判例検索β > 平成30年(行コ)第35号
損害賠償請求控訴事件
事件番号平成30(行コ)35
事件名損害賠償請求控訴事件
裁判年月日平成31年3月20日
法廷名札幌高等裁判所
結果棄却
原審裁判所名札幌地方裁判所
原審事件番号平成26(行ウ)44
裁判日:西暦2019-03-20
情報公開日2019-04-19 12:00:10
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主文1
本件各控訴をいずれも棄却する

2
控訴費用は控訴人らの負担とする。

第1
1実及び理由
控訴の趣旨
原判決中,札幌地方裁判所平成17年(行ウ)第25号事件に関する請求に係る敗訴部分を取り消す。

2
被控訴人は,Z及びY1に対し,連帯して50万円を支払うよう請求せよ。
3
訴訟費用は,札幌地方裁判所平成17年(行ウ)第25号事件に関する請求につき,差戻し前の第1審,控訴審,差戻し後の原審及び当審を通じて,被控訴人の負担とする。

第2
1
事案の概要
本件は,北海道の住民である控訴人らが,北海道とP協同組合(以下本件組合という。)との間で締結された北海道有林野(以下道有林という。)の立木の売買契約(以下本件売買契約1という。)及び育林事業等に係る請負契約が,生物の多様性に関する条約及び北海道森林づくり条例に違反するなどと主張し,被控訴人に対し,①地方自治法242条の2第1項4号本文に基づいて,本件売買契約1を締結した当時の北海道日高森づくりセンターの所長であるZ及び同所長を監督すべき義務があったとする当時の北海道日高支庁の長であったY2に対して連帯して50万円の損害賠償の請求をするよう求め(以下A事件請求(1)という。),②同号ただし書に基づいて,苗木の植栽のための地拵えに係る請負契約(以下本件請負契約1という。)及び集材路の新設を含む育林事業に係る請負契約(以下本件請負契約2という。)を締結したZに対し各50万円の賠償の命令をするよう求め(以下,これらの各請求のうち,本件請負契約2に係る請求をA事件請求(2),本件請負契約1に係る請求をB事件請求(1)という。),③同号本文に基づいて,本件請負契約1及び2を締結したZを監督すべき義務があったとする当時の北海道日高支庁の長であったY1に対して各50万円の損害賠償の請求をするよう求め(以下,これらの各請求のうち,本件請負契約2に係る請求をA事件請求(3),本件請負契約1に係る請求をB事件請求(2)という。),④同号本文に基づいて,本件売買契約1,本件請負契約1及び2に関して道有林の財産管理義務を怠ったとするZ及びY1に対して連帯して50万円の損害賠償の請求をするよう求めた(以下A事件請求(4)という。)事案である。
差戻し前の第1審は,控訴人らの訴えのうち,Zに対する賠償命令に関する部分(A事件請求(2),B事件請求(1))について出訴期間徒過を理由に不適法であるとして却下し,その余の請求については本件売買契約1,本件請負契約1及び2によって北海道に損害が生じたと認めることはできないとして,いずれも棄却したところ,これを不服とする控訴人らが控訴を提起した(札幌高裁平成23年(行コ)第29号損害賠償請求控訴事件)。差戻し前の控訴審は,(1)原判決のうち,①本件請負契約1に関するY1に対する50万円の支払請求(B事件請求(2)),②本件売買契約1に関するZ及びY1に対する50万円の連帯支払請求(A事件請求(4)の一部)を棄却した部分を取り消し,上記の各棄却部分につき,本件を札幌地方裁判所に差し戻し,(2)本件請負契約1に関するZ及びY1に対する50万円の連帯支払請求(A事件請求(4)の一部)を棄却した部分を取り消し,同部分に係る控訴人らの訴えの追加的変更を許さない旨の宣言をし,(3)その余の請求(A事件請求(1)~(3)の全部,同(4)の残部,B事件請求(1)の全部)については,控訴人らの控訴を棄却する旨の判決(以下差戻し前高裁判決という。)をした。
被控訴人は,差戻し前高裁判決に対して上告受理の申立てをしたが,最高裁判所は,平成26年11月28日,上告を受理しない旨の決定をし,差戻し前高裁判決が確定した。
差戻し後の第1審である原審は,控訴人らの本件請求をいずれも棄却した。これに対し,控訴人らは,原判決を不服として控訴した。ただし,不服の範囲は,本件売買契約1に関するZ及びY1に対する50万円の連帯支払請求(A事件請求(4)の一部)についてのみである。同請求における主たる争点は,後記10伐区の区域を超える伐採が行われたか否か(後記越境1は10伐区に含まれるか)である。
2
関係法令等の要旨,前提事実,争点及び当事者の主張は,以下のとおり補正するほか,原判決書事実及び理由欄の第2事案の概要等の2な

いし5に記載のとおりであるから,これを引用する。
(1)原判決書12頁7行目及び19行目の各(1)本件売買契約1関係をいずれも(本件売買契約1関係)と改める。
(2)原判決書12頁8行目のアを(1)と,9行目のイを(2)と,10行目のウを(3)と,11行目のエを(4)とそれぞ
れ改める。
(3)原判決書12頁12行目から17行目までを削る。
(4)原判決書12頁20行目のアを(1)と,13頁5行目のイを(2)と,14頁2行目のウを(3)と,15頁19行目のエ
を(4)とそれぞれ改める。
(5)原判決書14頁4行目の(ア)をアと,13行目の(イ)をイと,25行目の(ア)をアと,15頁13行目の(イ)を
イとそれぞれ改める。
(6)原判決書15頁22行目の768を798と改める。
(7)原判決書16頁12行目から22頁8行目までを削る。
第3
1
当裁判所の判断
当裁判所も,控訴人らの本件請求(ただし,当審における不服の範囲に係る部分)は理由がないからいずれも棄却すべきであると判断する。その理由は,以下のとおり補正するほか,原判決書事実及び理由欄の第3当裁判所の判断の1に記載のとおりであるから,これを引用する。(1)原判決書22頁11行目のアを削る。
(2)原判決書22頁18行目の南西部分の次に(以下「43小班南西部分という。)」を加える。(3)原判決書23頁13行目のピンク色のの次に番号832,833及び835の各を加える。(4)原判決書23頁14行目の甲81の1,2,の次に甲100,を加える。
(5)原判決書24頁6行目のセンターの前に本件を加える。
(6)原判決書24頁16行目の乙72の20の次に

。以下,乙72の20の図面を「本件足取図

という。」を加える。(7)原判決書24頁17行目の本件基本図の写しにの次に手書きによるものとみられる赤線でを加える。(8)原判決書24頁17行目から18行目にかけての表示したものであり,の次に以下のとおり加える。本件伐区図に赤線で表示された43小班南西部分の範囲は,本件基本図にもともと記載されていた黒線で表示された43小班南西部分と比較すると,主に西側方向に拡張されて(43小班南西部分の西端の線が西側方向に移動して)おり,43小班南西部分の外周の西側部分の一部は,本件基本図にもともと記載されていた黒線で表示された52小班(黒線で囲まれた島状のものが複数存在している。)のうちの2箇所の区画の間の隙間に突起状に食い込むような形状となっている(原判決書別紙3の赤線で表示された部分を参照。以下,この突起状に食い込むような形状となっている部分(突起部分)を「伐区図突起部分という。)。」(9)原判決書24頁18行目の上記足取図を本件足取図と改める。(10)原判決書24頁19行目の経路をの次に手書きによるとみられる曲線でを加える。(11)原判決書24頁19行目の

記載したものである。

を以下のとおり改める。
記載したものであり,経路に沿って立木に貼付されたナンバーテープの色及び番号の位置関係が表記されている。本件足取図によれば,伐区図突起部分の立木には,ピンク色の番号835及びその前後の番号のナンバーテープが貼付されたことが認められる(本件足取図の伐区図突起部分にはピンク色の番号835のナンバーテープを示す記載がされ,この記載を起点として,北方向に向かって番号835より数字の小さい番号の,南東方向に向かって番号835より数字の大きい番号の,いずれもピンク色のナンバーテープが貼付されたことを示す記載がされている。)。(12)原判決書25頁9行目の43小班の南西部分を43小班南西部分と改める。(13)原判決書26頁5行目の末尾を改行して以下のとおり加える。さらに,前記認定事実(エ)a及び(オ)bの各事実からは,控訴人らが平成18年4月29日に行った10伐区における伐木の現地調査の結果越境1において確認されたピンク色の番号832,833及び835の各ナンバーテープは,いずれも伐区図突起部分の立木に貼付されたナンバーテープであると推認することができ,また,越境1の形状及び本件現況図に記載された52小班との位置関係と,伐区図突起部分の形状並びに本件伐区図及び本件足取図に記載された52小班との位置関係を対照すると,越境1と伐区図突起部分とは形状及び52小班との位置関係において酷似しているということができ,これらによれば,越境1と伐区図突起部分(これは本件収穫調査の際に(10伐区の区域と一致する)43小班南西部分の範囲に含まれるものとして本件伐区図及び本件足取図に記載された部分である。)は同一の部分であると認めるのが合理的である。(14)原判決書26頁23行目の43小班の南西部分を43小班南西部分と改める。(15)原判決書28頁4行目の上記各図面の次に以下のとおり加える。のうち,本件伐区図(乙72の19)及び本件足取図(乙72の20)には,上記(ア)にみたとおり,越境1に相当する箇所であると認められる伐区図突起部分が存在しているというべきである(また,甲122の3にも本件伐区図及び本件足取図と同様に越境1に相当する箇所が存在していると認めることができる。)。そして,上記各図面のうち,本件伐区図,本件足取図及び甲122の3以外の各図面(甲65,117,118)(16)原判決書28頁5行目の認められ,の次にその形状からしてもを加える。
(17)原判決書29頁3行目の末尾を改行して以下のとおり加える。

2以上の次第であって,控訴人らの本件請求(ただし,当審における不服の範囲に係る部分)は理由がない。


2
控訴理由について
(1)控訴人らは,本件伐区図(乙72の19)及び本件足取図(乙72の20)には,10伐区の境界に越境1に相当する部分は存在しておらず,したがって,越境1の部分の立木には伐採を予定することを示すナンバーテープも貼られていないことなどからすると,越境1が10伐区に含まれているとはいえないとして,越境1は10伐区に含まれることを理由に本件越境伐採が行われたことを認めなかった原判決は誤りであると主張する。しかしながら,上記1において原判決を補正して説示したとおり,本件伐区図及び本件足取図には,越境1に相当する部分である伐区図突起部分が存在し,当該部分の立木には伐採を予定することを示すナンバーテープ(ピンク色の番号832,833及び835)が貼付されていたことが認められるから,控訴人らの上記主張は論拠を欠くもので採用できない。(2)控訴人らは,他にも種々主張するが,いずれも上記1の結論を左右するものではない。
3
よって,原判決は相当であり,本件各控訴は理由がないからいずれも棄却することとし,主文のとおり判決する。
札幌高等裁判所第2民事部

裁判長裁判官

草野真人
裁判官

下澤良太
裁判官

石田明彦
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