判例検索β > 平成31年(わ)第123号
職業安定法違反
事件番号平成31(わ)123
事件名職業安定法違反
裁判年月日令和元年5月29日
法廷名京都地方裁判所
裁判日:西暦2019-05-29
情報公開日2019-07-17 18:00:09
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主文1
被告人を懲役2年6月に処する

2
この裁判が確定した日から4年間その刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
第1

被告人は,分離前相被告人A,B及びCと共謀の上,平成29年3月2日
頃,大津市ab丁目c番d号所在の店舗型性風俗特殊営業店Dにおいて,同店経営者Eに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業させる目的で,F(当時24歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。第2

被告人は,A,B,G及びCと共謀の上,同年7月9日頃,同市bc丁目e
番f号所在の店舗型性風俗特殊営業店Hにおいて,同店の採用担当者である前記Eに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業させる目的で,I(当時18歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
第3

被告人は,A,J,K及びLと共謀の上,平成30年1月23日頃,京都市
g区h通i町j番地k所在のMビル内において,無店舗型性風俗特殊営業店Nの人事を担当しているOに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業させる目的で,P(当時20歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。
第4

被告人は,A,分離前相被告人Q,R及びLと共謀の上,同年3月20日
頃,前記Mビル内において,前記無店舗型性風俗特殊営業店Nの人事を担
当している前記Oに対し,同店が女性従業員に不特定の男性客を相手に手淫,口淫等の性交類似行為をさせる店であることを知りながら,同店の従業員として就業させる目的で,S(当時19歳)を女性従業員として紹介して雇用させ,もって公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,職業紹介を行った。(法令の適用)
罰条

いずれも刑法60条,職業安定法63条2号

刑種の選択

いずれも懲役刑

併合罪の処理

刑法45条前段,47条本文,10条(犯情の最も重い判
示第3の罪の刑に法定の加重)

刑の執行猶予

刑法25条1項

(量刑の理由)
本件は,被告人が,共犯者らと共謀の上,公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で,女性4名を性風俗店の人事担当者等に女性従業員として紹介して雇用させたという事案である。
被告人らは,各種のマニュアル等を整え,指示役,女性のスカウト役,性風俗店側への紹介役や仲介役等の役割分担のもと,1年余りの間に4回にわたり,スカウト役が街頭で女性に声をかけ,性風俗等の仕事に興味を示した女性については性風俗店に紹介し,これに興味を示さない女性については,その後もスカウト役が繰り返し連絡を取り,一緒に食事をするなどして好意を抱かせて被告人ら運営の飲食店に誘い込み,スカウト役と交際するためには売上に貢献する必要がある旨言ったり,高額の飲食をさせたりした上で,稼げる店があるなどとして半ば強引に勧誘して性風俗店での就労を決意させており,巧妙な手口による組織的かつ職業的な犯行であって,公衆道徳上の有害性も顕著である。そして,被告人は,前記飲食店の経理を担当し,Aらから指示を受けていたとはいえ,性風俗店からの紹介料等を集計して従業員である共犯者らの報酬を計算するなどの重要不可欠な役割を果たしており,スカウト役よりも上位の立場にあったものと認められる。もとより紹介料欲し
さなどという利欲的な動機に酌量の余地はない。
以上によれば,本件の犯情はかなり悪く,被告人の刑事責任は相当に重いといわざるを得ない。
しかしながら,他方,被告人は,事実関係をいずれも認めるなどして反省の態度を示していること,前科前歴がないこと,父親が出廷して被告人に対する指導監督を約していることなどの被告人に有利な一般情状も相応に認められることから,被告人に対しては,今回に限り社会内で自力更生する機会を与えることとして,主文のとおり量刑した。
(検察官升田雅己及び私選弁護人大杉光城各出席)
(求刑・懲役2年6月)
令和元年5月29日
京都地方裁判所第1刑事部

裁判長裁判官

入子光臣
裁判官

戸﨑涼子
裁判官

伊藤祐貴
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