判例検索β > 平成25年(行ウ)第27号
朝鮮学園無償化不指定処分取消等請求事件
事件番号平成25(行ウ)27
事件名朝鮮学園無償化不指定処分取消等請求事件
裁判年月日平成29年7月19日
法廷名広島地方裁判所
結果却下
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主1文
文部科学大臣の原告学校法人Aに対する公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則1条1項2号ハの規定に基づく指定を求める訴えをいずれも却下する。

2
原告らのその余の訴えに係る請求をいずれも棄却する。

3
訴訟費用は原告らの負担とする。
事実及び理由

第1
1
請求
原告ら
文部科学大臣が,原告学校法人Aに対し,平成25年2月20日付で行った公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則1条1項2号ハの規定に基づく指定をしないとした処分を取り消す。
文部科学大臣は,原告学校法人Aに対し,公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則1条1項2号ハの規定に基づく指定をせよ。

2
原告学校法人Aを除く原告ら
被告は,別紙「原告ら目録」記載の原告番号1から110まで(103を除く。
)の原告に対し,それぞれ,別紙「請求金額一覧表」の「請求合計」欄記載の金額及びこれに対する平成25年10月29日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2

事案の概要

1
事案の要旨
本件は,B学校(以下「本件学校」という。
)を設置,運営する学校法人であ
る原告学校法人A(以下「原告法人」という。
)が,文部科学大臣に対し,平成
22年11月25日付けで,公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律(以下「支給法」という。
)2条1項5号,公
立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則(以下「本件省令」という。
)1条1項2号ハの規定に基づく指定
に関する規程(以下「本件規程」という。
)14条1項に基づいて,日本に居住
する外国人を専ら対象とする各種学校(以下「外国人学校」という。)の指定を
受けるために申請(以下「本件申請」という。
)をしたところ,文部科学大臣か
ら,平成25年2月20日,①本件規程13条に適合するものとは認めるに至らなかったこと及び②本件省令1条1項2号ハを削除したことを理由として,本件省令1条1項2号ハに基づく指定をしない旨の処分(以下「本件不指定処分」という。
)を受けたことから,原告法人及び本件学校高級部に在籍し又は在籍していたとする原告(以下「原告個人ら」という。
)が,その取消しを求める
事案(第1の1

記載のとおり。
)と,その指定の義務付けを求める事案(第1

記載のとおり。
)と,原告個人らが,本件不指定処分により支給されるべ

き就学支援金の支給を受けられず,原告個人らの学習権,幸福追求権及び平等権を侵害され,精神的苦痛を被ったなどと主張して,被告に対し,国家賠償法(以下「国賠法」という。
)1条1項に基づき損害賠償を求める事案(第1の2
記載のとおり。
)である。
2
関係法令の定め
別紙「関係法令の定め」記載のとおりである。

3
前提事実(末尾に証拠を掲げた事実のほかは当事者間に争いがない。)

原告法人は,本件学校を設置,運営する学校法人である。


原告個人ら(原告番号103を除く。
)は,本件学校高級部に在籍し,又
は在籍していた者である(甲B3,6ないし19,21,27,31,32及び弁論の全趣旨)

文部科学大臣は,
平成22年5月26日,
「高等学校等就学支援金の支給に

関する検討会議」
(以下「検討会議」という。
)を設置した(乙1)

検討会議は,同年8月30日に文部科学大臣に対して「高等学校の過程に類する過程を置く外国人学校の指定に関する基準等について」を報告した。文部科学大臣は,同年11月5日,本件規程を定めた(甲1)

朝鮮民主主義人民共和国(以下「北朝鮮」という。
)は,平成22年11月
23日,大韓民国(以下「韓国」という。
)領延坪島を砲撃した。
内閣総理大臣は,同月24日,文部科学大臣に対して,朝鮮高級学校についての,本件規程15条に基づく教育制度に関する専門家その他の学識経験者で構成される高等学校等就学支援金の支給に関する審査会(以下「審査会」
という。
)の審査を停止するよう指示した。
原告法人は,同月25日付けで,本件申請を行った(甲9,乙2)。
内閣総理大臣は,平成23年8月29日,文部科学大臣に対し,朝鮮高級学校についての,審査会の審査を再開するよう指示した。
文部科学大臣は,
同年8月30日,
Cインターナショナルスクールに対し,
同年12月2日,D国際学園に対し,それぞれ本件省令1条1項2号ハを根拠に,就学支援金の支給に係る指定をした。
(甲12の1,2,甲13の1,
2)

文部科学大臣は,平成24年12月28日,朝鮮学校については,拉致問題の進展がないこと,在日本朝鮮人総聯合会(以下「朝鮮総聯」という。)と
密接な関係にあり,教育内容,人事,財政にその影響が及んでいることなどから,現時点の指定は国民の理解が得られないので,不指定の方向で検討したいとの趣旨の発言をした。
文部科学大臣は,平成24年12月28日から平成25年1月26日までの間,本件省令1条1項2号ハの削除を内容とする改正省令に関する意見公募手続(パブリックコメント)を執った。
文部科学省は,同意見公募における意見に対し,
「朝鮮学校については,拉
致問題の進展がないこと,朝鮮総聯と密接な関係にあり,教育内容,人事,財政にその影響が及んでいることを踏まえると,現時点では国民の理解が得られない」旨の考え方を示した(甲4)

文部科学大臣は,平成25年2月20日付で本件省令1条1項2号ハの削除を内容とする「公立高等学校等に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行規則の一部を改正する省令」
(以下
「改正省令」
という。
)を制定し,本件省令1条1項2号ハを削除した(以下「本件省令改正」という。(乙40)


文部科学大臣は,同日,原告法人の申請について,本件省令1条1項2号ハに基づく指定については,本件省令1条1項2号ハを削除したこと及びこれまで本件規程に基づき原告法人の本件規程に定める指定の基準への適合性を審査したが,本件規程13条に適合すると認めるに至らなかったことを理由に本件不指定処分をした(甲3,乙41)

原告法人は,平成25年4月15日,本件不指定処分に対する異議申立てを行った(甲7)

文部科学大臣は,
同年10月31日,
原告法人の異議申立てを棄却した
(甲
8)

原告らは,平成25年8月1日,本訴を提起した。
4
争点


本件規程13条は支給法の委任の範囲外として無効か。


本件規程13条は憲法14条に違反して無効か。


本件学校が,本件規程13条に適合するものとは認めるに至らないとの
文部科学大臣の判断に裁量の範囲の逸脱,濫用が認められるか。

本件規程13条に適合するものとは認めるに至らないことを理由として
指定しないことは違法か。

本件不指定処分に手続的な違法があり無効となるか。
行政手続法5条ないし7条に違反するか。
行政手続法8条に違反するか。
審査会の審査の結論を待たなかったことにより違法となるか。

本件省令改正により本件不指定処分が違法となるか。


本件不指定処分は,憲法や条約に違反するか。
原告個人らの権利を保障した憲法13条,26条に違反するか。
原告個人らの学習権及びマイノリティ教育を受ける権利を侵害して違法か。
原告法人の教育の自由(憲法26条)を侵害して違法か。
憲法14条に違反するか。
平等権を保障した国際人権法に違反するか。


原告個人らの訴えにつき,行政事件訴訟法(以下「行訴法」という。)3
7条の2又は37条の3の要件を満たすか。


原告法人の訴えにつき,行訴法37条の3の要件を満たすか。
第1の2の請求に関して


文部科学大臣が,本件学校を支給対象外国人学校に指定するか否かの判断をしなかったことや,本件省令改正及び本件不指定処分をした一連の行為が,国賠法1条1項の適用上違法となるか。

イウ
原告個人らに生じた損害はいくらか。

エ5
文部科学大臣に故意・過失が認められるか。

原告個人らについて国賠法6条上の相互保証があるか。

争点に対する当事者の主張

(原告らの主張)
支給法2条1項5号の「高等学校の課程に類する課程」との文言及び支給法の趣旨からすれば,その教育内容・課程に照らして判断する細則を文部科学省令に委任しているにすぎず,財務関係を含む学校運営の適正という観点の判断を規則に委任していない。すなわち,
「高等学校の課程」と「財務関係
を含む学校運営の適正」とは全く別の概念であり,かつ,財務関係を含む学校運営の適正は,学校教育法や私立学校法の規制に委ねれば十分との趣旨に出たものと解さなければならない。
したがって,本件規程13条は,支給法の委任の趣旨・文言に反し無効である。
(被告の主張)
支給法は,就学支援金が受給権者である生徒等の授業料に係る債権に確実に充当されることを要請し,この要請を実現するための仕組みを採用しており,学校運営を適正に行うことができない学校を就学支援金の支給対象校とすることを許容していない。
「高等学校の課程」とは広く教育内容,学校の組
織及び運営体制も含むものであり,教育課程のみに限定されるものではない。また,支給法の対象となる考え方として,制度上,客観的に「高等学校の課程に類する課程を置くもの」であることが確認できるものを本件省令1条1項に定めることとし,本件省令1条1項2号ハについては,文部科学大臣が日本の高等学校の課程に相当する課程であると判断した場合にも就学支援金の支給対象校として指定できることとしたものであり,個別に支給対象校として指定する場合には,支給法の対象となる学校には,学校の設置認可の取得や運営上,教育基本法,学校教育法,私立学校法などの諸規定に基づく規制が適用されているから,これらの法令に基づく適正な学校運営がなされていることを,改めて確認する必要があるとされているのであり,支給法が関知していないという主張は誤りである。
本件規程13条は憲法14条に違反して無効か
(原告らの主張)


本件省令1条1項2号イ及びロ規定が適用される外国人学校については,本件規程13条の要件を求めていないにもかかわらず,朝鮮学校についてのみ本件規程13条の要件を求めているのは,憲法14条に違反する。すなわち,本件省令1条1項2号イ及びロ規定が適用される外国人学校については,学校運営について,学校教育法,私立学校法の規制を超える以上の規制を行わないまま,就学支援金を支給しているのと比較した場合,明らかに不合理である。
(被告の主張)
本件省令1条1項2号イは,具体的には,大使館等を通じて日本の高等学校に対応する外国の学校と同等の課程を有するものとして当該外国の学校教育制度において位置付けられていることが確認できるもの(民族系外国人学校)を,同号ロは,国際的に実績のある学校評価団体の認証を受けていることが確認できるもの(インターナショナルスクール)をそれぞれ指しており,いずれも,大使館等の証明や国際的な評価機関による認証によって,制度上,
「高等学校の課程に類する課程」であることを確認できるものを対象としたものである。他方,上記のような確認ができない外国人学校が存在しており,また,その該当性の審査を文部科学大臣が個別に確認する方法によって行うことが可能であると考えられたことから,本件省令1条1項2号ハとして,
「イ及びロに掲げるもののほか,文部科学大臣が定めるところにより,高等学校の課程に類する課程を置くものと認められるものとして,文部科学大臣が指定したもの」との規定が置かれていた。なお,朝鮮高級学校については,支給法2条1項5号の「各種学校」となっているものの,要件を満たせば,制度上,同項1号の「高等学校」になり得るし,本件省令1条1項2号イによる指定,同号ロによる指定もあり得るところであり,同号ハによる指定を受けなければ就学支援金の支給対象校となり得ないというものではない。
本件規程13条が支給対象外国人学校の指定の基準として法令に基づく学校の運営の適正性を定めているのは,就学支援金制度の対象となる外国人学校についても,同じく就学支援金制度の対象となる学校であって財務関係を含む学校運営の適正を求める趣旨,内容の学校教育法及び私立学校法の各規定の適用がある私立高等学校及び専修学校(高等課程)と同様に,就学支援金が授業料に係る債権の弁済として確実に充当が行われることが確認できる体制が整っていることが当然の要件となるものであり,これを含めて高等学校の課程に類する課程を行うための学校運営が法令に基づく適正なものであり,国民の租税負担によって授業料の負担を軽減するにふさわしいものであると確認できることが必要であるとの趣旨に基づくものである。このように,本件省令1条1項2号イ及びロは,日本の高等学校の課程に相当する課程であることを,当該外国の大使館等や,当該団体の認定を受けているという事実を通じて制度的・客観的に確認できるが,そのような確認ができない外国人学校については,個別に判断しようとしたものであり,本件規程13条は,改めて確認することとしたものであって,何ら憲法14条に違反しない。
本件規程13条に適合するものとは認めるに至らないとの判断に裁量の範囲の逸脱,濫用が認められるか



(原告らの主張)
平成24年3月26日に行われた第6回審査会では,外形的な基準について,朝鮮高級学校全体が基準を満たしていることが確認されたのに対し,①審査基準に抵触しうる事項,②申請内容の重大な虚偽について,重大な法令違反に該当する事実は確認できなかった。さらに,朝鮮総聯の直轄組織である教育会が学校運営を支配しているという事実,学校から朝鮮総聯に対して寄付が行われている事実,議事録の偽造等の事実も確認できなかったとされた。この時点で不指定とされるべき根拠は全くなく,速やかに指定がなされるべきであった。
しかしながら,その後,朝鮮高級学校に対する質問は,一転して政治的な内容へ変化した。文部科学大臣が本件不指定処分を行うにあたって最も重視したのは,拉致問題の進展がないこと及び朝鮮総聯との関係である。原告法人は,本件規程13条の要件を充足しているものであり,同条の基準に適合するものとは認められないとした文部科学大臣の判断は,基礎とされた重要な事実に誤認があるため重要な事実の基礎を欠き,また,事実に対する評価についても明らかに合理性を欠いており,判断課程において考慮すべき事情を考慮しない結果,判断の内容が社会通念に照らして著しく妥当性を欠く不合理なものであるから,裁量権の範囲の逸脱・濫用であり違法である。
(被告の主張)

文部科学省初等中等教育局財務課高校修学支援室(以下「支援室」とい
う。
)から照会された事項に対する朝鮮高級学校側の回答は,北朝鮮や朝鮮総聯による影響を否定するような記載であったものの,客観的には朝鮮総聯傘下の団体に加入,活動するなどしていることがうかがわれるような内容があるばかりか,朝鮮総聯のホームページにもそのことがうかがわれるような内容がある。また,平成22年2月11日には,北朝鮮が過去半世紀以上にわたり日本国内の朝鮮学校に対して総計約460億円の資金提供を行っていたという新聞報道が,同年3月11日には,朝鮮学校で使用されている教科書には故金正日氏の決裁が必要という新聞報道が,同年9月26日には,朝鮮学校の生徒のうち朝鮮総聯の幹部等の子供は学費が免除されており,朝鮮高級学校の場合には,朝鮮総聯が学費と同程度の額を教育手当として出すこととされており,同手当は,生徒や保護者が受け取らず,
学校側の会計上で学費と相殺する形で処理されているとの新聞報道が,平成23年10月26日には,朝鮮学校の校舎や敷地が朝鮮総聯の関連する金融機関の債務の担保となっており,そのうち高級学校を含む13校の校舎及び敷地が,同金融機関の破綻を受けて,仮差押えがされているとの新聞報道が,同年11月1日には,朝鮮総聯が朝鮮学園の理事会議事録を偽造したという新聞報道が,平成24年10月17日には,新聞報道の中に,肖像画の交換の対象となるのは,朝鮮高級学校を含み,肖像画は朝鮮総聯中央宣伝広報局が一括して準備するとの記載があるなど,本件学校を含む朝鮮高級学校と北朝鮮及び朝鮮総聯との関係を指摘する報道が度々されていた。
その他にも,
①在日本大韓民国民団発行
『民団新聞』
(2011.
1.1)に「総連の新たな内部文書を公開し,
「朝鮮学校は金日成-金正日
親子へ『忠誠の電文』を送るという思想・政治運動を学校ぐるみで展開している」と批判」との記載があること,②在日本大韓民国民団発行『民団新聞』
(2013.3.17)に「こうした問題(引用者注:思想教育の問題)は朝鮮学校の上部団体が朝鮮総連であり,人事や配置まで朝鮮総連の指示を受けるという『垂直支配』に起因している」との記載があること,③北朝鮮報道機関『労働新聞』
(2012.4.4)に「総連は,我が共和
国の堂々たる海外同胞組織であり,在日朝鮮学校は,総連組織が運営する合法的な民族教育機関である。
」との記載があること,④在日本朝鮮人総聯
合会中央常任委員会発行『朝鮮総聯』
(1991.2.1)に「朝鮮学校の
管理運営は,
朝鮮総聯の指導のもとに,
教育会が責任をもって進めている。

との記載があること,⑤北朝鮮による拉致被害者家族会連絡会及び北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会作成に係る平成22年8月25日付け「朝鮮学校への国庫補助に反対する要請文」に「朝鮮学校の生徒らは,学内で組織運営されている『在日本朝鮮青年同盟(朝青)』とい
う政治組織に全員加盟して,北朝鮮の金正日政権を支える政治活動に参加しています。…(中略)…総連は世論喚起のデモや集会に朝鮮学校生徒を『朝青』組織を通じて大々的に動員しています。朝鮮学校は純粋な教育機関ではなく,拉致被害者をいまだに帰さない朝鮮労働党の日本での工作活動拠点なのです。
」との記載があること,⑥在日本大韓民国民団中央本部作成に係る平成22年(2010年)7月27日付け「朝鮮学校「高校無償化」に関する申し入れ書」に「問題は教育を受ける子供たちの側にあるのではなく,教育機関たる朝鮮学校そのものにあるのです。…(中略)…朝鮮学校は運営面においても教科内容の面においても,また教育全般面においても朝鮮総連の指導を通じ北朝鮮政府の完全なコントロール下にあり,日本社会一般の常識をはるかに越えるような教育,
指導が行われています。

との記載があること(平成24年(2012年)2月13日付け「朝鮮高級学校
「高校授業料無償化・就学支援金支給制度」
についての申し入れ書」
も同旨。なお,各申入れ書は,それぞれ同日付けで文部科学大臣宛てに提出されている。,⑦公安調査庁作成に係る内外情勢の回顧と展望(平成2)
5年(2013年)1月。平成24年の調査及び情報の収集・分析に基づくもの)に,
「朝鮮総聯は,我が国政府の『高校無償化』措置に関し,かね
て朝鮮人学校生徒への適用を実現すべく諸活動に取り組んできたところ,2月から3月までの間,日本人支援者らを前面に出して『無償化』適用を求める集会や街頭署名運動などを集中的に実施した。また,7月から9月までを『無償化』適用実現のための『3か月集中戦』期間に設定し,主として朝鮮人学校の教職員,父兄,生徒らを動員して,各地で街頭宣伝活動を繰り広げたほか,
我が国政府や政界関係者に対する要請活動などを行い,
早期の適用を改めて求めた。
」との記載があること,⑧公安調査庁作成に係
る内外情勢の回顧と展望(平成24年(2012年)1月。平成23年の調査及び情報の収集・分析に基づくもの。
)に,
「7月に開催された『総聯
の新たな全盛期を開くための中央熟誠者大会』では,
『朝鮮人学校への生徒
勧誘活動に取り組み,来年度の学生数増加が確定した』
」との記載,
「思想
教育においては,特に,権力の『世襲』に対する組織内の否定的な反応に留意しつつ,段階的に学習・伝達の対象を拡大していくものとみられる。また,組織拡大に向けては,基層組織と並んで,卒業生や生徒父兄なども含め多数の在日韓国・朝鮮人と関わりを有する朝鮮人学校を
『活動の拠点』
と位置付け,
『同胞再発掘運動』の活性化に努めていくものとみられる。

との記載があること,⑨公安調査庁作成に係る内外情勢の回顧と展望(平成23年(2011年)1月。平成22年の調査及び情報の収集・分析に基づくもの。
)に,
「朝鮮総聯は,2010年(平成22年)初頭から,第
22回全体大会(22全体会)に向け,活動を活発化させた。…(中略)…朝鮮人学校への生徒勧誘活動や会員に対する思想教養活動などの組織強化に向けた活動に集中的に取り組むなどして大会への気運醸成に努めた。」
との記載,
「朝鮮総聯は,我が国政府の『高校無償化』措置に関し,朝鮮総
聯中央に『対策委員会』を設置し(2月)
,朝鮮人学校生徒への『無償化』
適用実現に向けた活動に組織を挙げて取り組んだ。これらの活動では,主に,朝鮮人学校教職員・父兄・生徒,日本人支援者らを前面に出して,『無
償化』適用を求める世論の幅広い喚起に努め,我が国政府や政界関係者への要請活動,記者会見,集会・デモ,街頭署名運動などを継続的に実施するとともに,…(中略)…,早期の適用を改めて求めた。
」との記載がある
こと,⑩公安調査庁作成に係る内外情勢の回顧と展望(平成22年(2010年)
1月。
平成21年の調査及び情報の収集・分析に基づくもの。に,

「朝鮮総聯は,…(中略)…活動家・会員に対する思想教育を強化するとの方針を改めて打ち出した。,
」「朝鮮総聯は,…(中略)…活動家1人が自
己に割り当てられた在日朝鮮人5世帯に対する教育・宣伝普及の責任を負う『5戸担当宣伝員体系』の再整備に努める」との記載があること,⑪公安調査庁作成に係る内外情勢の回顧と展望(平成21年(2009年)1月。平成20年の調査及び情報の収集・分析に基づくもの。
)に,
「各地方
組織では,組織色を薄めた文化・体育サークル設置や福祉活動など,幅広い在日韓国・朝鮮人を取り込む『受け皿』づくりなどを行った」との記載,「朝鮮総聯は,…(中略)…北朝鮮建国60周年に際しては,幹部活動家,若手活動家,商工人など各階層別の代表団を総勢数百人規模で北朝鮮に派遣し,…(中略)…これら代表団の一部は朝鮮労働党幹部から,思想教育の徹底などを図るよう指導を受けた。
」との記載があることなど,朝鮮高級
学校が朝鮮総聯や北朝鮮と関係があり,同校において適正な学校運営がされていないと疑われる事情や,⑫産経新聞(平成23年11月18日)において,朝鮮総聯の元幹部の告発であるとして,
「朝鮮学校への自治体から
の補助金が,在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)に流用されていた疑いがあることが17日,分かった。…(中略)…学校資金の流用に関する証言は複数あり,補助金を担保にした資金調達も行われていたという。,」「流用
は教育会会長らしか知らず,児童・生徒の保護者からの寄付金などで補填し,
帳簿上の帳尻を合わせたという。との記載があること,

⑬産経新聞
(平
成22年2月21日)において,
「朝鮮学校で,学費納入時に在日本朝鮮人
総連合会(朝鮮総連)傘下団体の活動費を同時に徴収していたことが20日,内部資料から分かった。朝鮮総連が学校行事で寄付名目などで保護者らから多額の資金を吸い上げていた実態も判明。,
」「総連関係者は『集めた
金が総連中央や北朝鮮に渡るのは当然で,仕方ないとあきらめている保護者,関係者は多い』と指摘。
『無償化が適用されても集金圧力が弱まるわけ
ではなく,学校と総連が一体である限り,結局,われわれの知らないところに消えてしまう』と話している。
」との記載があること,⑭上記で述べた
在日本大韓民国民団中央本部作成に係る各申入れ書に
「就学支援金が…
(中
略)…本来の趣旨から外れて実際には朝鮮総連への迂回支援に繋がることを本団は憂慮するものであります。
」との記載があることなど,朝鮮総聯が
朝鮮高級学校を利用して資金を集めていると疑われる事実があった。さらに,上記の平成22年1月に出された公安調査庁の「内外情勢の回顧と展望」の中の報告において,
「朝鮮総聯は,朝鮮人学校での民族教育を『愛族
愛国運動』の生命線と位置付けており,学年に応じた授業や課外活動を通して,北朝鮮・朝鮮総聯に貢献し得る人材の育成に取り組んでいる。朝鮮人学校では,一律に朝鮮総聯傘下事業体『学友書房』が作成した教科書を用いた朝鮮語での授業を行っている。例えば,高級部生徒用教科書『現代朝鮮歴史』では,北朝鮮の発展ぶりや金正日総書記の『先軍政治』の実績を称賛しているほか,朝鮮総聯の活動成果などを詳しく紹介している。朝鮮総聯は,このほか,教職員や初級部4年生以上の生徒をそれぞれ朝鮮総聯の傘下団体である在日本朝鮮人教職員同盟(教職同)や在日本朝鮮青年同盟(朝青)に所属させ,折に触れ金総書記の『偉大性』を紹介する課外活動を行うなどの思想教育を行っている。
」とされていた。加えて,平成2
2年11月17日の参議院予算委員会において,公安調査庁長官により,「朝鮮総連は,朝鮮高級学校などの朝鮮人学校での民族教育を愛族愛国運動の生命線と位置付け,北朝鮮,朝鮮総連に貢献し得る人材の育成に励んでいるというところでございます。そして,朝鮮総連の影響は,朝鮮人学校の教育内容,
人事,
財政に及んでいると,
このように承知しております。
(中略)教育内容には,朝鮮人学校におきます教科書を見てみますと,朝鮮総連の傘下事業体であります学友書房が作成した教科書を用いて,北朝鮮の発展ぶりあるいは金正日総書記の実績を称賛する内容が含まれていると,このように承知いたしております。
」との答弁がなされていた。

文部科学大臣は,以上のような事実関係を前提として,朝鮮高級学校に対する北朝鮮や朝鮮総聯の影響力は否定できず,その関係性が教育基本法16条1項で禁じる「不当な支配」に当たらないことや適正な学校運営がされていることについて十分な確証を得ることができず,就学支援金を支給したとしても,授業料に係る債権に充当されないこと(在籍生徒数について虚偽の報告を行い,過剰に就学支援金を代理受領することや,国から就学支援金が支給されたにもかかわらず,不当な働きかけ等により,生徒又は保護者がその旨を外部に明らかにすることができず,結果として,そのような事態が公にならない可能性も否定できない。
)が懸念され,原告法
人が設置する本件学校を含む朝鮮高級学校について,本件規程13条に定める基準に適合するものとは認めるに至らないと判断した。
文部科学大臣が行った判断は,本件申請に対する審査の過程において明らかになった事実関係をその前提としてされたものであり,当該前提事実の収集方法,その評価において問題となるような事情はないから,文部科学大臣の当該判断は,専門的,技術的判断として不合理なものとはいえない。
なお,文部科学省の考え方として「拉致問題の進展がないこと」という部分があるものの,これは,本件省令改正について行われた意見公募手続において寄せられた主な意見の概要に対する文部科学省の考え方であって,本件規程13条の適合性について行われたものではない。また,審査会において,朝鮮高級学校全体が基準を満たしていることが確認されたという事実はない。
(原告らの反論)

本件学校が「不当な支配」を受けているというのであれば,被告は,学校教育法,私立学校法などにより認められた監督・規制の手段を用いて是正すべきであったところ,そのようなことはしていない。したがって,「不
当な支配」とみられる事態が存在しないことの現れと見るべきである。

本件規程は,
「高等学校の課程に類する課程を置く」教育施設かどうかの
客観的な判断を行うため,指定の基準及び手続を定めるものであるから,本件規程の各条項は,指定申請書や添付書類等から客観的な判断が可能な基準が想定されているのであり,その判断を困難とするような抽象的な概念をさしはさむことはできない。また,法令に基づく学校運営かどうか,債権の弁済への充当が確実にされるかどうかということについても,当該学校の会計帳簿等の客観的な資料に基づき判断されることが予定されている。したがって,申請書類や地方自治体への問い合わせ等により明確な法令違反が指摘されなければ,本件規程13条を理由に不指定処分をすることができない。

教育基本法16条1項は,公権力の関与,影響を排除するための規定であるから,本件で問題にならない。また,不当な支配の対象は教育内容であって,特定学校ではないから特定団体が本件学校に影響を与えても不当な支配には当たらない。
本件学校が設立された歴史的沿革や現在までの取り組みや教育状況に鑑みれば,
北朝鮮や朝鮮総聯の影響があるとしても,
それは
「不当な支配」
には当たらない。


支給法の目的からすれば,就学支援金が他に流用されるおそれが否定できないという程度で,その支給を許容しないものとは解されない。支給法11条,本件規程16条ないし18条によれば,支給法は,事後的措置により対処することを予定しているといえる。抽象的な「流用のおそれ」や「懸念」を理由とすれば,恣意的な運用を許すこととなり,支給法はこのような抽象的な概念を理由に指定をしないことを想定していない。被告の主張する根拠は,朝鮮総聯のホームページや新聞報道,公安調査庁の報告に過ぎず,この程度で就学支援金の流用の具体的可能性や蓋然性を根拠付けるものとはいえない。


本件規程13条の法令には,教育基本法は含まれない。なぜなら,本件省令1条1項2号イ及びロ規定が適用される外国人学校等について本件規程13条の適用がないのは,それがなくとも十分と考えられたためであり,検討会議において,学校教育法,私立学校法による規制の存在があることは認識されていたが,教育基本法が含まれるとは認識されていなかったからである。

過去の問題及び他の朝鮮学校の事情を考慮することは許されない。なぜなら,過去の問題は既に改善されている。また,東京都による朝鮮学校調査報告書は,本件不指定処分後の報告書であるから,本件不指定処分の際の考慮要素にならない。また,各学校によって判断資料が異なるので,E学園の事案は判断材料にすることは許されない。

(被告の反論)

学校教育法13条1項(同法134条2項により準用)の閉鎖命令や,
私立学校法62条1項(同法64条5項により準用)の解散命令は,当該学校及び準学校法人(私立学校法64条4項)について法令に違反した状態が回復する見込みがない場合や他の方法により監督の目的を達することができない場合に限り発することができるとされており,
「不当な支配」が
あれば直ちに各命令が発せられるものではない。したがって,各命令が発せられていないことが「不当な支配」とみられる事態が存在しないことの現れということはできない。

支給対象外国人学校に該当するか否かの判断が「技術的,専門的見地か
ら客観的に判断されるべきである」としても,だからといって,法令に基づく学校の運営が適正に行われているか否かを検討し,その前提として教育基本法16条1項が禁止する教育に対する「不当な支配」の有無を考慮することができないなどということはない。

本件規程13条は,本件省令1条1項2号ハの指定に当たって検討され
なければならない重要事項を定めたものであるから,申請書類等の形式的な審査で足りるとはいえず,支給法の趣旨からいえば,実質的に確認すべきことが要請されている。

支給法の趣旨からすれば,流用のおそれが否定できない場合には支給対
象外国人学校に指定しないと文部科学大臣が判断することは不合理ではない。だからこそ,本件規程13条は,指定要件として「確実」な充当と規定しているのである。

本件規程13条の基準に適合すると認めるには至らないと判断した根
拠については,種々のものがあるが,新聞報道については,一つの機関のみならず,別の機関からも報道されており,さらに言えば,一部の新聞報道については,北朝鮮や朝鮮総聯側が認めるものもあった。公安調査庁の報告についていえば,その調査対象団体である朝鮮総聯に対して行った調査,報告を軽視することができないのみならず,警察庁長官官房審議官や警察庁警備局長も,国会において,同様の見解を示している。また,平成25年11月の東京都による「朝鮮学校調査報告書」において,特に,E学園が所有する土地が朝鮮総聯の負債のために担保提供され,かつ,E学園が資金を支出して朝鮮総聯の負債を弁済していることから,E学園と朝鮮総聯との間で不当な資金提供が行われていることが看取できる。本件規程13条に適合すると認めるに至らないことを理由として指定しないことは違法か



(原告らの主張)
本件規程13条は,
支給法2条1項5号の
「高等学校の過程に類する過程」
を置いているかどうかを判断するために必要というよりも,
「高等学校の過
程に類する」と認められる学校に対して,今後,法令に基づいて,就学支援金が確実に生徒のために使われるよう求める規定である。
したがって,他の基準を満たすにもかかわらず,本件規程13条に適合しないことのみを理由として,不指定処分をすることは予定されていない。(被告の主張)
支給法1条,6条,8条からすると,支給法は,就学支援金が受給権者である生徒等に対する授業料に係る債権に確実に充当されることを要請しているものであって,設置者によって他に流用されるおそれが否定できないにもかかわらず就学支援金を支給することを許容するものではない。そこで,就学支援金制度の対象となる学校であって財務関係を含む学校運営の適正を求める趣旨,内容の学校教育法及び私立学校法の各規定の適用がある私立高等学校及び専修学校(高等課程)と同様に,就学支援金制度の対象となる外国人学校についても,就学支援金が授業料に係る債権の弁済として確実に充当が行われることが確認できる体制等が整っていることが当然の要件となるものであるから,本件規程13条において,就学支援金の授業料債権への充当が適正に行われることを特に明示して定めている。
また,各種学校である外国人学校についても,適正な学校運営を求める趣旨,内容の学校教育法や私立学校法の規定が準用されるところ(学校教育法134条2項,私立学校法64条5項)
,支給法は,高等学校の課程に類する
課程の履修を含む適正な学校運営を求める学校教育法や私立学校法の規定ないしその趣旨に違反する各種学校を就学支援金支給の対象学校とすることを許容するものではなく,この点について,本件規程13条において,「指
定教育施設は,・
・・法令に基づく学校の運営を適正に行わなければならない。

と定めている。教育基本法16条1項は,教育に対する不当な支配を禁止しているところ,この「不当な支配」を受ける学校は,学校運営そのものを適正に行うことができないから,
「不当な支配」
のある外国人学校については,
その学校運営が適正に行われることを支給対象外国人学校の指定の基準とする本件規程13条に適合しない学校として,支給対象外国人学校の指定をすることはできない。
就学支援金が授業料に係る債権に確実に充当される学校であること,教育基本法等の関係法令に則した適正な学校運営をしている学校であることは,本件省令1条1項2号ハの指定に当たって当然に検討されなければならない重要事項であり,支給法はこれらの事項を支給対象外国人学校の指定の要件としているというべきであるから,これらの事項を支給対象外国人学校の指定の基準とする本件規程13条に適合すると認めるに至らないことのみを理由として不指定処分をすることも予定されている。
行政手続法5条ないし7条に違反するか



(原告らの主張)
本件省令1条1項2号ハについての審査基準は本件規程にあるが,標準処理期間は設定されておらず,原告法人が申請してから2年以上も文部科学大臣から応答がないままであった。文部科学大臣は,原告法人が申請した後,2年3か月もの間,
指定するか否かの処分を決しなかった。
文部科学大臣が,
このように手続を遅延させたのは,
原告法人を何とかして指定しないよう
「あ
ら探し」を行い続けていたからである。このように長期間手続を遅延させることは,行政手続法6条,7条に違反する重大な違法であり,本件不指定処分は取り消されるべきである。
また,本件省令1条1項2号ハを削除したことを理由として不指定処分を行うのは,一旦設定された審査基準に従って申請がなされた後に審査基準自体を無意味とするような改正を行ったものであるから,行政手続法5条に違反する重大な違法行為であり,本件不指定処分は取り消されるべきである。(被告の主張)
平成22年11月25日から平成23年8月29日まで審査手続が停止されていたのは,北朝鮮による砲撃事件が起こったことにより,国民の生命と財産,秩序の安定が脅かされかねない不測の事態に備え,万全の態勢を整える必要があり,そのような事態の中,北朝鮮による砲撃事件についての報道状況や世論を踏まえると,本件規程15条で文部科学大臣が指定を行おうとするときは意見を聴くこととされている審査会の委員が静ひつな環境の中で(報道状況や世論にとらわれず)公正な審査を行うことができるかどうかについて懸念があったからである。したがって,行政手続法6条及び7条に違反するとはいえない。仮に本件不指定処分に行政手続法6条及び7条に違反する事由があるとしても,本件学校は実体的に本件省令1条1項2号ハによる指定を受けられない外国人学校であるから,結局のところ原告らには本件不指定処分を取り消す利益はなく,その意味においても,上記事由は本件不指定処分の違法を根拠づける事由になるものではない。
行政手続法5条は,許認可等の制度の改正自体を制約するものではない。また,文部科学大臣は,本件申請について,本件省令1条1項2号ハの規定を前提として審査を行い,本件学校が本件規程13条に適合するものとは認めるに至らないと判断して本件不指定処分をしたものであるから,いずれにしても本件不指定処分が違法とされることはない。
行政手続法8条に違反するか



(原告らの主張)
本件不指定処分の理由は,①文部科学大臣が本件省令1条1項2号ハを削除したこと及び②本件規程13条に適合すると認めるに至らなかったことを挙げているが,それ自体矛盾している。
本件規程13条は,客観的指標により明確なものではなく極めて抽象的な規定である。また,原告法人は,審査に必要な書類等を提出してきたにもかかわらず,具体的な問題点の指摘もなかったため,何が原因で不指定とされたのか,認識できない。
以上から,行政手続法8条に違反する重大かつ明白な違法があるので,本件不指定処分は取り消されるべきである。
(被告の主張)
本件不指定処分の通知書においては,処分理由の一つである本件省令1条1項2号ハが削除されたことが明記されているとともに,本件規程13条に適合すると認めるに至らなかった旨が記載され,どの処分要件が認められないと判断されたかが明示されているのであり,同条は,申請者側において明らかにすべき処分要件を定めたものであることからすると,いかなる処分要件が認められないとして本件不指定処分に至ったかについて,原告法人においてこれを了知することができたというべきであるから,本件不指定処分に当たって明示されるべき処分の理由としては十分である。
なお,文部科学大臣は2つの理由を並列的に示したにすぎず何ら論理矛盾はない。
(原告らの反論)
本件不指定処分の通知書には教育基本法16条1項すら示されていなかったこと,また,いかなる事実関係をもとにして「不当な支配」の存在が認められたのか具体的に適示していないこと,就学支援金を授業料にかかる債権に確実に充当しないと認定するに至った具体的事実が適示されていないことから,理由不備の違法がある。
審査会の審査結果を待たなかったことにより違法となるか



(原告らの主張)
下村文部科学大臣が就任した平成24年12月当時,朝鮮学校について,本件規程13条の適合性に関する審査会の意見は出ていなかったのであるから,審査会の意見を尊重しようとするのであれば,文部科学大臣は,意見を取りまとめ,結論を出すよう事務局に指示するのが自然である。しかし,下村文部科学大臣は,審理の状況の照会も,審査会の意見を取りまとめるよう依頼・指示をすることもしなかった。なお,審査会が意見を出すことが真に困難であったというのであれば,その旨の結論を出すことも可能だったはずであるが,そのような結論さえ出されていない。このような審査会の判断を求めない文部科学大臣の態度と,文部科学大臣が指名された数時間後に,本件省令1条1項2号ハを削除するという経過を踏まえると,文部科学大臣は不指定の結論ありきで本件省令改正及び本件不指定処分を行ったというほかない。審査会の判断を無視してなされた本件不指定処分は違法である。(被告の主張)
本件規程15条に基づいて指定を行なおうとするときは意見を聴くものとされている審査会の意見についても,文部科学大臣の裁量判断の際の考慮要素の一つにすぎない。よって,審査会の意見によって本件不指定処分の適法性が左右されるという趣旨であれば,失当である。
また,審査会では,本件規程13条に適合するとの積極的な意見は出されなかったばかりか,審査会で明確な結論を出すのが困難である旨の種々の意見が出されていた。文部科学大臣は,これらの意見も考慮した上で,本件不指定処分をしたものであり,むしろ審査会の意見を踏まえたものである。本件省令改正により本件不指定処分が違法となるか



(原告らの主張)
本件省令1条1項2号イ及びロは,特に学校教育法上の「高等学校」に類するか否かを問うというよりも,外国の判断や国際認定機関の判断を尊重して規定されているものであり,同ハは,同イ及び同ロに該当しなくても,支給法2条1項5号に規定する「高等学校の過程に類する過程を置く」学校が存在し得ることから,そのような学校も就学支援金支給対象校として指定を受けることができるとすることにより,経済的負担の軽減を図り,もって教育の機会均等に寄与するという支給法の趣旨を実現する規定である。したがって,就学支援金の支給を受けることができる「高等学校等」の指定を文部科学大臣に委任した支給法の趣旨からは,外国の判断や国際認定機関の判断にかかわらず,日本の「高等学校」に類する過程を置く学校を支給対象校とする本件省令1条1項2号ハのような規定が不可欠である。これを削除するのは,
支給法2条1項5号による委任の範囲を逸脱する。
ところが,
平成25年2月20日,文部科学省は,本件省令1条1項2号ハのみを削除する省令改正を行った。これは支給法の委任の範囲を逸脱し,違法であるから無効である。したがって,それに基づいてなされた本件不指定処分も違法である。
(被告の主張)
支給法2条1項5号の委任の趣旨は,国会での支給法案の審議における政府側説明にもあるとおり,どのような各種学校を高等学校の課程に類する課程を置くものとして就学支援金支給の対象学校とするのが相当であるかを決めるに当たっては,その基準や評価方法等について専門的,技術的な検討を要するため,
「高等学校の課程に類する課程を置く」
ということの内容を含め
てどのような各種学校を,当該課程を置くものとして就学支援金支給の対象学校とするかの判断を,上記の専門的,技術的検討をすることができる文部科学大臣に委任し,それを文部科学省令である本件省令において定めることとする点にある。したがって,本件省令において就学支援金支給の対象学校とする高等学校の課程に類する課程を置く各種学校の基準や評価方法をどのように定めるかについては,支給法の委任の趣旨を逸脱しない範囲内において,文部科学大臣に専門的・技術的な観点からの裁量権が認められているというべきである。
本件省令1条1項2号ハに基づく支給対象外国人学校の指定としては,平成23年8月30日にCインターナショナルスクールが,同年12月2日にD国際学園が,それぞれ本件規程が定める判断の基準及び手続等に基づいて指定されている。しかし,この2校以外で同号ハに定める外国人学校に該当する可能性があると考えられていた朝鮮高級学校については,指定に係る審査の過程において,強制的に立入調査を実施して書類を押収するなどの権限がなく,指定の基準を満たすかどうかの審査に限界があることが明らかになり,
本件規程13条に適合すると認めるに至らないと判断され,
他方,
当時,
上記の2校以外には同号ハによる指定を求める外国人学校はなく,同号ハを存続させる必要性もないことから,同号ハを削除する本件省令を改正したのである。本件省令改正は以上の理由により行われたものであり,これが文部科学大臣の裁量権の範囲を逸脱・濫用し,支給法の委任の範囲を超えるものということはできない。
なお,本件学校は本件規程13条に適合するものとは認めるに至らないと判断されるものであるから,仮に本件省令改正が支給法2条1項5号の委任の趣旨を逸脱するものであるとしても,本件不指定処分が違法となることはあり得ない。
憲法13条,26条に違反するか



(原告らの主張)
本件不指定処分により,本件学校の生徒及び本件学校に入学しようとする者は,
就学支援金を受けることができない。
その結果,
経済的負担を理由に,
民族教育を受ける権利を奪われることとなる。したがって,本件不指定処分は憲法13条,26条に違反する。
(被告の主張)
本件不指定処分は,本件学校が本件規程13条に適合すると認めるに至らないことなどを理由とするものであり,原告法人及び原告個人らのみを差別して不指定としたものではなく,また,本件学校における原告個人らの人格形成及び学習権等を何ら否定するものでもないから,本件不指定処分が憲法13条,26条に違反するとの原告らの主張には理由がない。
学習権及びマイノリテ
(原告らの主張)
本件不指定処分により,本件学校の生徒及び本件学校に入学しようとする者は,就学支援金を受けることができない。その結果,これら生徒及び入学しようとする者が享有している学習権及びマイノリティ教育を受ける権利(日本国憲法98条2項,世界人権宣言26条1項及び2項,A規約前文,A規約13条1項,B規約27条,児童の権利に関する条約29条1項,30条,マイノリティ権利宣言4条2項(
「国家は,マイノリティに属する者が
そのアイデンティティを表現しかつその文化,言語,宗教,伝統及び習慣を発展させ得る有利な条件を創出するための措置をとらなければならない」)
及び3項(
「国家は,可能な場合は常に,マイノリティに属する者が自らの母語を学び,母語で教育を受ける十分な機会を得られるよう適切な措置をとらなければならない」)が奪われることとなる。したがって,本件不指定処分)
は,これら国際人権法に違反する。
(被告の主張)
支給法は,A規約の効力を日本国内において直接に発生させるために制定された法律ではない。原告らの指摘する条約の各条項は,いずれも自動執行力を肯定することはできず,裁判規範性を有しない。
(被告の主張)記載のとおりであり,原告らが指摘する条約に自動執行力があるかという問題を論ずるまでもなく,本件不指定処分は,これら国際人権法に違反するとの原告らの主張には理由がない。

(原告らの主張)
原告法人の生徒及び原告法人に入学しようとする者が有する学習権の実現のために,原告法人には民族教育を行う自由を含む教育の自由が保障される。
本件不指定処分により,原告法人の生徒及び原告法人に入学しようとする者に経済的負担をかけることとなるから,原告法人の教育の自由を侵害する。(被告の主張)
(被告の主張)記載のとおりである。

(原告らの主張)
文部科学大臣は,各種学校に当たる外国人学校に対しては指定しながら,本件学校については,本件不指定処分のとおり指定しなかった。
この区別には合理的な理由がないので憲法14条に違反する。
(被告の主張)
本件不指定処分は,本件学校が本件規程13条に適合するものとは認めるに至らないことを理由としてされたものであり,本件規程に定める指定の基準及び手続等を離れて,原告法人及び原告個人らのみを差別して不指定としたというものではない。そして,指定の基準を満たす学校及びその生徒等とその基準を満たさない学校及びその生徒等との間で取扱いが異なるのは,当然のことであり,これが不合理な差別的取扱いに当たるものではないから,本件規程13条不適合を理由として行った本件不指定処分が憲法14条に違反するとの原告らの主張には理由がない。
(原告らの反論)
被告は他の外国人学校に対しては,理事会の開催や財務諸表の作成,当該教育施設を所轄する都道府県に対する指導・勧告の有無の確認程度で判断されており,朝鮮学校のみについて特に厳格な体制の審査を要求していたから憲法14条に違反する。
(被告の反論)
Cインターナショナルスクール及びD国際学園については,
「不当な支配」
の存在をうかがわせる外部からの指摘もなく,
「適正な学校運営」
について特
段の疑念を抱くような要素がなかったのであり,この点において,朝鮮高級学校とは事情を異にする。なお,本件規程18条が定める留意事項は,「第2

指定の基準」ではなく,
「第3章

指定の手続等」に規定されていること

からもうかがわれるように,飽くまで指定の要件を満たして指定を受けた外国人学校に対して付されるものであり,指定の要件とは別個の措置である。
(原告らの主張)
文部科学大臣は,各種学校に当たる外国人学校に対しては指定しながら,本件学校については,本件不指定処分のとおり指定しなかった。この区別には合理的な理由がないので平等権を保障した国際人権法(世界人権宣言26条,A規約2条2項及び13条,B規約26条,児童の権利に関する条約2条及び28条,あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約5条(e)及び(v)
)に違反する。
(被告の主張)
(被告の主張)記載のとおりであり,国際人権法に違反するとの原告らの主張は理由がない。
原告個人らにつき,行訴法37条の2又は37条の3の要件を満たすか(
(原告らの主張)
原告個人らにつき,行訴法37条の2又は37条の3の要件を満たす。(被告の主張)
否認ないし争う。
原告法人につき,行訴法37条の3の要件を満たすか



(原告らの主張)
本件不指定処分は違法であり無効となるから,文部科学大臣は,本件省令1条1項2号ハに基づき,規程を充足する場合,原告法人を指定しなければならない。
文部科学大臣は,本件規程13条に適合すると認めるに至らなかったことも理由にして指定しなかったのであるが,本件規程13条に適合しないことのみを理由として不指定処分をすることは,支給法が想定していない事態であり,これを理由とした不指定処分は許されない。また,本件学校が本件規程13条に反する事実はなく,これに反するとして,文部科学大臣から,具体的に問題点を指摘されたこともなかった。
以上から,文部科学大臣は,本件省令1条1項2号ハに基づく指定の処分をすべきであるにもかかわらず,これをしないから,この指定の処分を義務付けることができる。
(被告の主張)
本件訴えのうち,本件省令1条1項2号ハの規定に基づく指定の義務付けを求める訴えは,行訴法3条6項2号に定める申請型の義務付けの訴えとして提起されているものであるところ,申請型義務付け訴訟のうち,「当該法令
に基づく申請又は審査請求を却下し又は棄却する旨の処分又は裁決がされた場合」の類型については,当該処分又は裁決が「取り消されるべきものであり,又は無効若しくは不存在である」ときに限り,提起することができるとされている(行訴法37条の3第1項2号)から,併合提起した処分又は裁決の取消請求又は無効等確認請求(同条3項2号)が認容されることが訴訟要件である。しかし,本件不指定処分は,適法であり,取り消されるべきものには当たらないから,本件不指定処分の取消請求に併合提起された義務付けの訴えは,
訴訟要件を欠く不適法なものであり,
却下されるべきである。
国賠法1条1項の適用上違法となるか



(原告個人らの主張)
文部科学大臣は,本件学校を支給対象外国人学校に指定するか否かの判断を2年以上せず,同校を不指定にするためのあら探しを続け,それができないと考えるや,本件省令改正を行い,本件不指定処分をした。かかる一連の行為は,原告個人らの学習権,幸福追求権及び平等権の侵害に当たり,国賠法1条1項の適用上違法である。
(被告の主張)
文部科学大臣は,本件学校の本件規程への適合性を審査し,平成25年2月20日,本件学校が本件省令1条1項2号ハに係る指定の基準である本件規程13条に適合すると認めるに至らなかったこと及び本件省令1条1項2号ハの規定を削除したことを理由として,本件不指定処分を行ったものであり,本件不指定処分は支給法に違反するものではなく,文部科学大臣の当該判断に職務上の義務違反はない。
また,本件省令改正も支給法の委任の趣旨に反するものではないから,文部科学大臣の当該判断に職務上の義務違反はない。
さらに,文部科学大臣が本件不指定処分をするまでに一定の期間を要したのは,北朝鮮による砲撃事件があったことにより,本件申請に対する審査を公正に行うことができるか懸念があったことによる審査手続の停止期間があったことや本件学校を含む朝鮮高級学校について,指定の基準を満たすか否かの判断について慎重な審査が継続されていたことによるものであり,そこに何らの職務上の義務違反も認められない。したがって,原告個人らの国家賠償請求も理由がない。
文部科学大臣に故意・過失が認められるか
(原告個人らの主張)
文部科学大臣は,本件省令1条1項2号ハに基づく指定するか否かの判断を2年以上せず,原告法人を不指定にするためのあら探しを続け,それができないと考えるや本件省令を改正し,本件不指定処分を行った。本件不指定処分は違憲,違法であり,このことを文部科学大臣は認識していた。(被告の主張)
争う。
損害はいくらか



(原告個人らの主張)

原告個人らのうち,
生徒らは,
原告法人が指定を受けていたのであれば,

支給されたであろう支援金と同額は,逸失利益となる。
支給されたであろう支援金の金額は,1人当たり年間11万8000円であった。

原告個人らのうち,平成23年3月に卒業した原告個人ら及び平成28
年3月卒業予定の原告個人らは,それぞれ10万円,平成24年3月に卒業した原告個人ら及び平成27年卒業予定の原告個人らは,それぞれ20万円,平成25年3月に卒業した原告個人ら及び平成26年3月卒業予定の原告個人らは,それぞれ30万円の慰謝料を請求する。

国家賠償訴訟を提訴せざるをえなかったことから弁護士費用として請
求額の1割を請求する。

以上,各原告個人らが請求する金額は,別紙「請求金額一覧表」記載の
とおりとなる。
(被告の主張)
争う。
相互保証があるか



(被告の主張)
外国人である原告個人らについては,日本国に対する損害賠償請求権が認められるには,当該外国の国家賠償制度において,
「相互の保証」
(国賠法6
条)があることを要する。そして,かかる相互保証があることの主張立証責任については,原告個人らが負う。しかるに,本件においては,原告個人らの国籍が明らかにされておらず,日本人が当該外国の公務員の違法行為によって被害を受けた場合に,当該外国に対して国家賠償を請求することができたとの主張,立証もされていないから,相互保証があるとは認められない。第3
1
当裁判所の判断
争点

アについて

支給法案の審議の状況について,末尾に掲げた証拠によれば,次の各事実が認められる。

平成22年3月5日における衆議院文部科学委員会において,
「高等学

校の課程に類する課程を置く」学校であることに関して,本邦内の外国人学校のすべてに法を適用するのか否かとの質問に対し,文部科学大臣は,「高等学校の課程に類する課程として,その位置付けが,学校教育法その他により制度的に担保されているということを規定することと予定している」旨の答弁をした(乙5の1・16頁)


同日の委員会において,支給法案の審議の朝鮮高級学校を除外するか否
かとの質問に対し,文部科学大臣は,
「高等学校の課程に類する課程という
ものをどういう物差しで評価するのかということにすべての議論が集約されるのではないかというふうに思っております。その基準と確認方法についていろいろ検討しているところであります。加えて,この国会の審議も踏まえながら,最終的に省令として決めたい」旨の答弁をした(乙5の1・20頁)


同日の委員会において,
「各種学校」
(支給法2条1項5号)につき,省

令でその定義を定めることとした理由の説明を求めた質問に対し,文部科学副大臣は,高等学校の課程に類するかどうかということがまさに省令で「
定める内容でございます。専修学校あるいは各種学校というのは,その内容あるいは形態が非常に多種多様でございまして,これは極めて技術的,専門的事柄であるというふうに考えております」旨の答弁をした(乙5の1・36頁)


同日の委員会において,就学支援金支給の対象学校とする指定の対象と
される各種学校についてどのような線引きをするかとの質問に対し,文部科学大臣は,制度的に担保されていないから原則として支給対象とはしな「
いという方向を今検討しておりますけれども,学校教育法上,専修学校になれないために例外的に各種学校の認可を受けているのが外国人学校でございます。そういう意味で,例外的に各種学校の認可を受けているもので一定の要件を満たすものについては,就学支援金の支給対象とすることとしたいと考えております。なお,その際の要件として,客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であることが認められるものということでそのような外国人学校を指定することと考えておりまして,今その中身は検討をしておるところでありますし,国会の議論を踏まえながら最終的に決めたいと思っております」旨の答弁をした(乙5の1・38頁)


同日の委員会において,北朝鮮と我が国とは国交がなく,教育内容のチ
ェックもできないにもかかわらず,朝鮮高級学校を指定していいのかどうかとの質問に対し,文部科学大臣は,
「外国人学校は,どういう客観的物差
しでどういう方法でそれを確認するのがというのが,みんなにわかりやすく,そしてはっきりとある種の制度的な客観的担保がないと,おっしゃるように国としての責務を果たすことができないということの中で,まさにこの国会の議論も踏まえて検討させていただきたい」旨の答弁をした(乙5の1・39頁)


平成22年3月25日における参議院文教科学委員会において,省令の
内容として具体的にいかなるものを考えているかとの質問に対し,文部科学大臣は,
「外国人学校については,教育内容等について法令上特段の定め
がなく,本国における正規の課程と同等の教育活動や独自の教育課程に基づく自由な教育活動を行っており,我が国の学校制度をそのまま当てはめて判断することは適当ではないと考えられます。このため,外国人学校について高等学校の課程に類する課程であることを制度的に担保するための要件として,一つは,我が国の高等学校に対応する本国の学校と同等の課程であると公的に認められること,二番として,国際的に実績のある評価機関による客観的な認定を受けていることとし,これらの要件を満たすものを支給対象としたいと考えております。さらに,これらの二つの方法以外にも,客観的に我が国の高等学校の課程に類する課程であることが認められる基準や方法について,教育の専門家等による検討の場を設け,関係者の意見も聞きながら検討していきたいと考えています。旨の答弁をした」
(乙5の5・3頁)

しても,本件規程13条が支給法
の委任の範囲外であるとは認められず,委任の範囲内にあるものと認められる。その理由は,次のとおりである。

支給法案の審議において,本件規程13条の内容が委任対象となると明
示的に審議されたことは確認できないが,対象にならないと明示的に審議されてもいないため,支給法案の審議のみからは委任の範囲内にあるか否かは決定することができない。

本件規程13条は,
「高等学校等就学支援金の授業料に係る債権の弁済

への確実な充当など法令に基づく学校の運営を適正に行わなければならない」と規定しているところ,当該規定により達成しようとする効果を支給法が禁止する必要性は認められない。
むしろ,支給法1条は,授業料に充てるために就学支援金の支給を受けることができることとすることにより,教育に係る経済的負担の軽減を図ることを目的として掲げていることや,支給法11条は,不正利得の徴収が発生した場合の手当を設けた上,支給法20条により罰則規定を設けていることからすると,本件規程13条は支給法の趣旨に沿うものであるともいえる。

支給法上,
「課程」についての定義規定は存在しないが,学校教育法上の

「課程」は,
「教育課程」とは使い分けられていることからすると,単に教
育内容を指すにとどまらず,学校が提供し,生徒等が履修すべき体系化された教育そのものを指すと解釈される。

支給法上の文言の解釈は,必ずしも学校教育法上の文言の解釈と一致さ
せる必要はなく,支給法の趣旨及び目的に照らして解釈することが可能であるところ,
「高等学校の課程に類する課程」は,各種学校のうち,支給法
の対象となるか否かを区別する概念であることから,本件規程13条の内容を,
「高等学校の課程に類する課程」の解釈として,当然の前提としていると解釈することが可能である。

支給法19条は,支給法の実施に必要な事項は,文部科学省令に委任し
ているところ,本件規程13条は,支給法の実施に必要な事項に該当すると解釈できる。
もっとも,
原告らは,
平成22年3月12日,文部科学大臣が,
記者から,
「無償化によって学校に給付されるお金が授業料の無償化に使われるのかどうかを確認するというのが,大臣がこれまで言われていたような高校課程に類するかどうかの判断の一つの材料になるのでしょうか」と問われた回答で,
「ちょっと報道を詳しく知らないのであれですが,今の話と,高校課程に類する課程と判断するものは,直接的に関係するものではないと思うんです。それは個人に支給するものを学校が代理受領することができるということですので,その部分で,それが不適切に,例えば授業料は全部もらって,なおかつそれをということは,基本的にはあり得ない想定なんですけれども,そういう適切な支給ということと,この学校に支給するかどうかということとは,別の問題だと,今聞いた範囲だと思います。
」と回答していることを指
摘する。
たしかに,証拠(甲124)によれば,文部科学大臣が指摘の発言をしたことが認められるが,
同発言は国会審議での答弁ではないばかりか,
「今聞い
を左右するに至
らない。
2
末尾に掲げた証拠によれば,次の各事実が認められる。

本件省令1条1項2号ハに定める外国人学校の該当性についての判断の基準,方法等について検討するため,平成22年5月26日から同年8月19日までの間,5回にわたり,教育の専門家等が委員となって構成された検討会議が開催され,判断の基準,方法等に関して議論が交わされた(乙6の1)


第3回検討会議において,委員から,教員の質の確保と処遇を重要視す
ること,情報公開を適切に行っていることに留意すべきこと,就学支援金を代理受領する以上は,我が国の法令を遵守することはもちろんのこと,学校運営の体制がきちんとしているかどうかは重要であること,就学支援金の支給を適正に行うために必要な限りにおいて学校運営の適切さを確認する必要があることなどの指摘がされた(乙6の1)


第4回検討会議において,
「高等学校の課程に類する課程を置く外国人

学校の指定に関する基準等について」
(骨子)
(案)が示されたが,その概
要に,各種学校の運営については学校教育法,私立学校法などにおいて規定されているところ,就学支援金支給の対象学校とする指定の対象となる各種学校がこれら関係法令の諸規定の遵守をすることは当然であり,法令に基づく学校の運営の適正を改めて求めることが適当であり,基準の項目は,
これを踏まえたものとして,
「就学支援金の管理その他の法令に基づく
学校の運営が適正に行われていること」が項目として掲げられた(乙6の3)


検討会議における議論を受け,平成22年8月30日付「高等学校の課程に類する課程を置く外国人学校の指定に関する基準等について」(報告)
が策定,公表され,文部科学大臣は,同報告を基本として,本件規程を策定した(甲1,2)

)に照

らすと,本件規程13条の要件が求められたのは,高等学校の課程に類する課程であることが,当該外国の大使館等を通じて,あるいは,当該団体の認定を受けているという事実を通じて制度的に担保されていると考えられる「我が国の高等学校に対応する本国の学校と同等の課程であると公的に認められること」「国際的に実績のある評価機関による客観的な認定を受けて,
いること」の要件を満たさない学校が,それを満たすための要件として求められたことが認められるところ,本件規程13条の要件は,1で検討したとおり,
「高等学校の課程に類する課程」
の判断の当然の前提となっていると認
められることを踏まえると,合理的な理由ということができ,不合理な差別に該当せず,憲法14条に違反するものとはいえない。
高等学校の課程に類する課程を有することについて制度的に担保されている学校と,それがない学校との間に,信頼性に差があって,後者の学校に対して本件規程13条の要件を改めて確認する必要があると考えることも理由があるといえるので,原告らの主張は採用できない。
3
末尾に掲げた証拠によれば,次の各事実が認められる。

文部科学大臣は,本件規程15条に基づき,審査会の意見を聴くことと
した。審査会は,平成23年11月2日,同年12月16日,平成24年3月26日及び同年9月10日に合計4回開催され,原告法人が設置する本件学校を含む朝鮮高級学校について,支給対象外国人学校の指定の可否が審査された。しかし,審査会の審査では,朝鮮高級学校について,本件規程13条に適合するとの意見は出されなかった。
(乙7の1ないし4)


文部科学大臣は,本件申請を所管する支援室をして,審査会の審査と並
行して,
「高等学校の課程に類する課程を置く外国人学校の審査」の参考とするため,本件学校を含む朝鮮高級学校に対し,次のとおり,本件規程13条に関する問題点を指摘して,各種の文書照会等の調査をした。ウ
支援室は,平成23年11月9日,各朝鮮高級学校に対し,①「教科書内容の変更には,
北朝鮮本国の決裁が必要」
との新聞報道の真偽について,
②教育内容について朝鮮総聯の指導を受けることの有無について,③朝鮮総聯の傘下と指摘される団体への生徒・教員の自動的加入の有無,同団体の活動への参加の有無について,④朝鮮総聯幹部の役員就任の有無,役員人事に関する北朝鮮(金正日総書記)ないし朝鮮総聯の関与の有無等について,⑤我が国と北朝鮮及び朝鮮総聯との認識・立場が異なる事柄に関する指導方法について,⑥拉致問題に関する事項について,⑦大韓航空機爆破事件に関する事項について,⑧ミサイル発射に関する事項について,⑨我が国の領土等に関する教育の在り方について,⑩主体思想に対する見解についてなどを,文書により照会した(乙8)

これに対し,本件学校は,教科書内容の変更には北朝鮮本国の決裁が必要であるとの報道は事実ではないこと,教育内容について朝鮮総聯の指導を受けることはないこと,朝鮮総聯の傘下団体である在日本朝鮮人教職員同盟(教職同)や在日本朝鮮青年同盟(朝青)への教職員や生徒の加入は任意であり,
自動的に加入することはないこと,
教職同に参加する教員は,
質の向上,権利擁護など民族教育発展のための活動や世界各国の教職員との交流,福利厚生面の活動を行っていること,朝青に参加する生徒は,生徒自身の自発的,自主的な学校生活の充実,改善,向上のための活動,クラブ活動やボランティア活動,地域交流等に参加しているが,学校活動とは別であること,原告法人の理事長が教育会会長を兼任しており,学校長が教職同の役員になっているが,関連団体の役職だから法人役員というわけではないこと,朝鮮学校の管理運営は,朝鮮総聯の協力のもとに,教育会が責任をもって進めているなどとする朝鮮総聯のホームページの記述は正確ではないため,記述を変更するよう朝鮮総聯に申し入れていることなどを回答した(乙9)


支援室は,平成23年11月11日,本件学校に対し,①校地に設定された抵当権の被担保債権となる借入れの使途は何かについて,②原告法人が債務を承継したという建設委員会はどのような組織で,なぜ原告法人ではなく建設委員会が校舎建設に関する借入れを行い,原告法人が債務を承継したのか等について,③借入れに関する状況及び今後の見通しについて,④校舎の所有権の帰属が不明確で登記もされていない経緯等についてなどを,文書により照会した(乙10)

これに対し,原告法人は,被担保債権となる借入れは建設委員会が行ったものであり,原告法人の運営帳簿上に借入れ記載がないため,その使途は判断しかねること,建設委員会とは,広島県朝鮮人商工会会長が委員長となり,原告法人理事長を含む数人で委員会が構成された原告法人の外部組織であること,広島県内の大小様々な民族学校を統合建設していく過程で各建設委員会が必然的に組織され,第1初級学校移転問題,本件学校への統廃合と連なったため,学校法人ではなく建設委員会がその建設を担ったと理解していること,債務の継承については,裁判の結果,旧建設委員会の債務は,原告法人の債務であると判断されたため,継承という形になったものと理解していること,移転統合された後にも未払金があり,当時の建設会社との間で話し合った結果,校舎は登記がされないまま現在に至っていると聞いていること,
債務残高及び返済状況等を回答した
(乙11)


支援室は,平成23年12月2日,各朝鮮高級学校に対し,過去5年間における都道府県及び市町村からの補助金等の交付の有無等を,文書により照会した(乙12)

これに対し,本件学校は,補助金の交付を受けるとともに生徒に対する助成を受けていること,補助金について問題を指摘されたことはないことを回答した(乙13)



支援室は,原告法人に対し,平成24年1月19日,理事会・評議員会
の開催が確認できる書類(出席者への旅費・謝金,飲食代等の領収書や委任状等)の提出,法人内での理事等の印鑑の管理の有無,長期借入れの有無,裁判で認定された法人運営上の問題点(数十年の間正式な理事会が開かれたことがほとんどなかったこと,数億円の債務負担を伴う土地購入や借入等の場合も理事会が開催されていなかったこと,理事会に関与していない司法書士が議事録を作成しており,必ずしも議事録に対応する正式な理事会が開催されていたわけではなかったこと)の現状等を,文書により照会した(乙14)

これに対し,原告法人は,理事会・評議員会に関する上記書類はないこと,理事等の印鑑管理はしていないこと,長期借入れはないこと,裁判で認定された上記問題点は,平成8年4月の本件学校としての統合以後は整理されていることなどを回答した(乙15)


支援室は,平成24年2月6日,本件学校に対し,会計書類に関する不
明な点について質問し,回答を求めた(乙16)

これに対し,原告法人は,平成21年度消費支出超過額,前年度繰越消費支出超過額,翌年度繰越消費支出超過額について,特になしと回答した(乙17)


支援室は,平成24年3月13日,本件学校に対し,整理回収機構に対
する利息を含めた債務の総額は幾らか,校舎の所有権者として建物表題登記の義務を負わないのか等について照会した(乙18)

これに対し,本件学校は,正確な債務の総額は残務残高証明書を申請する必要があるので,後日,証明書が到着次第連絡をすること,校舎の建物表題登記をしていないことを理由に原告法人が支給対象外国人学校から除外されるのであれば,弁護士と相談の上,登記申請をしたいことなどを回答した(乙19)


支援室は,平成24年3月30日,各朝鮮高級学校に対し,①「全国の朝鮮初中級学校から選抜された生徒約100人が1~2月に北朝鮮を訪問し,故金正日氏,金正恩氏への忠誠を誓う歌劇を披露していた」との報道の真偽等について,
②金正恩氏の肖像を教室内に掲示しているかについて,③「故金正日氏の葬儀について,朝鮮学校の施設が使用され,生徒の動員が行われた」との報道の真偽の有無についてなどを,文書により照会した(乙20)

これに対し,本件学校は,①について,
「生徒が5人参加しましたが,高
級部の生徒は含まれておりません。,
」「学校行事ではありません。祖国で旧
正月を祝って,毎年行われる『新年を迎える子供たちの集い』への参加を希望する生徒たちが自由意思で参加しております。,

「朝鮮総連の協力のも
と,専門家によるオーディション(書類のビデオ)を行い,合格した生徒のみ祖国を訪問しております。,
」「オーディションに合格した当校生徒,保
護者の要望があった場合,校長の承認のもと教職員が引率として同行する事もあります。,②について,

「掲示しておりません。また,検討してもし
ておりません。(原文ママ)

,③について,
「当校の施設は使用されていま
せん。,
」「生徒に出席の指示又は呼びかけ等は行っておりません。個々の生徒が保護者と共に葬儀に参加する事に対して,当校がとやかく言うことは出来ません。
」などと回答した(乙21)


支援室は,平成24年8月24日,各朝鮮高級学校に対し,同年6月18日付けの新聞記事による,
「今月5~7日に全国の朝鮮学校長を対象に開
かれた講習には,校長69人が出席。許議長が『金正恩指導体系が確立されるよう確実に教育せよ』と指示した。
」との報道に関して,同年6月5日
から7日までの間に朝鮮総聯又は他の団体による講習会に高級学校の校長その他の教員が参加した事実の有無,教育内容に関して特定の示唆を受けた事実の有無についてなどを,文書により照会した(乙22)

これに対し,本件学校は,全国朝鮮高級学校校長会が主催する全国朝鮮学校校長講習会に校長が参加したこと,教育内容に関し,特定の示唆を受けることはなかったことを回答した(乙23)



支援室は,平成24年10月5日,各朝鮮高級学校に対し,
「各朝鮮高級

学校から2~3人ずつ選ばれた生徒が在日本朝鮮青年同盟代表団として,教員や朝鮮大学校生らと8月23日~9月1日に平壌を訪問し,金正恩第1書記に忠誠を示す行事に参加した」との報道に関して,当該行事である「青年節慶祝大会」への生徒,教員の参加の有無,参加した生徒による決議文読み上げの有無,朝鮮総聯の関与の有無についてなどを,文書により照会した(乙24)

これに対し,本件学校は,
「青年節慶祝大会」に生徒1名及び生活指導教
員1名が参加したこと,同行事について,金第1書記名による参加指示はなかったこと,夏休みに在日本朝鮮青年同盟の募集にそって,希望者が個人的に参加しているもので,
学校の関与はなかったことなどを回答した
(乙
25)


支援室は,平成24年10月19日,各朝鮮高級学校に対し,
「朝鮮総連

が故・金日成主席,金正日総書記の肖像画を新しい肖像画「太陽像」に10月中に交換するように指示した」との新聞報道に関して,朝鮮総聯等からの新たな肖像画の購入に関する案内又は指示の有無等についてなどを,文書により照会した(乙26)

これに対し,本件学校は,
「上記のような指示はありません。また,購入
予定もありません。
」と回答した(乙27)

被告は,

や,朝鮮総聯のホーム

ページの内容,新聞報道,在日本大韓民国民団発行の新聞,北朝鮮報道機関による新聞,在日本朝鮮人総聯合会中央常任委員会発行紙,公安調査庁作成に係る内外情勢と回顧の展望,公安調査庁長官の国会答弁などを根拠に,北朝鮮や朝鮮総聯の影響力は否定できず,その関係性が教育基本法16条1項で禁じる「不当な支配」に当たらないことや適正な学校運営がされていることについて十分な確証を得ることができず,
就学支援金を支給したとしても,
授業料に係る債権に充当されないこと(在籍生徒数について虚偽の報告を行い,過剰に就学支援金を代理受領することや,国から就学支援金が支給されたにもかかわらず,不当な働きかけ等により,生徒又は保護者がその旨を外部に明らかにすることができず,結果として,そのような事態が公にならない可能性も否定できない。
)が懸念され,原告法人が設置する本件学校を含む
朝鮮高級学校について,本件規程13条に定める基準に適合するものとは認めるに至らないと判断したと主張する。
上記主張の根拠と

であ

るが,当該事実は,証拠(乙9,28ないし39)により,認めることができる。これらの事実は多数にわたっているが,原告らの反論に鑑みても,次の点が挙げられるので,
本件学校について,
就学支援金を支給したとしても,
授業料に係る債権に充当されないことが懸念され,本件規程13条が定める「債権の弁済への確実な充当」が適正に行われると認めるに至らないとの文部科学大臣の判断に,裁量の範囲の逸脱,濫用が認められるとはいえない。ア
支援室が,原告法人に対して照会した内容の一つに,裁判で認定された
法人運営上の問題点が挙げられている。当該裁判の内容については,広島地方裁判所平成19年4月27日言渡しの判決書(乙50)
,その控訴審で
ある広島高等裁判所平成20年12月26日言渡しの判決書(乙51)にそれぞれ記載がある。上記各判決書によれば,当該裁判は,F信用組合(以下「F」という。
)から債権譲渡を受けた当該裁判の原告が,本件の原告法
人及び原告法人の元理事長の相続人らを被告として,貸金返還請求及び連帯保証債務履行請求をした民事訴訟事件であるところ,原告法人は,元理事長が理事会決議がなく行ったなどと主張し,元理事長の相続人らはFも原告法人も朝鮮総聯の指示に従って活動する団体であり,Fが債権を有しておれば,朝鮮総聯の指揮下で本件訴訟のような請求は起こらないので信義則違反であるなどと主張して,請求の棄却を求めたものと認められる。上記各判決書中には,裁判所が認定した事実として,原告法人は,朝鮮総聯本部の強力な指導の下にあること,原告法人が設立した組織である委員会があるが,同委員会の事務局長は,朝鮮総聯広島県本部からの要請により,同委員会が管理していた口座から,朝鮮総聯広島県本部への融通金として,あるいは,融通金に関連して合計5000万円を出金したことが挙げられている(乙51・31,56,62頁)
。また,上記各判決書には,
原告法人の元理事長の相続人らは,原告法人は,朝鮮総聯のもとでその指示に従って活動する団体であるとの主張をし(乙51・26頁)
,原告法人
も,原告法人が貸付けを受けた金銭については,朝鮮総聯広島県本部の会館建設費用の貸付けを付け替えたものであるとの内容の朝鮮総聯広島県本部委員長が作成した陳述書を根拠として,原告法人への貸付けではなかった旨の主張をしているとの各記載がある(乙51・71頁)

上記各判決書の記載からは,朝鮮総聯の強力な指導の下にある者の中には,原告法人の理事長が含まれ,それら指導の下にある者は,朝鮮総聯の指導によって朝鮮総聯のために原告法人の名義や資産を流用した過去があり,そのような事態が今後起こり得ると考えることに理由がないとは言い難い。

証拠(乙8,9,28・3頁)によれば,朝鮮総聯の平成23年11月
9日頃のホームページには,
「朝鮮総連の協力のもとに,教育会が責任をも
って進めている。教育会は,中央,都道府県,学校単位で,専任,学父兄を中心に組織されている。教育会は同胞学父兄の愛国心と熱意を呼び起こし,学校運営に必要な財政をまかない,学校の施設や設備,環境をととのえている」との記載があり,平成25年5月2日付のホームページには,「地方本部は,中央本部の決定と方針にしたがって管轄地域の諸般の活動を企画,組織,推進し,管下の階層別団体,事業体,学校を指導する。」と
の記載があったことが認められる。
アで示した判決がなされた平成20年12月26日以降,本件不指定処分がなされた平成25年2月20日までの間の朝鮮総聯の報道は,上記のとおりであり,朝鮮総聯において,朝鮮学校に対する強力な指導を変更したり,見直しをしたりしたなどの報道は見当たらず,一方,原告法人理事長の陳述書(甲B1)には,朝鮮総聯による不当な支配はなく,朝鮮総聯との協力関係は続くとの記載があるにとどまるため,アで指摘した朝鮮総聯の強力な指導に何らの変化もなく,再び指示がでるのではないかと考えたとしても理由がないとも言い難い。
これに対し,原告らは,
のとおり主張する。
しかしながら,原告らの主張のうち,原告法人は本件規程13条の要件を充足していることを前提にする主張(原告らの主張)は,

の理由により採

用することができない。また,教育基本法の適用や解釈論をいう部分((原告
らの反論)ア,ウ,オ)については判断する必要がない。また,客観的な資料に基づき判断すべきとの点(
(原告らの反論)イ)については,

ア,イの

根拠は客観的な資料に基づくといえるので反論は当たらない。流用の具体的可能性を必要とするとの点(
(原告らの反論)エ)については,本件規程13
条の解釈として,流用の具体的可能性が認められなければ,債権への確実な充当が認められるとの関係があるとはいえないので採用できない。過去の問題として既に改善されているとの点(
(原告らの反論)カ)については,過去
の問題の原因は朝鮮総聯による強力な指導であり,既に改善されているとは認められないので,採用できない。
4
エについて
1で検討した結果によれば,
本件規程13条は,
「高等学校の課程に類する課
程」を置いているかどうかを判断するために設けられたと認められる。したがって,本件規程13条に適合しないことのみを理由として,不指定処分をすることも予定されていると解される。

5
について
末尾に掲げた証拠によれば次の各事実が認められる。

文部科学大臣は,平成23年3月8日における参議院予算委員会において,
審査手続の停止に関する質問に対し,
「国家の安全にかかわる事態の中
で,審査の手続があのような状況の中で正常に行われるかどうか,これも懸念があったのでございます。「そういう状況の中において,審査が静ひ」
つな環境の中で行われるかと,これは本当に懸念がありました。
」と答弁し
た(乙42・37頁)


第4回審査会(平成23年11月2日)において,
「朝鮮高級学校の審査

に当たっては,これまで審査を行ってきたケースと異なり,時間がかかる可能性がある。懸念される点が多く指摘されていることもあり,いろいろな点を明らかにしていく必要があるのではないか。
」との意見が出された
(甲26,乙7の1・1頁)


第5回審査会(平成23年12月16日)において,
「朝鮮高級学校と朝

鮮総連との関係など学校運営に不透明なことがあれば,疑念がないようクリアにしていく必要があるのではないか。
」との意見が出された(甲27,
乙7の2・1頁)


第6回審査会(平成24年3月26日)において,
「法令違反とまで判断

しがたい場合でも,適正に学校運営が行われているかどうかは慎重に判断すべきではないか。,
」「いくら確認しても,すっきり指定することができる
ようにならない。留意事項の内容について検討すること自体はよいが,学校運営などの面で適正かどうか判断しがたいとも思われる。,
」「そもそも,
この審査会において,指定の可否を議論し,結論を出すのは限界があるのではないか。
」との意見が出された(甲28,乙7の3・1,2頁)


第7回審査会(平成24年9月10日)において,
「こちらも捜査権があ

るわけではないので,真偽の確証を得ることについては限界もある」との意見が出された(甲29,乙7の4・1頁)


までの間,審査手続が停止されたのは,審査会の委員が静ひつな環境の中で公正な審査を行うことができるかどうかについて懸念があるとの判断によるものであるところ,その判断に不合理な点は認められないといえる。また,平成23年8月29日以降の審査手続についても,審査会の中で懸念される点が多いとの意見が出され,結論が出されないまま長期化したということができる。
以上の点を踏まえると,審査が長期化したのは理由があり,また,やむを得ないものと認められるところ,審理期間が設定されていないことも考慮すると,本件不指定処分について行政手続法6条,7条違反があり,取消事由となるとは解されない。
原告は,本件省令改正は行政手続法5条違反であり,本件不指定処分の手続違反となる旨,主張する。
しかしながら,本件不指定処分は,本件省令1条1項2号ハの規定を前提になされているから,本件省令改正の結果は,本件不指定処分の違法性の判断に影響を与えない。したがって,行政手続法5条違反があり,取消事由になるとは解されない。
6
について
一般に法が行政処分に理由を附記すべきものとしているのは,処分庁の判断の慎重・合理性を担保してその恣意を抑制するとともに,処分の理由を相手方に知らせて不服の申立に便宜を与える趣旨に出たものであり,どの程度の記載をなすべきかは,
処分の性質と理由附記を命じた各法律の規定の趣旨・

同38年5月31日第2小法廷判決・民集17巻4号617頁参照)。
本件不指定処分は,文部科学大臣による指定処分であるところ,その性質は,これを受けることによって初めて就学支援金の支給対象校たる地位が創設されるというものであり,その処分要件の適合性については,申請者側において明らかにすべきものである。
本件不指定処分の理由については,第2の3

のとおり,本件規程13条

に適合すると認めるに至らなかったことが明らかにされているところ,本件規程13条は,
「高等学校等就学支援金の授業料に係る債権の弁済への確実
な充当など法令に基づく学校の運営を適正に行われなければならない」と規定しているから,これらの事実が認められないことは原告法人において了知できたと認められる。
これに対し,原告らは,本件省令1条1項2号ハが削除されたことが記載されていることにより矛盾した記載となって理解ができない,また,教育基本法16条1項が記載されていないので法令に同法が入っていたとは理解ができない,さらに,判断に至る具体的な事実関係の記載がないので理由に至る経緯が理解できないと主張する。
しかしながら,本件規程13条に適合すると認めるに至らなかったことは,本件省令1条1項2号ハが削除されたことと並べて記載されても,了知不能になるとはいえない。また,教育基本法16条1項の了知ができないとしても,本件規程13条自体に例示が記載されているから,少なくともその例示の及ぶ範囲の事実は了知可能といえる。
さらに,
「高等学校等就学支援金の授
業料に係る債権の弁済への確実な充当」が認められないことの判断根拠は,本件不指定処分の性質に照らすと,具体的な事実関係というよりも,原告法人が提出した書類
(回答の内容を含む。及びその他の調査の結果により得ら

れた書類の存在とそれらに対する評価(回答内容を信用することができない等)といえるので,明らかにすべき事情とはいえない。
以上の検討の結果によれば,本件不指定処分について行政手続法8条違反があり,本件不指定処分の取消事由があるとはいえない。
7
について
証拠(甲167・3ないし10頁)によれば,文部科学省担当職員は,平成24年12月26日に就任した下村文部科学大臣に対し,本件不指定処分を行うとともに本件省令1条1項2号ハの規定を削除する省令改正を行う案のほか,文部科学省の事務方としても,審査に限界がある旨の心証を持っている旨の報告,説明をしたことが認められる。
第3の

文部科学大臣は,本件

規程15条に規定する審査会の審査の経緯を聴き,審査会の結論として本件規程13条に適合するとの意見の出される状況にないことを踏まえて,本件規程13条に適合するものとは認めるに至らないとの判断をしたことが認められる。
上記の判断は,審査会の結論ではないものの,当時の審議の状況に沿うものであるほか,そもそも意見の聴取は,支給法の求める手続ではなく,さらには,文部科学大臣の判断が審査会の意見に拘束される根拠もないことを考慮すると,審査会の結論を待たなかったことをもって,本件不指定処分に手続的な違法があり取消事由となるとまでは評価できない。
8
カについて
1ないし7で検討した結果によれば,本件学校は,本件省令1条1項2号ハに適合すると認めるに至らなかったこと,その手続に違法な点はなかったことが認められる。
したがって,本件省令改正がなく本件省令1条1項2号ハが存在しておれば,本件不指定処分が違法となるという関係にはないので,本件省令改正は,本件不指定処分の違法性に関係しない。
よって,その余の点について判断するまでもなく,本件省令改正により本件不指定処分が違法となることはない。

9
について
原告らは,就学支援金を受けることができないことにより原告個人らが主張する憲法上の権利が侵害されていると主張する。
しかしながら,原告らが主張する憲法上の権利は就学支援金を受ける権利を保障したものではなく,また,本件不指定処分は,原告個人らの有する権利の行使の自由を制限するものではないから,原告らが主張する憲法上の権利が侵害されているとは認められない。
10

について
原告らは,就学支援金を受けることができないことにより原告個人らが主張する権利が侵害されていると主張する。
しかしながら,原告らの主張の条約等が就学支援金を受ける権利を保障したものという主張であれば,その条約部分については自動執行力が認められない。また,本件不指定処分は,原告らが主張する権利の行使の自由を制限するものではないから,自動執行力を有するかどうかの点はおいても,原告らが主張する権利が侵害されているとは認められない。

11

争点

について

本件不指定処分によっても,原告法人の教育の自由の権利の行使は何ら制限されないから,原告法人の教育の自由が侵害されるものとは認められない。また,原告らが主張する憲法上の権利は就学支援金を受ける権利を保障したものではなく,さらに,本件不指定処分は,原告個人らの有する権利の行使の自由を制限するものではないから,原告らが主張する憲法上の権利が侵害されているとは認められない。
12

争点

について

本件不指定処分は,支給法の要件に該当しないことを理由としているのであり,民族を理由としておらず,合理的な区別に該当するから,憲法14条に違反しない。
また,原告らは,各種学校に当たる外国人学校に対して指定したことをとらえて憲法14条に違反すると主張する。
しかしながら,原告らが指摘する各種学校に当たる外国人学校(Cインターナショナル及びD国際学園)について,本件規程13条の要件に関して,3で掲げた朝鮮学校や本件学校に関して認められた事情と同程度に類似する事情があったとは認められないので,原告らが指摘する各種学校に当たる外国人学校を指定したことと,本件学校との間に結果的に差が生じたとしても,合理的なものであるから,主張は採用できない。
なお,原告らは,大阪の私立高等学校の不正経理事件を取り上げて,その事件が発生しているにもかかわらず就学支援金が打ち切られていないとの判断から本件不指定処分は違法である旨の主張をするが,上記事件が,本件不指定処分の当時に判明していたとは認められないので,本件不指定処分の違法性の判断に関係しない。
13

争点

について

12のとおり,合理的な区別に該当するから,自動執行力を有するかどうかはともかく,原告らが主張する国際人権法に違反しない。
14
1ないし13の検討の結果によれば,本件不指定処分は適法であるので,行訴法37条の2第5項,37条の3第5項の要件を満たさない。

係る訴えは,不適法である。
15
国賠法1条1項は,違法に他人に損害を加えたときを要件とするところ,1ないし13の検討の結果のとおり,本件不指定処分は適法であり,かつ,本件学校を支給対象外国人学校に指定するか否かの判断に時間を要したことにも違法な点は認められず,本件省令改正は原告らの権利ないし法的利益を侵害するものではない。
その他,原告ら主張の一連の行為が国賠法1条1項の適用上違法と認められる事情は見当たらない。
よって,原告ら主張の一連の行為が国賠法1条1項の適用上違法とは認められない。
16
判断を要しない。
17

結論
以上によれば,原告らの文部科学大臣の原告法人に対する本件省令1条1項2号ハの規定に基づく指定を求める訴えはいずれも不適法であるのでこれを却下し,原告らのその余の訴えに係る請求はいずれも理由がないのでこれを棄却する

広島地方裁判所民事第3部

裁判長裁判官

小西洋
裁判官

平井
健一郎

裁判官加藤弾は,転補のため,署名押印できない。

裁判長裁判官

小西
※別紙「原告ら目録」及び別紙「請求金額一覧表」は省略。

別紙

関係法令の定め

第1

支給法

1
1条(平成25年法律第90号による改正前)
この法律は,公立高等学校について授業料を徴収しないこととするととも
に,公立高等学校以外の高等学校等の生徒等がその授業料に充てるために高等学校等就学支援金の支給を受けることができることとすることにより,高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り,もって教育の機会均等に寄与することを目的とする。
2
2条1項(平成25年法律第90号による改正前)
この法律において「高等学校等」とは,次に掲げるものをいう。
第1号

高等学校(専攻科及び別科を除く。以下この条及び第4条第3項に
おいて同じ。

第2号

中等教育学校の後期課程(専攻科及び別科を除く。次項及び第4条第3項において同じ。


第3号

特別支援学校の高等部

第4号

高等専門学校(第1学年から第3学年までに限る。


第5号

専修学校及び各種学校(これらのうち高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定めるものに限り,学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うもののうち当該教育を行うにつき同法以外の法律に特別の規定があるものであって,高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定めるもの(第5条及び第7条第1項において「特定教育施設」という。
)を含む。


3
2条2項(平成25年法律第90号による改正前)
この法律において「公立高等学校」とは,地方公共団体の設置する高等学校,中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部をいう。
4
2条3項(平成25年法律第90号による改正前)
この法律において「私立高等学校等」とは,公立高等学校以外の高等学校等
をいう。
5
4条1項(平成25年法律第90号による改正前)
高等学校等就学支援金(以下「就学支援金」という。
)は,私立高等学校等に

在学する生徒又は学生で日本国内に住所を有する者に対し,当該私立高等学校等(その者が同時に二以上の私立高等学校等の課程に在学するときは,これらのうちいずれか一の私立高等学校等の課程)における就学について支給する。6
5条(平成25年法律第90号による改正前)
前条第1項に規定する者(同条第2項各号のいずれかに該当する者を除く。)
は,就学支援金の支給を受けようとするときは,文部科学省令で定めるところにより,その在学する私立高等学校等(その者が同時に二以上の私立高等学校等の課程に在学するときは,その選択した一の私立高等学校等の課程)の設置者を通じて,当該私立高等学校等の所在地の都道府県知事(当該私立高等学校等が地方公共団体の設置するものである場合(当該私立高等学校等が特定教育施設である場合を除く。
)にあっては,都道府県教育委員会)に対し,当該私立
高等学校等における就学について就学支援金の支給を受ける資格を有することについての認定を申請し,その認定を受けなければならない。

7
6条1項(平成25年法律第90号による改正前)
就学支援金は,前条の認定を受けた者(以下「受給権者」という。)がその初
日において当該認定に係る私立高等学校等(以下「支給対象高等学校等」という。
)に在学する月について,月を単位として支給されるものとし,その額は,一月につき,支給対象高等学校等の授業料の月額(授業料の額が年額その他月額以外の方法により定められている場合にあっては,授業料の月額に相当するものとして文部科学省令で定めるところにより算定した額をいい,受給権者が授業料の減免を受けた場合にあっては,文部科学省令で定めるところにより当該授業料の月額から当該減免に係る額を控除した額をいう。に相当する額)
(そ
の額が支給対象高等学校等の設置者,種類及び課程の区分に応じて政令で定める額(以下この項において「支給限度額」という。
)を超える場合にあっては,
支給限度額)とする。
8
6条2項(平成25年法律第90号による改正前)
支給対象高等学校等が政令で定める私立高等学校等である受給権者であって,その保護者(学校教育法第16条に規定する保護者をいう。
)その他の受給
権者の就学に要する経費を負担すべき者として政令で定める者(以下この項及び第17条第1項において「保護者等」という。
)の収入の状況に照らして特に
当該保護者等の経済的負担を軽減する必要があるものとして政令で定めるものに対して支給される就学支援金に係る前項の規定の適用については,同項中
「定
める額」とあるのは,
「定める額に政令で定める額を加えた額」とする。

9
6条3項(平成25年法律第90号による改正前)
第1項の支給限度額は,公立高等学校基礎授業料月額その他の事情を勘案して定めるものとする。

10

7条1項(平成25年法律第90号による改正前)
都道府県知事(支給対象高等学校等が地方公共団体の設置するものである場合(支給対象高等学校等が特定教育施設である場合を除く。
)にあっては,都道
府県教育委員会。以下同じ。
)は,受給権者に対し,就学支援金を支給する。

11

7条2項(平成25年法律第90号による改正前)
就学支援金の支給は,受給権者が第5条の認定の申請をした日(当該申請が
支給対象高等学校等の設置者に到達した日(次項において「申請日」という。)
をいう。
)の属する月(受給権者がその月の初日において当該支給対象高等学校等に在学していないとき,受給権者がその月について当該支給対象高等学校等以外の私立高等学校等を支給対象高等学校等とする就学支援金の支給を受けることができるときその他政令で定めるときは,その翌月)から始め,当該就学支援金を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる。
12

7条3項(平成25年法律第90号による改正前)
受給権者がやむを得ない理由により第5条の認定の申請をすることができな
かった場合において,やむを得ない理由がやんだ後15日以内にその申請をしたとき(当該申請が支給対象高等学校等の設置者に到達したときをいう。)
は,やむを得ない理由により当該認定の申請をすることができなくなった日を申請日とみなして,前項の規定を適用する。
13

7条4項(平成25年法律第90号による改正前)
前3項に定めるもののほか,就学支援金の支払の時期その他就学支援金の支
給に関し必要な事項は,文部科学省令で定める。
14

8条(平成25年法律第90号による改正前)
支給対象高等学校等の設置者は,受給権者に代わって就学支援金を受領し,
その有する当該受給権者の授業料に係る債権の弁済に充てるものとする。15

11条1項
偽りその他不正の手段により就学支援金の支給を受けた者があるときは,都
道府県知事は,国税徴収の例により,その者から,その支給を受けた就学支援金の額に相当する金額の全部又は一部を徴収することができる。
16

15条1項
国は,就学支援金の支給に要する費用の全額に相当する金額を都道府県に交付する。

17

15条2項
国は,毎年度,予算の範囲内で,就学支援金に関する事務の執行に要する費用に相当する金額を都道府県に交付する。

18

20条1項(平成25年法律第90号による改正前)
偽りその他不正の手段により就学支援金の支給をさせた者は,3年以下の懲
役又は100万円以下の罰金に処する。ただし,刑法(明治40年法律第45号)に正条があるときは,同法による。
19

20条2項(平成25年法律第90号による改正前)
第17条第1項の規定による命令に違反して,報告若しくは物件の提出若し
くは提示をせず,若しくは虚偽の報告若しくは虚偽の物件の提出若しくは提示をし,又は同項の規定による当該職員の質問に対して,答弁せず,若しくは虚偽の答弁をした者は,30万円以下の罰金に処する。
20

20条3項(平成25年法律第90号による改正前)
法人の代表者又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その
法人又は人の業務に関し,前二項の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人又は人に対しても,当該各項の罰金刑を科する。
第2

教育基本法
16条1項
教育は,不当な支配に服することなく,この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり,教育行政は,国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下,公正かつ適正に行われなければならない。
第3
1
学校教育法
134条1項
第1条に掲げるもの以外のもので,学校教育に類する教育を行うもの(当該教育を行うにつき他の法律に特別の規定があるもの及び第124条に規定する専修学校の教育を行うものを除く。
)は,各種学校とする。

2
134条2項
第4条第1項前段,第5条から第7条まで,第9条から第11条まで,第13条第1項,第14条及び第42条から第44条までの規定は,各種学校に準用する。この場合において,第4条第1項前段中「次の各号に掲げる学校」とあるのは「市町村の設置する各種学校又は私立の各種学校」と,
「当該各号に定
める者」とあるのは「都道府県の教育委員会又は都道府県知事」と,第10条中「大学及び高等専門学校にあつては文部科学大臣に,大学及び高等専門学校以外の学校にあつては都道府県知事に」とあるのは「都道府県知事に」と,第13条第1項中「第4条第1項各号に掲げる学校」とあるのは「市町村の設置する各種学校又は私立の各種学校」と,
「同項各号に定める者」とあるのは「都
道府県の教育委員会又は都道府県知事」と,同項第2号中「その者」とあるのは「当該都道府県の教育委員会又は都道府県知事」と,第14条中「大学及び高等専門学校以外の市町村の設置する学校については都道府県の教育委員会,大学及び高等専門学校以外の私立学校については都道府県知事」
とあるのは
「市
町村の設置する各種学校については都道府県の教育委員会,私立の各種学校については都道府県知事」と読み替えるものとする。
第4

私立学校法

1
64条4項
専修学校又は各種学校を設置しようとする者は,専修学校又は各種学校の設
置のみを目的とする法人を設立することができる。
2
64条5項
第3章の規定
(同章に関する罰則の規定を含む。は,

前項の法人に準用する。

この場合において,同章の規定中「私立学校」とあるのは,
「私立専修学校又は
私立各種学校」と読み替えるものとする。
第5
1
本件省令
1条(平成25年文部科学省令第3号による改正前)
公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関す
る法律(以下「法」という。
)第2条第1項第5号に掲げる専修学校及び各種学
校のうち高等学校の課程に類する課程を置くものとして文部科学省令で定めるものは,次の各号に掲げるものとする。
第1号

専修学校の高等課程

第2号

各種学校であって,我が国に居住する外国人を専ら対象とするもののうち,次に掲げるもの

高等学校に対応する外国の学校の課程と同等の課程を有するものとして
当該外国の学校教育制度において位置付けられたものであって,文部科学大臣が指定したもの

イに掲げるもののほか,その教育活動等について,文部科学大臣が指定
する団体の認定を受けたものであって,文部科学大臣が指定したものハ
イ及びロに掲げるもののほか,文部科学大臣が定めるところにより,高
等学校の課程に類する課程を置くものと認められるものとして,文部科学大臣が指定したもの
第6
1
本件規程(平成25年文部科学省令第3号により同年2月20日に廃止。)
2条
規則第1条第1項第2号ハの規定に基づき各種学校のうち高等学校の課程
に類する課程を置くものと認められるもの(以下「指定教育施設」という。)の
修業年限は,原則として3年以上とする。
2
3条
指定教育施設の授業時数は,学科ごとに,1年間にわたり800時間以上とする。

3
4条
指定教育施設において,一の授業科目について同時に授業を行う生徒数は,40人以下とする。ただし,特別の事由があり,かつ,教育上支障のない場合は,この限りでない。

4
5条
指定教育施設においては,中学校又はこれに準ずる学校を卒業した者等に対して,中学校又はこれに準ずる学校における教育の基礎の上に,心身の発達に応じて,高度な普通教育に類する教育を施すにふさわしい授業科目を開設しなければならない。
5
6条1項
指定教育施設に置かなければならない教員の数は,次の表に定めるところによる。
(表省略)

6
7条
指定教育施設の教員は,次の各号のいずれかに該当する者で,教職に関する専門的教育を受け,その担当する教育に関し,専門的な知識等を有するものでなければならない。
第1号

専修学校設置基準(昭和51年文部省令第2号)第19条第1号から
第4号までのいずれかに該当する者
第2号

専修学校設置基準第19条第5号に該当する者として,次のいずれか
に該当するもの

各種学校で高等学校卒業程度を入学資格とするものを卒業した後,学校,

専修学校,各種学校,研究所,病院,工場等においてその担当する教育に関する教育,研究又は技術に関する業務(以下「関連業務」という。)に従
事した者であって,当該各種学校の修業年限と当該関連業務に従事した期間(以下「関連業務従事期間」という。
)とを通算して4年以上となるもの

外国の学校,学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する
学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うもののうち当該教育を行うにつき同法以外の法律に特別の規定があるもの,又は設備及び編制に関して専修学校若しくは各種学校に準ずる教育施設等を卒業した者であつて,専修学校設置基準第19条第2号から第4号までの各号に相当する修業年限,関連業務従事期間又は資格を有するもの

その担当する教育に関連した法令に基づく免許若しくは資格等
(以下
「免

許等」
という。に関し,

その取得のための受験資格又は履修要件
(以下
「受
験資格等」という。
)として大学卒業程度の要件を課されているものを取得
した者,受験資格等として短期大学卒業程度の要件を課されている免許等を取得した者で取得後2年以上関連業務に従事したもの,又は受験資格等として高等学校卒業程度の要件を課されている免許等を取得した者で取得後4年以上関連業務に従事したもの
ニ7
大学,短期大学又は高等専門学校の助教の資格を有する者

8条1項
指定教育施設は,次条に定める校舎等を保有するに必要な面積の校地を備えなければならない。

8
8条2項
指定教育施設は,前項の校地のほか,目的に応じ,運動場その他必要な施設の用地を備えなければならない。

9
9条1項
指定教育施設の校舎には,目的,生徒数又は課程に応じ,教室,教員室,事務室その他必要な附帯施設を備えなければならない。

10

9条2項
指定教育施設の校舎には,前項の施設のほか,なるべく図書室,保健室等を備えるものとする。

11

10条
指定教育施設の校舎の面積は,次の表に定める面積以上とする。ただし,地域の実態その他により特別の事情があり,かつ,教育上支障がない場合は,この限りでない。
(表省略)

12

11条
指定教育施設は,目的,生徒数又は課程に応じ,必要な種類及び数の機械,
器具,標本,図書その他の設備を備えなければならない。
13

12条
指定教育施設においては,学校教育法第134条第2項において準用する同法第42条及び第43条並びに学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)第190条において準用する同規則第66条第1項の規定による学校運営の状況に関する自己評価及びその結果の公表並びに情報の積極的な提供,私立学校法(昭和24年法律第270号)第64条第5項において準用する同法第47条第1項及び第2項の規定による財産目録等の備付け及び閲覧,その他の法令に基づく情報の提供等が適正に行われなければならない。
14

13条
前条に規定するもののほか,指定教育施設は,高等学校等就学支援金の授業
料に係る債権の弁済への確実な充当など法令に基づく学校の運営を適正に行わなければならない。
15

14条1項
規則第1条第1項第2号ハの規定による指定を受けようとする教育施設の設
置者は,次に掲げる書類を添えて,文部科学大臣に申請しなければならない。第1号

当該教育施設の概要を記載した書類

第2号

学則

第3号

学級編制表

第4号

年間指導計画

第5号

施設の状況を記載した書類

第6号

設備の状況を記載した書類

第7号

教職員編制表

第8号

常勤教員の略歴を記載した書類

第9号

財産目録,貸借対照表,収支計算書,事業報告書及び監査報告書

第10号

設置者の寄附行為若しくは定款又はこれらに類する規約

第11号

設置者の理事及び評議員その他の役員の名簿

第12号

理事会及び評議員会その他の役員で構成される会議の開催状況を
記載した書類
第13号

学校点検及び評価の状況,積極的な情報提供の状況,財産目録等の
備付け及び閲覧の状況を記載した書類
16

14条2項
文部科学大臣は,前項各号に掲げるもののほか,指定のために必要な書類の
提出を求めることができる。
17

14条3項
第1項の規定による申請は,規則第1条第1項第2号ハの規定による指定を
受けようとする年度の前年度の5月31日までに行わなければならない。第7
1
世界人権宣言
26条1項
すべて人は,教育を受ける権利を有する。

2
26条2項
教育は,人格の完全な発展並びに人権及び基本的自由の尊重の強化を目的としなければならない。教育は,すべての国又は人種的若しくは宗教的集団の相互間の理解,寛容及び友好関係を増進し,かつ,平和の維持のため,国際連合の活動を促進するものでなければならない。

第8

経済的,社会的及び文化的権利に関する国際規約(以下「国際人権A規約」という。


1
前文
この規約の締約国は,国際連合憲章において宣明された原則によれば,人類社会のすべての構成員の固有の尊厳及び平等のかつ奪い得ない権利を認めることが世界における自由,正義及び平和の基礎をなすものであることを考慮し,これらの権利が人間の固有の尊厳に由来することを認め,世界人権宣言によれば,自由な人間は恐怖及び欠乏からの自由を享受するものであるとの理想は,すべての者がその市民的及び政治的権利とともに経済的,社会的及び文化的権利を享有することのできる条件が作り出される場合に初めて達成されることになることを認め,人権及び自由の普遍的な尊重及び遵守を助長すべき義務を国際連合憲章に基づき諸国が負っていることを考慮し,個人が,他人に対し及びその属する社会に対して義務を負うこと並びにこの規約において認められる権利の増進及び擁護のために努力する責任を有することを認識して,次のとおり協定する。
2
2条1項
この規約の各締約国は,立法措置その他のすべての適当な方法によりこの規約において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成するため,自国における利用可能な手段を最大限に用いることにより,個々に又は国際的な援助及び協力,特に,経済上及び技術上の援助及び協力を通じて,行動をとることを約束する。

3
2条2項
この規約の締約国は,この規約に規定する権利が人種,皮膚の色,性,言語,宗教,政治的意見その他の意見,国民的若しくは社会的出身,財産,出生又は他の地位によるいかなる差別もなしに行使されることを保障することを約束する。

4
13条1項
この規約の締約国は,
教育についてのすべての者の権利を認める。締約国は,
教育が人格の完成及び人格の尊厳についての意識の十分な発達を指向し並びに人権及び基本的自由の尊重を強化すべきことに同意する。更に,締約国は,教育が,すべての者に対し,自由な社会に効果的に参加すること,諸国民の間及び人種的,種族的又は宗教的集団の間の理解,寛容及び友好を促進すること並びに平和の維持のための国際連合の活動を助長することを可能にすべきことに同意する。

5
13条2項
この規約の締約国は,1の権利の完全な実現を達成するため,次のことを認める。
(a)

初等教育は,義務的なものとし,すべての者に対して無償のものとする
こと。
(b)種々の形態の中等教育(技術的及び職業的中等教育を含む。)は,すべて
の適当な方法により,特に,無償教育の漸進的な導入により,一般的に利用可能であり,かつ,すべての者に対して機会が与えられるものとすること。(c)

高等教育は,すべての適当な方法により,特に,無償教育の漸進的な導
入により,能力に応じ,すべての者に対して均等に機会が与えられるものとすること。
(d)

基礎教育は,初等教育を受けなかつた者又はその全課程を修了しなかっ
た者のため,できる限り奨励され又は強化されること。
(e)

すべての段階にわたる学校制度の発展を積極的に追求し,適当な奨学金
制度を設立し及び教育職員の物質的条件を不断に改善すること。
6
13条3項
この規約の締約国は,父母及び場合により法定保護者が,公の機関によって設置される学校以外の学校であって国によって定められ又は承認される最低限度の教育上の基準に適合するものを児童のために選択する自由並びに自己の信念に従って児童の宗教的及び道徳的教育を確保する自由を有することを尊重することを約束する。

7
13条4項
この条のいかなる規定も,個人及び団体が教育機関を設置し及び管理する自由を妨げるものと解してはならない。ただし,常に,1に定める原則が遵守されること及び当該教育機関において行われる教育が国によって定められる最低限度の基準に適合することを条件とする。

第9

市民的及び政治的権利に関する国際規約(以下「国際人権B規約」という。

1
26条
すべての者は,法律の前に平等であり,いかなる差別もなしに法律による平等の保護を受ける権利を有する。このため,法律は,あらゆる差別を禁止し及び人種,皮膚の色,性,言語,宗教,政治的意見その他の意見,国民的若しくは社会的出身,財産,出生又は他の地位等のいかなる理由による差別に対しても平等のかつ効果的な保護をすべての者に保障する。

2
27条
種族的,宗教的又は言語的少数民族が存在する国において,当該少数民族に属する者は,その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し,自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。
第10
1
児童の権利に関する条約
2条1項
締約国は,その管轄の下にある児童に対し,児童又はその父母若しくは法定
保護者の人種,皮膚の色,性,言語,宗教,政治的意見その他の意見,国民的,種族的若しくは社会的出身,
財産,
心身障害,
出生又は他の地位にかかわらず,
いかなる差別もなしにこの条約に定める権利を尊重し,及び確保する。2
2条2項
締約国は,児童がその父母,法定保護者又は家族の構成員の地位,活動,表明した意見又は信念によるあらゆる形態の差別又は処罰から保護されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。

3
28条1項
締約国は,教育についての児童の権利を認めるものとし,この権利を漸進的にかつ機会の平等を基礎として達成するため,特に,

(a)

初等教育を義務的なものとし,すべての者に対して無償のものとする。
(b)

種々の形態の中等教育(一般教育及び職業教育を含む。
)の発展を奨励
し,すべての児童に対し,これらの中等教育が利用可能であり,かつ,これらを利用する機会が与えられるものとし,例えば,無償教育の導入,必要な場合における財政的援助の提供のような適当な措置をとる。
(c)

すべての適当な方法により,能力に応じ,すべての者に対して高等教育
を利用する機会が与えられるものとする。
(d)

すべての児童に対し,教育及び職業に関する情報及び指導が利用可能で
あり,かつ,これらを利用する機会が与えられるものとする。
(e)
4
定期的な登校及び中途退学率の減少を奨励するための措置をとる。
28条2項
締約国は,学校の規律が児童の人間の尊厳に適合する方法で及びこの条約に
従って運用されることを確保するためのすべての適当な措置をとる。5
28条3項
締約国は,特に全世界における無知及び非識字の廃絶に寄与し並びに科学上及び技術上の知識並びに最新の教育方法の利用を容易にするため,教育に関する事項についての国際協力を促進し,及び奨励する。これに関しては,特に,開発途上国の必要を考慮する。

6
29条1項
締約国は,児童の教育が次のことを指向すべきことに同意する。

(a)

児童の人格,才能並びに精神的及び身体的な能力をその可能な最大限度
まで発達させること。
(b)

人権及び基本的自由並びに国際連合憲章にうたう原則の尊重を育成する
こと。
(c)

児童の父母,児童の文化的同一性,言語及び価値観,児童の居住国及び
出身国の国民的価値観並びに自己の文明と異なる文明に対する尊重を育成すること。
(d)

すべての人民の間の,種族的,国民的及び宗教的集団の間の並びに原住民である者の間の理解,平和,寛容,両性の平等及び友好の精神に従い,自由な社会における責任ある生活のために児童に準備させること。
(e)
7
自然環境の尊重を育成すること。

30条
種族的,宗教的若しくは言語的少数民族又は原住民である者が存在する国に
おいて,当該少数民族に属し又は原住民である児童は,その集団の他の構成員とともに自己の文化を享有し,自己の宗教を信仰しかつ実践し又は自己の言語を使用する権利を否定されない。
第11
1
あらゆる形態の人種差別の撤廃に関する国際条約
5条

第2条に定める基本的義務に従い,締約国は,特に次の権利の享有に当たり,あらゆる形態の人種差別を禁止し及び撤廃すること並びに人種,皮膚の色又は民族的若しくは種族的出身による差別なしに,すべての者が法律の前に平等であるという権利を保障することを約束する。
(a)

裁判所その他のすべての裁判及び審判を行う機関の前での平等な取扱い
についての権利
(b)

暴力又は傷害(公務員によって加えられるものであるかいかなる個人,
集団又は団体によって加えられるものであるかを問わない。に対する身体の)
安全及び国家による保護についての権利
(c)

政治的権利,特に普通かつ平等の選挙権に基づく選挙に投票及び立候補
によって参加し,国政及びすべての段階における政治に参与し並びに公務に平等に携わる権利
(d)

他の市民的権利,特に,

(i)

国境内における移動及び居住の自由についての権利

(ii)
(iii)

いずれの国(自国を含む。
)からも離れ及び自国に戻る権利
国籍についての権利
(iv)
(v)

婚姻及び配偶者の選択についての権利
単独で及び他の者と共同して財産を所有する権利

(vi)

相続する権利

(vii)

思想,良心及び宗教の自由についての権利

(viii)
(ix)
(e)

意見及び表現の自由についての権利

平和的な集会及び結社の自由についての権利

経済的,社会的及び文化的権利,特に,

(i)

労働,職業の自由な選択,公正かつ良好な労働条件,失業に対する保
護,同一の労働についての同一報酬及び公正かつ良好な報酬についての権利
(ii)

労働組合を結成し及びこれに加入する権利

(iii)
(iv)
(v)

公衆の健康,医療,社会保障及び社会的サービスについての権利
教育及び訓練についての権利

(vi)
(f)

住居についての権利

文化的な活動への平等な参加についての権利

輸送機関,ホテル,飲食店,喫茶店,劇場,公園等一般公衆の使用を目
的とするあらゆる場所又はサービスを利用する権利
第12
1
行政手続法
5条1項
行政庁は,審査基準を定めるものとする。

2
5条2項
行政庁は,審査基準を定めるに当たっては,許認可等の性質に照らしてでき
る限り具体的なものとしなければならない。
3
5条3項
行政庁は,行政上特別の支障があるときを除き,法令により申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により審査基準を公にしておかなければならない。
4
6条
行政庁は,申請がその事務所に到達してから当該申請に対する処分をするまでに通常要すべき標準的な期間(法令により当該行政庁と異なる機関が当該申請の提出先とされている場合は,併せて,当該申請が当該提出先とされている機関の事務所に到達してから当該行政庁の事務所に到達するまでに通常要すべき標準的な期間)を定めるよう努めるとともに,これを定めたときは,これらの当該申請の提出先とされている機関の事務所における備付けその他の適当な方法により公にしておかなければならない。

5
7条
行政庁は,申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず,かつ,申請書の記載事項に不備がないこと,申請書に必要な書類が添付されていること,申請をすることができる期間内にされたものであることその他の法令に定められた申請の形式上の要件に適合しない申請については,速やかに,申請をした者(以下「申請者」という。
)に対し相当の
期間を定めて当該申請の補正を求め,又は当該申請により求められた許認可等を拒否しなければならない。
以上

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