判例検索β > 平成31年(ワ)第1564号
差止等請求反訴事件 不正競争 民事訴訟
事件番号平成31(ワ)1564
事件名差止等請求反訴事件
裁判年月日令和元年9月19日
法廷名大阪地方裁判所
裁判日:西暦2019-09-19
情報公開日2019-10-04 16:00:23
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令和元年9月19日判決言渡

同日原本交付

平成31年(ワ)第1564号

裁判所書記官

差止等請求反訴事件

口頭弁論終結日令和元年7月8日
判反訴原告決
株式会社あかしや

同訴訟代理人弁護士

以呂免

義雄同松井和弘同美藤
慎太郎

反訴被告
広島筆産業株式会社

同訴訟代理人弁護士

中井克洋同
甲斐野

正行同川智宏崎主文12
反訴原告の請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は,反訴原告の負担とする。
事実及び理由

第1請求
1反訴被告は,別紙反訴被告商品目録記載の商品の製造及び販売を中止せよ。2反訴被告は,別紙物件目録記載の各物件を廃棄せよ。
第2事案の概要
1
本件は,反訴原告が,反訴被告が販売等する別紙反訴被告商品目録記載のカ
ラー筆ペン(以下反訴被告商品という。)は反訴原告が製造販売する周知の商品等表示である別紙反訴原告商品目録記載のカラー筆ペン(以下反訴原告商品という。)と類似の商品等表示を使用するものであり,これを譲渡等する行為は不正競争防止法2条1項1号所定の不正競争に該当するとして,反訴被告に対し,同法3条1項に基づき反訴被告商品の販売等の差止めを求めるとともに,同条2項に基づき反訴被告商品の販売等に供するなどした別紙物件目録記載の各物件の廃棄を求める事案である。
2
前提事実(証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。なお,本判
決において書証を掲記する際には,枝番号の全てを含むときはその記載を省略することがある。)
(1)反訴原告と反訴原告商品
反訴原告は,筆墨文房具の製造及び販売仲介業等を目的とする株式会社である。反訴原告は,平成14年にカラー筆ペン彩の販売を開始し,遅くとも平成18年には,軸の色を濃紺色に変更した現行モデル(反訴原告商品)の販売を開始し,
現在に至るまでその販売を継続している(乙12,弁論の全趣旨)。(2)反訴被告と反訴被告商品
反訴被告は,書画筆及び工業用刷毛の製造及び販売等を目的とする株式会社である。
反訴被告は,平成30年3月頃から,カラー筆ペンである反訴被告商品を販売し
ている(甲3,16,17)。
(3)

反訴被告は,平成30年12月19日,反訴原告を被告として,反訴原告が
反訴被告に対し反訴被告商品の製造販売を中止する債務の不存在確認を求める訴え(当庁平成30年(ワ)第11371号債務不存在確認請求事件。以下本件本訴という。)を提起した。これに対し,反訴原告は,平成31年2月22日,本件本訴に対する反訴(本件)を提起した。これを受け,反訴被告は,令和元年5月20日,本件本訴の訴えを取り下げ,反訴原告はこれに同意した。3争点
(1)反訴原告商品の形態等の商品等表示性の有無及び周知性の有無(争点1)(2)

反訴原告商品の形態等と反訴被告商品の形態等の類否及び混同のおそれの有
無(争点2)
第3争点に関する当事者の主張
1争点1(反訴原告商品の形態等の商品等表示性の有無及び周知性の有無)(反訴原告の主張)
(1)反訴原告商品の形態等の特別顕著性

反訴原告商品の形態等(反訴原告商品自体の形態,販売時の包装態様(以下
包装態様という。)及びカラーバリエーションの存在)は,以下のとおり,他社製のカラー筆ペンである別紙比較商品目録記載1~7の各商品(以下,これらを総称して本件比較商品ということがある。また,本件比較商品以外の商品を含め,同別紙記載の個別の商品について,同別紙記載の商品名又は略称を用いることがある。)の形態等とは異なる顕著な特徴(特別顕著性)を有する。
イ特別顕著性の検討に当たり比較対象とすべき商品
反訴原告商品はカラー筆ペンであるところ,筆ペンは,はがき,和紙又は色紙等の材質の紙に字等を書く際に用いられる。また,カラー筆ペンは,イラストを描いたり,文字をカラフルにデコレーションしたりするために用いられるものであり,筆のようなタッチで描くことができ,色の濃淡を付けたり,色を混ぜたりすること
ができる。
他方,マーカーやサインペンは,厚紙,光沢紙又は段ボールなど厚みのある紙に字等を書く際に用いられることが多く,木材等紙以外の物にも書くことができる。また,マーカーやサインペンを用いる際には,太さや色の濃淡をあまり変えない。このようにカラー筆ペンとマーカーやサインペンはその用途を異にし,同種の商
品とはいえないから,他社製のマーカー又はサインペン(別紙比較商品目録記載8~11,14,15及び17の各商品等)は,カラー筆ペンである反訴原告商品の形態等の特別顕著性の判断に当たり比較対象とする同種商品に含まれず,他のカラー筆ペンとの比較で判断すべきである。
ウ特別顕著性の存在

(ア)商品の形態
a先口
反訴原告商品の先口(穂先と軸との間のプラスチック部分)付近は,軸から穂先に至るまで段差が小さく,滑らかになっていて,円錐形のような形状をしている。また,空気の通り道を確保しインク漏れを防止するための溝が,先口と軸との境界部分にある。反訴原告商品の先口の色は,インクと同色である。
他方,本件比較商品の先口部分には,何段かの段差がある。また,リアルブラッシュ,アートブラッシュ及び筆まかせの先口に溝はあるが,その位置はいずれも反訴原告商品とは異なる。色については,本件比較商品のうちリアルブラッシュ及び四季織マーカー以外は,インクの色にかかわらず同じ色をしている。b穂先

筆ペンの穂先には,毛筆タイプ,軟筆タイプ(フェルトタイプ),硬筆タイプ,穂先が軸の両端にあるツインタイプがあるところ,反訴原告商品の穂先は毛筆タイプである。他方,本件比較商品のうちリアルブラッシュ及びアートブラッシュ以外は毛筆タイプではない。
反訴原告商品の穂先が毛筆タイプとなっているのは,筆の製造販売業者としての
創意工夫によるものであり,反訴原告商品の独自の特徴である。
cキャップ
反訴原告商品のキャップは,クリップが付いており,色は透明である。これは,持ち運びの便宜のためにクリップを付けるとともに,キャップをした状態でもインクの色をした先口部分及び毛筆タイプの穂先を見られるようにしたものである。
他方,筆日和,アートブラッシュ,四季織マーカー及びデュアルブラッシュのキャップは,クリップが付いておらず,また,透明でない。筆まかせ及び筆之助のキャップは,クリップは付いているものの,透明ではない。リアルブラッシュのキャップは,透明ではあるが,クリップは付いていない。
このように,キャップにクリップを付けるとともに透明にしているのは反訴原告
商品のみであるところ,特に,店頭でも反訴原告商品の穂先が毛筆タイプのものであるとわかるようにしたことは,筆の製造販売業者である反訴原告の創意工夫であって,反訴原告商品の特徴である。
d軸
反訴原告商品の軸は,グリップ及びカートリッジ交換の機能もないシンプルな構造であり,また,リアルブラッシュ,アートブラッシュ及び筆まかせと比較して長細く,色は濃紺色である。反訴原告商品は,こうした軸の特徴と先口や穂先の特徴とが相まって,全体として,本件比較商品に比して本物の筆のような印象を受けるものになっている。筆に近い印象を受けるようにしたことは,筆の製造販売業者である反訴原告の創意工夫であって,反訴原告商品の特徴である。
他方,本件比較商品は,カートリッジ交換式になっていないものも多々あるもの
の,穂先のタイプ,軸の太さ,先口及びキャップの形状等の相違から,反訴原告商品とは異なる印象を受けるものになっている。
(イ)包装態様
反訴原告商品は,商品名,インクの色,ロゴ等が印刷された台紙と共に透明なビニール製袋に包装されて販売されている。

他方,リアルブラッシュは商品に直接ラッピングされるように包装され,アートブラッシュは硬いプラスチックと台紙によりパッケージされ,筆まかせは,商品名等が印刷されたビニール製袋に包装されて,それぞれ販売されている。このように,反訴原告商品と本件比較商品とは,商品としての包装態様が異なる。(ウ)カラーバリエーション

反訴原告商品は,インクの色として落ち着いた色合いを全30色揃え,このカラーバリエーションを日本の伝統色として売り出している。
他方,本件比較商品の多くは,インクの色は赤色,青色,黄色等の一般的な色合いのものであり,色数も,一部を除き反訴原告商品ほど豊富ではない。このような色合いの統一性及び豊富なカラーバリエーションを有する点は,反訴
原告商品の独自の特徴である。
(エ)特徴の組合せ
反訴原告商品は,前記(ア)~(ウ)のとおり,各形態等を個別に見ただけでも,本件比較商品の形態等とは異なる顕著な特徴を有しているところ,これらの特徴を全て備えた本件比較商品は存在しないから,各形態等を併せて見るとより一層,本件比較商品の形態等とは異なる顕著な特徴を有しているといえる。
(オ)反訴原告商品の形態等の周知性
反訴原告商品は,前記(ア)~(エ)のとおり,本件比較商品の形態等とは異なる顕著な特徴を有しているところ,16年以上もの長期間にわたってその形態を使用しており,また,全国各地で販売され,全体としてその売上げは増加傾向にある。加えて,反訴原告商品は,中四国の多くの雑貨店等で小売店及び需要者に対する
宣伝活動を積極的に行うとともに,需要者にとってアクセスが容易な各種媒体で紹介されているところ,反訴原告商品の特徴が日本の伝統色であることについては,そこで広く宣伝されており,その余の形態等も,当該媒体に触れれば自ずから目に入る。
これらのことに鑑みると,反訴原告商品は,その形態等により,反訴原告の商品
であることを示す表示として需要者の間に広く認識されるようになっている。(カ)

したがって,反訴原告商品の形態等は,反訴原告の商品等表示と認めるに足
りる特別顕著性を有する。
(2)周知性
上記(1)ウ(オ)のとおり,反訴原告商品は,反訴原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されている。
(3)小括
以上より,反訴原告商品の形態等は,商品等表示性及び周知性を有する。(反訴被告の主張)
(1)反訴原告商品の形態等の特別顕著性


反訴原告商品の形態等は,以下のとおり,他社製の筆ペン,マーカー及びサ
インペンの形態等とは異なる顕著な特徴を有していない。
イ特別顕著性の検討に当たり比較対象とすべき商品
筆ペンは,筆記用具として先行する筆やサインペンのカテゴリーとして開発考案されたものであり,筆ペンに性質上必要ないし有用な要素は,サインペン等の構造や形態に依拠する。業界団体も,筆ペンをマーキングペンの一種に分類している。したがって,筆ペンである反訴原告商品の形態等の特別顕著性を判断するに当たっては,カラー筆ペンに限らず,他社製のマーカー及びサインペンも比較対象に含めるべきである。
ウ特別顕著性の不存在
(ア)商品の形態

a先口
反訴原告商品の先口の形状が反訴原告主張のとおりであることは認める。しかし,先口が円錐形で段差が小さいという点では,デュアルブラッシュが先行している。また,反訴原告商品の先口にある溝が軸との境界部分にあることは認める。しかし,溝がある商品は反訴原告商品以外にも存在し,その位置の差異は,その大きさ
から目に付きにくく,デザインとしてもその効能としても,需要者が殊更に目に留める形態ではない。
反訴原告商品の先口の色がインクと同色であることは認める。しかし,先口の色につきインクと同色を用いることは反訴原告商品の特徴ではなく,その筆記用具のインクの色を明示するために文房具業界において通常一般的に用いられてきた,あ
りふれた手法である。反訴原告商品は,これを採用したものにすぎない。b穂先
反訴原告商品の穂先が毛筆タイプであることは認める。しかし,反訴原告商品以外にも穂先が毛筆タイプの商品は存在するし,筆ペンの形態自体は遥かに先行して他社により商品化されており,カラーの筆ペンタイプの物も反訴原告商品に先行し
て市場に存在する。また,筆ペンというカテゴリーではペン先が一定の色のインクを踏ませた毛筆であることが商品の機能を確保するために必要不可欠な形態・構造であり,不正競争法防止法の保護の範囲外である。
cキャップ
反訴原告商品のキャップが反訴原告指摘の形態であることは認める。しかし,透明なキャップ,クリップ付きキャップは他社商品にもあり,透明なクリップ付きキャップは単にその組合せであって,その組合せが新たな特徴を生み出したとはいえない。
したがって,反訴原告商品のキャップは,格別な形態とはいえない。d軸
反訴原告商品の軸が,グリップはなく,カートリッジ交換式になっておらず,リ
アルブラッシュ,アートブラッシュ及び筆まかせと比較して長細く,濃紺色をしていることは認める。しかし,軸が長細いことは格別の特異性を有するものではない。また,反訴原告商品が本物の筆のような印象を受けるものとする点は,反訴原告の主観的なものにすぎないし,他社製の筆ペンのうち軸が長細いものでは,反訴原告商品と大差はない。

(イ)包装態様
反訴原告商品の包装態様は認める。しかし,反訴原告商品の包装態様は,格別なものとはうかがわれない。
(ウ)カラーバリエーション
反訴原告商品のカラーバリエーションにつき,日本の伝統色と称して販売し
ていることは認める。しかし,そもそも色彩は通常それ単独で識別機能を有するものではなく,また,日本の伝統色が我が国で伝統的に用いられてきた色合いを意味するのであればなおさら,そこに出所識別機能はない。
(エ)反訴原告が主張する特徴の組合せについて
反訴原告が指摘する反訴原告商品の形態等は,上記(ア)~(ウ)のとおり,部分的にも
先行する商品があり,ありふれたものであるところ,このようなありふれた形態等を組み合わせても,全体として,他の同種商品の形態等と異なる顕著な特徴が生じているわけではない。
(オ)反訴原告商品の形態等の周知性の欠如
反訴原告の主張は不知ないし争う。
反訴原告商品は,その形態はもとより,商品名すら一般に知られているものではない。また,前記(ア)~(エ)のとおり,その形態的特徴も,商品等表示性を基礎付けるに足りる特別顕著性を有していない。これらの事情等からすると,反訴原告商品の形態等は,反訴原告の商品であることを示す表示であると需要者の間に広く認識されているとはいえない。
(2)周知性の欠如

上記(1)ウ(オ)のとおり,反訴原告商品は,反訴原告の商品等表示として需要者の間に広く認識されているとはいえない。
(3)小括
以上のとおり,反訴原告商品の形態等は,商品等表示性及び周知性を有しない。2
争点2(反訴原告商品の形態等と反訴被告商品の形態等の類否及び混同のお
それの有無)
(反訴原告の主張)
(1)形態等の類似
ア商品の形態
(ア)先口

反訴被告商品の先口の形状は,反訴原告商品と同様,軸から穂先にかけて段差が小さく,滑らかな円錐形をしている。また,先口の溝の位置及び先口の色がインクの色となっている点も,反訴被告商品は,反訴原告商品と同じである。(イ)穂先
反訴被告商品の穂先は,反訴原告商品と同じく毛筆タイプである。
(ウ)キャップ
反訴被告商品のキャップは,反訴原告商品と同様に透明であり,クリップが付いている。両商品のクリップの形状には,反訴原告商品では側面が凹凸のある波状になっているのに対し,反訴被告商品では側面がほぼ直線上になっているという差異があるけれども,キャップのクリップにおいて重要なのはその形状ではなく有無であることなどから,上記差異はささいなものである。
(エ)軸及び尾栓
反訴被告商品の軸は,反訴原告商品と同様にグリップはなく,カートリッジ交換式の構造ではなく,長細く,暗い色である。これに,上記穂先付近の形状・色やキャップの形状・色を併せると,全体として,反訴被告商品も,反訴原告商品と同様に,実際の筆に近い印象を受ける。

両商品の軸には,配色,表面処理,印字の色,尾栓の点で差異があるけれども,配色はほとんど同じ色であるし,表面処理(艶出しの有無)は,両商品ともビニール製袋に包装されて販売されているため,一見して明確なものではなく,印字の色や尾栓は需要者が重視するものではないことなどから,その差異はいずれもささいなものである。

イ包装態様
反訴被告商品は,反訴原告商品と同様,商品名,インクの色,ロゴ等が印刷された台紙と共に透明なビニール製袋に包装されて販売されている。反訴被告が指摘する両商品の差異は,需要者が着目しない軽微な差異にすぎない。
ウ対比

反訴被告商品の各形態等は,前記ア及びイのとおり,反訴原告商品の各部分の形態等と類似しており,これを前提に,全体として観察すると,反訴原告商品の形態等と酷似する。
(2)混同のおそれ
前記(1)のとおり,反訴被告商品の形態等が反訴原告商品の形態等と類似すること
などからすれば,需要者が反訴被告商品と反訴原告商品とを混同するおそれがある。(反訴被告の主張)
(1)形態等の非類似
ア商品の形態
(ア)先口
反訴被告商品の先口の形態は認める。しかし,反訴原告商品及び反訴被告商品の先口の形態はいずれもありふれたものである。
(イ)穂先
反訴被告商品の穂先が毛筆タイプであることは認める。しかし,前記(1(反訴被告の主張)(1)ウb)のとおり,毛筆タイプである商品は先行して市場に存在していた。

(ウ)キャップ
反訴被告商品のキャップの形態は認める。しかし,反訴原告商品については,付け根部分から絞りが2か所加えられているのに対し,反訴被告商品にはそのような絞りがない。これは形態上明らかな差異であり,混同を生じるかどうかの観点からは軽微な差異とはいえない。

(エ)軸及び尾栓
反訴被告商品の軸の形態は認める。しかし,反訴原告商品と反訴被告商品とは,配色,表面処理,印字及び尾栓の点で明白な差異がある。すなわち,軸の色は,反訴原告商品が濃紺色であるのに対し,反訴被告商品が黒色である。反訴原告商品の軸の表面は艶出し処理がされていない一方,反訴被告商品の軸の表面にはこれがさ
れている。また,反訴原告商品の軸には彩SAIJAPANESETRADITIONALCOLORSと赤色で印字されているのに対し,反訴被告商品の軸には,キャラクターの図柄と共に筆姫FUDEHIMEの文字が金色で印字されている。尾栓は,
反訴原告商品では軸端から大きく飛び出た形状であるのに対し,反訴被告商品は,軸端から僅かにのぞかせるだけの形状である。
イ包装態様
反訴被告商品の包装態様は,書家が書いた百人一首の歌見本を付けた台紙を使用するなど,反訴原告商品の包装態様とは明らかな差異がある。
ウ対比
以上のとおり,反訴原告商品と反訴被告商品とは,部分的にも全体的にも形態等が明白に異なり,商品の形態等は,類似しない。
(2)混同のおそれ
前記(1)のとおり,反訴被告商品は,その形態等が反訴原告商品と類似しないから,需要者が反訴被告商品と反訴原告商品とを混同するおそれはない。第4当裁判所の判断
1
争点1(反訴原告商品の形態等の商品等表示性の有無及び周知性の有無)に
ついて
(1)

本件において,反訴原告は,反訴原告商品の形態のみでなく,その包装態様
及びカラーバリエーションの存在をも併せた反訴原告商品の形態等が不正競争防止法2条1項1号の商品等表示に当たる旨主張する。
もっとも,後記のとおり,反訴原告商品は,単品として販売されるほか,複数の色を組み合わせたセットとしても販売されており,これに応じて,その包装態様も異なる。このため,反訴原告商品の形態,その包装態様,カラーバリエーションの存在のそれぞれについて認定判断するとともに,これらの組合せをもって商品等表示に当たるといえるかを検討することとする。(2)

不正競争防止法2条1項1号の趣旨は,周知な商品等表示の有する出所表示
機能を保護するため,周知な商品等表示に化体された他人の営業上の信用を自己のものと誤認混同させて顧客を獲得する行為を防止することにより,事業者間の公正な競争を確保することにある。
ここで,商品の形態は,商標等と異なり,本来的には商品の出所を表示する目的を有するものではない。もっとも,例外的に,商品の形態自体が特定の出所を表示
する二次的意味を有するに至る場合もある。商品の形態自体が特定の出所を表示する二次的意味を有し,商品等表示に該当するためには,上記趣旨に鑑みると,①商品の形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有すること(特別顕著性),かつ,②その形態が,特定の事業者によって長期間独占的に使用され,又は短期間であっても極めて強力な宣伝広告や爆発的な販売実績等により,需要者においてその形態を有する商品が特定の事業者の出所を表示するものとして周知になっていること(周知性)を要すると解される。
他方,商品の…包装は,明文上商品等表示に含まれるが,これが商品等表示と認められるには,通常の包装ではなく,その形状や模様その他からにより客観的に他の同種商品と異なる顕著な特徴を有するものであることを要する。(3)事実認定

争いのない事実のほか,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ア筆ペン等について
(ア)

昭和59年頃,筆ペンをベースにした多色の水性グラフィックマーカーが登
場し始めていたところ,同年,株式会社トンボ鉛筆(以下トンボ鉛筆という。)から,デュアルブラッシュのシリーズ商品が開発・発売された(甲6の1,4及び5)。
(イ)

日本筆記具工業会は,筆記具とその関連製品に関する内外規格の調査研究等
を行う,筆記具製造業者等により組織された業界団体である(乙16,弁論の全趣旨)。
そのウェブサイトでは,マーキングペンについて,中綿式又は直液式のインキ貯蔵体から毛細管現象によって先端のペン先にインキを誘導しているペンの総称であり,一般的にはマーカー,サインペン,フェルトペンなどと呼ばれることがあるなどとの説明とともに,当該ページに筆ペンのページへのリンクが貼られている。リンク先のページでは,筆ペンについて,毛筆風の文字を書くペンであ
り,筆文字が書けるペン先とインキタンクをペン軸に一体化した製品で,手軽に筆文字を書くことが出来るペンとするとともに,毛筆タイプは本格的に筆文字が書ける一方,ウレタン又は硬筆タイプは毛筆が苦手な方でも,サインペン感覚で筆文字を書くことが出来ると紹介されている。また,直液式のうちスクイズ式については,カートリッジを押してインキを供給する構造になっていることも説明されている。さらに,使用上の注意の末尾には,

*その他に,マーキングペンの注意事項もご参照頂き,ご使用ください。

と記載されている(乙17)。(ウ)

マーキングペンJIS規格においては,油性マーキングペンと水性マーキン
グペンに区分されているところ,水性マーキングペンのうち,筆ペンは,他のマーキングペンとは筆記性能等の品質項目が大きく異なっていたため,適用範囲から除かれている。そこで,日本筆記具工業会内に設置され,ぺんてる株式会社,株式会社呉竹,トンボ鉛筆,セーラー万年筆株式会社等の筆記具製造業者により構成された“筆ペン”業界基準作成委員会は,平成27年,筆ペンの品質項目を規定する業界基準(日本筆記具工業会基準)を制定した。同基準による規格では,筆ペンは筆文字が書けるペン先とインキタンクをペン軸に一体化したマーキングペンと規定されている。その上で,容器内の構造により中綿式と直液式に分類するととも
に,ペン先による種類として,毛筆(獣毛・合成繊維を束ねてペン先としたもの)と軟筆・硬筆(ウレタン等のゴム弾性を有するペン先や,しなるようにしたプラスチックや繊維芯を使用したもの。軟筆と硬筆の区分は明確化されていないとして,同一区分としている。)に分類した(乙18)。なお,ライン用マーキングペン(ラインを引くことにより,紙面の文字や特定部分を目立たせるためのマーキング
ペン),ほうろう白板用マーキングペン(主としてほうろう白板に用いるマーキングペン)については,筆ペンとは別個に規格が定められている(乙19,20)。(エ)

TotalOfficePartner2018(乙21の2。以下本件カタログとい
う。)では,筆記用品の大項目の下にマーキングペンと筆ペン/書道用品の中項目が設けられ,マーキングペンの下にサインペン,水性マーカーといった小項目が置かれ,筆ペン/書道用品の下に筆ペン等の小項目が置かれている。他方,エコールオフィス用品カタログ2019(乙21の1)では,筆記用品の大項目の下に,水性マーカー/水性ペン及び筆ペンの小項目が置かれている。
イ反訴原告商品の形態等
(ア)用途(乙4)
反訴原告は,反訴原告商品のリーフレットにおいて,

水彩画,スケッチにイラスト,写経まで,彩に描き方の決まりなんてありません。

などと紹介している。(イ)商品の形態
反訴原告商品の形態は,別紙反訴原告商品の写真目録1~3の各写真のとおりであるところ(乙1,2,4),具体的には,以下のとおりである。
a先口(争いのない事実,乙2,4)
円錐台形状をしており,軸との境界部分に溝がある。また,インクと同じ色をしている。
b穂先(争いのない事実)
毛筆タイプである。

cキャップ(争いのない事実)
色は透明であり,側面に2か所波型の絞り部分が設けられたクリップが付いている。
d軸(争いのない事実,乙1,14)
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。径9×長170mmであり,濃紺色
を基調としている。
(ウ)包装態様(争いのない事実,甲15の3及び4,乙4,11~13)反訴原告商品の包装(ただし,単品で販売されているもの。)は,別紙反訴原告商品の写真目録4の写真のとおりであるところ,商品名,インクの色,ロゴ等が印刷された台紙と共に透明なビニールの吊下げ袋に包装されて販売されている。
他方,反訴原告商品はセット販売(30色セット,20色セット,5色セット,スケッチセット等)もされているところ,これらはその本数等に対応したケースに収納されて販売されている。
(エ)カラーバリエーション(乙4,22,弁論の全趣旨)
インクの色は,書籍日本の伝統色(乙22。以下本件色事典という。)に掲載されている色のうちの30色のいずれかであるが,上記のとおり,単品でばら売りされるものも,全部又は一部の色を組み合わせてセット販売されるものもある。
ウ別紙比較商品目録記載の各商品の形態等
(ア)リアルブラッシュ(同目録記載1の商品)
a用途等(甲9の3,乙5,21の2)

製造販売元のウェブサイトにおいては,毛筆タイプのカラー筆ペン,毛筆タイプのカラーペン,イラストやデザイン,漫画など広い用途に使えるなどと紹介されている。
本件カタログでは,筆ペンのカテゴリーの中で,

イラストやデザイン,漫画など幅広い用途に使えます。

などと紹介されている。
b形態
(a)先口(甲9の3,乙2,5,21の2)
軸から穂先に向けて,順に,略円柱形状部と小さな段差が複数存在する略円錐台形状部が一体的に形成されており,略円錐台形状部のやや穂先寄りの部分に溝がある。色は,インクの色と同じ色をしている。

(b)穂先(乙5,21,甲9の3)
毛筆タイプである。
(c)キャップ(乙11)
色は透明であり,クリップが付いている。
(d)軸(乙5,11,21,甲9の3)

グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。径13×長154mmであり,白色を基調としている。
c包装態様(甲3,乙11,甲3,弁論の全趣旨)
単品で販売されているものはシュリンクパックであり,セット販売されているものはその本数に応じたサイズのケースに収納されて販売されている。dカラーバリエーション(甲9の2及び3,乙5,21の2)
インクの色は,レッド,ブルー,イエローといった一般的な色のうちの89色+ブレンダーがある。上記のとおり,単品でばら売りされるものも,6色~80色のように複数本を組み合わせてセット販売されてもいる。
(イ)筆日和(同記載2の商品)
a用途等(乙8)

製造販売元のウェブサイトでは,お手軽・新感覚筆ペンに分類され,

芯先が筆ペンタイプなので,ベタ塗りにも,細かい塗りにも最適です。

などと紹介されている。
b形態
(a)先口(乙3)

軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,略円錐台形状部が一体的に形成されている。
(b)穂先(乙3)
軟筆タイプである。
(c)キャップ(乙3,8,弁論の全趣旨)

色は透明ではなく,クリップは付いていない。
(d)軸(乙3,8)
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。径11×長140mmであり,黒色を基調としている。
cカラーバリエーション(乙8,22)

インクの色は,銀鼠その他本件色事典に掲載されている色など24色がある。単品でばら売りされている。
(ウ)アートブラッシュ(同記載3の商品)
a用途等(乙6,21の2)
製造販売元のウェブサイトでは,サインペン等とは別の商品カテゴリーとして筆ペンのカテゴリーが設けられている。アートブラッシュは,筆ペン/毛筆タイプのカテゴリーに入れられており,描く楽しさ,アートな筆ペンと紹介されている。
また,本件カタログでは,筆ペンのカテゴリーの中で,文字を書くだけでなく,イラストや絵画を描くにも最適!などと紹介されている。b形態

(a)先口(乙2,6,弁論の全趣旨)
軸から穂先に向けて,順に,略円柱形状部,同部より幅の狭い略円柱形状部,同部より幅の狭い略円錐台形状部が一体的に形成されている。穂先寄りの部分に溝がある。色は,インクの色を透過する透明部分を除き,インクの色に関わらず同じ色をしている。

(b)穂先(乙6)
毛筆タイプである。
(c)キャップ(乙11,21)
色は透明ではなく,クリップは付いていない。
(d)軸(乙6,11,21)

グリップはないが,カートリッジ交換式である。径13×長175mmであり,黒色を基調としている。
c包装態様(乙11,弁論の全趣旨)
台紙及び台紙上に置かれた商品を,その形状に合わせて成形されたプラスチックにより覆うようにパッケージされて販売されている。

dカラーバリエーション(乙6,21,弁論の全趣旨)
インクの色は,レッド,ブルー及びグリーンといった一般的な色合いのうちの18色がある。単品でばら売りされている。
(エ)筆まかせ(同記載4の商品)
a用途等(乙7)
製造販売元のウェブサイトでは,サインペン・マーカーのカテゴリーの中に,サインペンとは別個に設けられた筆ペンのカテゴリーに分類されている。また,

通常の筆ペンとして使用することはもちろん,サインペン感覚で気軽に文字やイラストが描けるカラー筆ペンです。

,カラーサインペンのように使える,ネーミングは,“筆に任せて思い通りの文字が書ける,筆文字が簡単に書ける”という思いを込めたなどと紹介されている。
b形態
(a)先口(乙2,3,7,弁論の全趣旨)
略円錐台形状をしている。軸との境界部分ではない部分に溝がある。色は,インクの色にかかわらず同じ色をしている。
(b)穂先(乙3,7)

硬筆タイプである。
(c)キャップ(乙3,7)
色は透明ではないが,クリップが付いている。
(d)軸(乙3,7)
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,白色を基調としている。
c包装態様(乙11,弁論の全趣旨)
商品名等が印字されたビニール製袋に包装されて販売されている。dカラーバリエーション(乙7)
インクの色は,レッド,オレンジ及びブルーといった一般的な色の8色がある。単品でばら売りされている。

(オ)四季織マーカー(同記載5の商品)
a用途等(乙10,23)
製造販売元のウェブサイトでは,マーキングペンのカテゴリーに分類され,また,商品タイプとしては水性マーカーとした上,

様々な筆記シーンで,お気に入りの“色”をお楽しみいただけます。

などと紹介されている。b形態
(a)先口(乙3,10,23)
後記(b)のとおり,穂先はツインタイプであるところ,軟筆タイプ側の先口は,軸から穂先に向かって,順に,くびれのある略円柱形状部,略円錐台形状部,同部より幅の狭い略円錐台形状部が一体的に形成されている。色は,インクの色と同じ色をしている。

(b)穂先(乙3,10,23)
軟筆タイプと細字タイプのツインタイプである。
(c)キャップ(乙3,10,23)
色は透明ではなく,クリップは付いていない。
(d)軸(乙3,10,23)

グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。径14×長153mmであり,白色を基調としている。
cカラーバリエーション(乙10,23)
インクの色は,利休茶その他本件色事典に掲載されている色など20色がある。単品でばら売りされている。

(カ)デュアルブラッシュ(同記載6の商品)
a用途等(甲6の1,4及び5,乙9の1)
製造販売元のウェブサイトでは,水性マーカー,水性サインペン,グラフィックマーカーなどとした上,

本格的なイラストやハンドレタリングまで思いのままの表現が可能です。

などと紹介されている。
b形態
(a)先口(甲6の4及び5,乙3,9の1)
後記(b)のとおり,穂先はツインタイプである。
軟筆タイプ側の先口は,軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,同部より幅の狭い略円錐台形状部が一体的に形成されている。色は,インクの色にかかわらず同じ色をしている。
(b)穂先(甲6の1,4及び5,乙3,9の1)
軟筆タイプと細字タイプのツインタイプである。
(c)キャップ(乙3,9の1)
色は透明ではなく,クリップは付いていない。
(d)軸(甲6の4及び5,乙3,9の1)

グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。径14×長190mmであり,黒色を基調としている。
cカラーバリエーション(甲6の4,乙9の1)
インクの色は,レッド,グリーンといった一般的な色108色がある。単品でばら売りされることもあるが,12色~36色といった複数本を組み合わせてセット
販売されてもいる。
(キ)筆之助(同記載7の商品)
a用途等(乙9の2)
製造販売元のウェブサイトでは,水性サインペン,筆文字サインペンのカラータイプとした上,

文字書き,イラスト,ハンドレタリングなどに最適です。

などと紹介されている。b形態
(a)先口(乙3,9の2)
軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,略円錐台形状部,同部より傾斜角が大きい略円錐台形状部が一体的に形成されている。色は,インクの色にかかわら
ず同じ色をしている。
(b)穂先(乙3,9の2)
硬筆タイプである。
(c)キャップ(乙3,9の2)
色は透明ではない。クリップが付いている。
(d)軸(乙3,9の2)
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,黒色を基調としている。cカラーバリエーション(乙9の2)
インクの色は,イエロー,グリーン及びブルーといった一般的な色の10色がある。単品でばら売りされていたり,10色セットで販売されていたりする。(ク)プログラフ(同記載8の商品,甲6の3)

a用途等
製造販売元のウェブサイトでは,水性サインペン,多目的グラフィックペンと説明されている。b形態
(a)先口

色は,インクの色と同じ色をしている。
(b)キャップ
色は透明ではないが,クリップが付いている。
(c)軸
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,黒色を基調としている。
cカラーバリエーション
インクの色は,少なくとも7色がある。
(ケ)蛍光マーカー(同記載9の商品,甲7)
a形態
(a)先口

軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,略円錐台形状部が一体的に形成されている。略円柱形状部については,インクの色にかかわらず同じ色をしており,略円錐台形状部については,インクの色と同じ色をしている。
(b)キャップ
透明であり,クリップが付いている。
(c)軸
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,灰色をしている。bカラーバリエーションの存在
インクの色は,少なくとも5色がある。
(コ)カリグラフィーマーカー(同記載10の商品,甲8の1)
a形態

(a)先口
後記(b)のとおり,穂先はツインタイプであるところ,いずれの側も,軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,同部より幅の狭い略円柱形状部が一体的に形成されている。細めの筆芯側はインクと同じ色をしており,太めの筆芯側はインクの色にかかわらず同じ色をしている。

(b)穂先
ツインタイプである。
(c)キャップ
透明であり,クリップが付いている。
(d)軸

グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,黒色を基調としている。bカラーバリエーション
インクの色は,少なくとも6色がある。
(サ)ファブリカラー不透明タイプ(同記載11の商品,甲9の1)a用途等

製造販売元のウェブサイトでは,筆ペンとは別個に設けたペンのカテゴリーに分類されている。
b形態
(a)先口
軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,同部より幅の狭い略円柱形状部,略円錐台形状部,略円柱形状部が一体的に形成されている。インクの色と同じ色をしている。
(b)軸
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。径16×長141mmであり,黒色を基調とはしていない。
cカラーバリエーション

インクの色は,14色がある。
(シ)水彩ブラッシュペン(同記載12の商品,乙10)
a用途等
Amazon.co.jpにおいて,筆ペンカラーの検索ワードでヒットするペー
ジでは,

一見普通のカラーペンですが,実は筆先が高品質ナイロンで作られて,毛筆のようなタッチの水彩ペンです。

絵描きにだけでなく,レタリング,書道練習,手作りのプレゼントカードなどにも活用できます。

などと紹介されている。
b形態
(a)先口

略円錐台形状をしている。色は,インクの色と同じ色をしている。(b)キャップ
透明である。
(c)軸
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,黒色を基調としている。
cカラーバリエーション
上記ページでは,48色セットで販売されている。
(ス)ふんわり筆カラー(同記載13の商品,甲11,乙3)
a形態
(a)先口
軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,同部より幅の狭い略円柱形状部,略円錐台形状部が一体的に形成されている。インクの色にかかわらず同じ色をしている。
(b)穂先
硬筆タイプである。
(c)キャップ

色は透明ではないが,クリップが付いている。
(d)軸
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,白色を基調としている。bカラーバリエーション
インクの色は,少なくとも3色がある。

(セ)

ホワイトボードマーカー(同記載14の商品,甲8の2)

a形態
(a)先口
軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,略円錐台形状部,略円柱形状部,同部より幅の狭い略円柱形状部が一体的に形成されている。最も穂先側の略円柱形状部はインクと同じ色であるが,その余の部分は,インクと同じ色ではない。(b)キャップ
色は透明ではないが,クリップが付いている。
(c)


グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,白色を基調としている。bカラーバリエーション
インクの色は,少なくとも5色がある。
(ソ)

フリクションカラーズ(同記載15の商品,甲12の1)

a形態
(a)先口
軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,略円錐台形状部,略円柱形状部,略円錐台形状部が一体的に形成されている。最も穂先側の略円錐台形状部はインクの色にかかわらず同じ色であり,その余の部分はインクと同じ色である。(b)キャップ
着色されているものの透明であり,クリップが付いている。
(c)軸

グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,灰色を基調としている。bカラーバリエーション
インクの色は,少なくとも2色がある。
(タ)クリーンカラーFB(同記載16の商品,甲9の4,弁論の全趣旨)a用途等

製造販売元のウェブサイトにおいて,筆ペンと別個に設けたペンのカテゴリーに分類されており,また,色塗りしやすい軟筆タイプのカラー筆ペンなどと紹介されている。
b形態
(a)先口

軸から穂先に向かって,略円柱形状部,同部より幅の狭い略円柱形状部が一体的に形成されている。色は,インクの色にかかわらず同じ色をしている。(b)穂先
軟筆タイプである。
(c)キャップ

色は透明であり,クリップが付いている。
(d)軸
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。径11×長134mmであり,黒色を基調とはしていない。
bカラーバリエーション
インクの色は,47色+ブレンダーがある。
(チ)洗たくでキレイカラーペン(同記載17の商品,甲14)
a用途等
販売元のウェブサイトでは,筆ペンとは別の水性ペンのカテゴリーを設けた上,その中のカラーペンに分類されている。
b形態

(a)キャップ
色は透明ではなく,クリップは付いていない
(b)軸
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,白色を基調としている。cカラーバリエーション

インクの色は,少なくとも12色がある。6色,12色といった複数本でセット販売されている。
(ツ)スポットライターVW(同記載18の商品,甲12の2,弁論の全趣旨)a用途等
製造販売元のウェブサイトでは,直液2層式色蛍光ペンなどと紹介されてい
る。
b形態
(a)先口
穂先はツインタイプであるところ,いずれの側も,略円柱形状をしている。色は,インクの色と同じ色をしている。

(b)キャップ
色は透明であり,クリップが付いている。
(c)軸
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。長細く,インクと同じ色を基調としている。
cカラーバリエーション
インクの色は,少なくとも5色があり,1本につき異なる2色が組み合わされている。
(テ)

ビートルティップ・デュアルカラー(同記載19の商品,甲13の1及び
2)
a形態(軸)
グリップはなく,カートリッジ交換式ではない。径15×長131mmであり,インクと同じ色をしている部分と白色の部分がある。
bカラーバリエーション
インクの色は,少なくとも,12色があり,1本につき2色が組み合わされている。単品でのばら売りのほか,3本セットで販売される。

(ト)ペチットスリー(同記載20の商品,甲12の3)
a用途等
製造販売元のウェブサイトでは,ペチットシリーズの3種のペン先のうち,ペチットスリーは筆ペンタイプであることとともに,

筆ペンを使い慣れていない方でも使いやすい,硬めの書き味。筆ペンならではの抑揚のある個性的な文字を書くことができます。またカラフルなインキ色を入れて,カラー筆ペンとして楽しむこともできます。

などと紹介されている。b形態
(a)先口
軸から穂先に向かって,順に,略円柱形状部,略円錐台形状部が一体的に形成さ
れている。色は,インクの色にかかわらず同じ色をしている。
(b)キャップ
色は,クリップ部分を除き透明であり,インクと同色のクリップが付いている。(c)軸
カートリッジ交換式である。グリップはなく,長細く,透明である。bカラーバリエーション
インクの色は,8色がある。
(4)検討
ア比較対象とする商品
(ア)

前記(2)のとおり,商品の形態が商品等表示に該当するためには,商品の
形態が客観的に他の同種商品とは異なる顕著な特徴を有すること(特別顕著性)を要すると解されるところ,その判断は,不正競争防止法2条1項1号の趣旨から,当該商品の需要者が基準となる。ここで,比較対象となる他の同種商品には,商品等表示に当たるか否かが問題となる商品と厳密に同一の種類の商品であることまでは必要でなく,当該商品の需要者にとって同種と認識される範囲の商品であれば足りるというべきである。

(イ)

前記(3)ア(イ)及び(ウ)のとおり,筆記具製造業者等により組織された業界団体で
ある日本筆記具工業会は,一般的な説明としても,また,同会作成に係る基準においても,筆ペンをマーキングペンの一種に位置付けた上で,その規格を定めている。そこでは,筆ペンは,マーキングペンの中でも筆文字が書けるものと規定されているものの,前記(3)ウのとおり,反訴原告自身が筆ペンと位置付けている別紙比較商品目録記載1~7の各商品のうち,同記載5~7の各商品(四季織マーカー,デュアルブラッシュ,筆之助)については,各製造販売元がマーカーやサインペンと位置付けている。他方,反訴被告がマーカーやサインペンであると位置付けている同記載1,6,8~20の各商品のうち,同記載1の商品(リアルブラッシュ)については,製造販売元が筆ペンと位置付けている。さらに,同記載20の商品
(ペチットスリー)については,製造販売元が筆ペンタイプとするとともに,

カラー筆ペンとして楽しむこともできます。

と紹介している。また,同記載16の商品(クリーンカラーFB)については,製造販売元が,筆ペンとは別個のカテゴリーに分類されたペンに位置付けつつ,カラー筆ペンとして紹介している。これらの製造販売元がいずれも上記基準の作成に関与したこと(乙18)をも考慮すると,これらの事情は,筆記具製造業者等において,筆ペンとマーカーやサインペンとは厳密には峻別されずに宣伝販売されているのが実情であることをうかがわせる。
他方,証拠(甲18の3,乙12)によれば,筆ペンとマーカーやサインペンを近接した場所に陳列して販売している店舗が存在することが認められる。さらに,前記(3)イのとおり,反訴原告商品は,水彩画等の絵を描くこととともに,
写経に用いられることが想定されている以上,字を書くことにも用いられると認められる。他方,前記(3)ウのとおり,反訴原告がカラー筆ペンと位置付ける別紙比較商品目録記載1~7の各商品のうち,同記載3,4及び7の各商品(アートブラッシュ,筆まかせ,筆之助)も,絵を描くこととともに,字を書くことにも用いられることが想定されている。そして,マーカーやサインペンが字を書いたり絵を
描いたりするために用いられることは公知の事実であり,前記(3)ウのとおり,反訴被告がマーカーやサインペンと位置付ける同記載12の商品(水彩ブラッシュペン)も,このような用途で用いられる。そうすると,字を書いたり,絵を描いたりするために用いられるという点で,筆ペンとマーカーやサインペンとは,その用途において共通する。

これらの事情に鑑みると,筆ペンとマーカーやサインペンとは,異なる種類の商品として明確に区別されて製造販売されているものではなく,最終需要者である消費者も,必ずしもこれらを明確に区別してはおらず,同種商品として認識しているものと見られる。
したがって,カラー筆ペンである反訴原告商品の形態等の特別顕著性の有無を判
断するに際しては,厳密な意味での筆ペンだけでなく,マーカーやサインペンも含めて比較するのが相当である。
(ウ)

これに対し,反訴原告は,用途等の違いを指摘して,反訴原告商品の形態等
の特別顕著性の有無を判断するに際しては,マーカーやサインペンを比較対象に含めるべきではないと主張する。
しかし,反訴原告商品とマーカーやサインペンとの用途に共通点が見られることは上記のとおりであり,また,その他反訴原告がるる主張する事情を考慮しても,この点に関する反訴原告の主張は採用できない。
イ反訴原告商品の形態について
(ア)先口
a
反訴原告は,反訴原告商品の先口について,①軸から穂先に至るまで段差が
小さく,滑らかになっていて,円錐形のような形状をしている点,②軸との境界部分に溝がある点,③インクと同じ色をしている点が,他の同種製品とは異なる顕著な特徴であると主張する。
b
まず,①についてみると,前記(3)ウのとおり,別紙比較対象商品目録記載4
及び12の各商品(筆まかせ,水彩ブラッシュペン)の先口は,略円錐台形状であり,反訴原告商品同様,軸から穂先に至るまで段差が小さく,滑らかになっていて,円錐形のような形状をしている。また,同記載6の商品(デュアルブラッシュ)の軟筆タイプ側の先口も,軸から先口の境界部分に多少の段差はあるものの,大部分が略円錐台形状である。その余の同記載の各商品も,概略としては,軸端から穂先に向かって幅が狭まっており,全体として略円錐台形状をしていると評し得る形状
をしている。
したがって,上記①は,反訴原告商品以外の商品にも存在するありふれたものであり,それ自体としては,客観的に他の同種商品と異なる顕著な特徴であるとは認められない。
c
次に,②についてみると,前記(3)ウのとおり,別紙比較商品目録記載1,3
及び4の各商品(リアルブラッシュ,アートブラッシュ,筆まかせ)については,先口に溝があると認められるものの,その余の各商品については,証拠上,先口に溝があるとは認められない。もっとも,証拠(甲3)及び弁論の全趣旨によれば,マーキングペンに存在する溝は,インクの漏れや飛散を防ぐために必要な構造とされている。そうすると,上記3商品以外の各商品の中にも同様の溝があり,中には先口に溝がある商品が存在するとも推認される。そうである以上,溝があること自体は,反訴原告商品以外の商品にも存在するありふれたものというべきである。また,溝は,その大きさから,需要者の目に付きにくいこと(例えば,反訴原告商品の先口の長さは僅か9.1mmであり,溝がその先口に占める物理的割合は極めて小さい。乙1,2)に鑑みると,溝の位置の差異をもって反訴原告商品の形態における顕著な特徴とは考え難い。

したがって,上記②も,それ自体としては,客観的に他の同種商品と異なる顕著な特徴であるとは認められない。
d
③については,前記(3)ウのとおり,別紙比較商品目録記載の各商品の中には,
先口全体の色がインクの色と同じであるものが多数存在する(同記載1,5,6,8~12,15,18の各商品)。
したがって,③も,反訴原告商品以外の商品にも存在するありふれたものであり,それ自体としては,客観的に他の同種商品と異なる特徴とは認められない。e以上より,先口に係る反訴原告の主張は採用できない。
(イ)穂先
反訴原告は,反訴原告商品の穂先が毛筆タイプである点をもって,他の同種製品
とは異なる顕著な特徴であると主張する。
しかし,前記(3)ウのとおり,別紙比較商品目録記載1及び3の各商品(リアルブラッシュ,アートブラッシュ)は,穂先が毛筆タイプの商品である。そもそも,前記(3)アのとおり,筆ペンの種類をペン先により分類した場合には毛筆タイプが一つのタイプとして存在する。本件カタログの筆ペンのカテゴリーの箇所にも,毛
筆タイプの筆ペンが多数紹介されている(乙21の2)。
したがって,穂先につき反訴原告が反訴原告商品の特徴とする点は,反訴原告商品以外の商品にも見られるありふれたものであり,それ自体としては,客観的に他の同種商品と異なる特徴とは認められない。
なお,反訴原告は,反訴原告商品の穂先を毛筆タイプとしたことは筆の製造販売業者としての創意工夫であり,特別顕著性を基礎付けると主張する。しかし,特別顕著性の有無は客観的に判断すべきものであって,反訴原告の主観的意図により左右されるものではない。
したがって,この点に関する反訴原告の主張は採用できない。
(ウ)キャップ
反訴原告は,キャップについて,色が透明であり,クリップが付いている点が,
他の同種製品とは異なる顕著な特徴であると主張する。
しかし,前記(3)ウのとおり,別紙比較商品目録記載の各商品の中には,キャップが透明であり,クリップが付いているものが多数存在する(同記載1,9,10,15,16,19,20の各商品)。
したがって,キャップにつき反訴原告が反訴原告商品の特徴とする点は,反訴原
告商品以外の商品にも見られるありふれたものであり,それ自体としては,客観的に他の同種商品と異なる特徴とは認められない。
反訴原告は,先口や穂先がキャップを付けた状態でも見えるようにするためにキャップを透明にするとともに,持運びの利便性を考えてキャップにクリップを付けたことは,筆の製造販売業者としての創意工夫であり,特別顕著性を基礎付けると
主張する。しかし,上記のとおり特別顕著性の有無は客観的に判断すべきものであり,反訴原告の主観的意図により左右されるものではない。
したがって,この点に関する反訴原告の主張は採用できない。
(エ)軸
a
反訴原告は,反訴原告商品の軸について,①グリップはなく,カートリッジ
交換式でない点,②長細い点,③濃紺色である点が,他の同種製品と異なる顕著な特徴であると主張する。
b
まず,①についてみると,前記(3)ウのとおり,別紙比較商品目録記載の各商
品の中には,グリップはなく,カートリッジ交換式でないものが多数存在する(同記載1,3~19の各商品)。また,前記(3)アのとおり,筆ペンの種類を構造により分類する場合,カートリッジ交換式か否かが一つのメルクマークになっているところ,本件カタログの筆ペンのカテゴリーの箇所には,グリップはなく,カートリッジ交換式でない筆ペンが多数紹介されている(乙21の2)。したがって,①は,反訴原告商品以外の商品にも見られるありふれたものであり,それ自体としては,客観的に他の同種商品と異なる特徴とは認められない。c次に,②について,前記(3)イ及びウのとおり,反訴原告商品のサイズ(径9×
長170㎜)は,別紙比較商品目録記載の各商品のうち,径及び長さの数値が判明しているもの(同記載1~3,5,6,11,16,19の各商品)と比較すると,径は短く,長さは長いものの,その差異の程度は,外形上顕著といえるほどには大きくない。その余の同記載の各商品も,どちらかといえば長細いものである。さらに,本件カタログの筆ペンのカテゴリーの箇所には,反訴原告商品と径は同じで長
さが長い商品(ぺんてる製のふでペン径9×長172mm)が紹介されている(乙21の2)。
これらのことに鑑みると,②も,それ自体として客観的に他の同種商品と異なる特徴であるとは認められない。
d
さらに,③について,前記(3)ウのとおり,別紙比較商品目録記載の各商品に
は,軸が黒色ないしこれに近い色のものが多数存在する(同記載2,3,6~8,10,12の各商品)。本件カタログの筆ペンのカテゴリーの箇所にも,そうした色の軸のものが多数紹介されている(乙21)。
したがって,③も,反訴原告商品以外の商品にも見られるありふれたものであり,客観的に他の同種商品と異なる特徴とは認められない。

e
反訴原告は,反訴原告商品の軸の特徴は,先口及び穂先の特徴と相まって,
筆に近い印象を受けるものになっており,このことは特別顕著性を基礎付けると主張する。
しかし,上記のとおり,反訴原告商品の先口,穂先及び軸につき反訴原告が特徴と主張するところは,いずれも反訴原告商品以外の商品にも見られるありふれたものであるところ,反訴原告商品がこれらの特徴を併せ持つことにより客観的に他の同種商品と異なる顕著な特徴を生じたというべき事情は認められない。したがって,この点に関する反訴原告の主張は採用できない。
(オ)

以上より,反訴原告商品の形態は,他の同種商品にもみられるありふれたも
のであり,それ自体としては商品等表示ということはできない。
ウ包装態様について
反訴原告は,反訴原告商品の包装態様について,商品名,インクの色,ロゴ等が印刷された台紙と共に透明なビニールに包装されて販売されている点が,他の同種商品と異なる特徴であると主張する。
しかし,不正競争防止法2条1項1号は商品そのものと商品の包装とを区別しており,商品の形態につき商品等表示に該当するか否かの判断に当たり商品の包装を
も含めることは,そもそも適当でない。この点を措くとしても,前記(3)イのとおり,反訴原告商品は単品でのみ販売されるものではなく,セット販売もされているところ,単品で販売される場合の包装のみを考慮に入れることに合理性はない。さらに,これらの点をいずれも措くとしても,証拠(甲13の1,18,乙11,25)によれば,ビニール製の吊下げ袋を用いることは,筆ペン等の包装態様とし
てありふれたものであり,台紙付きとすること,その台紙に商品名やロゴ,商品の説明等を印刷することも,いずれもありふれたことであるし,実際の反訴原告商品の包装も,客観的に見て,他の同種商品と異なる特徴といえるほどのものはない。また,前記のとおり,特別顕著性の有無は客観的に判断すべきものであり,反訴原告の主観的意図により左右されるものではない。

したがって,包装態様も,それ自体としては,客観的に他の同種商品と異なる特徴とは認められない。この点に関する反訴原告の主張は採用できない。エカラーバリエーションの存在について
反訴原告は,反訴原告商品のインクの色に日本の伝統色という落ち着いた色合いを採用し,これを多色展開しているというカラーバリエーションが,他の同種商品と異なる特徴であると主張する。
しかし,商品等表示におけるカラーバリエーションの位置付けはさておき,前記(3)ウのとおり,別紙比較商品目録記載の各商品の中にも,インクの色に本件色事典に掲載されている色を採用しているものが複数存在する(同記載2及び5の各商品)。そうすると,インクの色に日本の伝統色(本件色事典掲載の色)を採用していることは,反訴原告商品以外の商品にも見られるものであり,他の商品と
異なる特徴とはいえない。
また,前記(3)イのとおり,反訴原告商品は,必ずしも複数本がセットで販売されているわけではなく,単品でばら売りされることもあることを考えると,多色展開している点をもって反訴原告商品単品の特徴と捉えることは,必ずしも適当でない。この点を措くとしても,前記(3)ウのとおり,別紙比較商品目録記載の各商品はいず
れも多色展開しており,このうち,同記載1,6,12及び16の各商品は,反訴原告商品(30色)より色数が多い。そうすると,多色展開していることも,反訴原告商品以外の商品にも見られるありふれたものといえる。
以上によれば,カラーバリエーションも,それ自体は,反訴原告商品以外の商品にも見られるありふれたものであり,客観的に他の同種商品と異なる顕著な特徴で
あるとは認められない。この点に関する反訴原告の主張は採用できない。オ組合せについて
(ア)

反訴原告は,反訴原告商品自体の形態,包装態様及びカラーバリエーション
の存在を全て備えた商品は存在しないとして,これらの組合せが,他の同種商品と異なる特徴であると主張する。
(イ)

反訴原告主張に係る反訴原告商品の特徴を全て備えた商品は,証拠上認めら
れない。しかし,前記イ~エのとおり,その特徴なるものは,いずれも,客観的に他の同種商品と異なる顕著な特徴であるとは認められず,これらを組み合わせることによって,反訴原告商品につき客観的に他の同種商品と異なる顕著な特徴が生じていると見るべき事情も見当たらない。
したがって,この点に関する反訴原告の主張は採用できない。
カまとめ
以上より,反訴原告商品の形態等は,特別顕著性を有するとは認められないから,その余の点を検討するまでもなく,これをもって商品等表示(不正競争防止法2条1項1号)ということはできない。
2結論

よって,反訴原告の請求は,その余の点を判断するまでもなくいずれも理由がないから,棄却することとし,主文のとおり判決する。

大阪地方裁判所第26民事部
裁判長裁判官

杉浦
裁判官
正樹野上誠大門宏一
裁判官
一郎
(別紙)
反訴被告商品目録

商品の種類:筆ペン
商品

名:筆姫

なお,別紙反訴被告商品写真のもの(同写真はカラーが赤のものを例示)以上
(別紙)
反訴被告商品写真

以上
(別紙)
物件目録

1反訴被告の所持する反訴被告商品の在庫
2反訴被告商品の設計図
3反訴被告商品の金型及びその設計図
4
反訴被告商品の穂先,キャップ,先口,軸,尾栓,中継芯,中綿,スペーサ
ー,並びにインクの各部品及び包装副資材(台紙,個装袋)
5反訴被告商品の図面を含む完成までの生産(製造)工程表
6反訴被告商品のパッケージの仕様書
7反訴被告商品の穂先のインクの配合表
8反訴被告商品の軸へ印字する機械及びその設計図
9
反訴被告商品の原材料,上記4記載の各部品,半製品(仕掛品),インク,
包装副資材及び完成品の仕入れリスト
10反訴被告商品に関する仕入先ごとの仕入帳簿
11卸売先リスト
12上記2,3,及び5~11の各書面に準ずる電磁的記録
以上
(別紙)
反訴原告商品目録

商品の種類:筆ペン
商品

名:彩

なお,別紙反訴原告商品写真のもの(同写真はカラーが紅のものを例示)以上
(別紙)
反訴原告商品写真

以上
(別紙)
比較商品目録

1製造販売
商品名

株式会社呉竹
ZIG

クリーンカラー

リアルブラッシュ(略称:リアルブラ

ッシュ。以下,括弧内は略称を示す。)
2製造販売
商品名
3製造販売
商品名
4製造販売
商品名
5製造販売
商品名
6製造販売
商品名
7製造販売
商品名
8製造販売
商品名
9製造
商品名
10販売
商品名
11製造販売
商品名

株式会社呉竹
筆日和
ぺんてる株式会社
アートブラッシュ
株式会社パイロットコーポレーション
筆まかせ
セーラー万年筆株式会社
四季織マーカー
株式会社トンボ鉛筆
デュアルブラッシュペン(デュアルブラッシュ)
株式会社トンボ鉛筆
筆之助
株式会社トンボ鉛筆
プログラフ
プラチナ万年筆株式会社
蛍光マーカー
株式会社大創産業
カリグラフィーマーカー
株式会社呉竹
ZIG

ファブリカラー
不透明タイプ(ファブリカラー不透明

タイプ)
12販売
商品名
13製造販売
商品名
14販売
商品名

Ohuhu
水彩ブラッシュペン
ゼブラ株式会社
ふんわり筆カラー
株式会社大創産業
ホワイトボードマーカー

15株式会社パイロットコーポレーション
商品名
16製造販売
商品名
17販売
商品名
18製造販売
商品名
19製造販売
商品名
20製造販売
商品名

フリクションカラーズ
株式会社呉竹
ZIG

クリーンカラー

FB(クリーンカラーFB)

ぺんてる株式会社
洗たくでキレイカラーペン
株式会社パイロットコーポレーション
スポットライターVW
コクヨ株式会社
ビートルティップ・デュアルカラー
株式会社パイロットコーポレーション
ペチットスリー
以上
(別紙)
反訴原告商品の写真目録

1全体写真

2
先口

3
キャップ

4
包装態様

以上
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