判例検索β > 平成30年(ワ)第39200号
発信者情報開示請求事件 著作権 民事訴訟
事件番号平成30(ワ)39200
事件名発信者情報開示請求事件
裁判年月日令和元年5月23日
法廷名東京地方裁判所
裁判日:西暦2019-05-23
情報公開日2019-06-25 10:00:19
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令和元年5月23日判決言渡

同日原本交付

平成30年(ワ)第39200号
口頭弁論終結日

裁判所書記官

発信者情報開示請求事件

平成31年4月16日
判決原株
同訴訟代理人弁護士

山口孝太同芝崎晴哉同告原木被式WILL航告ニ村島俊宏同穂積伸一同谷口悠樹同工藤友良主テ社同訴訟代理人弁護士
フ会ィ株式会文1
被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ
2社
訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由

第1

請求
主文同旨

第2
1
事案の概要
本件は,映画の著作物について著作権を有すると主張する原告が,一般利用者に対してインターネット接続プロバイダ事業等を行っている被告に対し,被告の提供するインターネット接続サービスを経由して上記映画を何者かが動画共有サイトにアップロードした行為によって原告の公衆送信権(著作権法23条1項)が侵害されたと主張して,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下プロバイダ責任制限法とい
う。
)4条1項に基づき,被告が保有する発信者情報の開示を求める事案である。
2
請求原因(原告の主張)
原告は,別紙著作物目録記載のグラビアアイドル究極進化!1年で開発された神BODY!大痙攣イキまくり乱交解禁スペシャル!Aと題する映像作品(以下本件著作物という。
)の制作に発意と責任を有し,本件著
作物の監督であるBは,原告に対し,本件著作物の製作に参加することを約束して本件著作物の全体的形成に創作的に寄与した。
仮に,上記Bが本件著作物の著作者であると認められない場合,原告が本
件著作物の著作者である。このことは,本件著作物を収録したDVD及びBlu-rayDiscのパッケージに原告のメーカー名(屋号)や登録商標が表示されていることなどから明らかである。
別紙動画目録IPアドレス欄記載の各IPアドレス(インターネットプロトコルアドレス)の割当を受けてインターネットに接続した何者か(以下
本件利用者という。
)は,本件著作物を複製して動画ファイルを作成し,
同目録投稿日時欄記載の各日時に,ファイル交換共有ソフトウェアを通じて本件著作物に係る同目録記載の各動画(以下本件各動画という。)
のアップロードを行い,同ソフトウェア利用者からの求めに応じてインターネット回線を経由して自動的に送信し得る状態に置いた。

被告は,上記各日時において,本件利用者に対し,上記各IPアドレスを割り当ててインターネット接続サービスを提供していた。よって,被告は,プロバイダ責任制限法4条1項の開示関係役務提供者に当たる。
被告は,本件利用者についての氏名又は名称,住所及び電子メールアドレスの情報(別紙発信者情報目録記載の各情報。以下本件各発信者情報という。)を保有している。
原告は,本件利用者に対し,本件著作物について有する公衆送信権の侵害
に基づく損害賠償請求等を行う必要があるが,本件利用者の氏名,住所等が不明であるため,本件各発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある。
3
請求原因に対する認否(被告の主張)

第3
1
当裁判所の判断
請求原因について
証拠(甲7ないし14。枝番を付したものは各枝番を含む。
)及び弁論の

全趣旨によれば,①Bは,原告の企画に基づき,原告に本件著作物の著作権が帰属するとの認識の下,監督として,脚本の創作や映像の編集等の総指揮を行うなどして本件著作物を制作したこと,②上記Bが取締役を務める有限会社レインメーカーは,原告に対し,本件著作物の撮影初日である平成29年4月18日の約1週間後の同月25日に,本件著作物の制作費として,2
00万円を請求したこと,③本件著作物の制作に要する費用については,②の費用も含めて全て原告が負担したこと,④原告は,MOODYZ(ムーディーズ)というメーカー名(屋号)を用いているところ,本件著作物を収録したDVD及びBlu-rayDiscのパッケージには,
制作・著作・販売/ムーディーズとの記載があるほか,原告が商標権を有する登録商標MOODYZも付
されており,また,上記DVD・Blu-rayDiscのほか,本件著作物をダウンロード又はストリーミング通信の方法で販売しているウェブサイトFANZAの販売ページにおいても,
メーカー:ムーディーズとの記載があること,
以上の事実が認められる。
上記認定事実によれば,原告は,本件著作物を製作する意思を有し,本件著作物の製作に関する経済的な収入・支出の主体でもあることが明らかであるから,原告が本件著作物の製作に発意と責任を有していたと認めることができ,また,上記Bは,原告に対し,本件著作物の製作に参加することを約束し,本件著作物の全体的形成に創作的に寄与したと認めることができる。したがって,

前段の事実を認めることができる。

次に,証拠(甲3,4,6,15ないし19)及び弁論の全趣旨によれば,①何者かが別紙動画目録投稿日時欄記載の各日時に,ファイル交換共有ソフトウェアBitTorrentを通じ,本件各動画のアップロードを行ったこと,②それにより,本件各動画は,同ソフトウェア利用者からの求めに応じてインターネット回線を経由して自動的に送信し得る状態に置かれたこと,③上記各日時に本件各動画をアップロードする際に使用されたIPアドレスが同
目録IPアドレス欄記載の各IPアドレスであること,④本件各動画が本件著作物と長さ及び内容において同一であること,以上の事実が認められる。上記認定事実によれば,本件利用者が,同目録投稿日時欄記載の各日時に,同目録IPアドレス欄記載の各IPアドレスを利用して,本件著作物を複製した動画をファイル交換共有ソフトウェアを利用してアップロード
し,同ソフトウェア利用者からの求めに応じてインターネット回線を経由して自動的に送信し得る状態に置いた
事実を認めることができる。
被告は,本件各発信者情報を保有しているものと認められるところ,上記事実関係からすれば,本件各発信者情報は,いずれもプロバイ

ダ責任制限法4条1項にいう権利の侵害に係る発信者情報に当たるのであるから,被告は,本件各発信者情報に関し,同条項の開示関係役務提供者


以上に説示したところによれば,原告は本件利用者に対して著作権侵害を理由に損害賠償請求権等を行使し得るところ,本件利用者の氏名,住所等を覚知する手段が他にあることはうかがわれないのであるから,原告には,本件各発信者情報を有し,この情報に関しプロバイダ責任制限法4条1項の
開示を受けるべき正当な理由
2
結論
よって,原告の請求は理由があるからこれを認容することとし,訴訟費用の
負担について民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。
東京地方裁判所民事第46部

裁判長裁判官

柴田義
裁判官

安岡美
裁判官

古川善明香子敬
(別紙)

発信者情報目録

別紙動画目録記載のIPアドレスを同目録記載の投稿日時に使用して情報を送信していた者に関する情報であって,次に掲げるもの。
①氏名又は名称
②住所
③電子メールアドレス

(別紙動画目録省略)
(別紙)

著作物目録

作品名:グラビアアイドル究極進化!1年で開発された神BODY!大痙攣イキまくり乱交解禁スペシャル!A
発売日:平成29(2017)年9月1日
メーカー:MOODYZ(ムーディーズ)
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