判例検索β > 平成30年(行ケ)第10082号
審決取消請求事件 特許権 行政訴訟
事件番号平成30(行ケ)10082
事件名審決取消請求事件
裁判年月日平成31年4月25日
法廷名知的財産高等裁判所
裁判日:西暦2019-04-25
情報公開日2019-05-21 16:00:53
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平成31年4月25日判決言渡
平成30年(行ケ)第10082号
口頭弁論終結日

審決取消請求事件

平成31年2月26日
判原決告
スリーエム

イノベイティブ

ティズ

カンパニー

訴訟代理人弁理士

赤澤太朗同吉野亮平同野村和同佃
プロパ

被歌誠特
指定代理人

一同氏原康宏同河本充雄同阿曾裕樹ノ庁玄告主許子長瀬官覚文1
原告の請求を棄却する。

2
訴訟費用は原告の負担とする。

3
この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。
事実及び理由

第1請求
特許庁が不服2016-15088号事件について平成30年1月30日にした審決を取り消す。
第2事案の概要
1
特許庁における手続の経緯等
(1)

原告は,発明の名称を車両のドアフレームに細長いストリップを貼付する方法とする発明について,2011年(平成23年)8月26日(優先日2010年(平成22年)9月3日,優先権主張国欧州特許庁)を国際出願日とする特許出願(特願2013-527137号。請求項の数15。以下本願という。)をした。原告は,
平成26年8月22日付けで特許請求の範囲について手続補正
(甲
6)をした後,平成27年7月16日付けの拒絶理由通知(甲7)を受け,さらに,平成28年5月31日付けで拒絶査定(甲8)を受けた。
(2)

原告は,平成28年10月6日,拒絶査定不服審判(不服2016-15
088号事件)
を請求するとともに,
同日付けで,
特許請求の範囲について手
続補正(甲10)をした。
原告は,
平成29年4月5日付けの拒絶理由通知
(甲12)
を受けたため,
同年10月2日付けで特許請求の範囲及び本願の願書に添付した明細書について手続補正(以下本件補正といい,本件補正後の明細書を,図面を含めて本願明細書という。甲14)をした。
その後,特許庁は,平成30年1月30日,

本件審判の請求は,成り立たない。

との審決(以下本件審決という。)をし,その謄本は,同年2月13日,原告に送達された。
(3)

原告は,平成30年6月12日,本件審決の取消しを求める本件訴訟を提
起した。
2
特許請求の範囲の記載
本件補正後の特許請求の範囲の請求項1の記載は,
以下のとおりである
(以下,

請求項1に係る発明を本願発明という。甲14)。
【請求項1】
細長いストリップを車両のボディのドアフレームに取り付ける方法であって,前記方法は,
(i)駆動手段,
(ii)ピンローラ,
(iii)
前記駆動手段と前記ピンローラとの間に位置付けられ,
かつ1つ以
上のセンサユニットを備える応力制御ユニット,及び
(iv)前記駆動手段を制御するための制御ユニット,
を備える装置を用いて細長いストリップの貼付を含み,
前記細長いストリップ
の貼付は,
前記駆動手段によって前記細長いストリップを前進させる工程と,前
記ピンローラを用いて前記ドアフレームに前記細長いストリップを位置決めし,押圧し,
及び/又は回転させる工程と,
前記応力制御ユニット及び前記駆動手段
を制御するための前記制御ユニットを用いて前記細長いストリップの応力を制御する工程と,を含み,それにより,前記応力制御ユニットの前記1つ以上のセンサユニットは,前記細長いストリップの応力を測定し,前記制御ユニットは,前記応力制御ユニットの前記1つ以上のセンサによる前記細長いストリップの応力の測定に基づいて,
前記細長いストリップの応力を所望の応力範囲内に維持
するために,前記駆動手段を制御し,
前記細長いストリップが,
ゴムガスケットと,
第1及び第2の主面を有するフ
ォーム層及び該フォーム層の前記第1の主面に関連付けられた感圧性接着剤層を含む接着テープと,を含み,前記感圧性接着剤が架橋ゴムを含み,前記フォーム層が,
アルキル基中に平均で3~14個の炭素原子を有する1つ以上のアルキルアクリレートのアクリルポリマーを含み,
前記フォーム層の密度が少なくとも
540kg/m³であり,前記ゴムガスケットが,前記フォーム層の前記第2の主面に関連付けられた追加の接着剤層を介して前記接着テープに取り付けられている,方法。
3
本件審決の理由の要旨
(1)

本件審決の理由は,別紙審決書(写し)のとおりである。
その要旨は,本願発明は,本願の優先日前に頒布された刊行物である特表
2010-504263号公報(以下引用文献1という。甲1)に記載された発明(以下引用発明という。),特表2010-512428号公報(以下引用文献2という。甲2)に記載された技術的事項(ないし周知技術)
及び技術常識に基づいて,
当業者が,
容易に発明をすることができたもの
であるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないというものである。
(2)

本件審決が認定した引用発明,本願発明と引用発明との一致点及び相違点,
引用文献2に記載された技術的事項(以下引用文献2技術という。)は,次のとおりである。

引用発明
細長いストリップ(1)を車体(3)のドア開口部(2)に貼付する方法であって,駆動手段(5)によって細長いストリップ(1)を前進させることと,ピンローラ(9)によって前記細長いストリップ(1)を基部上で,位置決め,押圧および回転の少なくとも1つを行うことと,応力制御ユニット
(8)
によって前記細長いストリップ(1)の応力を制御することと,
前記駆動手段(5)とピンローラ(9)との間の領域に位置決めされた少なくとも1つのセンサユニット
(17)
によって前記細長いストリップ
(1)
の前記応力レベルを測定することと,前記センサユニット(17)によって測定された前記細長いストリップ(1)の前記応力レベルに基づいて,制御ユニット(21)により前記駆動手段(5)を制御し,
前記細長いストリップ
(1)
が,
感圧接着剤層を備えるウェザーストリッ
プである方法。


本願発明と引用発明との一致点及び相違点
(一致点)
細長いストリップを車両のボディのドアフレームに取り付ける方法であって,前記方法は(i)駆動手段,(ii)貼付ヘッド,(iii)前記駆動手段と前記貼付ヘッドとの間に位置付けられ,かつ1つ以上のセンサユニットを備える応力制御ユニット,及び(iv)前記駆動手段を制御するための制御ユニット,を備える装置を用いて細長いストリップの貼付を含み,前記細長いストリップの貼付は,前記駆動手段によって前記細長いストリップを前進させる工程と,前記貼付ヘッドを用いて前記ドアフレームに前記細長いストリップを位置決めし,押圧し,及び/又は回転させる工程と,前記応力制御ユニット及び前記駆動手段を制御するための前記制御ユニットを用いて前記細長いストリップの応力を制御する工程と,を含み,それにより,前記応力制御ユニットの前記1つ以上のセンサユニットは,前記細長いストリップの応力を測定し,前記制御ユニットは,前記応力制御ユニットの前記1つ以上のセンサによる前記細長いストリップの応力の測定に基づいて,前記細長いストリップの応力を所望の応力範囲内に維持するために,前記駆動手段を制御する,方法。である点。(相違点)
細長いストリップに関し,本願発明が,
ゴムガスケットと,第1及び第2の主面を有するフォーム層及び該フォーム層の前記第1の主面に関連付けられた感圧性接着剤層を含む接着テープと,を含み,前記感圧性接着剤が架橋ゴムを含み,前記フォーム層が,アルキル基中に平均で3~14個の炭素原子を有する1つ以上のアルキルアクリレートのアクリルポリマーを含み,前記フォーム層の密度が少なくとも540kg/m3であり,前記ゴムガスケットが,前記フォーム層の前記第2の主面に関連付けられた追加の接着剤層を介して前記接着テープに取り付けられているものであるのに対し,
引用発明は,
感圧接着剤層を備えるウェザーストリップ
であって,ウェザーストリップ自体の材質及び感圧接着剤層の詳細な構成の特定がない点。

引用文献2技術
第1主表面(31)及び第2主表面(32)を有する発泡体裏材(30)及び該発泡体裏材(30)の前記第1主表面(31)に接着された感圧性の第1スキン接着剤からなる第1接着層
(20)
と,
前記第1スキン接着剤が
架橋されており,前記発泡体裏材(30)は,AP-3を90.22重量部%,AP-2を6.6重量部%含み,発泡体密度は0.54g/cm³の組成物FC-1,AP-3を86.33重量部%,AP-2を9.59重量部%含み,発泡体密度は0.54g/cm³の組成物FC-2で,前記発泡体裏材(30)の前記第2主表面(32)に接着された感圧性の第2スキン接着剤からなる第2接着層(40)を有するテープ(10)。

4
取消事由
本願発明の進歩性の判断の誤り

第3当事者の主張
1
原告の主張
(1)

本願発明が解決しようとする新規の課題の看過
引用文献1には,自動化された手段において,貼付されるウェザーストリ
ップの応力を貼付前に調整することにより,ドア本体と車両本体のドアフレームの双方にウェザーストリップを適用する際に用いられる方法が記載されている(【0001】,【0013】,【0016】等)。
これに対し本願発明は,
本願明細書に
こうした貼付は,車両のボディのドアフレームにシールを貼付するために用いられる場合には,しばらくしてやはり接着テープの剥離を引き起こす可能性があることが見出されている。特に,ドアフレームの湾曲が強い領域,例えば,ドアフレームの隅部では,接着テープに導入されるひずみに起因して,テープが取り付けられる表面と平行な面内で剥離が起こることが見出された(【0005】)との記載があるよ
うに,ウェザーストリップを含む細長いストリップを車両本体のドアフレームに貼付する場合に,貼付前の応力を調整するだけでは十分に剥離を防止できない場合があり,
研究を重ねた結果,
車両本体のドアフレームに特有な課題
があることを見出したものである。
しかるところ,引用文献1及び2には,本願発明が解決しようとする上記課題について記載も示唆もない。
そして,本件審決は,このような本願発明が解決しようとする新規な課題を看過したまま,
本願発明は,
引用文献1及び2に基づいて,
当業者が容易に
発明をすることができたとの誤った判断をしたものであるから,取り消されるべきである。
(2)

相違点の容易想到性の判断の誤り


本件審決は,
相違点に関し,
引用文献2の
【0094】テープの(10)

自動車塗料への接着を試験した
ものであるとの記載は,
引用発明に本
件審決認定の引用文献2技術を適用する動機付けになり得る旨認定した。
(ア)

しかしながら,
引用文献2は,
自動車関連分野に属するものではない

から,【0094】の前記記載が直ちに引用文献2技術を引用発明に適用する動機付けになるものではない。また,引用文献2には,自動車塗料のような低表面エネルギーを有する材料に対して一定以上の接着力を有する接着剤の記載はあるものの(【0026】,【0068】,【00
94】,
【0095】等),引用文献2記載の接着剤及び当該接着剤を用
いたテープが自動車に適したものであることについての記載はなく,ましてや自動車の特定の部品であるウェザーストリップを貼付するために適したものであることについての記載はない。
さらに,
引用文献1は,
課題解決手段として,
貼付前のウェザーストリ
ップの応力調整を行うことを提示しているに過ぎず,ウェザーストリップの材料の選択によっても,課題を解決できることについての示唆はない。加えて,前記(1)のとおり,引用文献1には,本願発明が解決しようとする車両本体のドアフレームの特有な課題についての記載も示唆もない。
(イ)

仮に引用文献1に接した当業者がウェザーストリップの材料を選択
することで車両本体のドアフレームにウェザーストリップを貼付する際の特有の課題を解決する着想を得たとしても,引用文献2には,その課題解決手段の記載はない。
すなわち,引用文献2記載の接着剤及びテープは,接着対象である物と新規な接着剤との接着性を得ることを目的としているに過ぎず,接着剤に適用したテープに特に応力をかけることなく貼付することを前提としている。引用文献2の【0094】記載の試験は,被接着物の平坦面に対してテープに応力をかけることなく,直線状に貼り付けた際の分離負荷値,引き剥がし値及び総エネルギー量を算出するための試験であり,ウェザーストリップを車体本体のドアフレームに貼付する際に,ウェザーストリップを貼付面に対して平行な面内で変形させたときにまで有効であることを示唆するものではない。
そして,仮に自動車分野の当業者が接着剤及びテープの技術に精通しているとすれば,
接着剤の被接着物に対する粘着力の強さ
(分離負荷値,
引き剥がし値等)と,テープを湾曲して張り付けた際の剥離強度とが必ずしも一致しないことも理解しているはずであるから,引用文献2において,自動車塗料に対して所定の分離負荷値,引き剥がし値等が得られたことを示すテープが,直ちに湾曲して貼り付けられるウェザーストリップに適しているとは理解できるはずはない。
(ウ)

そうすると,引用文献1及び2に接した当業者が,貼付時の応力の
調整によって剥離を防止しようとする引用発明を出発点として,貼付時の応力の調整以外の手段によってウェザーストリップの剥離を防止できる着想を得る動機付けは存在しないから,引用発明に引用文献2技術を適用する動機付けは存在しない。
したがって,引用発明に引用文献2技術を適用する動機付けがあるとの本件審決の認定は誤りである。
(3)

小括
以上のとおり,引用発明に引用文献2技術を適用する動機付けは存在しな
いから,
本願発明は,
引用文献1及び2に基づいて,
当業者が容易に発明をす
ることができたものとはいえない。
したがって,これと異なる本件審決の判断は誤りである。
2
被告の主張
(1)

本願発明が解決しようとする新規の課題の看過の主張に対し
まず,
本願発明の課題が新規であることのみをもって,
本願発明の特許法
29条2項該当性が否定され,本願発明の進歩性が肯定されるものではない。


次に,
車両のドア枠には,
湾曲が強い領域が含まれていることは自明であ
るから,引用文献1の【0001】の好ましい実施形態によれば,ストリップは,本体または開口部を画成する構造体(例えば,自動車,航空機,または船舶の本体などの車体の,車両のドアまたはドア枠)の基部または周辺端部へ貼付けるための,接着テープが貼付されたストリップ,例えば接着テープが貼付されたウェザーストリップシールなどである。との記載は,湾曲が強い領域へのウェザーストリップの接着も当然に想定しているものといえる。
また,
接着テープが,
貼り付けた対象物から剥がれると,
その機能を発揮
できないから,
良好な接着性を考慮して接着テープを選定すべきこと
(要す
るに,
できるだけ剥離が起きないように接着すること)
は技術常識である。
さらに,引用文献1の【0013】の記載は,車体のドア開口部に沿って貼付されたウェザーストリップの隅部,
すなわち,
ドア開口部の湾曲の強い
領域に貼付された部分において,基部からの緩みをもたらし得ることを開示し,
車体のドア開口部
(車両本体のフレーム)
の湾曲の強い領域に係る課
題を開示するものといえる。
また,
ドア開口部の湾曲の強い領域にはウェザ
ーストリップを曲げて貼り付けるから,構造上ウェザーストリップにひずみが発生すること,
ひずみが発生したのであれば,
剥離のおそれがあること
は,当業者であれば理解できることである。
したがって,
引用発明においても,
ウェザーストリップの剥離防止
(特に
ドア開口部の湾曲の強い領域に貼付された部分)
のため,
より万全を期した
方が望ましいことは自明なことである。
そうすると,
原告主張の本願発明の課題は,
引用文献1から自明な課題で
あって,
本件審決中に直接的な記載がなくても,
本件審決がこれを認識した
上で,判断していることは明らかである。
(2)

相違点の容易想到性の判断の誤りの主張に対し
引用文献1は,接着テープが貼付されたウェザーストリップのような細長いストリップを,車両のドア枠のような開口部を画成する構造体へ貼付けるための技術に関する文献である(【0001】)。他方,引用文献2は,接着剤ないし接着テープの貼付けの対象物として自動車塗料により塗装されたものを含む感圧性の接着剤及びそれを用いた接着テープの技術分野の文献である(【0001】,【0003】,【0026】,【0094】)。
そうすると,ウェザーストリップの技術分野の当業者であれば,引用文献1に接し得るのは勿論のこと,ウェザーストリップの車体に対する接着力の向上を図ろうとする上で,自動車塗料への貼付に有用な接着テープの技術分野の文献を調査することはごく自然なことであるから,引用文献2にも接し得るといえる。
しかるところ,ウェザーストリップが貼付されるのは車体の塗装面であることは技術常識であるから(例えば,乙1ないし3),引用発明において,細長いストリップ(1)(ウェザーストリップ)が車体(3)のドア開口部(2)に貼付される箇所も塗装面であることは自明である。一方,引用文献2の【0094】の記載によれば,引用文献2には,引用文献2技術の感圧性の第1,第2接着層を有するテープ(10)
(両面
に感圧性接着剤を有するテープ)塗装された車体に貼付するものであるが,
ことの示唆がある。
また,引用文献2には感圧性の第1,第2接着層を有するテープ
(両
面に感圧性接着剤を有するテープ)をウェザーストリップの貼付けに適用することの明示がないとしても,塗装された車体に貼付する部材としてウェザーストリップは代表的なものであるから(乙1の232頁末行~233頁1行)自動車塗料に対して接着力に優れるテープである引用文献2技,
術を,
ウェザーストリップに対して適用を試みることは,
当業者の通常の創
作能力の発揮にすぎない。
そして,ウェザーストリップの応力制御を行って緩みの防止を図っている引用発明においても,
ウェザーストリップの剥離防止
(特にドア開口部の
湾曲の強い領域に貼付された部分)
のため,
より万全を期した方が望ましい
ことは自明であるから,
その解決手段として,
当業者が引用発明の
ウェザーストリップの感圧接着剤層として,自動車塗料に対して接着力に優れるテープである引用文献2技術の
感圧性の第1,第2接着層を有するテープ
(両面に感圧性接着剤を有するテープ)
を採用する動機付けは充分に
あるといえる。
加えて,引用文献2技術の第1スキン接着剤は実質的に架橋ゴムを含むといえることからすると,引用文献1及び2に接した当業者であれば,
引用発明において,
引用文献2技術を採用することにより,
相違点に係
る本願発明の構成とすることを容易になし得たことである。
したがって,本件審決における相違点の容易想到性の判断に誤りはない。イ
原告は,引用文献2には,引用文献2記載の接着剤及び当該接着剤を用いたテープが自動車に適したものであることについての記載はなく,ましてや自動車の特定の部品であるウェザーストリップを貼付するために適したものであることについての記載はないこと,引用文献2記載の接着剤及びテープは,接着剤に適用したテープに特に応力をかけることなく貼付することを前提として,接着対象である物と新規な接着剤との接着性を得ることを目的としているに過ぎないこと,引用文献2記載の自動車塗料に対して所定の分離負荷値,引き剥がし値等が得られたことを示すテープが,直ちに湾曲して貼り付けられるウェザーストリップに適しているとは理解できるはずはないことなどからすると,引用発明に引用文献2技術を適用する動機付けはない旨主張する。
しかしながら,引用発明のウェザーストリップの感圧接着剤層と
して引用文献2技術の感圧性の第1,第2接着層を有するテープ
(両面
に感圧性接着剤を有するテープ)を採用する動機付けが充分にあることは,前記アのとおりである。
また,
引用文献2の
【0094】
記載の試験において算出される分離負荷
値,平均連続引き剥がし値及び総エネルギーは,いずれも基本的な剥離強度をみるための数値であるところ,基本的な剥離強度が優れたものであるなら,湾曲させて接着した箇所においても剥離防止の向上が期待できることは充分想定し得るから,当業者であれば,引用文献2記載のテープが湾曲した箇所にも適していると理解し得る。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
(3)

小括
以上によれば,
本願発明は,
引用文献1及び2に基づいて,
当業者が容易に

発明をすることができたものであるから,これと同旨の本件審決の判断に誤りはない。
第4当裁判所の判断
1
相違点の容易想到性の判断の誤りの有無について

(1)

本願明細書の記載事項について


本願明細書(甲4,14)の発明の詳細な説明には,次のような記載が
ある(下記記載中に引用する図1及び2については別紙1を参照)。(ア)

【技術分野】

【0001】
本開示は,車両本体のドアフレームへの細長いストリップの貼付に関する。特に,本開示は,接着テープを有する細長いストリップの貼付に関する。
【背景技術】
【0002】
接着剤物品又は接着テープは,2つの基材を一緒に接着して接着複合体を形成するために一般に利用される。特定の接着テープは,フォーム層を有する接着テープである。
かかるテープ又は接着テープは,
例えば,
車両産業で使用され,
その場合,
乗用車又はその他の自動のボディに様々
な構成部品を接着するために該テープを使用することができる。典型的には,エンブレム,プラスチック成形品,並びにゴムガスケットなどの部品をドアに接着するために使用される。…
【0003】
広範な接着剤及びテープが利用可能であるが,基材及び最終用途要件の向上は新規接着剤の配合及びテープの構造に対する必要性を推進し続けている。例えば,接着テープが接着されることになる車両部品上の塗装及びコーティングの発展は,特に対処が厄介であることがわかっている。同様に,燃料消費を節約するために,例えば,車の重量を更に低減するという継続的な傾向が,
輸送部門,
特に車両産業において存在する。
この傾向は,以前は使用されなかった場所での接着テープの使用及び貼付,又は接着テープが受ける可能性がある,例えば,応力ひずみ対してより要求水準が高い新たな構造のテープの貼付という結果につながる。特定の例として,ゴムシール及びガスケットは,多くの場合,クリップなどの機械的手段によって車両のボディのドアフレームの周囲に貼付され,これにより車に重量が加算される。機械的連結を接着剤溶液と置き換えることは難しいことがわかっている。性能特性に加えて,環境制御及び加工費もまた,製品の配合要件に影響を与える。
【0004】
更に,乗用車及びバスなどの車両の組み立ては高度に自動化されており,ロボットの使用を含む場合が多い。したがって,車両のドア又はドアフレームに細長いストリップを貼付するために,欧州特許第1
2
90

813号に開示されているような貼付方法が提案されている。この
欧州特許出願に開示されている装置及び方法は,貼付の際の応力を測定しかつ制御することにより接着テープに導入される応力を軽減するので,接着テープを使用してドアの周囲にゴムガスケットを貼付する場合に優れた結果をもたらすことがわかっている。特に,この方法は,ひずみを接着テープに,テープの接着面に対して垂直な方向に導入するのを防止する。
【0005】
こうした貼付は,車両のボディのドアフレームにシールを貼付するために用いられる場合には,しばらくしてやはり接着テープの剥離を引き起こす可能性があることが見出されている。特に,ドアフレームの湾曲が強い領域,例えば,ドアフレームの隅部では,接着テープに導入されるひずみに起因して,テープが取り付けられる表面と平行な面内で剥離が起こることが見出された。
(イ)

【発明が解決しようとする課題】

【0007】
したがって,車両のボディのドアフレームに対する接着テープの確実かつ良好な貼付をもたらす方法,特に,湾曲が強い領域における剥離の問題を解決する方法を見出すことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示は,細長いストリップを車両のボディのドアフレームに取り付ける方法を提供し,該方法は,
i.駆動手段,
ii.貼付ヘッド,
iii.駆動手段と貼付ヘッドとの間に位置付けられ,かつ1つ以上のセンサユニットを備える応力制御ユニット,及び
iv.駆動手段を制御するための制御ユニット,
を備える装置を用いて細長いストリップの貼付を含み,細長いストリップの貼付は,
駆動手段によって細長いストリップを前進させる工程と,
貼付ヘッドを用いてドアフレームに細長いストリップを位置決めし,押圧し,及び/又は回転させる工程と,応力制御ユニット及び駆動手段を制御するための制御ユニットを用いて細長いストリップの応力を制御する工程と,を含み,それにより,応力制御ユニットの1つ以上のセンサユニットは,細長いストリップの応力を測定し,制御ユニットは,応力制御ユニットの1つ以上のセンサによる細長いストリップの応力の測定に基づいて,細長いストリップの応力を所望の応力範囲内に維持するために,駆動手段を制御し,
細長いストリップが,第1及び第2の主面を有するフォーム層と,フォーム層の両主面の一方に関連付けられた感圧性接着剤層と,を含む接着テープを含み,感圧性接着剤が架橋ゴムを含み,フォーム層が,アルキル基中に平均で3~14個の炭素原子を有する1つ以上のアルキルアクリレートのアクリルポリマーを含み,フォーム層の密度が少なくとも540kg/m³である。
【0010】
本開示による方法は,車両本体のドアフレームに接着テープを取り付ける際に,良好な結果を提供することが見出されている。特に,接着テープは,フレームの隅部といった湾曲が強い領域にも良好に接着する。更に,前記方法を用いて,様々な設計の様々な異なるゴムガスケットを取り付けることができると同時に,確実な取り付けを可能にする。(ウ)

【0051】
用語感圧性接着剤は,本質的に粘着性であるか,又は粘着付与樹

脂を添加して粘着付与されているかのいずれかである材料(例えば,エラストマー)を示すために用いられる。本開示による感圧性接着剤は,感圧性接着剤を識別するための既知の方法のいずれかによって識別され得る感圧性接着剤を含み,特に,以下の方法の1つ以上によって識別され得る感圧性接着剤を含む。…
【0084】
更に,感圧性接着剤層の架橋ゴムは,次式の直鎖ブロックコポリマーの架橋によって得てもよい。
R-(G)m
(式中,Rはゴム状ブロックを表し,Gはガラス状ブロックを表し,ガラス状ブロックの数であるmは1又は2である。)いくつかの実施形態では,mは1であり,直鎖ブロックコポリマーは1個のゴム状ブロックと1個のガラス状ブロックを含むジブロックコポリマーである。いくつかの実施形態では,mは2であり,直鎖ブロックコポリマーは,2個のガラス状末端ブロックと1個のゴム状中央ブロックを含む,即ち,直鎖ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。
【0105】
フォーム層上に感圧性接着剤層を提供するための感圧性接着剤組成物は,
当該技術分野において既知の方法を用いて作製され得る。
例えば,

圧性接着剤組成物は,
ブロックコポリマー,
好適な粘着付与剤,
任意の可
塑剤,及び,アクリル系感圧接着剤組成物を含む任意のその他の添加剤類を好適な溶媒に溶解し,従来の手段(例えば,ナイフコーティング,ロールコーティング,
グラビアコーティング,
ロッドコーティング,
カーテ
ンコーティング,
スプレーコーティング,
エアナイフコーティング)
を用
いて,剥離ライナに,又はフォーム層に直接コーティングすることによって作製され得る。いくつかの実施形態では,感圧性接着剤層の感圧性接着剤組成物は,
実質的に無溶媒プロセス
(即ち,
接着剤が約20重量%
以下,
いくつかの実施形態では,
約10重量%以下,
いくつかの実施形態
では,
約5重量%以下,
いくつかの実施形態では,
1重量%以下の溶媒し
か含有しない,
又は微量の溶媒さえ含まない
(即ち,
本質的に溶媒を含ま
ない))で調製される。このような実質的に無溶媒プロセスは既知であり,
例えば,
カレンダー工法又はロールミル法により配合する工程と,

出す工程(例えば,単軸押出し機,2軸押出し機,ディスク押出し機,往復単軸押出し機,
ピンバレル単軸押出し機
(pinbarrelsinglescrew)
等)
とを含む。BRABENDER又はBANBURY密閉式ミキサーのような市販の設備もまた,接着剤組成物をバッチ混合するために利用可能である。
配合後,
接着剤をコーティングし,
ダイを通して接着剤層のよう
な所望の形態にすることができる,又は後で成形するために集めてもよい。
特定の実施形態では,
感圧性接着剤組成物は,
フォーム層に押出され
てもよく,又は剥離ライナに押出され,その後フォーム層に積層されてもよい。更なる実施形態において,フォーム層及び感圧性接着剤層は共押出しされてもよい。フォーム層が架橋アクリルポリマーを含まず,したがってフォーム層の組成物を押出すことができる場合に,そうした共押出しが可能である。
(エ)

【発明を実施するための形態】

【0115】
図1は,接着テープを備える細長いストリップ1を車体3のアパーチャ又は開口部2へ貼付するための装置(又は手順)を示す。図示のように,エンドレスの細長いストリップ又はシール1が供給ロール4から提供される。ストリップはロール4から剥離され,駆動手段29によって前進させられる。装置は,更に又は代替的に,細長いストリップを滑るすることなく更に前進させるために,対向するベルト駆動5を備える。以下説明するように,駆動手段5は一般にピンローラ9に近接して配置される。典型的には,駆動手段5とピンローラ9との間の距離は,約100~300mmの範囲,例えば約150~250mmの範囲,又は約170~220mmの範囲である。典型的には,この距離は,駆動手段5の端部とピンローラ9の中心点又は軸との間を測定したものである。一般に,この距離は,ピンローラ9と駆動手段5との間の,細長いストリップが駆動手段5及びピンローラ9に接触しない細長いストリップの自由長に対応する。駆動手段5によってもたらされる細長いストリップの前進方向から見ると,細長いストリップ1の接着テープの感圧性接着剤層を覆うライナ6は,駆動手段5の後側で除去される。ライナ6は,制御された方法で個々の手段31によって除去されかつ処分される。ライナ6を除去し処分する個々の手段31は任意であり,細長いストリップがライナを有するかどうかに依存してそれらは設けられる。
【0116】
センサ測定の特定の位置により,細長いストリップ1の前進方向から見た場合に細長いストリップが駆動手段5に達する前に有している初期応力による影響を受けずに,細長いストリップの応力を確実に制御することが可能となる。ライナ6を備える細長いストリップ1をこの装置で使用する場合,細長いストリップ1の応力の測定は,ストリップ1の進行方向又は前進方向から見た場合にライナ6の除去後に都合良く行われ得る。
【0117】
装置は,貼付前に,定められた経路に沿って細長いストリップを案内するために使用される案内ユニット7を更に備えてもよい。装置は,直接又は貼付直前に,制御され再現性のある方法で細長いストリップの応力を制御するための応力制御ユニット8を更に備える。
【0118】
装置は,制御された方法で,基材,ここでは車体のフランジ10に細長いストリップを位置決めし,押圧し,及び/又は回転させるための,ピンローラ9,好ましくは被駆動ピンローラ9を更に備える。
(オ)

【0122】
図2は,装置及びプロセスの概略図を示す。したがって,細長いスト
リップ1は,駆動手段5によって前進又は駆動される。図2に示すように,駆動手段5は,ベルト駆動5’及び5”で構成される。駆動手段5はまた,当該技術分野において既知の別の駆動手段,例えば駆動ローラなどで構成されてもよい。しかしながら,ベルト駆動手段,特に,対向するベルト駆動手段が好ましく,その理由は,かかる駆動手段は,細長いストリップ1の特に制御された,正確でスリップのない駆動を可能にするためである。
【0123】
図2はまた,制御された方法で,基材13に細長いストリップ1を,位置決めし,押圧し,及び/又は回転させるための,ピンローラ9を示す。ピンローラ9のトルクは調整可能であり,ピンローラ9は,好ましくはモータM
ータM

15によって駆動される。特定の実施形態によると,モ

15を使用して,ピンローラ9の回転モーメントとしてのトル

クを制御する。モータM

15を設けることによって,規定の応力レベ

ル,例えば,規定のひずみ又は伸張で細長いストリップを基材に貼付することが可能となる。本発明の方法によると,細長いストリップの伸張量は,
0~3%,
例えば0~2.5%,若しくは0~2%,又は0~1.
8%である。一般に,伸張量は0.1%~2%である。しかしながら,モータM

15を設けることは1つの特定の実施形態であり,ピンロー

ラ9は,
モータM

15が設けられていなくても動作することができる。

この場合,細長いストリップは応力のない状態で基材に貼付される。【0124】
図2はまた,細長いストリップが応力下,特に,引張応力にあるかどうかを制御するための応力制御ユニット8を装置が備えているのを示している。応力制御ユニット8は,駆動手段5とピンローラ9との間の領域にある細長いストリップの応力を検出するために配置されかつ検出に適したセンサユニット17を備えている。一般的に,センサユニット17は,オドメータ,又はストリップの応力の状態に起因するストリップの変位を検出及び/又は測定する変位変換器である。ある実施形態によれば,センサユニット17は,図3を参照して以下により詳細に説明するように,フォーク状レバー機構である。
【0125】
センサユニット17は,細長いストリップ1の応力の状態を検出し,細長いストリップ1の応力を示す対応の信号を生成し,かつこの信号を応力制御ユニット8の制御ユニット21に提供する。応力制御ユニットは,評価又は制御手段21を更に含んでもよく,該手段は,センサ手段17によって提供されたセンサ信号に基づいて,駆動手段5に対する入力信号を生成する。駆動手段5の速度及び/又はモーメントを,センサ手段ユニット17から受信した入力信号に従って変化させる。それにより,矢印Aで示される細長いストリップ1の供給方向から見た駆動手段の後側でかつピンローラの前側での細長いストリップ1の応力,したがって,基材への貼付時における応力を調整することができる。
(カ)

【実施例】

【0136】
以下の実施例において本発明を更に例示するが,本発明をそれら実施例に制限することを意図するものではない。特に断らない限り部分は全て重量である。
【0137】
試験方法
以下の実施形態に記載の通りに得たゴムシールを,
図1に記載の装置
を使用して,塗装された金属片の半径55mmの曲線に沿って,かつ110°の放射状の長さに沿って貼付した。金属片上の塗装は,PPGから市販のCeramiClear

5ペイントであった。ゴムシールの

伸張量は,以下の表5に示されるように様々であった。湾曲領域内のゴムシールの剥離を,テープ取り付け面に対して垂直な方向への接着フォームテープの伸張量によって評価した。この評価は,用意したサンプルを取り付けて,温度及び湿度の周囲条件下で24時間維持した後に行われ,その後72時間後に再び行われ,続いてこのサンプルを人工気象室に入れて次のサイクルを7回循環させた:-40℃,相対湿度0%で4時間;90℃,相対湿度0%で4時間;38℃,相対湿度98%で16時間(表5ではこれをサイクル試験と呼ぶ)。
【0138】
使用材料
表1:材料の一覧

【0139】
(実施例1)
第1の薄接着剤層SA-1(60g/m2)をアクリルフォームコアAF-1の表面上に貼付した後,この表面薄層を通して電子ビーム照射した。押出成形機を介してアクリルフォームコア上に直接ホットメルトコーティングすることにより,及びコーティングステーションとしての回転ロッドダイにより,表面薄層SA-1をフォームコアAF-1上に適用した。第2の薄接着剤SA-2(=E2-フィルム)を,上述の構造体のアクリルフォームコアAF-1の反対側に積層した。SA-2は,室温で非粘着性の加熱活性化接着剤層であった。
【0140】
このように得た接着テープを,以下の通りに加熱及び加圧して,SA-2側をゴムに接してゴムシールに積層した。
テープ温度(E2フィルム)=160℃
ゴム表面温度=180℃
【0141】
使用したゴムシールは,GTG
fgang

Bartelt

Gummitechnik

GmbH



Wol

Co.KG(Germa

ny)から部品番号G1236で市販されているゴムシールであった。【0142】
表面薄層SA-1は以下の組成の感圧性接着剤層であった。
表2-第1の薄接着剤組成物(SA-1)

(キ)

【0147】

(実施例2)
上記の組成を有する第1の薄接着剤層SA-1
(厚さ90μm)中間

層としてのフォームコア層FC-1,
及び第2の薄接着剤層SA-3
(厚
さ75μm)を共押出した後電子ビーム照射硬化して,3層接着テープを得た。電子ビーム硬化は3層接着テープの両側で行われ,SA-1薄接着剤を有する側の加速電圧は240keV,線量は9MRadであった。
反対側にも同じ線量を用いたが,
加速電圧は255keVであった。
【0148】
次に,実施例1のSA-2と同じ組成の加熱活性化接着剤層を薄接着剤層SA-3に積層した。
【0149】
このように得た接着テープを,以下の通りに加熱及び加圧して,SA-2側をゴムに接してゴムシールに積層した。
テープ温度(E2フィルム)=160℃
ゴム表面温度=180℃
【0150】
使用したゴムシールは実施例1と同じであった。
【0151】
SA-3接着剤層は,12.70重量%の多モードで非対称な星型ブロックコポリマー(PASBC),53.10%(重量で)のAP-I,23.30%の粘着付与樹脂(ESCOREZ

1310LC),3.8

0重量%の粘着付与樹脂(SUPERESTER
0重量%の可塑剤(SANTICIZER
の酸化防止剤(IRGANOX
吸収剤(TINUVIN

Wl

15,6.2

141),0.26重量%

1010),0.25重量%の紫外線

328),及び0.38重量%のCMB

4
900を含んでいた。
【0152】
フォームコアFC-1は次の組成を有した。
表3:フォームコア組成物FC-1及び特性
【表3】

【0153】
表3のアクリルポリマー2(AP-2)は,85部の2-EHA,15部のAA,0.15部のIRGACURE(商標)651,及び0.8部のIOTGを重合することにより得た。同様に,アクリルポリマー3(AP-3)は,90部の2-EHA,10部のAA,0.15部のIRGACURE(商標)651,及び0.03部のIOTGを重合することにより得た。
(ク)

【0154】
実施例1及び2のそれぞれを前述の通りに試験した。得られた結果は次の通りであった。
表4:試験結果

【0155】
(1)曲線の半径に沿った剥離は認められない
(2)わずかな領域の部分的剥離が認められる

前記アの記載事項を総合すると,本願明細書の発明の詳細な説明には,
本願発明に関し,次のような開示があることが認められる。
(ア)

接着テープを有する細長いストリップを車両本体のドアフレームに
貼付する方法として,従来,貼付の際の応力を測定しかつ制御することにより接着テープに導入される応力を軽減する貼付方法が提案されており,この方法は,接着テープを使用してドアの周囲にゴムガスケットを貼付する場合に優れた結果をもたらし,特に,ひずみを接着テープの接着面に対して垂直な方向に導入するのを防止した(【0001】,【00
04】)。
しかし,こうした従来の貼付方法を車両ボディのドアフレームにシールを貼付するために用いた場合,しばらくして接着テープの剥離を引き起こす可能性があることが見出され,特に,ドアフレームの湾曲が強い領域,
例えば,
ドアフレームの隅部では,
接着テープに導入されるひずみ
に起因して,テープが取り付けられる表面と平行な面内で剥離が起こることが見出された(【0005】)。
したがって,車両ボディのドアフレームに対する接着テープの確実かつ良好な貼付をもたらす方法,特に,車両ボディのドアフレームの湾曲が強い領域における剥離の問題を解決する方法を見出すことが望ましい(【0007】)。
(イ)本開示は,前記課題を解決するため,細長いストリップを車両ボディのドアフレームに取り付ける方法として,
駆動手段,
貼付ヘッド,

力制御ユニット及び駆動手段を制御するための制御ユニットを備える装置を用いて,細長いストリップを駆動手段によって前進させる工程と,貼付ヘッドを用いてドアフレームに細長いストリップを位置決めし,押圧し,及び/又は回転させる工程と,応力制御ユニット及び駆動手段を制御するための制御ユニットを用いて細長いストリップの応力を制御する工程とを含み,それによって,応力制御ユニットのセンサユニットにより細長いストリップの応力を測定し,制御ユニットは,その測定に基づいて,細長いストリップの応力を所望の応力範囲内にするために,駆動手段を制御し,細長いストリップは,第1及び第2の主面を有するフォーム層と,フォーム層の両主面の一方に関連付けられた感圧性接着剤層と,
を含む接着テープを含み,
感圧性接着剤が架橋ゴムを含み,
フォー
ム層が,アルキル基中に平均で3~14個の炭素原子を有する1つ以上のアルキルアクリレートのアクリルポリマーを含み,フォーム層の密度が少なくとも540kg/m³であるとの構成を採用した【0008】。(

本開示
による方法の接着テープは,フレームの隅部といった湾曲が
強い領域にも良好に接着し,本開示による方法は,車体本体のドアフレームに接着テープを取り付ける際に,
良好な結果を提供することが見出
されている(【0010】)。
(2)

引用文献1の記載事項について


引用文献1には,次のような記載がある(下記記載中に引用する図1及び図2については別紙2を参照)。(ア)

【請求項1】
細長いストリップを基部に貼付するための装置であって,
前記細長いストリップを前進させるための駆動手段(5)と,
前記細長いストリップを基部上で,位置決め,押圧および回転の少なくとも1つを行うための貼付ユニット(9)と,
前記細長いストリップの応力を制御するための応力制御ユニット(8)であって,前記駆動手段(5)と貼付ユニット(9)との間の領域において,前記細長いストリップ(1)の応力レベルを測定するための少なくとも1つのセンサユニット
(1719)

を含む応力制御ユニット
(8)
と,
前記センサユニット(8)によって測定された前記細長いストリップの応力の状態に基づいて前記駆動手段(5)を制御するための制御ユニット(21)と,
を備える装置。
【請求項12】
ストリップを基部に貼付する方法であって,駆動手段(5)によって細長いストリップを前進させることと,貼付ユニット(9)によって前記細長いストリップを基部上で,位置決め,押圧および回転の少なくとも1つを行うことと,応力制御ユニット(8)によって前記細長いストリップの応力を制御することと,前記駆動手段と貼付ユニットとの間の領域に位置決めされたセンサユニットによって前記細長いストリップの前記応力レベルを測定することと,前記センサユニットによって測定された前記細長いストリップの前記応力レベルに基づいて前記駆動手段(5)を制御することと,を含む,方法。
(イ)

【技術分野】

【0001】
本発明は,ストリップ材料を基部へ貼付けるための方法および装置に関する。詳細には,本発明は,基部への弾性材料の細長いストリップの自動貼付に関する。本発明はさらに,ウェザーストリップシールなどのシールストリップを基部へ貼付けるための装置および方法に関する。好ましい実施形態によれば,ストリップは,本体または開口部を画成する構造体(例えば,自動車,航空機,または船舶の本体などの車体の,車両のドアまたはドア枠)の基部または周辺端部へ貼付けるための,接着テープが貼付されたストリップ,例えば接着テープが貼付されたウェザーストリップシールなどである。
【背景技術】
【0002】
具体的には,そのような装置により,有限のまたは連続的な長さのストリップ,
例えばテープが貼付されたウェザーストリップシールなどを,
圧着装置のアプリケータヘッドまたはエンドエフェクタによって前進させることが可能となり,かつそのようなプロセスはそのようにすることを含む。
【0003】
接着面を備えるストリップを,基部へ貼付けるための方法および装置は,
当該技術分野で周知である。
例えば,
ゴムまたは他の弾性異形材が,
例えば自動車および冷蔵庫のドアに使用される防水および/または気密シール作製用として知られている。そのような弾性異形材は,一般に閉じたループ形式で,またはばらばらの長さで,または連続ロールで設けられ,少なくとも1つの熱成形またはモールド成形された角部を有することが多い。一般的に,弾性異形材やウェザーストリップなどの各ストリップは,各種の特定用途またはシールされる特定の基部専用に設計され,製造される。
【0004】
一般に,ウェザーストリップは,機械的な連動技術を使用して,シールされるドア開口部などの開口部へ取り付けられ,そこで,異形材が,ドア開口部またはドア自体にあるフランジまたはチャネルに係合する。その代わりに,弾性異形材を,ピンなどの他の機械的な手段を使用して取り付けてもよい。弾性異形材を所定の位置に接着剤で接着してもよいし,または感圧接着テープを使用してドア開口部へ取り付けることもできる。
【0005】
自動車のドアまたはトランクの開口部のシールに使用されるゴムまたは他の弾性異形材を付着するために特に好適なテープは,3M社(3MCompany)(3M

Deutschland

GmbH,独国ノ

イス
(Neuss,Germany))から入手可能である。例として,一方の側に弾性異形材に接合するための加熱活性化接着剤,および他方の側に,テープされた弾性異形材をドア開口部に付着するための粘着性感圧接着剤を備える二機能性の接着テープ,またはそれぞれの側に感圧接着剤を含むテープが挙げられる。選択される特定のテープは,弾性異形材が接合される基部に依存する。
(ウ)

【発明が解決しようとする課題】

【0010】
従来技術で公知の方法および装置は,それらが静的システム(固定されたストリップまたはシールに対して基部を動かす)動的システム,
(基
部に対してシールストリップおよび圧着装置を動かす),またはハイブリッドシステムのいずれであるかに関わらず,これまで改良されてきてはいるものの,不都合である。具体的には,基部に貼付されたストリップがしわになることが多いこと,および/またはストリップが,貼付された基部から時間が経つにつれて緩むことが観察された。所望の使用によっては,そのようなしわまたは緩みはストリップの使用性を大きく損なう。
【0011】
ストリップ材料を基部に貼付するための,別の好ましくは改良された方法,および別の好ましくは改良された装置を提供することが望ましいであろう。特に,信頼性の高い,単純で効果的な,かつ公知の方法または装置の欠点を克服し得る別の方法および別の装置を提供することが望ましい。
(エ)

【課題を解決するための手段】

【0012】
貼付前のストリップの応力レベルが,貼付されたストリップの品質に非常に影響を及ぼすことが判明した。例えば,貼付前のストリップが圧縮応力の影響を受けると,ストリップ表面にしわができ,それにより品質を低下させる。その上,このことによりストリップが基部から緩んでしまうことが多い。貼付前のストリップが引張応力の影響を受けると,ストリップの基部からの緩みをもたらし得る。
【0013】
従って,引張応力および圧縮応力の双方とも,特に幾何学的形状の基部に貼付される細長いストリップ,例えば,車体のドア開口部に沿って設けられたウェザーストリップの隅部においては,細長いストリップの基部からの緩みをもたらし得る。
【0014】
それゆえ,本発明によれば,基部に貼付されるストリップの応力レベルを,貼付前に制御する。
【0016】
従って,本発明は,例えば弾性材料のストリップ,一般に細長いストリップを基部へ貼付するための装置に関する。一般的に,細長いストリップは,一般にライナと称される除去可能な保護カバーシートを有する接着剤層をさらに含み,保護カバーシートは,一般に基部へのストリップの最終貼付のために感圧接着剤層の表面を保護する働きをする。細長いストリップを,駆動手段によって前進または駆動させる。これらの駆動手段は,例えば,細長いストリップを,反対に作用する案内レールに対して押圧する前進ローラであってもよい。一実施形態では,駆動手段は少なくとも1つの,好ましくは2つのベルト駆動手段である。一層好ましくは,そのようなベルト駆動手段を,互いに対向させて配置し,それにより,細長いストリップの対向面を接触させる。好ましくは,駆動手段を独立して駆動させる。一層好ましくは,駆動手段は,細長いストリップを貼付位置に前進させる働きをするだけでなく,例えば,伸縮力により細長いストリップに蓄積された応力に影響を与える働きもする。【0018】
ピンローラは,従動回転または自由回転してもよい。特定の実施形態によれば,ピンローラのトルクは調整可能である。さらに,ピンローラを,一般的に,例えば,モータなどによって駆動する。具体的には,実施形態によれば,
ピンローラは,
規定の引張応力,
規定の圧縮強度または応
力がないなど規定の応力レベルを細長いストリップに生じさせることが可能である。
【0022】
例えば,
駆動手段とピンローラとの間において,
細長いストリップは,
例えばわずかに湾曲した経路に沿って延びる。ここで,細長いストリップが引張応力下にあると,曲率半径は増大し,細長いストリップはより直線的な経路に延びる。反対に,細長いストリップが圧縮応力下にあると,
曲率半径は減少する。
従って,
引張応力または圧縮応力を細長いスト
リップへかけることによって,反対方向へのストリップの変位をもたらすことは明白である。そのような変位ならびにそれぞれの変位方向を応力制御ユニットのセンサユニットによって検出する。次に,以下説明するように,駆動手段および/またはピンローラを各々,検出された応力状況に基づいて制御してもよい。
(オ)

【発明を実施するための形態】

【0033】
図1に,本発明の特定の実施形態による,弾性材料の細長いストリップを基部へ貼付するための装置を示す。本願の導入部分で既に説明したように,本発明による装置および方法は,一般に,ウェザーストリップなどのシールストリップを例えば車体に貼付するために使用されるが,それに限定されるわけではない。それゆえ,細長いストリップは,ライナで覆われた接着剤を備えて,細長いストリップを基部へ簡単に固定するようにしてもよい。しかしながら,当業者に認知されるように,そのような接着剤を必ずしも細長いストリップにもたらす必要はなく,細長いストリップの貼付前に基部にもたらしてもよい。例えばクリップなどの機械的な締結手段もまた,基部へのシールストリップの貼付に使用してもよい。
【0034】
それゆえ,図1に,接着剤層を備える細長いストリップ1を車体3のアパーチャまたは開口部2へ貼付するための装置
(または手順)
を示す。
図示のように,エンドレスの細長いストリップまたはシール1が供給ロール4からもたらされる。ストリップはロール4から剥離され,駆動手段29によって前進させられる。それに加えてまたはその代わりに,装置は,細長いストリップをスリップすることなくさらに前進させるために,対向するベルト駆動手段5を備える。以下説明するように,駆動手段5を一般的にピンローラ9付近に配置する。一般に,駆動手段5とピンローラ9との間の距離は,約100~300mmの範囲,例えば約150~250mmの範囲または約170~220mmの範囲である。一般に,この距離は,駆動手段5の端部とピンローラ9の中心点または軸との間を測定したものである。一般的に,この距離は,ピンローラ9と駆動手段5との間の,細長いストリップが駆動手段5およびピンローラ9に接触しない細長いストリップの自由長に対応する。駆動手段5によってもたらされる細長いストリップの前進方向から見ると,細長いストリップ1の接着剤層を覆うライナ6を駆動手段5の後側で除去する。ライナ6を制御された方法で個々の手段31によって除去し処分する。ライナ6を除去し処分する個々の手段31は任意選択であり,細長いストリップがライナを有するかどうかにより,それらは設けられる。
【0035】
センサ測定の特定の位置により,細長いストリップ1の前進方向から見た場合に細長いストリップが駆動手段5に達する前に有している初期応力による影響を受けずに,細長いストリップの応力を信頼性高く制御することができる。
【0038】
装置はさらに,直接または貼付直前に,制御され再現性のある方法で細長いストリップの応力を制御するための応力制御ユニット8を含む。【0039】
装置は,制御された方法で細長いストリップを基部,ここでは車体のフランジ10上に位置決めし,押圧しおよび/またはそこで回転させるためのピンローラ9,好ましくは従動ピンローラ9をさらに含む。(カ)

【0043】
図2に,
本発明による装置およびプロセスの概略図を示す。
それゆえ,

細長いストリップ1は,駆動手段5によって前進させられるかまたは駆動される。図2に示すように,駆動手段5は,ベルト駆動手段5’および5’’で構成される。本発明によれば,駆動手段5は,当該技術分野において公知の別の駆動手段,
例えば駆動ローラなどで構成されてもよい。
しかしながら,ベルト駆動手段,とりわけ,対向するベルト駆動手段が好ましい。なぜなら,そのような駆動手段は,細長いストリップ1の特に制御された,正確でスリップのない駆動を可能にするためである。【0044】
さらに,図2に,細長いストリップ1を,制御された方法で基部13に位置決めし,押圧しおよび/またはそこで回転させるピンローラ9を示す。ピンローラ9のトルクは調整可能であり,ピンローラ9は好ましくはモータM15によって駆動される。特定の実施形態によれば,モータM15を使用して,ピンローラ9の回転モーメントとしてのトルクを制御する。モータM15を設けることによって,規定の応力レベル,例えば,規定の歪みまたは伸張において細長いストリップを基部へ貼付することが可能となる。しかしながら,モータM15を設けることは一つの特定の実施形態であり,ピンローラ9は,モータM15が設けられていなくても動作してよい。この場合,細長いストリップを,応力のない状態において基部に貼付する。
【0045】
図2から分かるように,本発明による装置は,細長いストリップが応力下,特に,引張応力または圧縮応力下にあるかどうかに応じて制御するための応力制御ユニット8を含む。応力制御ユニット8は,駆動手段5とピンローラ9との間の領域にある細長いストリップの応力を検出するために配置されかつそれに好適なセンサユニット17を含む。一般的に,センサユニット17は,オドメータ,またはストリップの応力の状態に起因するストリップの変位を検出および/または測定する変位変換器である。実施形態によれば,センサユニット17は,図3を参照して以下詳細に説明するようにフォーク状レバー機構である。
【0046】
センサユニット17は,細長いストリップ1の応力の状態を検出し,細長いストリップ1の応力を示す個々の信号を生成し,かつこの信号を応力制御ユニット8の制御ユニット21に提供する。応力制御ユニットは,評価・制御手段21をさらに含んでもよく,それは,センサ手段17によってもたらされたセンサ信号に基づいて,駆動手段5への入力信号を生成する。駆動手段5の速度および/またはモーメントを,応力制御ユニット17から受信した入力信号に従って変化させる。
それにより,
矢印Aで示す細長いストリップ1の供給方向から見た駆動手段の後側かつピンローラの前側での細長いストリップ1の応力,従って,基部への貼付時における応力を調整できる。
【0047】
一実施形態では,ピンローラ9は被駆動ピンローラである。この特定の実施形態を,図2にシステムBとして示す。ここでは,ピンローラ9はモータM15によって駆動される。被駆動ピンローラ9は,モータM15を設けることにより調整可能なトルクを有する。ピンローラ9が被駆動ピンローラである場合,応力制御ユニット8は,ピンローラ9の角度位置などの情報を検出するための第2のセンサユニット19をさらに含んでもよい。
個々の信号はまた,
応力制御ユニット8にもたらされる。
応力制御ユニット8は,センサユニット17および19によってもたらされた信号に基づいて駆動手段5および/またはピンローラ9/モータM15に出力命令を提供する。
(キ)

【0058】
本発明による装置および方法によって,一般的に,基部への貼付直前
に細長いストリップの応力を連続的で迅速に反応制御することが可能となる。

前記アの記載事項を総合すると,引用文献1には,①接着テープが貼付
されたウェザーストリップシールなどのストリップを車両のドア開口部などの基部へ貼付するための従来の方法及び装置においては,基部に貼付されたストリップのしわ又は緩みはストリップの使用性を大きく損なうものであるところ,貼付前のストリップの応力レベルが,貼付されたストリップの品質に非常に影響を及ぼすこと,例えば,貼付前のストリップが圧縮応力の影響を受けると,ストリップ表面にしわができ,ストリップが基部から緩んでしまうことが多く,貼付前のストリップが引張応力の影響を受けると,ストリップの基部からの緩みをもたらし得ることが判明したこと(【0001】,【0010】,【0012】,【0013】),②このように基部に貼付前のストリップの引張応力及び圧縮応力が基部に貼付されたストリップにしわ又は緩みをもたらし,
ストリップの品質を損なうため,
基部に貼付されるストリップの応力レベルを貼付前に制御する引用発明の構成を採用し,これにより,一般的に,基部への貼付直前に細長いストリップの応力を連続的で迅速に反応制御することが可能となること(【0058】)の開示があることが認められる。
(3)

引用文献2の記載事項について
引用文献2には,次のような記載がある(下記記載中に引用する図1に
ついては別紙3を参照)。

【請求項1】
感圧性接着剤であって,
(a)式R-(G)m(式中,mは1又は2である)の直鎖ブロックコポリマーと,
(b)式Qn-Y(式中,
(i)Qは多腕ブロックコポリマーの腕を表し,各腕は独立して式G-Rを有し,
(ii)nは腕の数を表し,少なくとも3の整数であり,
(iii)Yは多官能性カップリング剤の残基である)の多腕ブロックコポリマーと,
(式中,
各Rは重合共役ジエン,
重合共役ジエンの水素添加誘導体,
又は
これらの組み合わせを含むゴム状ブロックであり,各Gは重合モノビニル芳香族モノマーを含むガラス状ブロックである)
(c)少なくとも60℃のTgを有する第1高Tg粘着付与剤であって,主にゴム状ブロックに適合する第1高Tg粘着付与剤と,
(d)少なくとも60℃のTgを有する第2高Tg粘着付与剤であって,主にガラス状ブロックに適合する第2高Tg粘着付与剤と,
(e)
低Tg粘着付与剤,
可塑剤,
及びこれらの組み合わせからなる群か
ら選択される成分の少なくとも1種と,を含む,感圧性接着剤。

【技術分野】
【0001】
本開示は,
ブロックコポリマー系接着剤に関する。
具体的には,
ブロック
コポリマーのブレンドと,2種又はそれ以上の高ガラス転移温度の粘着付与剤とを含む感圧性接着剤である。
【背景技術】
【0002】
接着剤及びテープは,
一般的に,
2個の基材を共に貼り合わせ,
接着複合
体を形成するのに用いられる。広範な接着剤及びテープが利用可能であるが,基材及び最終用途要件の向上は新規接着剤の配合及びテープの構造に対する必要性を推進し続けている。性能特性に加えて,環境制御及び加工費もまた,製品の配合要件に影響を与える。例えば,幾つかの用途では,溶媒型接着剤よりむしろホットメルト接着剤を使用することが望ましい場合がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
幾つかの取り組みが,接着剤の配合に使用するための新規物質の特定及び開発を目的としているが,
既存の原材料の適切な特性を特定し,
選択し,
組み合わせることにより,更に大きく進歩させ,有用な接着剤及びテープに到達することができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
簡潔に言えば,
1つの態様では,
本開示は,
直鎖ブロックコポリマー及び
多腕ブロックコポリマー(multi-armblockcopolymer)を含む感圧性接着剤を提供する。
直鎖ブロックコポリマーは,
ゴム状ブロックR,
及び少なく
とも1個のガラス状ブロックGを含む。多腕ブロックコポリマーは,式Qn-Yのものであり,
式中,
Qは多腕ブロックコポリマーの腕を表し,
nは
腕の数を表し,少なくとも3の整数であり,Yは多官能性カップリング剤の残基である。
各腕Qは,
独立して式G-Rを有し,
式中Gはガラス状ブロ
ック,Rはゴム状ブロックである。
【0005】
本開示のこの態様による感圧性接着剤はまた,第1高Tg粘着付与剤,第2高Tg粘着付与剤及び追加成分も含む。第1高Tg粘着付与剤は,少なくとも60℃のTgを有し,主にゴム状ブロックに適合する。第2高Tg粘着付与剤もまた少なくとも60℃のTgを有するが,主にガラス状ブロックに適合する。追加成分は,低Tg粘着付与剤,可塑剤,又はこれらの組み合わせから選択することができる。

【発明を実施するための形態】
【0026】
1つの態様では,本開示は,直鎖ブロックコポリマーと多腕ブロックコポリマーの両方を含む感圧性接着剤を提供する。感圧性接着剤はまた,2種の高ガラス転移温度粘着付与剤も含む。
ある実施形態では,
接着剤は,

表面エネルギー基材に接着するのに有用である場合がある。
【0027】
直鎖ブロックコポリマーは,式
R-(G)m
(式中,Rはゴム状ブロックを表し,Gはガラス状ブロックを表し,ガラス状ブロックの数であるmは1又は2である)により記述することができる。
ある実施形態では,
mは1であり,
直鎖ブロックコポリマーは1個のゴ
ム状ブロックと1個のガラス状ブロックを含むジブロックコポリマーである。ある実施形態では,mは2であり,直鎖ブロックコポリマーは,2個のガラス状末端ブロックと1個のゴム状中央ブロックを含む,即ち,直鎖ブロックコポリマーはトリブロックコポリマーである。

【0063】
図1を参照すると,本開示のある実施形態による代表的なテープ10は,裏材(又は芯)30及び2つの接着層を含む。第1接着層20は,裏材30の第1主表面31に接着し,一方第2接着層40は裏材30の第2主表面32に接着している。図1に示すように,第1接着層20及び第2接着層40は両方,
裏材30の主表面に直接接着している。
ある実施形態では,

方又は両方の接着層を,裏材30に間接的に接着することができる。例えば,ある実施形態では,1層又はそれ以上の追加層(例えば,下塗,接着促進層,フィルム,ウェブ,スクリム等)を,裏材と接着層との間に挿入することができる。
【0066】
ある実施形態では,接着界面は,裏材の第1主表面に接着している第1スキン接着剤と,裏材の第2主表面に接着している第2スキン接着剤とを有する裏材を含む。スキン接着剤の少なくとも1つは,本明細書で記載するような,
直鎖ブロックコポリマーと,
多腕ブロックコポリマーと,
少なく
とも2種の高Tg粘着付与剤とを含む感圧性接着剤を含む。ある実施形態では,第1スキン接着剤と第2スキン接着剤は両方,本明細書で記載するような,
直鎖ブロックコポリマーと,
多腕ブロックコポリマーと,
少なくと
も2種の高Tg粘着付与剤とを含む。
【0067】
ある実施形態では,第1基材は,金属,ガラス,セラミック,又はポリマー材料,
及びこれらの組み合わせを含む。
ある実施形態では,
第1基材は,
下塗りされた表面,
塗面又はポリマー表面を備える。
ある実施形態では,

面は,自動車塗料又はクリアコートを含んでよい。
【0068】
ある実施形態では,第1主基材の第1主表面は,低表面エネルギー表面である。
本明細書で使用するとき,
低表面エネルギー表面とは,
測定された
表面エネルギーが約35ダイン/cmを下回る表面を意味する。表面の表面エネルギーは,ASTM規格D2578に従って試験することができる。好適な試験キットとしては,
例えば,
ダイバーシファイド・エンタープライ
ズ(DiversifiedEnterprises)(ニューハンプシャー州クレアモント(Claremont))から入手可能な,ACCU-DYNE表面湿潤性キット(ACCU-DYNEsurfacewetabilitykit)が挙げられる。【0069】
ある実施形態では,第2基材は,金属,ガラス,セラミック,又はポリマー材料,
及びこれらの組み合わせを含む。
ある実施形態では,
第2基材は,
下塗りされた表面,
塗面,
又はポリマー表面を備える。
ある実施形態では,
塗面は,
自動車塗料又はクリアコートを含んでよい。
ある実施形態では,

2基材の第1主表面は,低表面エネルギー表面である。
【0078】
ある実施形態では,第1及び/又は第2接着剤を硬化してもよい。例えば熱硬化及び放射線硬化等の,任意の既知の硬化プロセスを用いることができる。
ある実施形態では,
接着剤の一方又は両方を,
例えば電子ビーム照
射又は紫外線等の化学線への曝露を介して架橋してもよい。

【0081】
アクリルポリマーの調製
45部のIOA,45部のBA,10部のAA,0.15部のイルガキュア651,
及び0.
06部のIOTGを混合することにより,
アクリルポリ
マー(AP-1)を調製した。包装フィルム(CTフィルム(テキサス州ダラス
(Dallas)
からVA-24フィルムとして販売されている厚さ0.
06
35mmのエチレンビニルアセテートコポリマーフィルム)から目立たない(Discreet)フィルム包装を形成した。AP-1組成物を,約10センチメートル
(cm)
×5cm×厚さ0.
5cmと測定されたフィルム包装内に
密封した。約21℃と約32℃の間に維持された水浴中に浸漬している間,包装を,約3.5ミリワット/平方センチメートル(mW/sq

cm)の

強度及びNIST単位で測定したとき約1680ミリジュール/平方センチメートル(mJ/sq

cm)の総エネルギーを有する紫外線(UV)に

曝露した。包装の形成及び硬化方法は,米国特許第5,804,610号の実施例1に記載されており,その全文を参照することにより組み込むこととする。
【0082】
85部の2-EHA,
15部のAA,
0.
15部のイルガキュア651及
び0.8部のIOTGを用いたことを除き,AP-1の手順に従ってアクリルポリマー2(AP-2)を調製した。同様に,95部の2-EHA,5部のAA,0.15部のイルガキュア651,及び0.03部のIOTGを用いたことを除き,アクリルポリマー1の手順に従ってアクリルポリマー3(AP-3)を調製した。AP-2及びAP-3の組成物を,AP-1の手順に従って,包装内に入れ,紫外線エネルギーに曝露した。
【0083】
第1スキン接着剤
表2に示す組成物による感圧性接着剤を,60mmの共回転2軸押出成形機
(バーストルフ
(Berstorff)
から入手可能)
(第1接着剤押出成形機)
を用いて配合した。…
【0086】
第2スキン接着剤
12.70%の多モードで非対称な星型ブロックコポリマー(PASBC),53.10(重量)%のAP-1,23.30%の粘着付与樹脂(エスコレス1310LC),3.80%の粘着付与樹脂(スーパースターW115),6.20%の可塑剤(サンチサイザー141),0.26%の酸化防止剤(イルガノックス1010),及び0.25%の紫外線吸収剤(チヌビン328)という組成であることを除き,第1スキン接着剤で記載したのと同じ方式で,感圧性接着剤を60mmの共回転2軸押出機(バーストルフ(Berstorff)から入手可能)(第2接着剤押出成形機)内で配合した。
【0087】
両面発泡体テープ試料
表4(判決注:表3の誤記と認める。)に示す組成を有する発泡体裏材(FC1~FC2)を,以下の手順に従って配合した。…
【0088】
【表3】

【0089】
3層の共押出テープ試料を,第1スキン接着層,中間層としての発泡体裏材層,及び第2スキン接着層を共押出成形することにより調製した。【0092】
発泡体裏材及び両方の接着スキンを,ライナ上に支持されている間,電子ビーム硬化を用いてウェブ上で架橋した。

【0094】
フォードモーター社(FordMotorCo.)の仕様書WSB-M3G138-Bに記載の方法,分離及び連続引き剥がし接着力(BreakawayandContinuousPeelAdhesion)(BACP)に従って,硬化した接着テープの,
低表面エネルギーの自動車塗料への接着を試験した。
引張試験は,
分離
負荷値,平均連続引き剥がし値及び総エネルギーを算出するようプログラムされたテストワークス4ソフトウェア(TestWorks4software)を備えるMTSモデル1122引張試験機(MTSシステムズ社(MTSSystemsCorp.)(ミネソタ州イーデンプレーリー(EdenPrairie))を用いて実施した。
【0095】
試験用表面は,ベース電着,着色されたベースコート,及び低表面エネルギーのカルバメート架橋無着色アクリル系クリアコートを含む自動車塗料系で塗装された鋼製パネルであった。実験用テープを,試験用クリアコートに貼着した。
試験表面1の表面エネルギー
(Accu-ダイン溶液)

33ダイン/cm,試験表面2の表面エネルギーは32ダイン/cmであると測定された。
【0096】
試験用テープを試験用表面に貼った後,
試験前に試料を調湿した。
まず,
試料を3日間室温で調湿した。
次に,
試料を38℃,
相対湿度100%で6
日間調湿した。各テープにつき4つの試料を試験し,平均結果を表5に報告する。
(4)

相違点の容易想到性について
前記(2)イのとおり,引用文献1には,基部に貼付前のストリップの引張応力及び圧縮応力が基部に貼付されたストリップにしわ又は緩みをもたらし,ストリップの品質を損なうため,基部に貼付されるストリップの応力レベルを貼付前に制御する引用発明の構成を採用したことの開示がある。引用文献1には,ストリップは,本体または開口部を画成する構造体(例えば,自動車,航空機,または船舶の本体などの車体の,車両のドアまたはドア枠)の基部または周辺端部へ貼付けるための,接着テープが貼付されたストリップ,例えば接着テープが貼付されたウェザーストリップシールなどであること(【0001】),一般的に,弾性異形材やウェザーストリップなどの各ストリップは,各種の特定用途またはシールされる特定の基部専用に設計され,製造されゴムまたは他の弾性異形材,
は,
一般に閉じたループ形式で,またはばらばらの長さで,または連続ロールで設けられ,少なくとも1つの熱成形またはモールド成形された角部を有することが多いこと(【0003】)の記載がある。また,引用文献1には,
引張応力および圧縮応力の双方とも,特に幾何学的形状の基部に貼付される細長いストリップ,例えば,車体のドア開口部に沿って設けられたウェザーストリップの隅部においては,細長いストリップの基部からの緩みをもたらし得る。(【0013】)との記載があり,上記記載には,車体のドア開口部に沿って設けられたウェザーストリップの隅部において,細長いストリップの基部からの緩みをもたらし得るとの課題が示されている。そして,自動車の車体のドア開口部の隅部が湾曲した領域を有すること,湾曲した領域に貼付したテープは,平坦面に貼付したテープに比べて剥離しやすいことは技術常識である。
しかるところ,引用文献1には,引用発明の細長いストリップである感圧接着剤層を備えるウェザーストリップ
における
感圧接着剤層

関し,自動車のドアまたはトランクの開口部のシールに使用されるゴムまたは他の弾性異形材を付着するために特に好適なテープの例として,一方の側に弾性異形材に接合するための加熱活性化接着剤,および他方の側に,テープされた弾性異形材をドア開口部に付着するための粘着性感圧接着剤を備える二機能性の接着テープ,またはそれぞれの側に感圧接着剤を含むテープが挙げられる。(【0005】)との記載があるが,感圧接着剤層の具体的な構成についての記載はない。イ
他方で,
引用文献2には,
①接着剤及びテープは,
2個の基材を共に貼り
合わせ,接着複合体を形成するのに用いられること(【0002】),②引用文献2記載の感圧性接着剤は,低表面エネルギー基材に接着するのに有用である場合があること(【0026】),③自動車塗料を含む塗面は,低表面エネルギー表面であること(【0068】,【0069】),④分離及び連続引き剥がし接着力(BreakawayandContinuousPeelAdhesion)(BACP)に従って,硬化した接着テープの,低表面エネルギーの自動車塗料への接着を試験し,引張試験は,分離負荷値,平均連続引き剥がし値及び総エネルギーを算出するようプログラムされたソフトウェアを備えるMTSモデル1122引張試験機を用いて実施したこと(【0094】)の記載がある。上記記載は,引用文献2記載の感圧性接着剤は,自動車塗料で塗装された車体の塗装面に基材を貼り合わせるのに有用であることを示唆するものといえる。
しかるところ,ウェザーストリップが貼付される車両本体のドアフレームの開口部が自動車塗料で塗装された塗装面であることは,技術常識である
(例えば,
乙2
(特開平7-97562号公報)【0035】乙3


(特
開2009-286882号公報)の【0097】及び【0101】)。そうすると,引用文献1及び2に接した当業者においては,貼付されるストリップの応力レベルを貼付前に制御する引用発明を使用して,車体のドア開口部に沿ってウェザーストリップを貼付する際に,湾曲した領域を有する隅部においてウェザーストリップが剥離することを防止するため,引用発明の感圧接着剤層を備えるウェザーストリップの感圧接着剤層として,自動車塗料で塗装された車体の塗装面に基材を貼り合わせるのに有用である引用文献2技術(感圧性の第1スキン接着剤からなる第1接着層と感圧性の第2スキン接着剤からなる第2接着層を有するテープ)を採用する動機付けがあるものと認められる。
また,
引用文献2技術の構成に照らすと,
引用文献2技術の
第1スキン接着剤は実質的に架橋ゴムを含むものと認められる。
以上によれば,引用文献1及び2に接した当業者においては,引用発明において,引用文献2技術を適用して,相違点に係る本願発明の構成とすることを容易に想到することができたものと認められる。
(5)

原告の主張について


原告は,ウェザーストリップを含む細長いストリップを車両本体のドア
フレームに貼付する場合に,貼付前の応力を調整するだけでは十分に剥離を防止できない場合があり,研究を重ねた結果,車両本体のドアフレームに特有な課題(本願明細書の【0005】)があることを見出して,本願発明に至ったこと,引用文献1及び2には,本願発明が解決しようとする上記課題について記載も示唆もないことからすると,本願発明は,引用文献1及び2に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものではない旨主張する。
しかしながら,原告が指摘する車両本体のドアフレームに特有な課題とは,
ドアフレームの湾曲が強い領域,例えば,ドアフレームの隅部では,接着テープに導入されるひずみに起因して,テープが取り付けられる表面と平行な面内で剥離が起こること(本願明細書の【0005】)をいうも
のであるところ,前記(4)ア認定のとおり,引用文献1においても,車体のドア開口部に沿って設けられたウェザーストリップの隅部において,細長いストリップの基部からの緩みをもたらし得るとの課題があることが示されていること,車体のドア開口部の隅部のような湾曲した領域に貼付したテープは,平坦面に貼付したテープに比べて剥離しやすいことは技術常識であることからすると,当業者は,ドアフレームの隅部の湾曲が強い領域においては接着テープが剥離しやすいことを容易に認識することができたものと認められる。
したがって,原告が指摘する車両本体のドアフレームに特有な課題は,引用文献1から自明な課題であるといえるから,原告の上記主張は採用することができない。

原告は,
①引用文献1は,
課題解決手段として,
貼付前のウェザーストリ
ップの応力調整を行うことを提示しているに過ぎず,ウェザーストリップの材料の選択によっても,
課題を解決できることについての示唆はないし,
また,本願発明が解決しようとする車両本体のドアフレームの特有な課題についての記載も示唆もない,②引用文献2には,引用文献2記載の接着剤及びテープが,ウェザーストリップを貼付するために適したものであることについての記載はないし,また,引用文献2記載の自動車塗料に対して所定の分離負荷値,引き剥がし値等が得られたことを示すテープが,直ちに湾曲して貼り付けられるウェザーストリップに適しているとは理解できるはずはないなどとして,引用発明に引用文献2技術を適用する動機付けはない旨主張する。
しかしながら,上記①の点については,引用文献1には,引用発明の細長いストリップである
感圧接着剤層を備えるウェザーストリップ
にお
ける
感圧接着剤層
の具体的な構成に関する記載はないが,
前記ア認定の
とおり,
原告が指摘する車両本体のドアフレームに特有な課題は,
引用文献
1から自明な課題である。
次に,
上記②の点については,
前記(4)イ認定のとおり,
引用文献2には,
引用文献2記載の感圧性接着剤は,自動車塗料で塗装された車体の塗装面に基材を貼り合わせるのに有用であることの示唆があり,
また,
ウェザース
トリップが貼付される車両本体のドアフレームの開口部が自動車塗料で塗装された塗装面であることは,技術常識である。
そして,
引用発明に引用文献2技術を適用する動機付けがあることは,

記(4)イ認定のとおりである。
したがって,原告の上記主張は理由がない。
(6)

小括
以上によれば,本願発明は,引用文献1及び2に基づいて,当業者が容易
に発明をすることができたものと認められる。
したがって,これと同旨の本件審決の判断に誤りはない。
2
結論
以上によれば,
原告主張の取消事由は理由がなく,
本件審決にこれを取り消す

べき違法は認められない。
したがって,原告の請求は棄却されるべきものである。

知的財産高等裁判所第4部

裁判長裁判官

大鷹一郎
裁判官

古河謙一
裁判官

関根澄子
(別紙1)
【図1】

【図2】

(別紙2)
【図1】

【図2】

(別紙3)

【図1】

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