判例検索β > 令和1年(ワ)第11739号
発信者情報開示請求事件 著作権 民事訴訟
事件番号令和1(ワ)11739
事件名発信者情報開示請求事件
裁判年月日令和元年9月4日
法廷名東京地方裁判所
裁判日:西暦2019-09-04
情報公開日2019-09-24 12:00:15
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令和元年9月4日判決言渡

同日原本領収

令和元年(ワ)第11739号

裁判所書記官

発信者情報開示請求事件

口頭弁論終結日令和元年7月26日
判原決告株
同訴訟代理人弁護士

鶴被
ニフティ株式会社


同訴訟代理人弁護士

式会谷社秀東凛哲村宏積伸一谷口悠樹工主俊穂島藤友良文1
被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の情報を開示せよ
2
訴訟費用は被告の負担とする。
事実及び理由

第1請求
主文同旨
第2事案の概要
1本件は,原告が,インターネットの動画投稿サイトであるFC2動画に原告が著作権を有する別紙作品目録記載の動画(以下本件作品という。)の一部を何者かが無断でアップロードしたことにより,原告の著作権(公衆送信権)が侵害されたことが明らかであるから,
同アップロードをした者
(以下
発信者
という。)への損害賠償請求権の行使等のために経由プロバイダである被告から発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるなどと主張して,被告に対し,
特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下プロバイダ責任制限法という。)4条1項に基づき,被告が保有する別紙発信者情報目録記載の発信者情報の開示を求める事案である。2前提事実
(当事者間に争いのない事実又は文中掲記した証拠及び弁論の全趣旨により認定することができる事実。なお,本判決を通じ,証拠を摘示する場合には,特に断らない限り,枝番を含むものとする。)
(1)当事者

原告(旧商号株式会社ディープス。平成24年3月2日商号変更)は,主にアダルトビデオの制作,販売を業とする株式会社である。原告は,ディープスなる標準文字商標の商標権者である
(商標登録第5877279号)

(甲1,6)


被告は,
インターネットサービス等の電気通信事業を営む株式会社である。
(2)本件作品
原告は,平成30年9月頃から,映画の著作物である本件作品を,原告のウェブサイトや有料配信サイト等において,DVDやダウンロード等の方法により,全国に販売している。(甲5,7)
(3)FC2動画
FC2動画は,メールアドレスがあれば,IDとパスワードを設定して会員登録及びアカウントの作成をすることで,誰でも好きな動画を無料で投稿することができる,米国のFC2,Inc.(以下FC2社という。)の運営する動画投稿サイトである。

(4)被告の保有する情報
別紙動画目録記載のIPアドレス
(以下
本件IPアドレス
という。は,

被告が管理するものであり,被告は,本件IPアドレス及び同目録記載の投稿日時により特定されるインターネット接続サービスの契約者の情報(氏名又は名称,住所及び電子メールアドレス。以下被告保有情報という。)を保有
している。
3争点
(1)原告が本件作品の著作者であるか否か(争点1)
(2)原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か(争点2)第3争点に関する当事者の主張
1争点1(原告が本件作品の著作者であるか否か)について
(原告の主張)
本件作品を制作した原告は,本件作品の著作権者である。原告が全国に販売している本件作品のDVDのパッケージに原告の旧商号かつ登録商標として周知のディープスが著作者名として通常の方法により表示されていることから,原告は,著作権法14条に基づき,本件作品の著作権者と推定される。
(被告の主張)
本件作品のDVD媒体のパッケージにディープスが著作者名として表示されているとはいえないから,原告が著作権法14条に基づき著作者と推定されるとはいえず,原告が著作権者であることは立証されていない。
2争点2(原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か)につい

(原告の主張)
発信者は,別紙動画目録記載のアカウント名を用いて,同目録記載の日時に,FC2動画のウェブページ(URLは同目録記載のとおり。以下本件ウェブページという。)に,本件作品の一部分である同目録記載の動画(以下本件動画という。)をアップロードしたのであるから,原告の本件作品に係る著作権(公衆送信権)を侵害したことが明らかである。
また,原告は,本件作品をDVD媒体で販売しているのみならず,有料配信サイトにおいて有料で配信しているところ,上記アップロードにより有料視聴の機会を奪われて損害を受けた。原告は,発信者に対して不法行為に基づく損害賠償
等の請求をする予定であるが,そのためには被告保有情報の開示が不可欠であるから,その開示を受けるべき正当な理由がある。
(被告の主張)
否認し争う。
本件IPアドレスが本件動画のアップロードに使用されたものであり,同アップロードがされたのが別紙動画目録記載の投稿日時であること,本件動画が真に存在し,これがFC2動画にアップロードされ,不特定多数の者が再生できる状態になっていたこと,
本件動画が本件作品の一部分を抜き出したものであること
についての立証はされていない。
第4当裁判所の判断
1争点1(原告が本件作品の著作者であるか否か)について
前記前提事実,証拠(甲4,5,7)及び弁論の全趣旨によれば,映画の著作
物である本件作品のDVDのパッケージの裏面左下隅にはDEEP’Sの文字がそのロゴと共に表示され,その下に制作・著作・受審/ディープスと表示されていること,上記パッケージの画像は,原告が本件作品をダウンロードやストリーミング配信の方法で販売するウェブページにおいても表示されていること,ディープスは旧商号かつ登録商標であるが,原告は,これをレーベル名として用いてアダルトビデオ作品を全国的に流通・販売しており,AV業界ではそのことが広く知られていることが認められる。
被告は,ディープスが著作者名として表示されているとはいえないと主張するが,上記認定事実によれば,著作物である本件作品が公衆に提供又は提示さ
れる際に,原告の変名として周知のディープスが著作者名として通常の方法により表示されているということができるので,原告は,本件作品の著作者と推定され,その推定を覆すに足りる証拠は存在しない。
2争点2(原告が被告に対して被告保有情報の開示を請求し得るか否か)について
(1)前記前提事実,後掲の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。

原告は,平成30年9月27日,発信者が,別紙動画目録記載のアカウント名を用いて,同目録記載の投稿日時(2018年9月24日午前零時1分54秒)
に本件動画を本件ウェブページにアップロードしたことを発見した。発見時点における本件動画の再生回数は2万9967回であった。原告訴訟代理人がその後本件動画と本件作品を対比したところ,本件動画は,原告が
DVD媒体や有料配信サイトにおける有料配信の方法で販売している本件作品の一部であり,画像を左右反転したものであることが判明した。(甲2~5,7)

原告が,平成30年11月19日,米国ネバダ連邦地方裁判所に対し,FC2社を相手方として,米国デジタルミレニアム著作権法に基づき,本件動
画のアップロードに係るIPアドレス等発信者を特定するに十分な情報の開示を命じるよう申し立てたところ,同裁判所は,同月21日,上記開示を命じた。そこで,FC2社は,同年12月21日,原告に対し,本件IPアドレスを開示した。(甲8,9)

被告は,
本件IPアドレス及び同目録記載の投稿日時により特定される被
告保有情報を保有している。

(2)前記(1)認定の事実によれば,発信者が平成30年9月24日午前零時1分54秒に本件作品の一部の抜粋である本件動画を本件ウェブページにアップロードして送信可能化したことにより,原告の本件作品に係る著作権(公衆送信権)が侵害されたことが明らかである。
また,FC2社が原告に開示した本件IPアドレスは,発信者が本件動画をアップロードした際のIPアドレスであることが認められるから,被告保有情
報は,原告の上記公衆送信権の侵害に係る発信者情報に当たる。
そして,原告は,発信者に対して不法行為に基づく損害賠償等の請求をする
予定であるというのであるから,そのために上記発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があると認められる。
したがって,
原告は,
被告に対し,
プロバイダ責任制限法4条1項に基づき,
被告保有情報の開示を請求することができる。
(3)これに対して,被告は,本件動画がFC2動画にアップロードされ,不特定多数の者が再生できる状態になっていたこと,本件作品の一部分を抜き出したものであることについて争うが,
本件動画のアップロード画面
(甲2の1・2)
によれば,
本件動画が実際にアップロードされて不特定多数の者が再生できる状態であったことは明らかであり,また,証拠(甲2~5,7)によれば,本件動画が本件作品の一部の抜粋であると認められることは前記判示のとおりである。

また,被告は,本件IPアドレスが本件動画のアップロードに使用されたものであること等が立証されていないと主張するが,FC2社は,原告から本件動画の掲載されたページのURLを示されてIPアドレス等発信者を特定するに十分な情報の開示を求められたのに対し,当該発信者を特定する情報として本件IPアドレスを開示しているのであるから,本件IPアドレスは本件動
画のアップロードに使用されたものであると推認するのが相当であり,本件動画のアップロード時点で本件IPアドレスとは異なるIPアドレスが使用されたことをうかがわせる証拠は存在しない。
3よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとして,主文のとおり判決する。

東京地方裁判所民事第40部

裁判長裁判官
佐藤達文
裁判官

三井大有今野智紀
裁判官

別紙

発信者情報目録

別紙動画目録記載の投稿日時頃に,同目録記載のIPアドレスを使用してインターネットに接続していた者の下記情報

①氏名又は名称
②住所
③電子メールアドレス

動画目録

投稿先URL
投稿日時

2018/09/24

IPアドレス

(省略)

アカウント名

ムラムラしてる,性欲強めな女隊

表題

https://

以下省略

公開オナニーショーなんだかヤリたくてムラムラしちゃう

00:01:54

作品目録
商品名
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