判例検索β > 平成14年(わ)第287号
公然わいせつ
事件番号平成14(わ)287
事件名公然わいせつ
裁判年月日平成14年9月26日
法廷名神戸地方裁判所
裁判日:西暦2002-09-26
情報公開日2017-10-13 01:46:11
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判決 平成14年9月26日宣告平成14年(わ)第287号公然わいせつ被告事件
主 文
被告人を懲役4月に処する


(罪となるべき事実)
被告人は,平成13年12月11日午後4時58分ころから同日午後5時1分ころまでの間,神戸市垂水区A町a番b号所在の西日本旅客鉄道株式会社B駅から同区C町c番d号所在の同社D駅までの間を走行中の同社E駅発F駅行きの普通電車の前から2両目の車両内において,向側の座席に座っていた乗客のV(当時47歳)ら不特定又は多数人の容易に覚知しうる状態で,ことさらに自己の陰茎を露出したうえ,勃起した陰茎を示し,もって,公然とわいせつの行為をしたものである。
(証拠の標目)ー括弧内の数字は証拠等関係カード記載の検察官請求証拠番号ー 省略
(事実認定の補足説明)
弁護人は,被告人は自己の陰茎を露出して示していないから,無罪である旨主張するが,証人Vの当公判廷における供述は,被告人が判示公然わいせつ行為を行ったところを目撃した旨の供述であるところ,同人は被告人と何ら利害関係を有しない者であって,ことさら虚偽供述をする理由は全く考えられない者であるが,その供述は,体験した者でなければなしえない迫真性に富んだ具体的かつ詳細な供述であって,その信用性は十分である。加えて,被告人の捜査段階における前掲検察官及び司法警察員に対する各供述調書は一貫して本件犯行を自認する自白調書であるところ,被告人は公判供述において捜査官が勝手に作文したものである旨強弁するが,全く理由はなく,その信用性もまた十分である。これに対して,被告人は,公判廷において,はっきりとした記憶はないが,自己の陰茎を露出してこれを示したことはないと思う旨弁解するが,その弁解を述べる被告人の当公判廷における供述は,前後一貫せず,極めて誠実さに欠け,かつ曖昧なものである上,被告人が犯行後に二度にわたりVに対して送った被害申告の取り下げを懇願する手紙(検察官証拠請求番号1)中の

もう絶対しませんので,無かったこと(勘違い)にしてもらえないでしょうか。

見なかったことにしてもらえないでしょうか。

旨の記載等に照らし,到底採用できるものではない。
以上のとおり,前掲関係各証拠によれば,判示事実を優に認めることができるから,弁護人の主張は理由がない。
(法令の適用)
被告人の判示の所為は刑法174条に該当するところ,所定刑中懲役刑を選択し,その所定刑期の範囲内で被告人を懲役4月に処し,訴訟費用は,刑事訴訟法181条1項ただし書を適用して被告人に負担させないこととする。(量刑の理由)
本件は,昭和46年から平成11年にかけて同種罰金前科5犯を有し,平成13年3月6日神戸地方裁判所で公然わいせつの罪で懲役6月(3年間刑の執行猶予)に処せられた被告人が,その後10か月も経ないで,格別の理由もないのに,執行猶予中の身でありながら,またしても,判示のとおり公然わいせつの犯行に及んだ事案であるところ,身勝手な欲望を充たすべく犯行に及んだ犯行の動機に酌量の余地はないこと,電車内で行われたその犯行態様も悪質であること,被告人のこの種犯行に及ぶ性癖は根深く,固着化しており,規範意識の乏しさも深刻な状態にあること,公判段階において不合理な弁解を続けて恥じるところがないなど犯行後の行状も良くないこと等に徴すると,その刑事責任は重いというべきであり,弁護人が予備的に主張するように罰金刑に処すべき事案とは到底いえず,懲役刑の実刑を免れるものではないが,その罪質,前刑の執行猶予が取り消され合わせて服役しなければならないこと,家族の健康状態等被告人のために酌むべき事情をも十分に考慮して,主文のとおり量定した次第である。
よって,主文のとおり判決する。
平成14年9月26日
神戸地方裁判所第11刑事係甲
裁 判 官 杉森研二

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