判例検索β > 平成30年(ワ)第9534号
特許権侵害等請求事件 特許権 民事訴訟
事件番号平成30(ワ)9534
事件名特許権侵害等請求事件
裁判年月日平成30年10月24日
法廷名東京地方裁判所
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平成30年10月24日判決言渡
平成30年(ワ)第9534号
口頭弁論終結日

同日原本領収

裁判所書記官

特許権侵害等請求事件

平成30年7月25日
判決原告被A告
株式会社朝日新聞社

同訴訟代理人弁護士

下佳之同紋谷崇俊同宮須内隆裕主河文1
原告の請求を棄却する。

2
訴訟費用は原告の負担とする。
事実及び理由

第1

請求

被告は,原告に対し,1600万円及びこれに対する平成30年5月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
第2
1
事案の概要
本件は,
発明の名称を
「検査分析のサービスを提供するシステムおよび方法」

とする特許第4253793号の特許権(以下「本件特許権」といい,この特許を「本件特許」という。また,本件特許の願書に添付した明細書及び図面を「本件明細書等」という。)を有する原告が,被告に対し,被告の開設する「朝日新聞デジタル」という名称のウェブサイト(以下「被告ウェブサイト」という。)に掲載されている別紙1広告目録記載の動画広告等の動画広告の掲載方法
(以下
「被告方法」

という。)につき,本件特許の請求項5記載の発明(以下「本件発明1」という。)及び請求項11記載の発明(以下,
「本件発明2」といい,本件発明1と併せて「本

件各発明」という。)の技術的範囲に属するから,被告方法の使用は本件特許権を侵害する旨を主張して,民法709条の不法行為による損害賠償請求権に基づき,1600万円(一部請求)及びこれに対する不法行為後の日であり訴状送達の日の翌日である平成30年5月5日から支払済みまでの民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。
2
前提事実(当事者間に争いがない又は後掲の証拠(以下,書証番号は特記し
ない限り枝番の記載を省略する。及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実))


当事者

原告は,本件特許の特許権者である。
被告は,日刊新聞を発行する新聞社であり,被告ウェブサイトをインターネット上に開設している。


本件特許権

原告は,次の内容の本件特許権を有している(甲1)。
特許登出番願出番願
特許第4253793号

日録号
平成21年2月6日


特願2003-278561


平成15年7月23日

発明の名称

検査分析のサービスを提供するシステムおよび方法

本件各発明の特許請求の範囲

本件各発明の特許請求の範囲は,別紙2特許公報の該当箇所に記載のとおりである(甲1)。


本件各発明の構成要件の分説


本件発明1について

本件発明1は,
次のとおり,
構成要件に分説される
(以下,
頭書の記号に従って,
「構成要件A」などという。)。
A
ネットワークに接続可能なユーザ端末からの,地理的に離れて設置された検
査分析装置に対するリモート操作による検査分析のサービスを提供する方法であって,
B
前記ネットワークに接続されたユーザガイドサーバが,前記ネットワークに
接続されたユーザ端末に対して,前記検査分析の処理内容および処理費用を含む案内情報を提示するステップと,
C
前記ユーザガイドサーバが,前記ユーザ端末を介してユーザからの検査分析
要求を受けたときに,仮のユーザIDおよびパスワードを発行するステップと,D
前記ユーザガイドサーバが,前記仮のユーザIDおよびパスワードを取得し
たユーザに対して,当該ユーザ端末を用いた前記検査分析装置のリモート制御の可否をユーザが評価できるように,前記検査分析装置の模擬操作を実行する,当該ユーザガイドサーバが有する模擬操作プログラムの,前記仮のユーザIDおよびパスワードを用いた起動を許容するステップと,
E
前記ユーザガイドサーバが,前記ユーザ評価の結果,当該ユーザ端末を介し
て正式検査分析の要求がユーザからなされた時に,当該正式要求を受けて,ユーザ認証のための認証用のユーザIDおよびパスワードを発行するステップと,F
前記ネットワークに接続されたユーザ認証サーバは,前記認証用のユーザI
Dおよびパスワードを用いて当該ユーザ認証サーバにアクセスしたユーザに対し,当該ユーザ端末と前記検査分析装置との通信を可能とするステップと,G
前記検査分析装置は,前記ユーザ認証サーバを介して接続されたユーザ端末
によってリモート操作されるステップと,
H
を含むことを特徴とする検査分析のサービスを提供する方法。


本件発明2について

本件発明2は,
次のとおり,
構成要件に分説される
(以下,
頭書の記号に従って,
「構成要件I」などという。)。
I
特許請求項5記載の検査分析のサービスを提供する方法であって,
J
前記ユーザ端末によってリモート操作されるステップは,ユーザ端末によっ
て検査分析装置がリモート制御されるステップと,前記リモート制御の結果である検査分析の情報がユーザ端末へ送信されるステップと,を含み,
K
前記リモート制御されるステップは,リモート制御が実質的にユーザにより
作成された操作レシピーデータに基づいて実行されるステップであり,L
前記ユーザ端末へ送信されるステップの検査分析の情報は,前記操作レシピ
ーデータに基づいた検査分析装置のリモート制御によって得られた画像データを含む,ことを特徴とする検査分析のサービスを提供する方法。


被告の行為

被告は,業として,被告ウェブサイトに動画広告を掲載するサービスを提供しており,
被告方法を使用して,
別紙1広告目録記載の動画広告を掲載した
(甲2,。
3)
3
争点



被告方法は本件各発明の構成要件を充足するか(争点1)


被告方法は「検査分析装置に対するリモート操作による検査分析」,「検査
分析」及び「検査分析装置」(構成要件AないしJ,L)を充足するか(争点1-1)

被告方法は「ユーザガイドサーバ」が「案内情報を提示する」
(構成要件B)

を充足するか(争点1-2)

被告方法は「仮のユーザID」,「パスワード」(構成要件C,D)を充足
するか(争点1-3)

被告方法は「模擬操作」(構成要件D)を充足するか(争点1-4)

被告方法は「認証用のユーザID」,「パスワード」,「認証用のユーザI
Dおよびパスワードを用いて当該ユーザ認証サーバにアクセス」
(構成要件E,
F)
を充足するか(争点1-5)

被告方法は「操作レシピーデータ」(構成要件K,L)を充足するか(争点
1-6)


損害の発生の有無及びその額(争点2)

4
争点に対する当事者の主張



争点1(被告方法は本件各発明の構成要件を充足するか)について

争点1-1(被告方法は「検査分析装置に対するリモート操作による検査分
析」,「検査分析」及び「検査分析装置」(構成要件AないしJ,L)を充足するか)について
【原告の主張】
(ア)

特許請求の範囲に記載のとおり,
本件各発明は,
インターネットに接続した

検査分析装置のリモート操作を模擬チェックし,それが正常となるリモート操作だけを取り込み,検査分析装置をリモート操作して情報提供する方法の発明である。「検査分析」とは,リモート操作を摸擬チェックすることを意味するのであり,特許請求の範囲には対象を限定する文言はないから,半導体又は半導体分野の検査分析に限定されるものではない。
また,「検査分析装置」とは,模擬チェックという「検査分析」により,正常に行われるリモート操作だけを取り込むようにし,リモート操作に応じて情報を出力
する機能(検査分析ユニット)を備えたインターネット接続のコンピュータ装置である。
さらに,「リモート操作」には,ユーザ端末を用いたユーザによるリモート制御のためのリアルタイムのリモート操作と,ユーザ作成の操作レシピーに基づいたリモート操作という2つの方法があり,ユーザガイドサーバ及び検査分析装置がリモ
ート操作の対象となる。
「検査分析」ないし「検査分析装置」は半導体分野に関わるものに限定される旨の被告の主張は,特許法70条1項及び3項に反する解釈によるものである。(イ)

被告方法において,
被告は,
広告主から動画広告原稿の電子データを入手し

た後,動画広告の画像を新着ニュース情報と重ね合わせて画像を表示させるなどして,動画広告原稿に基づいて動画広告掲載が正常に行われるか否かについて摸擬する「検査分析」を行い,動画広告原稿の電子データにコンピュータウイルスが含ま
れているか否かについて「検査分析」を行う。
また,被告ウェブサイトのサーバは,摸擬チェック済みの動画広告原稿の電子データを特別選定して取り込み,同動画広告原稿の電子データによってリモート操作されるものであるから,「検査分析装置」に当たる。
以上によれば,被告方法は,「検査分析装置に対するリモート操作による検査分析」,「検査分析」及び「検査分析装置」を充足する。
【被告の主張】
(ア)

本件明細書等によれば,
「摸擬操作」
(構成要件D)と「検査分析装置」
(構

成要件G)のリモート操作は全く別のものとして位置付けられているにもかかわらず,原告は,摸擬する検査分析と主張して,もっぱら「摸擬操作」(構成要件D)のみを主張し,検査分析装置に対するリモート操作による検査分析については主張していない。
(イ)

また,本件明細書等の技術分野,背景技術,発明が解決しようとする課題,
発明の効果,実施例の記載(以下【】は,本件明細書等における発明の詳細な説明の段落番号又は図面を指す。【0001】~【0015】,【0018】,【0026】~【0039】,【図3】等。)及び出願経緯によれば,本件各発明は,半導体分野又はそれに類する分野における検査分析装置のリモート操作による検査分析に関する技術といえるが,被告が提供するサービスは,それとは関連性を有しない広告掲載に係るサービスである。

(ウ)

以上によれば,被告方法は,
「検査分析装置に対するリモート操作による検

査分析」,「検査分析」及び「検査分析装置」を充足しない。

争点1-2(被告方法は「ユーザガイドサーバ」が「案内情報を提示する」
(構成要件B)を充足するか)について
【原告の主張】
(ア)「ユーザガイドサーバ」は,検査分析の情報提供サービスの費用を含むガイドの他,検査分析装置のリモート操作が正常に行えるか否かに関して,模擬チェッ
クという検査分析をするためのコンピュータプログラムを備えたインターネット接続のコンピュータサーバをいう。
(イ)

被告は,
被告のサーバを用いた情報提供サービスに関して,
広告料金等の広

告ガイドをインターネット上に開示しているから,被告方法は,「ユーザガイドサーバ」が「案内情報を提示する」を充足する。
【被告の主張】
被告方法は「検査分析」サービスでない以上,「ユーザガイドサーバ」が「案内情報を提示する」を充足しない。

争点1-3(被告方法は「仮のユーザID」,
「パスワード」
(構成要件C,

D)を充足するか)について
【原告の主張】
被告が広告主から,電子メールに添付する方法によって動画広告原稿の電子データを入手する際,被告の担当者によって又は自動的に,動画広告原稿の電子データにファイル名が付与される。また,被告は,動画広告原稿の電子データを入手する
ため,電子メール通信を立ち上げる際にパスワードを設定する。なお,電子メールに添付する方法で動画広告原稿の電子データを入手するためには,ユーザIDとして相手のメールアドレスが必要となる。
このファイル名又はメールアドレスが「仮のユーザID」を充足し,パスワードが「パスワード」を充足する。
【被告の主張】

被告方法は「検査分析」サービスでない以上,「仮のユーザID」及び「パスワード」を発行するステップを充足しない。

争点1-4(被告方法は「模擬操作」(構成要件D)を充足するか)につい

【原告の主張】
被告は,動画広告の画像を新着ニュース情報と重ね合わせて画像を表示させるな
どして,動画広告原稿に基づいて動画広告掲載が正常に行われるか否かを摸擬する検査分析を行い,動画広告原稿の電子データにコンピュータウイルスが含まれているかを検査分析している。これは,検査分析装置である被告のサーバのリモート操作が正常に行えるか否かを模擬チェックする検査分析である。
【被告の主張】
本件各発明では,模擬チェック又は「模擬操作」が構成要件Dを充足するためには,「仮のユーザIDおよびパスワードを取得した」者が,仮のユーザID及びパスワードを用いて模擬操作プログラムを起動させる場合であることが前提となるが,被告方法では「仮のユーザIDおよびパスワード」が発行されていないから,「摸
擬操作」を充足するという原告の主張はその前提を欠いている。
また,本件明細書等(【0034】)には,「模擬操作」は,検査分析のサービスの提供を受ける「ユーザ自身」が行うものと記載されているが,原告は,「模擬操作」を実施したのは被告であると主張しているから,被告方法は「模擬操作」を充足しない。


争点1-5(被告方法は「認証用のユーザID」,「パスワード」,「認証
用のユーザIDおよびパスワードを用いて当該ユーザ認証サーバにアクセス」(構成要件E,F)を充足するか)について
【原告の主張】
動画広告原稿の電子データが被告のサーバに取り込まれて,動画広告として掲載される際,被告の広告掲載担当者によって又は自動的に,動画広告原稿にファイル名が付与され,被告のサーバへの電子通信によるセキュリティを確保するためにパスワードが設定されている。
被告方法では,正式のユーザID及びパスワードを用いることによって,模擬チェック済みの動画広告原稿の電子データを検査分析装置である被告のサーバに取り
込むことが可能となるから,「認証用のユーザID」,「パスワード」「を用いて当該ユーザ認証サーバにアクセス」を充足する。

【被告の主張】
上記ウと同様に,被告方法には,「ユーザID」及び「パスワード」が存しないから,「認証用のユーザID」,「パスワード」「を用いて当該ユーザ認証サーバにアクセス」を充足しない。

争点1-6(被告方法は「操作レシピーデータ」(構成要件K,L)を充足
するか)について
【原告の主張】
被告方法では,広告主が作成した動画広告原稿の電子データに基づいて,検査分析装置である被告のサーバがリモート操作され,動画広告が被告ウェブサイトに掲載されている。
よって,
広告主が作成した動画広告原稿の電子データは,
「操作レシピーデータ」
に当たる。
【被告の主張】
本件明細書等では,検査対象物である検査分析試料と,検査分析方法である「操
作レシピーデータ」は,別々の意味で用いられている(【請求項9】,【請求項11】,【0016】,【0020】,【0028】,【図3】⑫⑬等)。原告は,広告主が作成した動画広告原稿の電子データが「操作レシピーデータ」を充足すると主張するが,広告主が作成した動画広告原稿の電子データは,原告の主張によれば模擬チェックという検査分析の対象であり,検査分析試料に位置付け
られるものであって,検査分析方法である「操作レシピーデータ」とは別の意味であるから,原告の主張は,クレーム解釈上認められない。


争点2(損害の発生の有無及びその額)について

【原告の主張】
被告は,業として,被告方法を使用しており,原告が特許権侵害を立証することができた分だけでも,別紙1広告目録記載の動画広告原稿の電子データに基づいた広告を掲載し,同目録記載2の広告を除く16件の広告の広告料は1件1000万
円であるから,被告は,これらの広告掲載によって少なくとも1億6000万円の広告収入を得た。
よって,原告は,被告に対し,被告による被告方法の使用行為の一部である別紙1広告目録記載の動画広告の掲載に関して,一部請求として,1億6000万円の10%である1600万円及びこれに対する不法行為後の日であり訴状送達の日の翌日である平成30年5月5日から支払済みまでの年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。
【被告の主張】
否認し,争う。

第3

当裁判所の判断

1
本件各発明の意義について



本件明細書等の発明の詳細な説明の記載

本件明細書等の発明の詳細な説明は,別紙2特許公報(甲1)の該当欄記載のとおりであるが,概要,次のとおりである。

技術分野

「【0001】
半導体集積回路装置,撮像素子,および表示デバイスの開発,製造などの検査分析工程で用いられる走査型電子顕微鏡(SEM),共焦点レーザ顕微鏡などの検査分析装置の利用方法に関し,特に,地理的に離れた複数ユーザ側に対し,セキュリティを確保し,ユーザへユーザ試料の検査分析データを効率よく提供する検査分析技術に関する。」

背景技術

「【0004】
半導体ウェハ,半導体チップなどの検査分析においては,検査分析対象となる試料と検査分析装置の性能が合致しないと全く有効な検査分析とならない。このため,
これらのレーザビーム,電子ビームなどを用いた検査分析装置は,検査分析対象で
ある半導体集積回路の微細化,高集積化に相応して,検査分析の高性能化が要求されてきた。
また,
半導体ウェハ,
半導体チップの検査分析においては,
分析結果だけでなく,
何を分析しようとしているか,分析対象を含めて,競合する半導体メーカに対して重要な機密事項になる。このため,半導体メーカにおいては,半導体デバイス世代に合せて,個々に検査分析装置を買い揃えることが行われてきた。【0005】
検査分析装置は,より高い検査分析性能を得るための技術開発,装置製造コストを回収するため,検査分析装置自体が益々高額になってきた。目的に応じて多種に
分かれた検査分析装置の操作ができるだけでなく,検査分析対象である半導体集積回路装置は微細化と高集積化が進展し,半導体製造プロセス材料にも熟知したエキスパートが必要となったため,人件費コストも増加している。
このようなことから,半導体ウェハ,半導体チップの検査分析においては,そのコスト増が著しく,半導体集積回路装置の開発,製造コストの増大の要因になって
いる。」

発明が解決しようとする課題

「【0013】
半導体集積回路の開発,製造を効率よく進めるには,集積回路を形成した半導体チップや半導体ウェハの検査分析において,回路パターンの微細化および高集積化に伴って以下のような問題を生ずることを本発明者は見出した。
すなわち,回路パターンの微細化および高集積化の進展が早いため,先端半導体集積回路装置の開発では,
最小パターン寸法が0.
1ミクロン以下となり,
例えば,
それに合う高分解能の性能を有するSEMが必要となるが,量産時に比べ,使用頻度は多くならない。

これは,開発時点で当該性能のSEMを導入したとすれば,装置の利用効率よくないことになる。結果として,新規の半導体集積回路の開発コストが増加すること
になる。
【0014】
また,
検査分析装置の市場規模が小さいために,
検査分析装置開発費用がかさみ,
その結果,SEMなどの検査分析装置は高価となっている。このような検査分析装置を持てない一般の研究者,開発技術者,中小企業メーカにおいても,検査分析装置を使うことができないユーザは,ますます使うことができなくなるという問題があった。
【0015】
本発明の目的は,半導体集積回路装置などの開発,製造を効率的に行うために用
いられる検査分析工程において,低コストで効率的に検査分析が行える技術を提供することである。
また,本発明の他の目的は,効率的に検査分析するための検査分析装置を提供することである。
また,本発明の他の目的は,検査分析装置を持てない研究者,開発技術者,中小
企業メーカが他と関係なく,
契約を基にして,
コンピュータネットワークを用いて,
検査分析装置を個々のユーザの秘密裏に個別使用を可能とする技術を提供することにある。」

課題を解決するための手段

「【0016】
本願において開示される発明のうち,代表的なものの概要を簡単に説明すれば,次のとおりである。
すなわち,本発明は,検査分析を希望するユーザの検査分析をユーザがリモート操作して行うか,またはユーザが作成した検査分析のための操作レシピーデータに従って行い,検査分析データは通信ネットワーク手段を用いて早くユーザへ提供す
るものである。例えば,競合関係にある複数半導体メーカの半導体ウェハの検査分析を請負い,従来,集積回路の微細化の進展,新規プロセスの導入に伴って,各半
導体メーカそれぞれが個別に装置導入を図る必要がなくなり,検査分析に要するコストを下げるものである。すなわち,有料となるにしても,従来より,大幅に検査分析コストを下げたオープンラボを実現するものである。
【0017】
上記の検査分析には,
検査分析装置の管理者側と検査分析ユーザ側のそれぞれに,
セキュリティ確保手段を講じている。従来は,ある特定の検査分析装置の導入情報が分かると競合するメーカの技術開発動向がある程度予想することができた。前記のセキュリティ確保により,本発明の検査分析を実施したこと自体も競合メーカに知れることはない。また,使用頻度が少なければ,個々のユーザ毎に,特別な検査
分析装置の導入が不要となる。
【0018】
検査分析装置の管理者側は,インターネットに接続されたユーザガイドサーバにて,検査分析を希望するユーザに対し,検査分析費用の処理方法を含めてユーザと確認し合い,その後に,ユーザID登録し,パスワードを発行する。ユーザガイド
サーバとは別のユーザ認証サーバにて,このユーザID,パスワードによりユーザ認証を行う。ユーザ認証サーバとユーザガイドサーバとを完全分離することで,第三者からの本システムへの攻撃を防ぐようにした。ユーザ認証をパスしなければ真のユーザにならなく,ユーザ認証サーバに接続された検査分析装置は,その存在も分からない。

ユーザ認証でOKとなったユーザは,指定された検査分析装置のユーザのリモート操作によるリアルタイム制御,またはユーザ作成の操作レシピーデータに従った制御が可能となる。
【0019】
本発明の検査分析装置は,ネットワーク接続された別のコンピュータから,制御
できることの他,自動的に暗号付加されたデータに対し,ユーザが復号の鍵を持つ機能を設けたものである。ここで,暗号化は,検査分析の出力データを何らかの規
則に従って変換し,そのままでは第3者にとって何を意味しているかわからないデータに変換することを示す。
また復号は,何らかの規則(最初の規則と同一でなくてもよい)によって元の暗号化前の出力データに復元できることを示す。
【0020】
検査分析ユーザは,検査分析の際に,検査分析試料の他,検査分析の出力データに付加される暗号指定した検査分析のための操作レシピーデータを検査分析装置へ入力する。
検査分析装置の管理者側は,個々の検査分析データについては,関与しないで,
検査分析装置が所定の性能を維持するように管理を行う。これにより,検査分析装置の管理者は,検査分析装置の性能維持管理ができればよく,例えば,検査分析対象であった半導体集積回路の製造プロセスに熟知したエキスパートでなくてよくなり,人件費コストが削減できる。」
「【0023】

ユーザは,本件の検査分析装置に対し,暗号化指定を含むユーザ側コンピュータによるリアルタイムでリモート操作するか,または暗号化指定を含む事前作成した操作レシピーデータを検査分析装置へ送付しておく必要がある。前記の暗号化指定は,ユーザ側が暗号化データを復元させるための鍵であり,検査分析処理の結果得られた検査分析データのセキュリティ確保するために必要である。
【0024】
本件発明の検査分析は,
細く絞ったレーザビームを試料面へ照射してその反射光,
散乱光,透過光の少なくとも一つを検出すること,または電子ビームを照射して二次電子,散乱電子,透過電子の内の少なくとも一つを検出することにより,試料上の所望の箇所を分析するものである。

【0025】
本件発明の検査分析方法は,複数ユーザに対し,離れた場所にある検査分析装置
を共用して利用可能とし,検査分析試料を検査分析装置に装着した際に,検査分析箇所が容易に判断できるように,検査分析試料の光学画像,または検査分析試料上の分析位置座標情報(分析試料を保持する駆動ステージ座標系の位置情報)をユーザ側へ提供するものである。」

発明の効果

「【0026】
本件発明により,検査分析を所望する複数ユーザに対し,ユーザは個別に検査分析装置の導入のための投資することなく,ユーザ試料の検査分析が効率よく行うことが可能となった。
また,半導体集積回路を形成した試料などの検査分析を希望するユーザは,セキュリティの確保が重要であり,本発明により,これが実現できた。また,検査分析装置の管理エキスパートと,検査分析の対象である試料,例えば半導体集積回路の製造プロセスに熟知したエキスパートとを役割分担することで,人件費コストの削減を可能とした。

公共施設にある検査分析設備などの国有財産が広く国民に開放され,共有使用が行え,大学などの検査分析設備の投資効率を向上させることができる。」カ
発明を実施するための最良の形態

「【0027】
…なお,本発明の実施の形態において,半導体ウェハとは半導体集積回路装置の製造に用いるシリコンその他の半導体単結晶基板(一般にほぼ円形),サファイア基板,ガラス基板その他の絶縁,反絶縁または半導体基板等,並びにそれらの複合的基板であり,絶縁層,エピタキシャル半導体層,その他の半導体層および配線層などを形成して集積回路を形成しているものとする。また,半導体チップとは,半導体ウェハから個別の半導体集積回路装置に分割されたもの,パッケージに搭載され
たものも含むとする。本件の検査分析の対象は,半導体ウェハ,半導体チップに限定されるものでないが,以下説明の都合により,検査分析対象が半導体ウェハとし
て説明する。
【0028】
(実施の形態1)
本発明者は,半導体集積回路の微細化および高集積化に伴い,半導体集積回路装置の開発,製造などに用いる検査分析を低コストで効率良く実施することを目的として,次のような観点で解決手段を検討した。
前提として,不特定多数のユーザ(顧客)より検査分析試料を受け取り,効率的に検査分析を行う。ここで,検査分析は,半導体製造に合せた検査分析の条件設定をユーザ側が決め,ユーザの検査分析のための操作レシピーデータとして提供を受
ける。すなわち,検査分析装置の管理者側は,これまでに確立された検査分析技術の事例は,これを熟知していないユーザ側に提示するが,ユーザの個別試料の内容について熟知する必要がないことを前提とした。これにより,検査分析装置の効率的な運用が行える。また,検査分析を希望するユーザに対しては,インターネット等のような通信回線を介し,検査分析結果の出力データを短時間で提供するもので
ある。」
「【0030】
ユーザガイド用サーバは,図1に示すように,インターネットなどの通信手段を介して,ユーザのワークステーション,PC(パソコン)などと接続され,本発明の検査分析の準備作業であるセキュリティ確保とリモート操作を円滑に進めるため
に設けた。
図4は,ユーザガイド用サーバとユーザのワークステーションまたはパソコンとの通信処理の内容を示したものである。詳細は,以下の第一段階から,第五段階から成る。
【0031】

第一段階として,図3の1に示すように,ユーザガイド用サーバにより,本件の検査分析の処理内容と処理費用を含む案内を提示した。

以下は,図3の2に示す段階で,本件によりユーザに提供されるサービスが,ユーザに受け入れられることを前提として説明する。ユーザにとっては,高価な検査分析装置を所有することにメリットがあるのでなく,ユーザの試料を低コストで検査分析を早くすることにメリットがあるからである。
【0032】
本件の検査分析サービスに対し,ユーザがメリットを認め,図3の3に示すように,ユーザがユーザガイド用サーバにアクセスし,ユーザが検査分析要求することで第二段階になる。
【0033】

第三段階として,図3の4に示すように,ユーザのアクセスにより,ユーザガイド用サーバにて,ユーザ認証のための,仮のユーザID登録とパスワードを発行した。
【0034】
第四段階として,
ユーザが,
仮のユーザ名と仮のパスワードを用いて,
図3の5,

6に示すように,ユーザガイド用サーバに構築された検査分析装置の模擬操作プログラムを起動させ,ユーザ自身でユーザのワークステーションまたはパソコンを用いて,検査分析装置のリモート制御できるか,否か,確認できるようにした。ユーザのワークステーションまたはパソコンは,個人所有の検査分析装置を操作しているように動く。
また,
ユーザ自身が検査分析のための操作レシピーデータを作成し,

作成した操作レシピーデータに問題がないかチェックできるようにし,さらに,後で,前記作成した操作レシピーデータによる検査分析が実際に使えるようにした。【0035】
第五段階としては,図3の7,8,9に示すように,上記の模擬操作プログラムにより,検査分析結果のユーザ評価がOKとして,以下の処理を行った。
ユーザより検査分析の正式要求を受け,ユーザ認証のための,ユーザに対して,ユーザIDとワンタイムパスワードを発行した。その際に,ユーザと検査分析装置
の管理者側の請負者と守秘契約,費用支払い方法などを取り決めた。ワンタイムパスワードは,指定した日時のみ有効パスワードとなるようにしたものである。図4に示したように,上記第一段階から第五段階までの主な処理は,ユーザガイドサーバにより,行った。リピートオーダー処理の場合は,ユーザと検査分析装置の管理者側の請負者と守秘契約,費用支払い方法などは簡略化することが可能である。
【0036】
第六段階として,ユーザIDとワンタイムパスワードを得たユーザに対し,図5に示したように,ユーザ認証サーバを介して,検査分析装置のワークステーション
1との通信が可能とした。
ユーザIDとパスワードを得たユーザに対し,図3の10,11,12,13に示すフローの処理が行われるのであるが,検査分析装置側が提供できるスケジュールに従って,ユーザが使用登録することで,ユーザと検査分析装置の使用可能時間とのすり合せを行った。ユーザと検査分析装置側とのすり合せは,共同設備の利用
予約などと同じように,検査分析装置側のサービス提供可能なスケジュールが,検査分析装置毎にコンピュータ上に構築されており,これにユーザの都合がいい時間をユーザが決めるようにするスケジュール登録システムを構築して行った。スケジュール登録された段階で,検査分析装置側の検査分析請負者は,ユーザから検査分析試料を受け取り処理した。

【0037】
装置管理者側の請負者は,登録されたスケジュールに従い,検査分析装置へ試料を装着した。上記の第六段階で,図5に示すように,ユーザ側のワークステーションまたはパソコンにより,ユーザ認証サーバを介して,検査分析装置の制御用ワークステーションにアクセス可能となり,検査分析装置の制御が可能とした。すなわ
ち,検査分析装置の制御用ワークステーションとインターネットなどの一般ネットワークの間に,ユーザ認証用サーバを設け,これにより,第三者から,検査分析装
置の制御用ワークステーションの存在が分からなく,検査分析装置の制御用ワークステーションへの攻撃を防ぐために設けた。
【0038】
第七段階では,ユーザガイドサーバから提供された検査分析装置の操作レシピーデータ作成のためのプログラムを用いることで,ユーザが操作レシピーデータを作成することを容易にした。ユーザが作成した検査分析装置を制御するための操作レシピーデータを受け取り,検査分析装置をリモート制御可能とした。その際に,図3の14,16に示すように,ユーザしか復元できないように,検査分析の出力データの暗号化指示を受け,検査分析の出力データは,暗号付加されて検査分析装置
に一次的保管した。暗号化直前にデータ圧縮させることで,その後のデータ保管,通信,暗号復元などのデータ処理を容易にすることができた。ユーザは,上記の一次保管された検査分析の出力データをユーザのワークステーションまたはパソコンへ取り込み,ユーザの鍵を用いて復元させることができた。
【0039】

第八段階は,
以上の検査分析が問題なく完了した段階であり,
図3の17,
18,
19,20に示すように,検査分析装置側の請負者は,ユーザから検査分析の完了通知を受けた。検査分析装置側の請負者は,試料を装置から取り出して,ユーザへ返却し,検査分析費用請求を含む後処理について,ユーザへ連絡した。【0040】

図5に示したように,ユーザのワークステーションまたはパソコンにより,検査分析装置のワークステーションが制御され,
検査分析装置が制御される。
その際に,
ユーザがリアルタイムで,検査分析装置を制御する場合と,ユーザが検査分析装置の操作レシピーを作成し,検査分析装置管理側の請負者が制御する場合がある。ユーザがユーザ試料の検査分析を始めて行うには,リアルタイム制御が良いが,その
場合は,検査分析装置を使う上で時間的な制約が生じることがある。ユーザがユーザ試料の検査分析を繰り返す場合には,ユーザが検査分析装置の操
作レシピーを作成し,検査分析装置管理側の請負者が検査分析装置の操作するのがよい。この場合は,検査分析装置を使う上で,時間的な制約が少なくできる。」⑵

本件各発明の概要

以上の本件明細書等の発明の詳細な説明の記載並びに本件特許の請求項5及び11の記載によれば,本件各発明の概要は,次のとおりであると認められる。本件各発明は,半導体集積回路装置等の開発,製造等の検査分析工程で用いられる走査型電子顕微鏡
(SEM)
等の検査分析装置の利用方法に関するものである【0

001】)。
半導体集積回路の検査分析においては,回路パターンの微細化及び高集積化の進
展が早いため,高分解能の性能を有する検査分析装置が必要となるが,使用頻度が多くなく,利用効率がよくないため,開発コストが増加するという課題や,市場規模が小さいため検査分析装置が高価となるという課題があった(【0013】,【0
014】)ところ,本件各発明は,検査分析装置の管理者側と検査分析を希望するユーザ側のそれぞれにセキュリティ確保手段を講じた上,ユーザが,離れた場所に
ある検査分析装置を,リアルタイムでリモート操作する,又は,ユーザが事前に作成した操作レシピーデータに基づいて検査分析を行うこと(【0016】~【0019】,【0023】)によって,ユーザが個別に検査分析装置を導入する必要がなくなり,低コストで効率よく検査分析を行うことを可能とするものである(【0015】,【0016】,【0026】)。
2
争点1(被告方法は本件各発明の構成要件を充足するか)について


争点1-1(被告方法は「検査分析装置に対するリモート操作による検査分
析」,「検査分析」及び「検査分析装置」(構成要件AないしJ,L)を充足するか)について

「検査分析」,「検査分析装置」の意義について

本件各発明の特許請求の範囲に記載された「検査分析」及び「検査分析装置」の各用語は,その外延が明確ではなく,特許請求の範囲中にその意義を明確にし得る
記載もない。そこで,これらの技術的意義を明らかにするために,本件明細書等の発明の詳細な説明の内容をみると,前記1⑴のとおり,本件明細書等の発明の詳細な説明には,まず,技術分野として,「半導体集積回路装置,撮像素子,および表示デバイスの開発,製造などの検査分析工程で用いられる走査型電子顕微鏡…などの検査分析装置の利用方法に関し,…セキュリティを確保し,ユーザへユーザ試料の検査分析データを効率よく提供する検査分析技術に関する」(【0001】)ものであることが示されている。そして,発明が解決しようとする課題として,半導体集積回路の回路パターンの微細化や集積化に伴って高分解能の性能を有する検査分析装置が必要となるが,使用頻度は多くなく,結果として,新規の半導体集積回
路の開発コストが増加すること(【0013】),高性能の検査分析装置は高価であり,検査分析装置を持てない開発技術者などは,ますます検査分析装置を使うことができなくなること(【0014】)が示され,発明の目的は,半導体集積回路装置などの開発,製造を効率的に行うために用いられる検査分析工程において,低コストで効率的に検査分析を行う技術を提供することである(【0015】)旨記
載されている。さらに,課題を解決する手段に関する記載中には,本件の発明の検査分析が,細く絞ったレーザビームを試料面へ照射してその反射光,散乱光,透過光の少なくとも一つを検出し,又は電子ビームを照射して二次電子,散乱電子,透過電子のうちの少なくとも一つを検出することにより,試料上の所望の箇所を分析するものであること(【0024】)や,本件の発明の検査分析方法では,検査分
析試料を検査分析装置に装着した際に,検査分析箇所が容易に判断できるように,検査分析試料の光学画像,または検査分析試料上の分析位置座標情報を提供すること(【0025】)などが示されている。発明を実施するための最良の形態として,検査分析の対象は,半導体ウェハ,半導体チップに限定されるものでない旨の記載がある(【0027】)が,この記載は,その前後の説明をみれば,実施の形態を
示すに当たり,検査分析対象を半導体ウェハとすることを示したものにすぎず,半導体分野ではない分野における何らかの検査分析を含み得ることを示すものである
とは認められない。その他,本件明細書等を精査しても,半導体分野に関連しない検査分析についての説明は示されていない。
そうすると,本件各発明の特許請求の範囲に記載された「検査分析」とは,半導体分野に関する検査分析を指し,「検査分析装置」とは,その装置を指すと解するのが自然かつ合理的である。
これに対し,原告は,特許請求の範囲には半導体又は半導体分野という文言は記載されておらず,要約書の記載を考慮することは特許法70条3項により許されないのであって,「検査分析」及び「検査分析装置」の意義は,半導体又は半導体分野の検査分析に限定されるものではないと主張するが,本件明細書等の記載を考慮
することは,要約書の記載を考慮することとは異なり,特許法70条2項に基づくものである上,本件明細書等の記載を考慮した上記の検討に照らせば,原告の主張を採用することはできない。

被告方法は「検査分析装置に対するリモート操作による検査分析」,「検査
分析」及び「検査分析装置」を充足するかについて
前記第2の2前提事実⑸に認定したとおり,被告は,被告ウェブサイトに動画広告を掲載するサービスを提供しているが,本件全証拠によっても,これが半導体分野に関する検査分析であると認めることはできない。
以上によれば,被告方法は,「検査分析装置に対するリモート操作による検査分析」,「検査分析」及び「検査分析装置」(構成要件AないしJ,L)を充足する
と認めることはできない。

原告の主張について

被告方法が半導体分野に関するものではないことを措くとしても,原告の主張は次のとおり失当である。すなわち,原告は,動画広告原稿に基づいて動画広告掲載が正常に行われるか否か及び動画広告原稿の電子データにコンピュータウイルスが含まれているか否かを摸擬チェックすることをもって摸擬操作又は検査分析である旨を主張するが,本件各発明において規定されている摸擬操作及び正式検査分析要
求を受けて行われる検査分析の双方のステップのいずれか一方のみを主張するにとどまるのであって,他方のステップに係る主張を欠くものである。また,原告の主張を,被告ウェブサイトに動画広告を掲載すること自体を「検査分析」に当たる旨をいうものと解するとしても,動画広告の掲載が,どのような対象について何を検査分析する行為であるのかに関する主張がないから,検査分析についての主張を欠いているといわざるを得ない。


争点1に関するその余の争点について

争点1-5に関し,原告は,被告方法に「ユーザ認証サーバ」
(構成要件F,G)
が存在することについて何ら主張していないのであり,被告方法が「ユーザ認証サーバ」を充足すると認めることはできない。
また,争点1-3に関し,本件全証拠によっても,被告が,広告主に対して,仮のユーザID,認証用ユーザID及びパスワードを発行していると認めるに足りない。


まとめ

したがって,被告方法は,本件各発明の構成要件を充足しない。
3
結論

以上によれば,その余の争点につき検討するまでもなく,原告の請求には理由がないから,これを棄却することとして,主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第29部

裁判長裁判官

山田真紀
裁判官

伊藤清隆棚橋知子
裁判官

(別紙1)
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9
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以上
(別紙2)

※特許公報(甲1-1)添付略

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