,残余の額は0円ではなかったのに,同県議会議員としての職務に関し,行使の目的で,収支報告書への添付が義務付けられている領収書写しとして別表5番号1ないし8のとおり虚偽の支出額及び支出先等を記載して作成した領収書写しを添付して合計218万4000円の虚偽の支出を政務活動費のうち調査研究費等の項目で計上して収支報告書の残余欄に0円と虚偽の記載をするなどして,記名のある被告人作成名義の内容虚偽の平成25年度政務活動費収支報告書を作成し,平成26年4月28日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,前記領収書写しの添付された同収支報告書を提出して行使し,同年5月9日頃,同事務局職員及び同事務局長らに,同収支報告書の記載は真実であって返還すべき残余は存在しない旨誤信させ,よって,同事務局長にその旨確定させ,前記虚偽計上額合計218万4000円から政務活動費交付限度額を超過するため充当されなかった支出分合計7万4547円を控除した政務活動費の残余相当額210万9453円の返還を免れ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。
6
平成27年4月頃,前記被告人方において,真実は,平成26年度政務活動費の調査研究費等に該当する支出ではなく,残余の額は0円ではなかったのに,同県議会議員としての職務に関し,行使の目的で,収支報告書への添付が義務付けられている領収書写しとして別表6番号1ないし11のとおり虚偽の支出額及び支出先等を記載して作成した領収書写しを添付して合計232万6680円の虚偽の支出を政務活動費のうち調査研究費等の項目で計上して収支報告書の残余欄に0円と虚偽の記載をするなどして,記名のある被告人作成名義の内容虚偽の平成26年度政務活動費収支報告書を作成し,平成27年4月30日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,前記領収書写しの添付された同収支報告書を提出して行使し,同年5月8日頃,同事務局職員及び同事務局長らに,同収支報告書の記載は真実であって返還すべき残余は存在しない旨誤信させ,よって,同事務局長にその旨確定させ,前記虚偽計上額合計232万6680円から政務活動費交付限度額を超過するため充当されなかった支出分合計22万1723円を控除した政務活動費の残余相当額210万4957円の返還を免れ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。7
平成27年5月頃,前記被告人方において,真実は,平成27年度政務活動費の調査研究費等に該当する支出ではなく,残余の額は0円ではなかったのに,同県議会議員としての職務に関し,行使の目的で,収支報告書への添付が義務付けられている領収書写しとして別表7番号1ないし3のとおり虚偽の支出額及び支出先等を記載して作成した領収書写しを添付して合計18万8600円の虚偽の支出を政務活動費のうち調査研究費等の項目で計上して収支報告書の残余欄に0円と虚偽の記載をするなどして,平成27年4月分の政務活動費に係る記名のある被告人作成名義の内容虚偽の平成27年度政務活動費収支報告書を作成し,同年5月27日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,前記領収書写しの添付された同収支報告書を提出して行使し,同年6月17日頃,同事務局職員及び同事務局長らに,同収支報告書の記載は真実であって返還すべき残余は存在しない旨誤信させ,よって,同事務局長にその旨確定させ,前記虚偽計上額18万8600円から政務活動費交付限度額を超過するため充当されなかった支出分合計3981円を控除した政務活動費の残余相当額18万4619円の返還を免れ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。

8
平成28年4月頃,前記被告人方において,真実は,平成27年度政務活動費の調査研究費等に該当する支出ではなく,残余の額は1万7069円ではなかったのに,同県議会議員としての職務に関し,行使の目的で,収支報告書への添付が義務付けられている領収書写しとして別表8番号1ないし6のとおり虚偽の支出額及び支出先等を記載して作成した領収書写しを添付して合計147万6360円の虚偽の支出を政務活動費のうち調査研究費等の項目で計上して収支報告書の残余欄に1万7069円と虚偽の記載をするなどして,平成27年5月以後の11か月分の政務活動費に係る記名のある被告人作成名義の内容虚偽の平成27年度政務活動費収支報告書を作成し,平成28年4月28日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,前記領収書写しの添付された同収支報告書を提出して行使し,同年5月11日頃,同事務局職員及び同事務局長らに,同収支報告書の記載は真実であって返還すべき残余は1万7069円である旨誤信させ,よって,同事務局長にその旨確定させ,前記虚偽計上額合計147万6360円の返還を免れ,もって人を欺いて財産上不法の利益を得た。
第2

同県生駒郡A町HI丁目J番K号に主たる事務所を置き,政治資金規正法に基づき同県選挙管理委員会に設立の届出をした政治団体Lの代表者であったものであるが,

1⑴

平成25年3月頃,第1記載の被告人方又はその周辺において,同法12条1項の規定により前記選挙管理委員会に提出すべき前記政治団体の平成24年分の収支報告書を作成するに当たり,行使の目的で,ほしいままに,領収証の日付欄に
「平成24年12月27日」金額欄に

「¥399,
000」

ただし書欄に「機関誌発行費用」等,発行者欄に「M」等と記載して「N」と刻された印鑑を押捺したものを複写機で複写して作成し,もってM作成名義の領収証1通を偽造した上,平成25年3月29日頃,奈良市F町G番地所在の同選挙管理委員会事務局において,同事務局職員に対し,偽造に係る同領収証を真正に成立したもののように装って同団体の平成24年分収支報告書と共に提出して行使した。



平成25年3月頃,前記被告人方において,前記政治団体の平成24年分の収支報告書に,真実は,同団体が機関紙誌の発行事業費をMことO(以下「M」という。
)に支出した事実がないのに,機関紙誌の発行事業費39万9
000円をMに支出した旨虚偽の記入をした。
2⑴

平成26年3月頃,前記被告人方又はその周辺において,同法12条1項の規定により前記選挙管理委員会に提出すべき前記政治団体の平成25年分の収支報告書を作成するに当たり,行使の目的で,ほしいままに,領収証の日付欄に「平成25年12月27日」
,金額欄に「¥694,000」
,た
だし書欄に「機関誌発行費用」等,発行者欄に「M」等と記載して「N」と刻された印鑑を押捺したものを複写機で複写して作成し,もってM作成名義の領収証1通を偽造した上,
平成26年3月25日頃,
前記事務局において,
同事務局職員に対し,偽造に係る同領収証を真正に成立したもののように装って同団体の平成25年分収支報告書と共に提出して行使した。



平成26年3月頃,前記被告人方において,前記政治団体の平成25年分の収支報告書に,真実は,同団体が機関紙誌の発行事業費をMに支出した事実がないのに,機関紙誌の発行事業費69万4000円をMに支出した旨虚偽の記入をした。

3⑴

平成27年3月頃,前記被告人方又はその周辺において,同法12条1項の規定により前記選挙管理委員会に提出すべき前記政治団体の平成26年分の収支報告書を作成するに当たり,行使の目的で,ほしいままに,領収証の日付欄に「平成26年8月24日」
,金額欄に「¥378,000」
,ただ
し書欄に「機関誌発行費用」等,発行者欄に「M」等と記載して「N」と刻された印鑑を押捺したもの及び領収証の日付欄に「平成26年12月25日」
,金額欄に「¥702,000」
,ただし書欄に「機関誌発行費用」等,
発行者欄に「M」等と記載して「N」と刻された印鑑を押捺したものをそれぞれ複写機で複写して作成し,もってM作成名義の領収証2通を偽造した上,平成27年3月31日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,偽造
に係る前記各領収証を真正に成立したもののように装って同団体の平成26年分収支報告書と共に提出して行使した。


平成27年3月頃,前記被告人方において,前記政治団体の平成26年分の収支報告書に,真実は,同団体が機関紙誌の発行事業費をMに支出した事実がないのに,機関紙誌の発行事業費合計108万円をMに支出した旨虚偽の記入をした。

第3

同県生駒郡A町HI丁目J番K号に主たる事務所を置き,政治資金規正法に基づき前記選挙管理委員会に設立の届出をした政治団体Pの代表者であるが,
1
平成27年3月頃,第1記載の被告人方又はその周辺において,同法12条1項の規定により前記選挙管理委員会に提出すべき前記政治団体の平成26年分の収支報告書を作成するに当たり,行使の目的で,ほしいままに,領収証の日付欄に「平成26年11月20日」
,金額欄に「¥388,800」
,ただ
し書欄に「機関誌発行費用」等,発行者欄に「M」等と記載して「N」と刻された印鑑を押捺したものを複写機で複写して作成し,もってM作成名義の領収証1通を偽造した上,平成27年3月31日頃,前記事務局において,同事務局職員に対し,偽造に係る同領収証を真正に成立したもののように装って同団体の平成26年分収支報告書と共に提出して行使した。

2
平成27年3月頃,前記被告人方において,前記政治団体の平成26年分の収支報告書に,真実は,同団体が機関紙誌の発行事業費をMに支出した事実がないのに,機関紙誌の発行事業費38万8800円をMに支出した旨虚偽の記入をした。

(証拠の標目)
(記載省略)
(法令の適用)


判示第1の1ないし8の各所為について
虚偽有印公文書作成の点

刑法156条,155条1項

同行使の点

同法158条1項,156条,155条1項

詐欺の点

同法246条2項
について

有印私文書偽造の点

同法159条1項

同行使の点

同法161条1項,159条1項
について

政治資金規正法25条1項3号,12条1項
科刑上一罪の処理

判示第1の1ないし8の各所為につき,それぞれ刑法54条
1項後段,10条(虚偽有印公文書作成とその行使と詐欺と
の間には順次手段結果の関係があるので,いずれも一罪とし
て刑及び犯情の最も重い虚偽有印公文書行使罪の刑で処断)
判示第2の1⑴,2⑴,第3の1の各所為につき,それぞれ同法54条1項後段,10条(有印私文書偽造とその行使と
の間には手段結果の関係があるので,いずれも一罪として犯
情の重い偽造有印私文書行使罪の刑で処断)
同法54条1項前段,後段,
10条(偽造有印私文書の一括行使は1個の行為が2個の罪
名に触れる場合であり,有印私文書の各偽造とその各行使と
の間にはそれぞれ手段結果の関係があるので,結局以上を1
罪として犯情の最も重い金額欄70万2000円に係る偽造
有印私文書行使罪の刑で処断)

刑種の選択

の各罪につき,禁錮
刑を選択

併合罪の処理

同法45条前段,47条本文,10条(刑及び犯情の最も重
い判示第1の1の罪の刑に法定の加重)
刑の執行猶予

同法25条1項

(量刑の理由)
被告人は,県会議員としての職務に資するために政務活動費等の交付を受けていたにもかかわらず,概算払いで交付され,精算時には適切に支出されたことがうかがわれる収支報告書とこれに見合う領収書の写しを提出すれば返還を免れられる政務調査費・政務活動費制度の実態をついて返還を免れている。そして,被告人が返還を免れた政務活動費等は,6年度分にわたり,合計1200万円余りと高額であり,その態様も,実在する団体や個人の名称を用いて,架空の領収書を多数作成して収支報告書の添付資料とするなど巧妙なものであった。
のみならず,
被告人は,
自らが代表を務める二つの政治団体の政治資金について,
政治活動を行うために適正に支出したかのような収支報告書をねつ造して提出しており,
県民による政治活動の監視という政治資金規正法の趣旨を著しく損ねている。以上によれば,本件一連の犯行は,その財産的損害額の大きさだけでなく,県会議員や県政全般に対する県民の信頼や期待を裏切り,ひいては,民主主義に基づく適正な地方自治の実現を根本から揺るがしかねないものであり,その結果は重大というほかなく,県民の負託にこたえなければならない県会議員としての自覚を著しく欠いたものであって,強い非難を免れない。なお,弁護人は,被告人の支出には,適正に計上すれば政務活動費等として認められるものもあった旨主張するけれども,被告人自身はこのような適正な計上措置を講じようとしなかったばかりか,上記のように適正に支出したかのような外形を作出した欺罔を用いた本件犯行において,弁護人指摘の点が特に酌むべきほどの事情とは到底認められない。以上によれば,被告人の刑事責任は重く,本件は実刑を選択することも十分に考えられる事案というべきである。
しかしながら,被告人は,弟の助力を得て,県に対して,返還を免れた政務活動費等相当額に法定利息も加えて全額返還しており,財産的被害はすべて回復されている。また,被告人は,議員を辞職し,収支報告書の訂正を行い,公判廷においても本件を認めて,県民や支援者に申し訳ないことをしたと述べるなど,反省の態度を示している。以上に加えて,被告人に前科前歴がないことなどの事情も考慮すると,被告人に対しては,主文の刑を科し,猶予期間を最長とした上でその刑の執行を猶予するのが相当である。
(求刑

懲役3年6月)

平成29年7月28日
奈良地方裁判所刑事部
裁判長裁判官

西川篤志
裁判官

宇田美穂
裁判官

佐木健詞々
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